« 【登山】《農鳥小屋のおじさんに怒られに行く(4)》3日目、強風のなか農鳥小屋から広河原へ(付:居酒屋くさ笛@甲府市) | トップページ | 【クラシック】躍動感あふれる「ペトルーシュカ」 サイモン・ラトル指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団2017年来日公演 »

2017/11/30

【歌舞伎】情と型のバランス・仁左衛門の勘平 2017年11月歌舞伎座夜の部

 仁左衛門の勘平は何回か見てるのですが、かなり久しぶり。自分のブログをぐぐっても出てこないし、ひょっとしたら前回から10年以上たってるかも。最近は菊五郎をよく見てる気がします。

 仁左衛門も菊五郎と同じく基本的には菊五郎型ですが、気っ風のよさがあって型を一つひとつみせていく菊五郎に対して、仁左衛門の勘平は姿や表情が美しく、情の動きがが伝わってきました。

 例えば有名な財布を見比べる場面でいうと、仁左衛門の場合、「違ってくれ」と思いながら懐から出した財布を見るときの不安と緊張、「ああ、同じだ」と気づいた瞬間の血の引くような思いが、ありありと伝わってきました。

 母おかやに殴打されるときの足の形なども美しかったです。

 勘平のその時その時の心の動きがドラマとして描き出され、型において表情や姿の美しさを見せるのが、仁左衛門の良さだと感じました。

 基本は菊五郎型ですが、細かいところは違ってましたね。二つ玉の鉄砲は、一回撃つだけですし、花道でおかるの駕籠を押しもどすところも、菊五郎はぽ〜んとひと突きするのに対し、仁左衛門はずず〜っと押し戻してました。

 染五郎の斧定九郎は、迫力と色気があってかなり良かった気がします。吉哉のおかやは、ちょっと気丈そうな感じがしましたが、悪くありませんでした。


 藤十郎と扇雀の「新口村」もまた、上方風の情に溢れる名演。藤十郎もまだまだ元気で、顔も化粧をすると誠に美しいですが、さすがに声が通らなくなってきたか。歌六の孫右衛門も熱演で良かったですが、ここは我當でで見たかったです。


 最後はぽん太が嫌いな「元禄忠臣蔵」より「大石最後の一日」。
 おごり高ぶらず、みな整然と切腹しましょう、みたいなテーマが、ぽん太はイヤです。ダメ男の悲惨な運命を暖い目で描いた「仮名手本忠臣蔵」の五・六段目とは大違いですよね。
 大石内蔵助を幸四郎が自信を持って演じていました。幸四郎は時代物だとセリフに変に節がつき、声がくぐもって聞き取りにくくなりますが、今回のような現代劇の方があってますね。演技は良かったとぽん太は思います。
 また児太郎のおみのが、小姓のふりをしている時も、女の正体を表してからも、ともに素晴らしい演技でした。
 金太郎くん、いつのまにかずいぶん身長が伸びました。でもまだセリフと演技はまだ変。

吉例顔見世大歌舞伎

歌舞伎座
平成29年11月22日

公式サイト
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/546

夜の部

一、仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
    五段目  山崎街道鉄砲渡しの場
          同   二つ玉の場
    六段目  与市兵衛内勘平腹切の場
    
  早野勘平  仁左衛門
  女房おかる  孝太郎
  斧定九郎  染五郎
  千崎弥五郎  彦三郎
  判人源六  松之助
  母おかや  吉弥
  不破数右衛門  彌十郎
  一文字屋お才  秀太郎


  恋飛脚大和往来
二、新口村(にのくちむら)

  亀屋忠兵衛  藤十郎
  傾城梅川  扇雀
  孫右衛門  歌六


  真山青果 作
  真山美保 演出
  元禄忠臣蔵
三、大石最後の一日(おおいしさいごのいちにち)

  大石内蔵助  幸四郎
  磯貝十郎左衛門  染五郎
  おみの  児太郎
  細川内記  金太郎
  吉田忠左衛門  錦吾
  赤埴源蔵  桂三
  片岡源五右衛門  由次郎
  久永内記  友右衛門
  堀内伝右衛門  彌十郎
  荒木十左衛門  仁左衛門

|

« 【登山】《農鳥小屋のおじさんに怒られに行く(4)》3日目、強風のなか農鳥小屋から広河原へ(付:居酒屋くさ笛@甲府市) | トップページ | 【クラシック】躍動感あふれる「ペトルーシュカ」 サイモン・ラトル指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団2017年来日公演 »

芸能・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74997/66069908

この記事へのトラックバック一覧です: 【歌舞伎】情と型のバランス・仁左衛門の勘平 2017年11月歌舞伎座夜の部:

« 【登山】《農鳥小屋のおじさんに怒られに行く(4)》3日目、強風のなか農鳥小屋から広河原へ(付:居酒屋くさ笛@甲府市) | トップページ | 【クラシック】躍動感あふれる「ペトルーシュカ」 サイモン・ラトル指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団2017年来日公演 »