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2016/11/12

【オペラ】感動した!としか言えね〜「ワルキューレ」ウィーン国立歌劇場

 ウィーン国立歌劇場来日公演、ふたつ目の演目は「ワルキューレ」です。公式サイトはこちら

 前回の「ナクソス島のアリアドネ」は、初めて観た演目だし、「階より始めよ事件」があったりして、「なかなかいいね〜」というぐらいの感想でしたが、今回の「ワルキューレ」は先日新国立劇場で観たばかりだったこともあり、「をゝ、すんげ〜」という感じで、とっても感動いたしました。いや〜やっぱ、ウィーン国立歌劇場はすごい!!

 とはいえ、どこが良いのかを具体的に指摘できないのが、オペラ初心者の狸のぽん太の情けないところ。「なんかわらかんけどイイ」としか言えません。

 とくにイイかったのが、トマス・コニエチュニーのヴォータン。偏屈さはまったくありません(ヴォータンが偏屈だと思っていたのは、新国立のラジライネンを見慣れたぽん太だけか?)。最初は「ヴェルズング族が思い通りに育ってるぜイ」という感じで、ぎらぎら笑いながら登場しますが、奥方にやり込められての神の不自由さの嘆きや、ブリュンヒルデに対する怒りの爆発、そうして父娘の愛と別れの悲しみ、すべてがぽん太の胸を打ちました。小さい音量のときに時おり聞かせるささやくような音色の声も、とても心にしみました。演技力があるとか、表現力があるとかじゃなくて、歌と表現が表裏一体です。上手なバレエダンサーにおいては、踊りの動きがそのまま感情を表す仕草であるとの同じですね。

 ニーナ・シュテンメのブリュンヒルデは、おっそろしいワルキューレではあるはずなのに、なんだかいたいけな少女風。「ホーヨートホー」はちょっと迫力がなかったけど、ラストシーンはホントに父親と娘という感じで、とっても感動しました。眠らせたブリュンヒルデに、普通は盾と兜を乗っけたりするけど、今回の演出は白くて柔らかいマントのようなものをかけてあげていて、それがまた彼女の雰囲気にとっても合ってました。
 ジークムントに死の運命を告げる場面では、新国立のイレーネ・テオリンは堂々として神々しかったですが、シュテンメは言いにくそうにモジモジしてました。

 ミヒャエラ・シュースターのフリッカ。ぽん太はやっぱり新国立のエレナ・ツィトコーワのキンキンしたヒステリックな姉ちゃん風のフリッカが印象に残ってますが、シュースターは、ねっとりと粘着してくるおばさん風で、「あなたがそんなことしたら、私の立場はどうなるの、人間にばかにされて、え〜んえ〜ん」と訴えるうざったさはピカイチでした。

 ジークムントのクリストファー・ヴェントリスも、とても明るく英雄的な声で、第一幕に最初に部屋に入って来ての第一声から魅了されました。
 ジークリンデのペトラ・ラングは、先日の新国立の『ローエングリン』のオルトルートで素晴らしい歌を聞かせてくれましたが、今回の公演は、彼女がちょっと物足りなく感じるほど、全体が素晴らしかったです。

 演出は比較的オーソドックス。プロジェクションマッピングを使った、第一幕の歩く狼や、第三幕の舞台全体に燃えさかる火は、いまいち面白くなかったです。

 オペラ初心者のぽん太には、アダム・フィッシャーの指揮の良し悪しはわかりませんが、ウィーン国立歌劇場管弦楽団が奏でる音には感動しました。ピアニッシモでの美しさ、フォルテッシモでもキンキンいわずにあくまでも暖かい音を保ってました。

 ところでブリュンヒルデがジークムントを迎えに来たとき、「ワルキューレたちがお酌をして差し上げます」とか丁重にもてなすようなことを言ってましたが、いざついていったら、2幕の死者たちのようにひどい仕打ちをうけるのでしょうか。ううう、謎です。


ウィーン国立歌劇場 2016年日本公演

リヒャルト・ワーグナー作曲
「ワルキューレ」 全3幕
Richard Wagner, Die Walküre Der Ring des Nibelungen 1.Tag des Bühnenfestspiels

2016年11月6日 東京文化会館

指揮:アダム・フィッシャー
Dirigent:Adam Fischer
演出:スヴェン=エリック・ベヒトルフ
Regie:Sven-Eric Bechtolf
美術:ロルフ・グリッテンベルク
Bühne:Rolf Glittenberg
衣裳:マリアンネ・グリッテンベルク
Kostüme:Marianne Glittenberg
ビデオ:フェットフィルム(モンメ・ヒンリスク&トルゲ・メラー)
Video:fettFilm (Momme Hinrichs und Torge Møller)
音楽指導:トーマス・ラウスマン     
Musikalische Studienleitung:Thomas Lausmann      
再演演出:ビルギット・カイトナ
Szenische Einstudierung :Birgit Kajtna

ジークムント:クリストファー・ヴェントリス
Siegmund:Christopher Ventris
フンディング:アイン・アンガー
Hunding:Ain Anger
ヴォータン:トマス・コニエチュニー
Wotan:Tomasz Konieczny
ジークリンデ:ペトラ・ラング
Sieglinde:Petra Lang
ブリュンヒルデ:ニーナ・シュテンメ
Brünnhilde:Nina Stemme
フリッカ:ミヒャエラ・シュースター
Fricka:Michaela Schuster
ヘルムヴィーゲ:アレクサンドラ・ロビアンコ
Helmwige:Alexandra LoBianco
ゲルヒルデ:キャロライン・ウェンボーン
Gerhilde:Caroline Wenborne
オルトリンデ:ヒョナ・コ
Ortlinde:Hyuna Ko
ワルトラウテ:ステファニー・ハウツィール
Waltraute:Stephanie Houtzeel
ジークルーネ:ウルリケ・ヘルツェル
Siegrune:Ulrike Helzel
グリムゲルデ:スザンナ・サボー
Grimgerde:Zsuzsanna Szabó
シュヴェルトライテ:ボンギヴェ・ナカニ
Schwertleite:Bongiwe Nakani
ロスヴァイセ:モニカ・ボヒネク
Roßweiße:Monika Bohinec

ウィーン国立歌劇場管弦楽団、ウィーン国立歌劇場舞台オーケストラ
Orchester der Wiener Staatsoper, Bühnenorchester der Wiener Staatsoper

プロンプター: ワルター・ゼッサー
Maestro Suggeritore: Walter Zessar

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