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2017/07/27

【バレエ】4人キトリで暑さを吹っ飛ばせ!<バレエ・スプリーム>Aプロ

 パリ・オペラ座バレエ団と英国ロイヤル・バレエ団によるガラ公演。ベテランから若手までが入り混じってのステージで、それぞれのバレエ団から日本人ダンサーが参加しているのも見ものでした。 第1部が英国ロイヤルで、第2部がパリオペ。なんと第3部は、両バレエ団入り混じっての4人キトリでした。

 最初はベルリンのサレンコと、マックレーの「ラプソディ」。ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」にアシュトンが振り付けた作品。とても美しく、細かいところまで神経が行き届いた、見ていて心地よい踊りでした。マックレーは、遠目には一瞬裸に見えるベージュのタイツという出で立ちで、ラプソディらしいちょっとコミカルな動きもありました。有名な第18変奏は、ロミジュリのバルコニーシーンを思わせる、優雅で幸せそうなパ・ド・ドゥでした。

 次はヘイワードとサンベの「アスフォデルの花畑」。自分のブログをぐぐってみると、ヘイワードを見るのは初めてで、サンベも端役でしか見たことがないようです。さらにこの演目も初見で、プログラムも買わなかったのでどういう設定なのかもよく分かりませんが、ちょっと哀しみをたたえた静かな踊りでした。

 さて、日本人ダンサーの高田茜がジゼルで登場。エラと第2幕のパ・ド・ドゥを踊りました。手足が長くてスタイルがいいですね〜。短足胴長のぽん太と同じ人種とは思えません!動きも柔らかいですねえ。
 で、でも、ちょっと柔らかすぎる気も。なんかクニャクニャしてる感じがしました。もうちょっと、ピシッと踊るところは踊った方がいいような。ウィリは空気の精じゃなくて、夜中になると踊りだし、男を誘って踊り殺してしまう妖精ですから。

 続いて「アイ・ガット・リズム」。マックレーのタップダンスは初めて見ました。上手ですね〜。細かいリズムが完璧です。その上で見事なバレエの動き。すばらしい「余興」に、観客も拍手喝采。

 第1部の最後はヘイワードとボネッリの「ロミジュリ」バルコニーシーン。これは素晴らしかったです。淡い初恋の雰囲気が漂ってきて、じじいのぽん太もちょっとウルウルしてしまいました。
 ヘイワードがとっても可愛らしかったです。テクニックはもちろんのこと、表現力もなかなかのもの。スカートを両手でつまんで肩を振ったりする一瞬の仕草が、初恋の相手を前にした若い女の子そのものでした。対するボネッリはちょっと年食ってますが、そこは芸のちからで若いロミオを熱演。というよりボネッリの安定した踊りがあったゆえに、ヘイワードの魅力が光って見えたのかもしれません。


 第2部に入ってウルド=ブラームとエイマンの白鳥のパ・ド・ドゥ。ウルド=ブラームは今年の春のパリオペの「グラン・ガラ」で拝見しました。しっとりと雰囲気ある白鳥でした。ぽん太がヌレエフ版を見るのはたぶん初めてでしたが、良く見るものとそれほど変わりませんね。

 しかし問題は、黒鳥のパ・ド・ドゥ。
 ボラックとルーヴェによる踊りでしたが、なんか元気がなく、黒鳥ちゃんのピチピチ感もなければ、妖艶さもありませんでした。32回転もなんだか短かったような。ヌレエフの振り付けの問題なのか。それとも演目が急遽変更になった影響なのか。
 みなさんもご存知の通り、フランソワ・アリュが参加できなくなり、演目がパ・ド・トロワからパ・ド・ドゥに変更されることが公式発表されたのは、こんかいの公演の開幕前日の7月25日でした。

 ところで第3幕のパ・ド・トロワって何だ?パ・ド・ドゥじゃないの?黒鳥と王子に、ロットバルトが絡んできたりするのかしら。ヌレエフ版の「白鳥の湖」ってぽん太は見たことないからな〜。

 ということでぐぐってみたら、動画がありました。しかも全幕です。ウィーン国立バレエ団で、振り付けはヌレエフ。ジークフリートをヌレエフ自身が踊っていて、オデット/オディールはフォンテインです。年代は書かれておりません。王子と黒鳥の踊りは、1:15:00あたりから。ちなみに白鳥のパ・ド・ドゥは45:00あたりからです。

 で、見て見ると……。あれ?パ・ド・ドゥですね!しかも音楽が今回と違って、バランシン振り付けの「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」の曲です。ブルメイステル版でも使われている曲ですね。この曲については、以前の記事で書いたことがあります(【バレエ】ブルメイステル版を生で観るのは初めてです。「白鳥の湖」東京バレエ団)。また、王子のヴァリアシオンはいつもの曲ですが、黒鳥ののヴァリアシオンは、今回の公演では可愛らしい方の曲でしたが、上の動画では蛇使い風の方です。

 う〜ん、これは違う!ということで、さらにぐぐってみると、もひとつヌレエフ振り付けの動画が見つかりました。それがこちらです。

 黒鳥がギエム、王子がルグリ、ロットバルトがアタナショフで、1988年と書かれています。
 この振付では、ロットバルトがかなり絡んできて、しかもロットバルトのヴァリアシオンまであり、パ・ド・トロワです。ビンゴですかね。ヌレエフ振付でもいくつかのヴァージョンがあるんですね。最初の踊りの音楽はいつものやつで、黒鳥のヴァリアシオンは可愛らしい方で、これも今回の公演と同じです。

 この動画と今回の舞台を比べて見ると、パ・ド・トロワの振付を基本に、ロットバルトがいない分、少しだけ振付を変えて踊っていたことがわかります。しかしそのせいで、ロットバルトがいるからこそ意味を持つ動作が、空振りみたいになってしまったようです。これは踊りにくかったでしょうね。

 背の高いルーヴェの踊りは、とても大きくダイナミックに見えました。


 さて、話を元に戻して、次の演目は「エスメラルダ」。オニール八菜は初めて見ましたが、背が高くてゴージャスな印象。若いのに風格さえ感じます。今後が期待されますね。お相手はユーゴ・マルシャン。

 第2部最後の「マンフレッド」は、アリュ欠場のおわびで付け加えられた演目。エイマンの身体能力、テクニック、表現力が満喫できました。ちょっと他のダンサーと格が違うという印象でした。ヌレエフの振り付けだそうですが、とても男らしくでドラマチック。ヌレエフ自身がどう踊ったのか興味が湧きますが、動画は見つかりませんでした。


 第3部は「ドン・キホーテ」ディヴェルディスマンと銘打って、メンバー総出でドンキの名場面を踊りました。舞台上にはいきなりばらばらと4人のキトリが登場。いわゆるものまね番組の「森進一が4人競演」みたいなやつですな。楽しいお祭りのようなフィナーレでした。


<バレエ・スプリーム>Aプロ

2017年7月26日
文京シビックホール

公式サイト

― 第1部 ―


「ラプソディ」
振付:フレデリック・アシュトン
音楽:セルゲイ・ラフマニノフ

ヤーナ・サレンコ、スティーヴン・マックレー


「アスフォデルの花畑」
振付:リアム・スカーレット
音楽:フランシス・プーランク

フランチェスカ・ヘイワード、マルセリーノ・サンベ


「ジゼル」 第2幕よりパ・ド・ドゥ
振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー
音楽:アドルフ・アダン

高田 茜、ベンジャミン・エラ


「アイ・ガット・リズム」
振付:スティーヴン・マックレー
音楽:ジョージ・ガーシュウィン

スティーヴン・マックレー


「ロミオとジュリエット」 第1幕よりパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ

フランチェスカ・ヘイワード、フェデリコ・ボネッリ


― 第2部 ―


「白鳥の湖」 第2幕よりパ・ド・ドゥ
振付:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパ、レフ・イワーノフに基づく)
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

ミリアム・ウルド=ブラーム、マチアス・エイマン


「白鳥の湖」 第3幕よりパ・ド・ドゥ
振付:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパ、レフ・イワーノフに基づく)
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

レオノール・ボラック、ジェルマン・ルーヴェ


「エスメラルダ」 パ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
音楽:チェーザレ・プーニ

オニール八菜、ユーゴ・マルシャン


「マンフレッド」
振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

マチアス・エイマン


― 第3部 ―


「ドン・キホーテ」 ディヴェルティスマン 
振付:マリウス・プティパ 
音楽:レオン・ミンクス

キトリ、バジル: 高田 茜、フェデリコ・ボネッリ ほか
キトリのヴァリエーション: ミリアム・ウルド=ブラーム
キトリ、バジル: ヤーナ・サレンコ、スティーヴン・マックレー
パ・ド・トロワ: ミリアム・ウルド=ブラーム、レオノール・ボラック、ユーゴ・マルシャン
バジルのヴァリエーション: マルセリーノ・サンベ、ベンジャミン・エラ
キューピッド: フランチェスカ・ヘイワード
ドリアードの女王: オニール八菜
キトリ、バジル: レオノール・ボラック、ジェルマン・ルーヴェ
バジルのヴァリエーション: マチアス・エイマン
キトリのヴァリエーション: レオノール・ボラック
コーダ: 全員

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