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2016/11/04

【オペラ】オネーギンとタチアーナの偏屈さが足りず。「エフゲニー・オネーギン」マリインスキー・オペラ

 マリインスキー・オペラ来日公演は、日程の都合で「エフゲニー・オネーギン」のみ鑑賞。ロシアのオペラ団による「オネーギン」、しかもゲルギエフ指揮のマリインスキーということで、とても楽しみにしておりました。実際に観て、なかなか見応えはありましたが、感動して涙が溢れるほどではなかったかな。ファーストキャストじゃなかったせいもあるのかしら?公式サイトはこちらです。

 オネーギンのブルデンコ、タチヤーナのゴンチャロワ、ともに偏屈さが足りない気がしました。歌舞伎でいえば「ニンに合わない」という感じか。ブルデンコは声量豊かで歌は素晴らしいけど、クリクリした顔で、何だか陽気で人がよさそう。3幕のメイクはちょっと暗い雰囲気があったけど。ゴンチャロワも、ちょっと南方系の面立ちで感情が豊かな雰囲気。レンスキーは、新国立の「ウェルテル」で感動したコルチャック。ハンサムで、声も晴れやかで明るくて、格好よかったです。

 幕が開くと、舞台の上は一面のリンゴで、ちょっとびっくり。田舎に住む若い娘タチアーナの純朴さを表しているのでしょうか。第3幕では、窓辺に少しだけリンゴが置いてありました。
 第1幕は、眠かったから感動しなかったのか、感動しなかったから眠かったのか、イマイチな感じでした。上に書いたように、オネーギンの冷たくシニカルな感じがなく、タチアーナも、人とちょっと違っているために、周囲から浮いてしまう感じがありません。だから手紙のシーンも、そういうタチアーナに恋心が生じて、それに突き動かされて手紙をしたためるという感じが出なかったし、その結果、オネーギンに拒否されての絶望と恥じらいも弱まってしまいました。
 第2幕、オネーギンがオルガとダンスをすることで、レンスキーを挑発するあたりの演出がちょっと物足りなく、その結果、レンスキーがオネーギンに決闘を申し込むまでに激怒する理由がわかりにくかったです。バレエと比べちゃいけないけど、シュツットガルト・バレエ団のクランコ振り付けの「オネーギン」では、レンスキーがオルガと踊ろうとすると、さっとオネーギンが割り込んで来てオルガと踊ったりして、とってもうまかったです。
 家庭教師のトリケがよぼよぼのおじいさんで、歌も滑稽に歌われました。シリアスなドラマのなかに滑稽なシーンを入れるのが、歌舞伎みたいで興味深かったです。
 第3幕は、舞踏会のセットが素晴らしかったです。第2幕の田舎の舞踏会との対比が見事ですね。ツァンガのグレーミン侯爵は、迫力あるバスで聞き応えがありました。最後のオネーギンとタチアーナのシーン。タチアーナは、オネーギンに対する恋心に流されそうになりながらも、なんとかオネーギンを拒絶したように見えました。ぽん太としては、最後は公爵夫人であるタチアーナが毅然としてオネーギンの申し出を退けて欲しい気がしました。
 最後、オネーギンが踏み入れたところは霧の立ちこめる真っ黒な空間。というのもぽん太はあまり感動的ではなく、演出は全体にちと不満でした。

 ゲルギエフ指揮のマリインスキー・歌劇場管弦楽団は、エネルギッシュで、ロシア的な情念がみなぎっており、素晴らしかったです。

マリインスキー・オペラ2016年来日公演

「エフゲニー・オネーギン」
作曲:チャイコフスキー
原作:アレクサンドル・プーシキン

2016年10月16日
東京文化会館

指揮:ワレリー・ゲルギエフ
演出:アレクセイ・ステパニュク
舞台:アレクサンドル・オルロフ
衣装:イリーナ・チェレドニコワ

ラーリナ夫人:スヴェトラーナ・フォルコヴァ
タチヤーナ:エカテリーナ・ゴンチャロワ
オルガ:ユリア・マトーチュキナ
フィリッピエヴナ:エレーナ・ヴィトマン
オネーギン:ロマン・ブルデンコ
レンスキー:ディミトリー・コルチャック
グレーミン侯爵:エドワルド・ツァンガ
中隊長:ユーリ・ブラソフ
ザレツキー:アレクダンドル・ゲラシモフ
トリケ:アレクサンドル・トロフィモフ

管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団
合唱:マリインスキー歌劇場合唱団

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