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2017/12/03

【バレエ】ベジャールの正法の時代は終わったか? モーリス・ベジャール・バレエ団2017年日本公演<Bプロ>

 モーリス・ベジャール・バレエ団は、日程の都合でBプロのみの鑑賞。ベジャール振り付けとジル・ロマン振り付けが、それぞれ2作品というプログラムでした。

 ジル・ロマンの振り付けは、オシャレで独特な雰囲気があるけれど、ちょっと小道具に頼りすぎで、踊りそのものの面白さに欠ける感じがしました。それから、群舞がほとんどない。パワフルな群舞の振り付けは苦手なんでしょうか。オシャレすぎて、なんだかファッションブランドのショーのような気もしました。いっそのこと、衣装デザインはゴルチエとかにしてみては?
 いつのまにかダンサーにイケメンが増えた気がします。ビジュアル重視か?
 それから、ベジャールよりジル・ロマンの振り付けの方が、ダンサーたちが生き生きと踊っている気がしました。開祖ベジャールが成仏して10年たち、正法の時代が終わり、像法の時代に入ったのか?

 最初はベジャール振付の「ピアフ」。ぽん太は初めて見ました。
 有名な、というより伝説的なシャンソン歌手、エディット・ピアフの歌に振り付けた演目。背後にピアフの写真が掲げられ、ベジャールのピアフに対するオマージュの気持ちが感じられます。
 一つひとつの振り付けがバラエティに富んでいて、ベジャールの溢れんばかりの才能が伝わってきます。ピアフの声の質は哀愁に満ちておりますが、男性ダンサーだけの踊りで、ベジャールが同性愛だったことがよくわかりました。

 続いてジル・ロマン振り付けの「兄弟」。日本人ダンサーの那須野圭右と大貫真幹が兄弟役(?)で出演。音楽には津軽三味線の吉田兄弟や、美空ひばりの歌も使われており、日本公演にふさわしい演目でした。美空ひばりは、日本にピアフといったところか?座間の事件のあとでは、ちょっと生々しい表現もありましたが。

 休憩を挟んでこれまたジル・ロマン振り付けの「アニマ・ブルース」。ベンチがあったりして、なんか街の中でいくつもの恋が繰り広げられるような話し。最初に出てきた男性が、椅子に座って上から雪を振りかけられ続けるのが、なんだかよくわからなかった。おもしろいって言えばおもしろいけお、バレエではないよね(後で踊るけど)。
 隣に美女(シャルキナ)が座った黒人ダンサーが、びっくりして二度見し、「なにこれ?どうしたの」、「あっちもなんかやってるやん」、「げへへ、よく見るといい女だな、ひとつくどいてみるか」みたいな顔芸をするのが面白かったです。演技がうまいですね。

 最後はベジャールの「ボレロ」。「メロディ」はベテランのエリザベット・ロス。もちろん悪くはなかったんだけど、「ボレロ」の「メロディ」は、「良かった」レベルを超えるカリスマ性が欲しいところ。そういう意味では、ちょっと物足りなかったです。おまけに席が前の方だったので、「リズム」が邪魔になって「メロディ」が見えにくかったです。
 終わってからにゃん子が、「「リズム」がすごく良かった〜、感動して涙が出そうになった」との感想。引き締まったボディに、両手を広げて上げたり下げたりするポーズが、まるで阿修羅像みたいだったとのこと。そういう見方はぽん太は気がつきませんでした。千手観音と二十八部衆といったところか。ベジャールが仏教にも精通し、自ら座禅をしていたのは有名ですが、ボレロの振り付けで仏像を意識していたかどうか。面白いテーマですね。

 カーテンコールにジル・ロマンが登場。細身の神経質そうな青年だと思っていたら、ベジャール風のヒゲをたくわえて、いつの間にかおじいさんになってました。
 


モーリス・ベジャール・バレエ団 2017年日本公演

2017年11月26日
東京文化会館

Bプロ

公式サイト
http://www.nbs.or.jp/stages/2017/bejart/index.html

「ピアフ」
 振付:モーリス・ベジャール
 音楽:エディット・ピアフ

『愛の言葉』:男性全員
『アコーディオン弾き』:クゥィンテン・ギリアムズ
『冷淡な美男子』(ジャン・コクトーの戯曲より):ファブリス・ガララーグ
『私の回転木馬』:ローレンス・リグ
『道化師万歳』:ハビエル・カサド・スアレス
『あなたはきれいね、分かってるでしょ...』:男性全員
『私の友達リュシアン』:デミアン・バルガス
『水に流して』:男性全員

「兄弟」
 振付:ジル・ロマン
 音楽:モーリス・ラヴェル、エリック・サティ、吉田兄弟、美空ひばり、
 シティ・パーカッション(ティエリー・ホーシュテッター&jB メイアー)

 ガブリエル・アレナス・ルイス、リザ・カノ
 那須野圭右、大貫真幹
 ジャスミン・カマロタ、大橋真理

「アニマ・ブルース」
 振付:ジル・ロマン
 音楽:シティ・パーカッション(ティエリー・ホーシュテッター&jB メイアー)

 カテリーナ・シャルキナ、コナー・バーロー
 リザ・カノ、ガブリエル・アレナス・ルイス
 ジャスミン・カマロタ、ジェイム・オエッソ
 エリザベット・ロス、クゥィンテン・ギリアムズ
 キャサリーン・ティエルヘルム、ジュリアン・ファヴロー

「ボレロ」
 振付:モーリス・ベジャール
 音楽:モーリス・ラヴェル

 メロディ:エリザベット・ロス

 リズム:
 アンジェロ・ペルフィド、ガブリエル・アレナス・ルイス、ファブリス・ガララーグ、コナー・バーロー、
 スン・ジャユン、ダニエル・ゴールドスミス、マッティア・ガリオット、ミケランジェロ・ケルーチ、
 ヴィト・パンシーニ、ローレンス・リグ、ハビエル・カサド・スアレス、フェデリコ・マテティッチュ、
 ドノヴァーヌ・ヴィクトワール、ジェイム・オエッソ、クゥィンテン・ギリアムズ、大貫真幹、
 ヴィクトル・ユーゴー・ペドロソ、アントワーヌ・ル・モアル

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