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2017年10月の7件の記事

2017/10/25

【登山・温泉】《農鳥小屋のおじさんに怒られに行く(1)》前夜泊に最適のアットホームな宿!芦安温泉白雲荘(山梨県南アルプス市)(★★★★)

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 今年の夏、何年か前から計画しながら、天気が悪かったり、体調を崩したりで行けなかった農鳥小屋に、ついて行ってきました!

 ということで、広河原へのバスが出る芦安温泉に前夜泊。
 以前に桃の木温泉本館桃栄館に泊まったこともあるのですが、残念ながら閉館。日本秘湯を守る会に所属する別館山和荘が営業を続けているようですが、登山の前夜泊にはちょっと高級すぎて、なんだかまったりしそうで、登山の気合が入りません。
 そこでネットで調べて、こんかいは芦安温泉白雲荘にお世話になりました。とってもアットホームな宿で、夕食も美味しくてボリューム満点、朝食もおにぎりのお弁当に変更可で、お値段もリーズナブル。温泉が源泉掛け流しではないのが原点となりますが、芦安のバス停にも近く、芦安温泉での前夜泊の宿としては4点クラス。登山客にはオススメです。公式サイトはこちらです。

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 芦安駐車場から徒歩1分。こちらが宿の外観です。芦安温泉のなかでは、アットホームで落ち着いた雰囲気ですね。

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 ロビーも、普通の温泉宿っぽい感じです。

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 客室はこざっぱりした和室で、清潔で心地よいです。布団は自分で敷くタイプ。

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 タイル張りで清潔な浴室は、開口部が広くて明るく、開放感があります。お湯は無色透明で、匂いや味もありません。

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 温泉分析表です(クリックで拡大します)。泉質はアルカリ性単純温泉。pH:9.57はなかなかのものですが、それに見合うヌルヌル感はありません。

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 その理由は、循環加温・消毒をしているからですが、下山客が数日分の汗を流したりするわけですから、しっかりとした消毒が必要なのは仕方ありません。


 さあて、夕食がすごいですよ。冒頭の写真をご覧ください。
 美味しくて手が込んでるし、ボリューム満点で食べきれないほどで、登山客には嬉しいです。宿泊料を考えると、かなり得点が高いです。下手な温泉旅館の形だけの会席料理より、ぜんぜん美味しいです。
 胡麻豆腐は手作りか?新鮮な野菜もいっぱいで、とってもヘルシー。

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 イワナの包み蒸しは、レモン味でちょっとスパイシー。経木の香りが懐かしいです。若い人、経木(きょうぎ)って知ってる?

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 冷たいうどんもつきます。心遣いがうれしいですね。

 明日は夜明け前に起きて出発。お酒もそこそこにして、早々に眠りにつきました。

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2017/10/23

【歌舞伎】ぽん太はご不満!「マハーバーラタ戦記」2017年10月歌舞伎座昼の部

 う〜ん、正直、あんまり面白くなかったです。

 黄金の衣装を着た神々が、争いを繰り広げる人間界を打ち眺め、慈愛こそが人げを救うと主張する太陽神の子・迦楼奈(かるな)と、力こそが争いに終止符を打つと考える帝釈天の子・阿龍樹雷(あるじゅら)が、人間界に送り込まれる……。
 出だしはなかなかいい感じでした。これから迦楼奈と阿龍樹雷の行動が対比され、慈愛のいい面悪い面、力による支配のいい面と悪い面が描かれていくのかな。両花道が効果的に使われるのかも。北朝鮮やISなどの現代的な問題にもつながっていくかも、などと期待してました。

 しかし、あんまり二人の対比がはっきりしません。迦楼奈は、弓やマントラを学ぶため、師匠に身分を偽ります。また、なぜか悪がしこい鶴妖朶王女(づるようだおうじょ)と友情を誓い、味方となります。一方の阿龍樹雷も、そんなに荒々しくもなく、武力による支配を目論んでいるわけでもありません。

 また全体に、ストーリーを追うことに汲々として、ちょっと慌ただしく感じました。たとえば、迦楼奈を授かった汲手姫(くんてぃひめ)が、いきなり赤ん棒をガンジス川に流したり。もう少し場面を整理して、深く描いてもよかったのでは。

 最後は延々とちゃんばら。鎧のデザインなども含め、アニメっぽいです。「ひとつ、一対一で闘うこと」とか言ってるに、いきなり一人を大勢で囲んでました。歌舞伎のタテの定型だから仕方ないのかもしれませんが。

 矛盾といえば、最初の神様の段取りでは、まずは迦楼奈が争いを鎮めようとし、うまくいかなかったら阿龍樹雷が登場する、みたいな話だったのに、いきなり二人がいたので、ちと戸惑いました。

 時々出てくる宗教的な話も、味付けという感じで、深い哲学があるとは思えませんでした。

 なんか、全体として、ジャニーズとかがやっている舞台と同じレベルに感じました。勘三郎のときみたいな演出家
を使ったらどうだったかな。思えば勘三郎はすごかったな。

 音楽自体は悪くはないと思いましたが、インドというよりインドシナのガムランっぽいような気がしました。

 菊五郎、菊之助、松也、それぞれ健闘。七之助の鶴妖朶王女が、迫力ある悪役ぶりでした。

 

芸術祭十月大歌舞伎
平成29年10月1日(日)~25日(水)

公式サイト
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/543
特設サイト
http://www.kabuki-bito.jp/mahabharata/

昼の部

平成29年度(第72回)文化庁芸術祭参加公演
日印友好交流年記念
青木 豪 脚本
宮城 聰 演出
新作歌舞伎
極付印度伝

マハーバーラタ戦記(まはーばーらたせんき)

序幕 神々の場所より
大詰 戦場まで

迦楼奈(かるな)/シヴァ神(しん)   菊之助
汲手姫(くんてぃひめ)   時蔵
帝釈天(たいしゃくてん)   鴈治郎
鶴妖朶王女(づるようだおうじょ)   七之助
百合守良王子(ゆりしゅらおうじ)/多聞天(たもんてん)   彦三郎
風韋摩王子(びーまおうじ)   坂東亀蔵
阿龍樹雷王子(あるじゅらおうじ)/梵天(ぼんてん)   松也
汲手姫(くんてぃひめ)/森鬼飛(しきんび)   梅枝
納倉王子(なくらおうじ)/我斗風鬼写(がとうきちゃ)   萬太郎
沙羽出葉王子(さはでばおうじ)   種之助
弗機美姫(どるはたびひめ)   児太郎
森鬼獏(しきんば)   菊市郎
拉南(らーな)   橘太郎
道不奢早無王子(どうふしゃさなおうじ)   片岡亀蔵
修験者破流可判(はるかばん)   権十郎
亜照楽多(あでぃらた)   秀調
羅陀(らーだー)   萬次郎
弗機王(どるはたおう)/行者   團蔵
大黒天(だいこくてん)   楽善
太陽神(たいようしん)   左團次
那羅延天(ならえんてん)/仙人久理修那(くりしゅな)   菊五郎

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2017/10/22

【仏像・展覧会】仏像の限界を極めた《運慶》東京国立博物館

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 現存する運慶作、あるいは運慶作の可能性が高い仏像は、全部で31体と言われておりますが、そのうちの何と22体が今回の展覧会に集結!!(ただし浄楽寺の阿弥陀三尊像は期間限定のため、ぽん太は見れず)。

 しかし、先日の奈良国立博物館の快慶展に続く今回の運慶展。こりゃ仏像ファンにはたまりませんな〜。

 今回の展覧会では、仏像の背後に回り込んで見れルものありがたかったです。普通では滅多に見れないですもんね。後ろから見ると、正面から見るとがっしりしているように見える願成就院の毘沙門天のウェストが、すごく細く締まっていることに気がつきました。金剛峰寺の八大童子も、表情はすごくリアルでまるで生きているかのようですが、背中は肩甲骨などきっちりとは表現されてないんですね。

 まだ仏像ファン人口は限られているようで、珍しく太陽が顔を出した10月18日に行ってきたのですが、5分ほどの待ち時間で入場することができました。でも内部は、けっこう混んでました。

 こんかいぽん太が初めてお目にかかれたのは、真如苑の大日如来、瀧山寺の聖観音菩薩、東大寺の重源上人像、称名寺の大威徳明王像の4体。これでぽん太が見てないものは、滝山寺の梵天・帝釈天だけになりました。運慶コンプリートまであと2つ!!

 2008年、ニューヨークのオークションで、真如苑が約14億円という価格で落札して話題になった大日如来坐像。今回の展覧会では運慶作とは断定されず、その可能性が高い作品という扱い。
 円成寺の大日如来(像高98.8cm)と比べてやや小ぶり(像高61.6cm)ですが、金箔がほとんど残っていて金色にい光り輝いており、工芸品的な美しさがあります。お体もふっくらしており、お顔も少年のようです。円成寺のものは威厳があって神秘的な雰囲気が漂いますが、真如苑のものは親しみを感じます。高く結い上げられた髷も見事です。

 瀧山寺の聖観音菩薩さまは、明治時代に塗られたという極彩色もあいまって、聖観音というより天女のような印象があります。上半身は白い肌を多く露出しており、背中から両腕に回っている布は、体から浮き上がっています。後ろから見ると、腰からお尻にかけてがすごいボリュームです。両耳の後ろから肩に垂れ下がる髪の毛の表現も珍しい気がしました。

 そして東大寺の重源上人像。真横から見ると、背中の丸まった体から、首が前に突き出ており、どこかの解説書に書いてあった表現ですが、「抽象芸術」の域に達しております。極めて印象深い像でした。この像も運慶作とは断定されておりません。

 運慶最晩年の作である称名寺の大威徳明王は、これまで写真で見て、その迫力から大きいものだと思っていたのですが、像高わずか19.8cmの小さなもの。損傷が激しいですが、残った二面の表情や、肘を曲げて拳を胸にあてた一臂の力強さなど、さすが運慶と思いました。

 もう一つ目をひいたのが、興福寺の四天王像。それぞれが像約2メートルと大きく、ダイナミックなポーズで気迫が漲り、見る人を圧倒します。近年、運慶あるいは運慶一門の作という説があるそうです。
 多聞天は、左手を高く掲げたポーズが、まるでギリシャ彫刻のような美しさです。増長天は、戟を握りしめる左手と、握りこぶしを腰に当てた右手が、とても力強かったです。


 こんかい運慶の仏像をまとめて見て、運慶の作品は確かに素晴らしいけど、仏像としてはどうなんかい?という疑問が、ぽん太の頭に浮かんできました。
 仏像というのは仏教の信仰の対象であり、また仏教の世界観を体現しているものだと思います。だとすると、ダイナミックさやリアルさというものは重要でないし、場合によっては帰ってマイナスになる気がするのです。
 また仏教においては、「我」に執着するのは良くないとされていると思うのですが、運慶仏は作家性が強く、作者運慶が強く刻み込まれているように思えます。仏像に初めて作者名を書き入れたのも、たしか運慶だったと思います(円成寺の大日如来)。
 いわゆる運慶らしい仏像は、四天王や十二神将などの天部の神々であって、如来や菩薩ではないと感じるのはぽん太だけでしょうか。
 なんか運慶自身が、本当に仏教を深く信仰していたのでしょうか。これまでぽん太は、様式的で動きのない快慶に比べて、躍動的な運慶の仏像の方が優れていると思っていたのですが、快慶は浄土宗を深く信仰していたからこそ、「仏像を彫る自分」の痕跡を消し去っていったのではないかと、いまでは思うのです。

 とはいえ運慶は、ギリギリのところで止まっていたと思うのですが、運慶の息子の康弁作の龍燈鬼立像などは、力士をモデルにしたというリアルな筋肉表現などが評価されているものの、銅板で作られた歯車のような眉毛や、皮革製の龍の背びれなど、キッチュというか俗っぽい感じがします。さらに浄瑠璃寺伝来の十二神将になると、もうポップカルチャーという感じで、誇張された表情やポーズは、現代のアニメを彷彿とさせます。
 慶派を最後に、室町時代以降は優れた仏像が作られなくなったのはよく知られてますが、仏像に作家性というか、「我」が持ち込まれてしまったのが、原因のひとつであるように思えます。


興福寺中金堂再建記念特別展
《運慶》

2017年9月26日〜11月26日
東京国立博物館

公式サイト
http://unkei2017.jp

出品目録(pdf. 1074.0K)

主な出品作

運慶作
・大日如来坐像  平安時代・安元2年(1176)頃  奈良・円成寺   国宝
・仏頭        鎌倉時代・文治2年(1186)    奈良・興福寺   重要文化財
・毘沙門天像    鎌倉時代・文治2年(1186)   静岡・願成就院  国宝
・不動明王立像  鎌倉時代・文治5年(1189)    神奈川・浄楽寺  重要文化財
・毘沙門天立像  鎌倉時代・文治5年(1189)    神奈川・浄楽寺  重要文化財
・地蔵菩薩立像  鎌倉時代・12世紀        京都・六波羅蜜寺 重要文化財
・大日如来坐像  鎌倉寺・12〜13世紀     東京・真如苑真澄寺 重要文化財
・大日如来坐像  鎌倉時代・12〜13世紀      栃木・光得寺   重要文化財
・八大童子立像  鎌倉時代・建久8年(1197)頃   和歌山・金剛峰寺 国宝
・聖観音菩薩立像 鎌倉時代・正治3年(1201)頃  愛知・瀧山寺   重要文化財
・無著菩薩立像 世親菩薩立像 鎌倉時代・建暦2年(1212)頃 奈良・興福寺 国宝
・大威徳明王坐像 鎌倉時代・健保4年(1216)    神奈川・光明院 重要文化財
・重源上人坐像  鎌倉時代・123世紀        奈良・東大寺    国宝

・運慶願経     平安時代・寿永2年(1186)    奈良・興福寺    国宝
・四天王立像    鎌倉時代・13世紀       奈良・興福寺(南円堂安置) 国宝
・天燈鬼立像 龍燈鬼立像 康弁作(龍燈鬼) 鎌倉時代・建保3年(1215) 奈良・興福寺 重要文化財
・十二神将立像 京都・浄瑠璃寺伝来 鎌倉時代・13世紀 東京国立博物館・静嘉堂文庫美術館

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2017/10/15

【オペラ】8年越しで結末がわかったぜい。「神々の黄昏」新国立オペラ

 10月1日の初日に観てきました。

 前回の2009/2010シーズンの「指環」が、ぽん太の「指環」初体験だったのですが、実は他の予定とかちあってしまって、最終日の「神々の黄昏」だけ観ることができなかったんです〜crying。ということで、この壮大なオペラの結末がわからないまま。なんだか宙ぶらりんの気持ちのまま苦節8年、ついに「神々の黄昏」を観ることができました!あ〜、す〜っとした。
 でも、暗い結末だったんですね。神々の世界が崩壊して、自由な人間の世界が始まるのかと思っていたら、みんな死んじゃうのか〜。
 でもでも、もちろんとっても感動しました。壮大なスケール感がいいですね。やっぱヴァーグナーはすごいですね。いいものを観たっつ〜感じでした。
 上演時間は、休憩を入れて全部で6時間弱。長いです。動きが乏しくて、これまでのあらすじ紹介みたいな序幕は、ちと意識を失ってしまいましたが、その後は眠くならずに見通すことができました。

 このオペラ、歌舞伎っぽいというか、なんかストーリーが荒唐無稽で表現がくどいです。ヘンテコなストーリーだなーと思い始めると、すごくバカバカしく見えてくるので、そうならないように一生懸命感情移入をして観てました。ニーチェが「指環」を見てヴァーグナーと決別し、ビゼーの「カルメン」を高く評価したというのも、ちと分かる気もしました。
 「神々の黄昏」にヴォータンが出てこないのがちと残念。神々の世界の崩壊を嘆く重々しい独唱を聴きたかったです。

 ジークフリート役のステファン・グールドは今回も素晴らしかったです。ブリュンヒルデのペトラ・ラング、終幕の歌唱は感動的でした。ハーゲンのアルベルト・ペーゼンドルファーは、重々しい声でガタイも大きく、冷酷で不気味な悪者という印象。アルベリヒの島村武男も、役柄の表現が素晴らしかったです。アントン・ケレミチェフのグンターは、世間知らずの高貴なおぼっちゃ風。安藤赴美子のグートルーネも可憐で美しかったです。ヴァルトラウテのヴァルトラウト・マイヤーは明るく力強い歌と演技で、出番は少なかったですが、強く印象に残りました。ぽん太は知らんが、往年の名歌手だそうな。さもありなん。ラインの精の増田のり子、加納悦子、田村由貴絵も、橋の下に隠れたり出てきたりして、なんか魚っぽくて、イタズラっぽくて、良かったです。新国立劇場合唱団の迫力は相変わらず。

 こんかいのオケは珍しく読売日本交響楽団。飯森さんが今シーズンの説明をしたとき、質問コーナーで誰かが理由を聞いてましたが、答えがあんまりよくわかりませんでした。飯森さんの指揮で、スケールの大きい大河の流れのような音楽を聴かせてくれました。

 さるやんごとなきお方が聴きにきてました。

 大満足の長い長い1日でした。

リヒャルト・ワーグナー
楽劇「ニーベルングの指環」第3日

《神々の黄昏》

新国立劇場オペラ劇場
2017年10月1日

公式サイト
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/gotterdammerung/

指揮:飯守泰次郎 IIMORI Taijiro

演出:ゲッツ・フリードリヒGötz FRIEDRICH
美術・衣裳:ゴットフリート・ピルツGottfried PILZ
照明:キンモ・ルスケラKimmo RUSKELA
演出補:アンナ・ケロAnna KELO
舞台監督:村田健輔MURATA Kensuke

ジークフリート:ステファン・グールドStephen GOULD
ブリュンヒルデ:ペトラ・ラングPetra LANG
アルベリヒ:島村武男SHIMAMURA Takeo
グンター:アントン・ケレミチェフAnton KEREMIDTCHIEV
ハーゲン:アルベルト・ペーゼンドルファーAlbert PESENDORFER
グートルーネ:安藤赴美子ANDO Fumiko
ヴァルトラウテ:ヴァルトラウト・マイヤーWaltraud MEIER
ヴォークリンデ:増田のり子MASUDA Noriko
ヴェルグンデ:加納悦子KANOH Etsuko
フロスヒルデ:田村由貴絵TAMURA Yukie
第一のノルン:竹本節子TAKEMOTO Setsuko
第二のノルン:池田香織IKEDA Kaori
第三のノルン:橋爪ゆかHASHIZUME Yuka

合唱指揮:三澤洋史MISAWA Hirofumi
合唱:新国立劇場合唱団/二期会合唱団New National Theatre Chorus / Nikikai Chorus Group
管弦楽:読売日本交響楽団:Yomiuri Nippon Symphony Orchestra

協力:日本ワーグナー協会Richard-Wagner-Gesellschaft Japan
芸術監督:飯守泰次郎IIMORI Taijiro

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2017/10/10

【歌舞伎】まさに極め付け!吉右衛門の「幡随長兵衛」2017年9月歌舞伎座昼の部

 9月歌舞伎座は、昼の部の観劇。

 「毛谷村」は、染五郎の六助。前半の人の良さは出ているが、後半に真実を知って大魔神に変身するところがパワー不足。吉之丞の杣斧右衛門が、飄々とした感じと踊りの面白さで良かったです。菊之助のお園は、「女房じゃぞ」のところのクネクネ具合や、臼を転がして怪力を見せるあたりが、あんまり面白くなかったです。

 続いて藤十郎と壱太郎の「道行旅路の嫁入」。藤十郎、貫禄はあるけれど、さすがに足腰が弱ってきたか?壱太郎、きっちりと踊っていたけど、なぜか楽しめなかったです。力弥に会いに行くというドラマが感じられず、形に気をとられているように思いました。

 最後は極付、吉右衛門の「幡随長兵衛」。握手でお客さんに愛想を振りまきながら客席から登場し、舞台に上がったところでふっと気を入れて役に入るあたり、自由自在です。歌い上げるような台詞回しを聞いているだけで気持ちよくなります。魁春の女房お時も円熟の芸で、「歌舞伎」を楽しめました。 


歌舞伎座

秀山祭九月大歌舞伎
平成29年9月

公式サイト
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/536

昼の部

一、彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
  毛谷村

    毛谷村六助 染五郎
    お園 菊之助
    杣斧右衛門 吉之丞
    お幸 吉弥
    微塵弾正実は京極内匠 又五郎

  仮名手本忠臣蔵
二、道行旅路の嫁入(みちゆきたびじのよめいり)

    戸無瀬 藤十郎
    小浪 壱太郎
    奴可内 隼人

  河竹黙阿弥 作
三、極付 幡随長兵衛(きわめつき ばんずいちょうべえ)
  「公平法問諍」

    幡随院長兵衛 吉右衛門
    水野十郎左衛門 染五郎
    近藤登之助 錦之助
    子分極楽十三 松江
    同 雷重五郎 亀鶴
    同 神田弥吉 歌昇
    同 小仏小平 種之助
    御台柏の前 米吉
    伊予守頼義 児太郎
    坂田金左衛門 吉之丞
    慢容上人 橘三郎
    渡辺綱九郎 錦吾
    坂田公平/出尻清兵衛 又五郎
    唐犬権兵衛 歌六
    長兵衛女房お時 魁春

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2017/10/09

【演劇】ぽん太はちと楽しめず。ケラリーノ・サンドロヴィッチ演出「ワーニャ伯父さん」

 先日、「陥没」で初めてケラリーノの舞台を観たらとても面白かったので、引き続き「ワーニャ伯父さん」を観に行って来ました。
 チェーホフの舞台を生まれて初めて観たぽん太が偉そうに言うのもなんですが、なんか、あんまし面白くなかったです。でも、ぽん太だって若い頃からチェーホフが好きだったんだい!

 普通に写実的に演じたら、登場人物たちの情けなさというか、悲哀がもっと感じられたんじゃないかと思うのですが、ちょっとエンゲキっぽく演出を加えたせいで、登場人物たちのリアルな生き様が見えてきませんでした。
 だとしたら、動きなりリズムなり、別の演劇的な面白さが加わらないといけないと思うのですが、前回のケラ作品で感じられたような、軽妙さや独特の間合い・リズムが感じられませんでした。

 段田安則はぽん太の好きな役者ではありますが、かつては中二病で教授に心酔していたけど、現在はすっかり幻滅して愚痴ばかりこぼしている、ちょっと神経質っぽいワーニャの「ニン」ではない気がします。なんかガテン系に見えてしまいます。
 宮沢りえも美しく上手でしたが、教授の若い後妻のエレーナがどういう人物なのか今ひとつよくわかりませんでした。演出の問題か?
 人気の黒木華も、あんまりいいと思いませんでした。ラストのワーニャに語りかける長ゼリフも、ぽん太の心には響かなかったです。東方正教会の信者じゃないと思い入れが難しいのかしら。日本で言えば、現世は苦しいけど死んで極楽浄土に生まれ変わるみたいなセリフですよね。
 山崎一、痛みを訴えて同情を引こうとする老いぼれた教授には見えない。これも演出のせいか?
 ぽん太と同業のお医者さんの横田栄司、一見ダンディだが、未来のために森を育てるとか観念的なことをほざいている飲んだくれを好演。
 脇役の立石涼子と小野武彦が良かったです。

「ワーニャ伯父さん」

新国立劇場小劇場
2017年9月14日

・公式サイト
 http://www.siscompany.com/ojisan/gai.htm

作 ・・・・・ アントン・チェーホフ
上演台本・演出 ・・・・・ ケラリーノ・サンドロヴィッチ

キャスト
段田安則、宮沢りえ、黒木華、山崎一、横田栄司、水野あや、遠山俊也、立石涼子、小野武彦

ギター演奏
伏見 蛍

美術 ・・・・・ 伊藤 雅子
照明 ・・・・・ 関口 裕二
衣装デザイン ・・・・・ 伊藤 佐智子
音響 ・・・・・ 水越 佳一
ヘアメイク ・・・・・ 宮内 宏明
演出助手 ・・・・・ 坂本 聖子
舞台監督 ・・・・・ 瀬﨑 将孝
プロデューサー ・・・・・ 北村 明子
企画・製作 ・・・・・ シス・カンパニー

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2017/10/08

【文楽】ケレンたっぷり「玉藻前曦袂」(たまものまえあさひのたもと)2017年9月国立劇場第二部

お〜〜い。
ぽん太は生きてるぞ〜〜〜。

何があったというわけではありませんが、なんだかバタバタしてて、
9月は一回しかブログを更新できませんでした。

もう記憶が薄れてしまいましたが、備忘録がわりに感想をアップ。


 9月の文楽公演は、よく前を通る那須の殺生石(せっしょうせき)のいわれがわかるということで、第二部の「玉藻前曦袂」(たまものまえあさひのたもと)を観に行ってきました。

 ところがラストの「化粧殺生石」(けわいせっしょうせき)という段は、殺生石の前で、座頭や雷、夜鷹や女郎などが、次々と踊りまくるというシュールな場面。
 なんだこりゃ? グランド・フィナーレでしょうか?
 殺生石のいわれは結局よくわかりませんでした。

 当時の江戸庶民たちは殺生石の伝説をよく知っていたので、事細かに描いてもうざったがられるので、省略したのかもしれません。プッチーニのオペラの「マノン・レスコー」で、マノンがアメリカに出航する場面の次が、いきなりルイジアナの砂漠をよろよろになって彷徨う場面になっているようなものか?

 この段、「七化け」と呼ばれる人形の早変わりが見ものだそうですが、衣装やカツラを変える歌舞伎とは異なり、文楽だと人形を持ち替えるだけだと思うので、ぽん太にはイマイチ有り難みがよくわかりません。

 全体に、玉藻前が一瞬にして狐の顔になるなどの、ケレンが主体の舞台でした。なかなかシカケがよくできてます。

 それでも、桂姫と初花姫のどちらの首の討つかを双六で決めるという「道春館の段」は、見応えがある場面でした。なんかこの段だけ劇として突出してましたが、先行作品の名場面をパクって組み入れたんでしょうか?

 で、初花姫は、玉藻前と名を改めて入内しますが、そこに突然九尾の狐が現れて玉藻前に乗り移ります。こうして突然妖狐の話になるのですが、なんか唐突で脈絡がありません。これまでの話は何だったの?という感じ。

 「訴訟の段」は、伽羅先代萩の「対決」みたいに玉藻前の正体を巡って緊迫したやりとりが繰り広げられるのかと思ったら、傾城が訴訟の裁判官をするというユルイお話で、面白かったです。

 
 咲寿太夫と龍爾改め友之助のイケメンコンビは、出番が短かったです。
 千歳太夫は、道春館の段の奥を、これでもかと言わんばかりの熱演。

 勘十郎が九尾の狐のぬいぐるみみたいなのを持って、舞台上を真剣に走り回っていた姿が可愛かったです。
 


2017年9月文楽公演 第二部
東京・国立劇場
2017年9月13日

・公式サイト
  http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2017/910.html

玉藻前曦袂(たまものまえあさひのたもと)

清水寺の段
  薄雲皇子 津國太夫
  犬淵源蔵 南都太夫
  采女之助 文字栄太夫
  桂姫 咲寿太夫
  腰元 亘太夫
  腰元 碩太夫
      團吾

道春館の段
  中  希太夫
     寛太郎
  奥  千歳太夫
     富助

神泉苑の段
  口  咲寿太夫
     龍爾改め友之助
  奥  咲甫太夫
     清介

廊下の段
  始太夫
  清志郎

訴訟の段
  睦太夫
  喜一朗

祈りの段
  文字久太夫
  宗助

化粧殺生石(けわいせっしょうせき)
  咲甫太夫
  睦太夫
  始太夫
  小住太夫
  亘太夫
  藤蔵
  清馗
  寛太郎
  清公
  清允

薄雲皇子 玉也
源蔵 勘市
桂姫 簑二郎
采女之助 幸助
初花姫後に玉藻前 文昇
萩の方 和生
金藤次 玉男
重之卿 亀次
仕丁甚太平 玉路
仕丁平作 和馬
玉藻前実は妖狐 勘十郎
菖蒲前 紋吉
葛城前 簑太郎
千歳前 勘次郎
美福門院 清五郎
亀菊 勘彌
文字野 簑悠
内侍の局 紋秀
持兼の宰相 文哉
お末 簑紫郎
右大弁 玉勢
安倍泰成 玉輝

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