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2017/03/27

【展覧会】初めてのティツィアーノ 「ティツィアーノとヴェネツィア派展」東京都美術館

Tizian_011_2 ※この記事のティツィアーノの絵の画像は、List of works by Titian - Wikipediaに掲載されているPublic Domainのものです。

 ティツィアーノと聞いても、名前は知ってるけど、いつ頃の人でどんな絵を描いたかは全く知らないぽん太。狸だからしかたありません。今回のティツィアーノ展には、彼の作品が5点来てるんだそうです。特別ウェブサイトはこちら、東京都美術館のサイトはこちらです。

 困ったときのWikipeidaを見てみると、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(Tiziano Vecellio)は盛期ルネサンスのイタリア人画家。1488年/1490年頃に生まれ、1576年に死去。
 ルネサンスというと、ミケランジェロやダヴィンチが思い浮かびますが、彼らはいわゆるフィレンツェ派に属し、ティツィアーノの属するヴェネツィア派とは対立関係にありました。ヴェネツィア派は、色鮮やかな色彩が特徴だそうです。


ティツィアーノとヴェネツィア派展

【会場】東京都美術館
【会期】2017年1月21日(土)~4月2日(日)
【展示作品】
作品リスト(pdf)

主な作品
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
 《復活のキリスト》 1510-12年頃 ウフィツィ美術館
 《フローラ》 1515年頃 ウフィツィ美術館
 《教皇パウルス3世の肖像》 1543年 カポディモンテ美術館
 《ダナエ》 1544-46年頃 カポディモンテ美術館
 《マグダラのマリア》 1567年 カポディモンテ美術館


 冒頭の絵は《ダナエ》。ダナエって何だなえ。ギリシャ神話に出てくる話だそうだなえ。
 アルゴス王アクリシオスが、男児を授かるかどうかの神託を求めたところ、王自身は男児に恵まれないが娘のダナエが息子を産み、そしてその息子にアクリシオスは殺されるという予言が下ったそうです。そこでアクリシオスはダナエを地下室に幽閉して男が近寄らないようにしました。しかしダナエは、神託を知っていたにも関わらず、黄金の雨に姿を変えたゼウスに身を許し、男児を身ごもります(これが星座にもなっているペルセウスで、メドゥーサをやっつけたことでも有名ですね)。アクリシオスは、ダナエとペルセウスを箱に閉じ込めて海へ流しますが、幸運にも島に流れ着いて命を救われます。そして長じたペルセウスは、予言どおりにアクリシオスを殺すことになるそうです。
 この話から、ダナエは金に屈服した女として、堕落の象徴と見なされていたそうです。

 ティツィアーノの絵を見てみると、ダナエの表情は金に目がくらんだような欲深さは感じられず、また恍惚とした表情でもなく、恋人に会えることを喜ぶ娘のような上気した顔に見えます。降り注ぐ黄金も、そんな金ぴかに描かれておらず、むしろ不吉な暗い雲のようです。向かって右の羽が生えて弓を持った子供はエロース(ローマ神話のキューピットちゃんですね)ですが、エロース君もびっくりして恐れおののいている感じです。
 なんか、許されぬ彼氏に首っ丈になってしまい、訪問を喜ぶお姉ちゃんの絵に見えました。

Tiziano__flora__google_art_project
 続いて《フローラ》です。この絵の美しさは写真では伝わりません。透き通るような肌、白い服の肌との境の毛羽立ち、左肩にかかる髪の毛の繊細な表現、その外側にちょっと見えるピンク色のマントの襞は、まるで岩山の崖のようです。そして何よりも、画面全体の明るさと柔らかさが印象に残ります。

Titian__christ_resurrected_uffizi
 《復活のキリスト》です。なぜだかWikipediaのティツィアーノ作品リストには入ってません(写真はこちらのサイトのpublic domainのものです)。
 キリストが復活したことは聞いたことがありますが、そのとき旗を持っていたというのはぽん太は初耳です。ぐぐってみると(オリエンス宗教研究所)10〜11世紀ごろから、旗を持ったキリストが石棺から出てくる図象が出現したそうです。
 この絵をみると、キリストがすごく肉付きがいいのにびっくりします。キリストといえばガリガリに痩せていると思ってたのはぽん太だけでしょうか?別のひとなんじゃないかと思いましたが、ちゃんと足の甲には貼り付けの釘の跡があります。背景も素朴な描き方で、なんか不思議な絵です。

Tizian_083
 《教皇パウルス3世の肖像》。これも写真ではわかりませんが、絵全体が古びた年代物の家具のような味わいがあります。
 ん?このじじい、どっかで見た気がする。先日読んだ中野京子の『新 怖い絵』(角川書店、2016)に出てたような気が。同じティツィアーノが描いた《パウルス三世と孫たち》が取り上げられてたみたいです。ティツィアーノは自分の息子の将来を保証してもらうかわりに、パウルス三世の肖像を引き受けましたが、教皇が約束を反故にしたため、絵を完成せずに立ち去った……という話しでした。
 「教皇」とはいえ、とんだ食わせ者の生臭坊主だったようです。そう言われてみればこの絵も、ネズミのような小狡さが感じられます。

Tizian_009
 《マグダラのマリア》です。髑髏と本があってウルウルしてますから、いわゆる「改悛するマグダラのマリア」の像ですな。詳しいことは知りませんが。
 涙が溢れる目がとても印象的で、今回の4作品のなかでは、もっとも感情表現が豊かで、ドラマチックな印象を受けました。
 

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