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2018/03/14

【歌舞伎】玉三郎のお軽に感動「祇園一力茶屋の場」2018年歌舞伎座夜の部

 最後の「仮名手本忠臣蔵」祇園一力茶屋の場、玉三郎のお軽の演技に、とにかく感動しました。

 決まりきまりのポーズの美しさは言うまでもありませんが、ぶりっ子の程度もほどよく、逃げいていった花道の戸の外でウジウジ言ってるのも適度なおかしさ。
 何といっても素晴らしかったのは、夫勘平の死を聞かされて泣き崩れる場面。父親の死を聞かされた時は普通に驚いて泣いておりましたが、勘平の死を聞かされた玉三郎は、一瞬気を失ったかのようにコロリと仰向けにころがりました。そしてその後、美しい表情を歪めて泣きじゃくりました。乙女のお軽ちゃんが、周りからどう見えるかを忘れてワーワー泣きじゃくる姿に、ぽん太も思わずもらい泣き。平右衛門の仁左衛門が、「お前が手紙を見てしまったのが運の尽きだ。もう死ぬしかない」みたいなことを説きますが、お軽ちゃんはそんなこと聞いてません。なによりも勘平の死を嘆き続けます。お軽が自分の首を差し出すのは、手紙云々の理屈からではなく、勘平のいない現世にはもう未練がないからだ、ということがよくわかりました。
 玉三郎の七段目のお軽は、はるか昔に見た気がするけど、こんなだったかな?演技を変えたのかどうか、タヌキのぽん太は前回の演技を全く覚えていないので、皆目わかりません。
 仁左衛門のうまさはいつもどおり、白鴎の由良之助も悪くなかったです。染五郎の力弥も色気を感じました。

 幸四郎の「熊谷陣屋」はちと残念。熊谷直実の風格が感じられませんでした。体が細いのは仕方ないけど、芸で大きさを表現して欲しいところ。また、時代物らしい様式美がなく、現代劇っぽいのも欠点。しかし最後の花道での表情は、逆に現代劇っぽいところが生きて真に迫っていて、思わず引き込まれました。
 魁春の相模、菊五郎の義経が素晴らしかったです。

 「壽三代歌舞伎賑」は、高麗屋三代同時襲名を祝っての演目で、口上も入ってます。歌舞伎役者総出といった感じでした。


歌舞伎座百三十年

松本幸四郎改め 二代目 松本白 鸚
市川染五郎改め 十代目 松本幸四郎 襲名披露
松本金太郎改め 八代目 市川染五郎

二月大歌舞伎
平成30年2月25日
歌舞伎座

公式サイト

夜の部

  一谷嫩軍記
一、熊谷陣屋(くまがいじんや)

  熊谷次郎直実  染五郎改め幸四郎
  熊谷妻相模  魁春
  藤の方  雀右衛門
  梶原平次景高  芝翫
  亀井六郎  歌昇
  片岡八郎  萬太郎
  伊勢三郎  巳之助
  駿河次郎  隼人
  堤軍次  鴈治郎
  白毫弥陀六  左團次
  源義経  菊五郎


  今井豊茂 作
二、壽三代歌舞伎賑(ことほぐさんだいかぶきのにぎわい)
  木挽町芝居前
  二代目松本白 鸚
  十代目松本幸四郎 襲名披露口上
  八代目市川染五郎

  幸四郎改め白鸚
  染五郎改め幸四郎
  金太郎改め染五郎

  木挽町座元  菊五郎
  芝居茶屋亭主  仁左衛門
  茶屋女房  玉三郎
  男伊達  左團次
  同  又五郎
  同  鴈治郎
  同  錦之助
  同  松緑
  同  海老蔵
  同  彌十郎
  同  芝翫
  同  歌六
  女伊達  魁春
  同  時蔵
  同  雀右衛門
  同  孝太郎
  同  梅枝
  同  高麗蔵
  同  友右衛門
  同  東蔵
  同  秀太郎
  表方  廣太郎
  役者  錦吾
  高麗屋番頭  猿之助
  町火消組頭  楽善
  木挽町町年寄  我當
  江戸奉行  梅玉
  太夫元  吉右衛門
  芸者  藤十郎
     
   
三、仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
  祇園一力茶屋の場

  大星由良之助  幸四郎改め白鸚
  大星力弥  金太郎改め染五郎
  赤垣源蔵  友右衛門
  富森助右衛門  彌十郎
  矢間重太郎  松江
  斧九太夫  錦吾
  遊女お軽  玉三郎
  寺岡平右衛門  仁左衛門

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