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2016/11/03

【歌舞伎】四世芝翫型の「熊谷陣屋」が珍しかったです。2016年10月歌舞伎座夜の部

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 橋之助が、息子三人と同時に襲名披露する10月の歌舞伎座は、第二部のみ観劇。まるで書道のように、墨で勢いよく一筆で龍が描かれた祝い幕が、なかなか見事でした。公式サイトはこちらです。

 襲名を前にして何かと週刊誌の話題にのぼった橋之助改め芝翫。口上で菊五郎が「これまでのようにキョロキョロしないで」と橋之助をいじって、笑いを誘ってました。

 その芝翫が熊谷直実を演じた「熊谷陣屋」が今回の一番の見物か。なんでも四世芝翫の型だそうで、見慣れた型とはあちこち違ってました。
 まず、直実の顔が真っ赤っか。衣装も黒いビロードの着物の上に赤い錦の上下を着て、ちょっと野暮ったいです。陣屋に戻ってきた直実が相模を眼に止め、袴を両手ではたいて不機嫌を現すところがありませんでした。
 制札を持っての見得では、制札を担いで、舌を出してました。
 首実検のところでは、直実が相模に息子小次郎の首を渡すとき、二人で首を抱き合って泣くようなシーンがありました。そして一番異なるのは、「十六年は一昔、夢であったな」というセリフを、本舞台のやりとりのなかで言ってしまうこと。必然的に、最後の幕外の花道での例の芝居がありませんでした。
 う〜ん、芝翫型は古風で珍しかったけど、ぽん太はやっぱり普通の型の方が好きかな。やっぱりあの花道でのラストシーンを見たいです。で、そうだとすると、それまで直実は感情を押し隠しているべきで、息子の首を嘆く演技は不要ということになります。
 芝翫の演技は悪くなかったけど、まだまだ感情移入して涙を流すほどではありませんでした。相模の魁春がさすがの演技。藤の方は菊之助が頑張ってましたが、幹部役者で見たいところでした。吉右衛門の義経が凄すぎて、どっちが主役かわからないほどでした。

 その後に玉三郎の「藤娘」。ここのところ、玉三郎の舞踊シリーズが続いてますね。素晴らしかったです。
 最近、舞踊の演目のときは、詞章を印刷して持って行ってるのですが、今回参照させていただきたTEAM TETUKUROというサイトの解説は(こちら)、とてもわかりやすくで面白かったです。

 最初に、松緑の「外郎売」がありました。

歌舞伎座

  中村橋之助改め 八代目 中村芝翫 襲名披露
   中村国生改め 四代目中村橋之助     
   中村宗生改め 三代目中村福之助 襲名披露
   中村宜生改め 四代目中村歌之助     
  芸術祭十月大歌舞伎

平成28年10月6日

夜の部

  平成28年度(第71回)文化庁芸術祭参加公演
  野口達二 改訂
一、歌舞伎十八番の内 外郎売(ういろううり)

   外郎売実は曽我五郎 松緑
   大磯の虎 七之助
   曽我十郎 亀三郎
   小林妹舞鶴 尾上右近
   化粧坂少将 児太郎
   近江小藤太 宗生改め福之助
   八幡三郎 宜生改め歌之助
   茶道珍斎 吉之丞
   小林朝比奈 亀寿
   梶原景時 男女蔵
   工藤祐経 歌六
 
八代目中村芝翫 四代目中村橋之助 三代目中村福之助 四代目中村歌之助 襲名披露 口上(こうじょう)

   橋之助改め芝翫
   国生改め橋之助
   宗生改め福之助
   宜生改め歌之助
     
   藤十郎
   幹部俳優出演

   一谷嫩軍記
三、熊谷陣屋(くまがいじんや)

   熊谷直実 橋之助改め芝翫
   相模 魁春
   藤の方 菊之助
   亀井六郎 歌昇
   片岡八郎 尾上右近
   伊勢三郎 宗生改め福之助
   駿河次郎 宜生改め歌之助
   梶原平次景高 吉之丞
   堤軍次 国生改め橋之助
   白毫弥陀六 歌六
   源義経 吉右衛門

四、藤娘(ふじむすめ)

   藤の精 玉三郎

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