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2017/03/09

【バレエ】ううう、ガニオ降板。でも満足。「ラ・シルフィード」パリ・オペラ座バレエ団

 にゃ、にゃに〜。ガニオ君が降板!
 せっかくガニオ・ファンのにゃん子のために、この公演日の、前から2列目の席を取ったのに〜!

 でも、ケガなら仕方ありません。公式サイトはこちらです。

 「ラ・シルフィード」は、ガラ公演ではスカートはいたお兄ちゃんがうれしそうにピョンピョン跳ねてるのをよく見ますが、全幕を見るのは初めて。へ〜え、こんなストーリーだったのか。けっこう暗い話ですね。
 ジェイムズはエフィーとの結婚式の当日に、突然現れシルフィードに魅了され、後を追っていきます。このあたりは、今流行りのゲス不倫というよりは、妖精にたぶらかされたというか、気がふれた感じ。
 森の中でシルフィードたちと踊り戯れるジェイムズ。鯛やヒラメの舞い踊りの浦島太郎状態です。羽を使って宙を飛び、腕からすりぬけていくシルフィードを捕まえようと、魔女から肩にかけると飛べなくなるというショールを手に入れます。しかしショールをかけられたシルフィードは、羽が取れて死んでしまいます。嘆き悲しむジェイムズは、エフィーが別の男性と結婚したことを知ります。

 初演は、今を去ることなんと約200年前の1832年。振付はフィリッポ・タリオーニ、劇場はパリ・オペラ座ですね。ロマンティック・チュチュ(白いひざ下丈のスカート)にポワント(爪先立ち)というバレエの原型ともいえるスタイルで大好評を得たそうです。
 タリオーニの振付けはやがて途絶えてしまいましたが、1972年にピエール・ラコットがタリオーニ版を復活したのが、今回の振付けだそうです(タリオーニ/ラコット版)。どうやって復活したのかは、ぽん太にはよくわかりません。
 シルフィード役のダンサーがロープで宙を舞ったり、セットの電動リフトで上がったり下がったりしたり、スモークたいたりなどの「古風」(?)な仕掛けもよかったです。

 登場人物のシルフィードも羽が生えてて空を飛びますが、ジェエイムズもぴょんぴょん飛び跳ね、ポワント技法を発明して上へ上へを志向していた当時のバレエの勢いが感じられますね。一方で東洋系の踊りは、腰を落として地面を踏み鳴らすというもので、三番叟などもそうですが、大地を踏みならして地中の神を呼び起こすという農耕民族のDNAを受け継いでおります。

 ところで、ジェイムズ君はタータンチェックのスカートを穿いておるが、スコットランド人っちゅうことだね。スコットランドに、シルフィードの伝説があるのでしょうか。Wikipedia - シルフによると、シルフ(Sylph)あるいはシルフィード(Sylphid)は16世紀前半の神秘思想家パラケルススに端を発する精霊だそうで、地・水・風・火の四大元素のうち風をつかさどるものだそうです。のちに様々な妖精や精霊の伝説と習合していったようですが、風との関連はキープされていたようですね。特にスコットランドと関係があるのかは、よくわかりませんでした。
 「ラ・シルフィード」の原作はフランスの幻想小説家ノディエの『トリルビー』(1822)だそうで、岩波文庫の『ノディエ幻想短編集』に収録されているようなので、こんど読んでみたいと思います。


 さて、ガニオ君の代役のユーゴ・マルシャンは、前々日(3月3日)の公演の後でエトワルへの昇格が発表されたとのこと。ぽん太は、昨年のエトワール・ガラでジルベールと踊った「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」の、エレガントな踊りが記憶に残ってます。長身・細身でスタイルがよく、ジャンプも高く、雰囲気もありました。ただ時々雑なところがあり、リフトから床に下ろしたアルビッソンが一回つんのめりそうになってました。
 アルビッソンのシルフィードは、本当に風の精のように軽くてやわらかく、神秘さやコケティッシュな雰囲気も十分でした。
 第一幕のジェイムズがエフィーと踊っていたのにシルフィードに惑わされていくパ・ド・トロワ(?)は良かったです。
 
 パリ・オペラ座名物の揃わないコール・ド・バレエ(^_^)も素晴らしかったです。

 オケは東京フィル、ホルンもお見事。お疲れさんでした。


パリ・オペラ座バレエ団
「ラ・シルフィード」
2017年3月5日 東京文化会館

台本: アドルフ・ヌーリ
音楽: ジャン・マドレーヌ・シュナイツホーファー
振付: ピエール・ラコット(フィリップ・タリオーニ〈1832年〉原案による)
装置: マリ=クレール・ミュッソン(ピエール・チチェリ版による)
衣裳: ミッシェル・フレスネ(ウジェーヌ・ラミ版による)

ラ・シルフィード: アマンディーヌ・アルビッソン
ジェイムズ: ユーゴ・マルシャン
エフィー: ヴァランティーヌ・コラサント
魔女マッジ: オレリアン・ウエット
ガーン: ミカエル・ラフォン
エフィーの母: アネモーヌ・アルノー

パ・ド・ドゥ: マリーヌ・ガニオ、マルク・モロー
三人のシルフィードたち:オーレリア・ベレ、ローランス・ラフォン、セヴリーヌ・ウェステルマン

演奏: 東京フィルハーモニー交響楽団
指揮: フェイサル・カルイ

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