【オペラ】8年越しで結末がわかったぜい。「神々の黄昏」新国立オペラ
10月1日の初日に観てきました。
前回の2009/2010シーズンの「指環」が、ぽん太の「指環」初体験だったのですが、実は他の予定とかちあってしまって、最終日の「神々の黄昏」だけ観ることができなかったんです〜。ということで、この壮大なオペラの結末がわからないまま。なんだか宙ぶらりんの気持ちのまま苦節8年、ついに「神々の黄昏」を観ることができました!あ〜、す〜っとした。
でも、暗い結末だったんですね。神々の世界が崩壊して、自由な人間の世界が始まるのかと思っていたら、みんな死んじゃうのか〜。
でもでも、もちろんとっても感動しました。壮大なスケール感がいいですね。やっぱヴァーグナーはすごいですね。いいものを観たっつ〜感じでした。
上演時間は、休憩を入れて全部で6時間弱。長いです。動きが乏しくて、これまでのあらすじ紹介みたいな序幕は、ちと意識を失ってしまいましたが、その後は眠くならずに見通すことができました。
このオペラ、歌舞伎っぽいというか、なんかストーリーが荒唐無稽で表現がくどいです。ヘンテコなストーリーだなーと思い始めると、すごくバカバカしく見えてくるので、そうならないように一生懸命感情移入をして観てました。ニーチェが「指環」を見てヴァーグナーと決別し、ビゼーの「カルメン」を高く評価したというのも、ちと分かる気もしました。
「神々の黄昏」にヴォータンが出てこないのがちと残念。神々の世界の崩壊を嘆く重々しい独唱を聴きたかったです。
ジークフリート役のステファン・グールドは今回も素晴らしかったです。ブリュンヒルデのペトラ・ラング、終幕の歌唱は感動的でした。ハーゲンのアルベルト・ペーゼンドルファーは、重々しい声でガタイも大きく、冷酷で不気味な悪者という印象。アルベリヒの島村武男も、役柄の表現が素晴らしかったです。アントン・ケレミチェフのグンターは、世間知らずの高貴なおぼっちゃ風。安藤赴美子のグートルーネも可憐で美しかったです。ヴァルトラウテのヴァルトラウト・マイヤーは明るく力強い歌と演技で、出番は少なかったですが、強く印象に残りました。ぽん太は知らんが、往年の名歌手だそうな。さもありなん。ラインの精の増田のり子、加納悦子、田村由貴絵も、橋の下に隠れたり出てきたりして、なんか魚っぽくて、イタズラっぽくて、良かったです。新国立劇場合唱団の迫力は相変わらず。
こんかいのオケは珍しく読売日本交響楽団。飯森さんが今シーズンの説明をしたとき、質問コーナーで誰かが理由を聞いてましたが、答えがあんまりよくわかりませんでした。飯森さんの指揮で、スケールの大きい大河の流れのような音楽を聴かせてくれました。
さるやんごとなきお方が聴きにきてました。
大満足の長い長い1日でした。
リヒャルト・ワーグナー
楽劇「ニーベルングの指環」第3日
《神々の黄昏》
新国立劇場オペラ劇場
2017年10月1日
公式サイト
・http://www.nntt.jac.go.jp/opera/gotterdammerung/
指揮:飯守泰次郎 IIMORI Taijiro
演出:ゲッツ・フリードリヒGötz FRIEDRICH
美術・衣裳:ゴットフリート・ピルツGottfried PILZ
照明:キンモ・ルスケラKimmo RUSKELA
演出補:アンナ・ケロAnna KELO
舞台監督:村田健輔MURATA Kensuke
ジークフリート:ステファン・グールドStephen GOULD
ブリュンヒルデ:ペトラ・ラングPetra LANG
アルベリヒ:島村武男SHIMAMURA Takeo
グンター:アントン・ケレミチェフAnton KEREMIDTCHIEV
ハーゲン:アルベルト・ペーゼンドルファーAlbert PESENDORFER
グートルーネ:安藤赴美子ANDO Fumiko
ヴァルトラウテ:ヴァルトラウト・マイヤーWaltraud MEIER
ヴォークリンデ:増田のり子MASUDA Noriko
ヴェルグンデ:加納悦子KANOH Etsuko
フロスヒルデ:田村由貴絵TAMURA Yukie
第一のノルン:竹本節子TAKEMOTO Setsuko
第二のノルン:池田香織IKEDA Kaori
第三のノルン:橋爪ゆかHASHIZUME Yuka
合唱指揮:三澤洋史MISAWA Hirofumi
合唱:新国立劇場合唱団/二期会合唱団New National Theatre Chorus / Nikikai Chorus Group
管弦楽:読売日本交響楽団:Yomiuri Nippon Symphony Orchestra
協力:日本ワーグナー協会Richard-Wagner-Gesellschaft Japan
芸術監督:飯守泰次郎IIMORI Taijiro
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