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2017/01/21

【歌舞伎】新右近クンが6歳とは思えない演技。2017年1月新橋演舞場昼の部

 1月の新橋演舞場は右團次の襲名披露公演。市川右近が三代目市川右團次を、息子の武田タケル君が二代目市川右近を襲名いたしました。見たことない演目の昼の部だけを観劇しました。公式サイトはこちらです。

 『雙生隅田川』は右團次の師匠の猿翁が約250年振りに復活した演目だそうで、しかも初代右團次が得意とした「鯉つかみ」も入っており、まさに右團次の襲名にぴったりでした。

 右團次、なかなか良かったです。いつもながら品がよくてツヤがある芝居でした。猿島惣太役の世話物、七郎天狗の後シテ風の舞い、宙乗りもこなして、最後は本水の鯉つかみと大活躍。お疲れさまでした。
 ただちょっと気になるのは、右團次の屋号が高嶋屋であること。澤瀉屋を捨てたことは何か意味があるのか、今後の立ち位置をどうしていくのか、ちと気になります。
 そして息子さんの右近君も父に負けじと大活躍。昨年6月に安徳帝で初お目見得したばかりなので、今回もチョイ役かと思ったら、最初から最後まで出ずっぱりで、一人二役、早変わりも見せてくれました。平成22年4月18日生まれとのことですから、まだ6歳。う〜ん、末恐ろしいです。

 猿之助の班女御前は、物狂いの道行きの踊りと、隅田川の渡しの場面が素晴らしく、子供を失って気がふれた女性の悲しみ・苦しみ・哀れさが胸を打ちました。

 海老蔵が県権正武国、中車が大江匡房。


 ところでこの『雙生隅田川』(ふたごすみだがわ)という演目、何の予備知識もなく観に行ったぽん太、大川じゃなくて隅田川だし、京のお芝居がいきなり江戸に飛んだりして、明治以降の新しい芝居かな〜などと思ってたのですが、チラシを見ると近松門左衛門の作とのこと。恐れ入りました。
 「隅田川」というのは、能の「隅田川」をふまえているのだそうです。

 能の「隅田川」のあらすじなどは、例えばこちらのサイトに出ています。
 隅田川の渡し場に京都に住んでいた狂った女が現れ、舟に乗せてくれというので、船頭は、舟に乗りたければ面白く狂ってみせろと言います。女は『伊勢物語』の都鳥の古歌を引いて船頭らを感心させ、無事舟に乗り込みます。舟の上で船頭は、一年前に命を落とした梅若丸の話しをします。女は梅若丸こそが自分の子であるとうちあけます。梅若丸の塚に案内された女はが念仏を唱えて弔うと、塚から梅若丸の亡霊が現れます。女は抱きしめようとしますが、亡霊は腕をすりぬけるばかりで、やがて夜明けとともに消え去ると、母は草ぼうぼうの塚にただただ泣き崩れるのでした。

 なるほど、あの隅田川の渡しのシーンが、能の「隅田川」を引用しているんですね。そういえば長唄が「〽都鳥〜」とか唱ってました。あゝ、無知は恐ろしい。

壽新春大歌舞伎

市川右近改め
三代目 市川右團次 襲名披露
二代目 市川右近 初舞台

新橋演舞場
平成29年1月18日

昼の部

  近松門左衛門 作
  戸部銀作 脚本・演出
  奈河彰輔 脚本・演出
  市川猿翁 脚本・演出
  石川耕士 補綴・演出
三代猿之助四十八撰の内
通し狂言 雙生隅田川(ふたごすみだがわ)
  市川猿之助
  市川右團次  宙乗り相勤め申し候
  市川右近

  猿島惣太後に七郎天狗/奴軍介 右近改め右團次
  班女御前 猿之助
  大江匡房 中車
  淡路前司兼成 男女蔵
  小布施主税 米吉
  次郎坊天狗 廣松
  梅若丸/松若丸 初舞台右近
  局長尾 笑三郎
  勘解由兵衛景逸 猿弥
  惣太女房唐糸 笑也
  吉田少将行房 門之助
  県権正武国 海老蔵

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