« 【歌舞伎】海老蔵の助六が見もの。2017年3月歌舞伎座夜の部 | トップページ | 【バレエ】ルーヴェよし!振り付けよし!音楽もよし!「ダフニスとクロエ」を踊る〈グラン・ガラ〉パリ・オペラ座 »

2017/03/11

【仏像】国宝薬師三尊、五大明王など。醍醐寺(京都)

Img_4501
 2月中旬、ぽん太とにゃん子は京都の醍醐寺を訪れました。


【寺院名】総本山 醍醐寺
【住所】京都府京都市伏見区醍醐東大路町22
【拝観】三宝院・霊宝館・伽藍の3エリア共通券が800円。
【仏像】
霊宝館
 薬師三尊像(薬師如来坐像・日光菩薩・月光菩薩) 平安時代 国宝
 帝釈天騎象像 平安時代 重要文化財
 閻魔天騎牛像 平安時代 重要文化財
 五大明王像 檜材 一木造 平安時代 重要文化財
伽藍
 木造金剛力士立像(所在西大門) 平安時代 重要文化財
 薬師三尊像 鎌倉時代 重要文化財
 五大明王像(五大堂安置) 重要文化財
【ホームページ】https://www.daigoji.or.jp
【写真】醍醐寺の文化財アーカイブスにお写真があります。
https://www.daigoji.or.jp/archives

 醍醐寺は、三宝院・霊宝館・伽藍の3つのエリアに分かれております。伽藍エリアは上伽藍と下伽藍に別れていますが、上伽藍までは1時間かかるというので、今回は省略しました。

 まずは霊宝館から拝観。真新しくて、非常に広い体育館のような建物で、向かい合った二面にそれぞれ薬師三尊像と五大明王が安置されており、残りの二面には絵画等が展示されております。

 薬師三尊像は、もともと上醍醐薬師堂に安置されていたものだそうです。中尊の薬師如来坐像は、平べったいお鼻で小鼻も張っていて、なんかポリネシア系が入ってる感じで、古風でいい雰囲気です。手の指の造形などは、ちょっと乱れている気がします。脇侍の日光・月光菩薩はもう少し整った感じで、衣紋の流れなども美しく、時代が少し新しく思われました。
 さらに向かって右には、象っぽくない象に乗った帝釈天さまがおります。その反対側は、梵天ではなくなぜか牛に乗った閻魔様。おとなしく膝を折って座った牛の上に座ってます。閻魔様の像は、ぽん太は初めて見ました。どうしてこういう組み合わせなのか、まったくわかりません。帝釈天も閻魔天も両方左足を踏み下げていて、左右対称になってないので、あとから組み合わせたものかもしれません。

 薬師三尊の反対側には、五大明王像が祀られております。大きめで、なかなか迫力がある像です。表情は写実的ではなくデフォルメされており、素朴で荒々しく、古風な感じです。


Img_4479
 続いて三宝院を見学。秀吉が慶長3年(1598年)に催した花見のおりに整備されたそうで、秀吉が基本設計をしたという庭園や、国宝の表書院など、庭や建物は立派でしたが、快慶作の弥勒菩薩坐像(重文)は残念ながら非公開でした。


Img_4485Img_4486
 伽藍エリアは、まず入口の仁王門に控えているのは、平安時代の木造金剛力士立像(重要文化財)。頭がでかくて、なんか子供みたいなバランスの仁王様ですが、ズボン(?)の襞の流れはなかなか流麗です。

Img_4499
 国宝の金堂のなかに、薬師三尊像(重要文化財)が祀られております。また、お寺の行事のため、普段は不動堂に安置されている五大明王像(重要文化財)が、三尊像の手前に移されておりました。建物の外からの拝観で、像同士が重なり合い、飾り付けなどもあって、双眼鏡を使ってもあんまりよく見えませんでした。中尊の薬師如来は全く見えず。日光・月光菩薩はおめめパッチリで素朴でかわいらしかったです。五大明王像は、霊宝館のものよりも躍動感があるように思いました。

 観音堂の准胝観世音菩薩は厨子が固く閉じられていて拝観ならず。後方に如来像などが並んでおりました。

Img_4495
 こちらは神変大菩薩。調べて見ると、修験道の役小角(えんのおづの)が仏教化したもののようですね。

Img_4502
 醍醐寺には「五大力さん」と呼ばれる行事があります。正式名称は「五大力尊仁王会」で、五大力尊=五大明王像を本尊とする大法会です。この五大明王が、霊宝館で見たものか、金堂に安置してあったものか、ちとわかりません。しかし、現在は「五大力さん」は金堂で行われ、また案内に出ている写真も金堂にあった五大明王像であること。以前には上醍醐五大堂で行事が行われていたというが、そこに安置されているの現在不動堂にあり、今回金堂に安置されていた五大明王であることから、金堂のものと思われます。

 しかし、ぽん太が「五大力」と聞いて思い出すのは別の概念です。歌舞伎の『盟三五大切』(かみかけて さんご たいせつ)に出てくるもので、芸者小万が恋人三五郎に操を誓って腕に「五大切」と刺青を掘るのです。当時は、女から男への恋文の封じ目や、女が持っている小物などに、貞操の誓いとして「五大力」と書いたそうで、これは「五大力菩薩」から来たものだそうです。
 「五大力菩薩」とは、鳩摩羅什の訳とされる「仁王般若波羅蜜経」(仁王経)というお経に書かれているもので、金剛吼(こんごうく)・竜王吼・無畏十力吼(むいじゅうりきく)・雷電吼・無量力吼の五菩薩だそうです(コトバンク)。これは菩薩であって、明王ではないですね。しかし仁王会(にんのうえ)の本尊とされたという点では、ちょっと似ております。
 さらにWikipedia - 金剛夜叉明王を見ると、「仁王般」には不空訳とされるもうひとつの新訳「護国仁王般若経」があり、こちらでは上の五菩薩に、五大明王が配されているそうです。ただこのお経は偽経とも言われているそうで、要するに五大力菩薩の信仰が、次第に五大明王と混ざっていった、あるいは移行していったのでしょう。
 ちなみに、大阪の住吉大社にも「五大力」と呼ばれるパワースポットがあり、ぽん太も以前に訪れたことがあります。改めて調べて見ると、こちらはもともと「五所御前」と呼ばれ、住吉大神を最初に祀った聖地でしたが、神宮寺に五大明王像が祀られていたことも重なって(エビデンスは未確認です)、江戸時代に五大力信仰と結びついたようです。地面に敷き詰められた小石の中から「五」「大」「力」の時が書かれた小石を拾い集めてお守りにする、という風習で賑わったそうです。

|

« 【歌舞伎】海老蔵の助六が見もの。2017年3月歌舞伎座夜の部 | トップページ | 【バレエ】ルーヴェよし!振り付けよし!音楽もよし!「ダフニスとクロエ」を踊る〈グラン・ガラ〉パリ・オペラ座 »

思想・宗教」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74997/64965934

この記事へのトラックバック一覧です: 【仏像】国宝薬師三尊、五大明王など。醍醐寺(京都):

« 【歌舞伎】海老蔵の助六が見もの。2017年3月歌舞伎座夜の部 | トップページ | 【バレエ】ルーヴェよし!振り付けよし!音楽もよし!「ダフニスとクロエ」を踊る〈グラン・ガラ〉パリ・オペラ座 »