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2018年3月の21件の記事

2018/03/31

【展覧会】葛井寺の千手観音、道明寺の十一面観音など・特別展「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」東京国立博物館

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 東京国立博物館で開催された「仁和寺と御室派のみほとけ」展は、仏像ファンにとって、なかなか見応えのある展覧会でした。
 特に、普通でもなかなか見れない秘仏がいくつも来てました。いずれも数年に1度、あるいは年に数日しか公開されていないものばかり。ブリューゲルでもベラスケスでも、所蔵している美術館に行けば見ることができますが、これらの秘仏はお寺まで出かけたとしても、なかなか見ることができません。
 また、普段なら修行僧しか入れない仁和寺の観音堂の内部が、仏像や壁画にいたるまで再現され、写真撮影オーケーになってました(冒頭の写真)。その迫力に圧倒されそうになります。

 今回ぽん太とにゃん子が見たかったのは、大阪は葛井寺(ふじいでら)の国宝・千手観音菩薩坐像。お写真は例えばこちら(葛井寺|サライ公式サイト)。毎月18日と、8月9日しか見ることができない秘仏です。
 「千手」観音といっても、実際は42本の手で表現されていることが多いのですが、この仏さまは千本の手を持っております。ってゆ〜か、実際に数えてみたら1041本で、なんと千本以上の手をお持ちだったそうです。
 千本近い手を持つ千手観音を「真数千手」などと呼ぶようで、代表作は唐招提寺の千手観音(現存953本)ですね。ぽん太は他に、福井県小浜市の妙楽寺や(本数不明)、京都府京田辺市の寿宝寺の千手観音を拝観したことがあります(ともに正確な手の本数は不明です)。
 全国に真数千手がどれだけあるのかは定かではありませんが、こちらのサイト(和顔愛語 古寺と古仏を訪ねて)にかなりのものがリストアップされてます。
 で、葛井寺の千手観音に話を戻すと、写真で見るほどのワラワラ感はありません。そして手ばかりに気を取られがちですが、お顔がとてもよい表情をしております。正面から見ると、ちょっと気の小さいお父さんのようですが、(仏さまから見て)斜め左から見ると、なかなかハンサムでお優しいお顔です。東大寺法華堂の日光・月光菩薩(現在は東大寺ミュージアムにあります)との類似性が指摘されているそうです。
 お身体は、千本の手のボリュームに対抗するためか、やや太めでがっしりとしており、上体をやや前に倒してます。
 さらに今回は仏様の後ろ側に回りこめるので、十一面のうちのにこやかな大笑面や、千本の手が付いている様子も見ることができました。

 もう一つぽん太とにゃん子が見たかったのが、大阪は道明寺の国宝・十一面観音菩薩さまです。お写真はたとえばこちら(まるわかり天神縁起)。こちらも毎月18日と25日にしかご開帳していない秘仏です。菅原道真が自ら刻んだという言い伝えがあるそうです。
 頭上面から台座の蓮肉まですべてを一木から彫り出したという一木造り。素材はカヤで、ほとんど彩色せずに木肌の美しさを見せております。お顔や体はふっくらとして肉付きがよいです。正面から見るとウエストがしまってますが、横から見るとお腹の前後の幅が大きいです。衣紋も彫りが深く、ちょっとマニエリスム的な迫力があります。
 国宝の十一面観音は日本に7躯ありますが(リストは例えばこちらまったりと和風)、これでぽん太は、室生寺と六波羅蜜寺をのぞいて5躯を拝観したことになります。

 仁和寺の秘仏本尊・薬師如来坐像も出品されてました。お写真は例えばこちら(金閣寺・御朱印)。像高12センチと小さいですが、白檀を細かく彫んであり、素地の上に精緻な截金(きりかね)文様(細かく切った金箔を貼って描いた模様)が施されております。光背や台座に、日光・月光菩薩や七仏薬師、十二神将まで刻まれてます。
 仏さまが小さいこともあって、立ち止まらないでくださいのシャンシャン状態でした。
 実はこの仏さま、昨年の京都国立博物館の「国宝」展にも出ていて、そこではゆっくりと見ることができました。その時は金印がシャンシャン状態でした。

 同じく仁和寺の阿弥陀三尊像(国宝)は、仁和寺創建当時のご本尊だったと言われております。お写真は、例えばこちらのサイト(仏像リンク)の真ん中あたりにあります。
 ボリューム豊かで顔もぱんぱん。おちょぼ口で、なんか可愛らしいです。脇侍の観音・勢至菩薩も、同じようなお顔で体もぽっちゃり。見慣れたお姿とはだいぶ違います。両脇寺が立像で、阿弥陀如来が坐像なのが珍しいですが、奈良時代以来の伝統とのこと。お座りになって定印を結んでいるお姿の阿弥陀如来としては、現存最古のものだそうです。ということはこのお姿は、われわれには見慣れた姿ですが、当時は最新のものだったということですね。

 そのほか様々な仏さまがいらっしゃいましたが、あまりに多すぎるので感想をいちいち書くのは差し控えたいと思います。
 


特別展「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」

東京国立博物館
会期:2018年1月16日~ 2018年3月11日
訪問日:2018年2月28日

特設サイト
東京国立博物館のサイト

作品リスト (pdf: 987.0K)

出展された仏像のリスト

9  国宝 薬師如来坐像 円勢・長円作 1軀 平安時代・康和5年(1103) 京都・仁和寺
139   覚深法親王像   1幅 江戸時代・17世紀 京都・仁和寺
140   顕證坐像   1軀 江戸時代・17世紀 京都・仁和寺
147   千手観音菩薩立像 1軀 江戸時代・17世紀 京都・仁和寺
148   降三世明王立像   1軀 江戸時代・17世紀 京都・仁和寺
149   不動明王立像   1軀 江戸時代・17世紀 京都・仁和寺
150   二十八部衆立像   28軀 江戸時代・17世紀 京都・仁和寺
151   風神・雷神立像   2軀 江戸時代・17世紀 京都・仁和寺
152 国宝 阿弥陀如来坐像および両脇侍立像  3軀 平安時代・仁和4年(888) 京都・仁和寺
153 重文 吉祥天立像   1軀 平安時代・10世紀 京都・仁和寺
154 重文 愛染明王坐像   1軀 平安時代・12世紀 京都・仁和寺
155 重文 文殊菩薩坐像   1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・仁和寺
156 重文 悉達太子坐像 院智作 1軀 鎌倉時代・建長4年(1252) 京都・仁和寺
157 重文 釈迦如来立像   1軀 鎌倉時代・13世紀 宮城・龍寶寺
158   菩薩坐像   1軀 奈良時代・8世紀 神奈川・龍華寺(神奈川県立金沢文庫管理)
159 重文 大日如来坐像   1軀 平安時代・10世紀 三重・蓮光院
160 重文 降三世明王立像   1軀 平安時代・11世紀 福井・明通寺
161 重文 深沙大将立像   1軀 平安時代・11世紀 福井・明通寺
162 重文 馬頭観音菩薩坐像   1軀 鎌倉時代・13世紀 福井・中山寺
163 重文 十一面観音菩薩立像   1軀 平安時代・10世紀 京都・遍照寺
164 重文 五智如来坐像   5軀 平安時代・12世紀 大阪・金剛寺
165 重文 大日如来坐像   1軀 平安~鎌倉時代・12世紀 大阪・金剛寺
166 国宝 十一面観音菩薩立像   1軀 平安時代・8~9世紀 大阪・道明寺
167 国宝 千手観音菩薩坐像   1軀 奈良時代・8世紀 大阪・葛井寺 2/14~
168 重文 如意輪観音菩薩坐像   1軀 平安時代・10世紀 兵庫・神呪寺
169 重文 不動明王坐像   1軀 平安時代・10世紀 広島・大聖院
170 重文 千手観音菩薩坐像   1軀 平安時代・10世紀 香川・屋島寺
171 重文 八幡神本地仏坐像   3軀 平安時代・11世紀 香川・長勝寺
172 重文 千手観音菩薩坐像 経尋作 1軀 平安時代・12世紀 徳島・雲辺寺
173 重文 毘沙門天立像 慶尊作 1軀 平安時代・寿永3年(1184) 徳島・雲辺寺
174   不動明王立像 慶尊作 1軀 平安時代・12世紀 徳島・雲辺寺

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2018/03/30

【仏像】若者っぽい十一面観音さまは必見。禅定寺(京都府宇治田原町)

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 十一面観音さまに会いに禅定寺に行ってきました。
 写真は本堂です。茅葺の屋根と、手入れが行き届いた庭がいい雰囲気です。江戸時代に建てられたものだそうです。

【寺院名】曹洞宗 白華補陀落山 観音妙智院 禅定寺(びゃくげほだらくさん かんのんみょうちいん ぜんじょうじ)
【公式サイト】http://zenjyoji.jp/index.html
【住所】京都府綴喜郡宇治田原町大字禅定寺小字庄地100
【拝観日】2018年3月5日
【拝観】毎日可。拝観料500円。
【仏像】
 十一面観音立像(本尊)  寄木造漆箔 像高286cm 藤原時代初期(10世紀末) 重文
 日光菩薩立像 一木造彩色 像高203cm 本尊とほぼ同時期 重文
 月光菩薩立像 一木造彩色 像高208cm 本尊とほぼ同時期 重文
 文殊菩薩騎獅像 一木造彩色 像高 57cm 藤原時代 重文
 持国天 一木造彩色 像高164cm 藤原時代 重文
 増長天 一木造彩色 像高163cm 藤原時代 重文
 広目天 一木造彩色 像高156cm 藤原時代 重文
 多聞天 一木造彩色 像高161cm 藤原時代 重文
 延命地蔵菩薩半跏像 一本道彩色 像高 88cm 藤原時代 重文
 大威徳明王像 一木造彩色 像高 60cm 藤原時代 町指定

 金剛力士像 阿形・吽形 江戸期
【写真】公式サイトの下記のページにリンクがあります。
http://zenjyoji.jp/actual1.html

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 まずは仁王門です。

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 恒例の仁王様から。阿形がピンボケです……。あんまり神々しさはなく、そこらのおっちゃん風。

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 仏さまは宝物館のなかにいらっしゃいます。雨の日は湿気の関係で拝観を断れることも多いのですが、お参りさせていただけました。
 正面に十一面観音さまと日光・月光菩薩がおられ、手前の左右に向かい合わせになって、ほかの仏様が安置されております。

 ご本尊の十一面観音さまは、像高3メートル弱とかなり大きいです。若々しく張りのある精悍なお顔で、手塚治虫の漫画に出てきそうです。まっすぐに立って胸を張り、体からも力がみなぎっています。観音様というと女性的な仏さまが多いですが、この像は青年っぽいです。これはお参りする価値があります。

 日光・月光菩薩は、ほかのお寺から移された客仏とのこと。膝を少し開いてゆったりと立ち、表情も含め、ちょっとオリエントっぽいです。日光菩薩はちょっと肘を張っています。月光菩薩の方が静かな感じ。

 四天王は古風で雅やかな味わいがあります。邪鬼ではなく岩座の上に立っております。

 地蔵菩薩は、岩の上に腰掛けて片足を下に垂らした「半跏」なのが珍しいです。

 獅子に乗った文殊菩薩は、ちょっぴり太めで衣服も簡素。ぱかっと口を開けた獅子も装飾的で、これまた雅やかで古風。

 その横には、象に乗った普賢菩薩、ではなくなんと大威徳明王! 大威徳明王といえば、水牛に乗っているのがあたりまえ。うっかり乗り間違えたのか? んなわけない。後から組み合わされたものでしょう。ということで、残念ながら国の重文には指定されず、町指定の文化財。象が顔を上げて口を開き、パオ〜〜ンと鳴いてる感じなのがいいです。妙に惹かれる仏様です。

 片隅に伝運慶の狛犬(?)が置かれておりましたが、運慶には似ても似つかぬお姿で、ご愛嬌といったところか。

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 こちらは本堂の隣にある観音堂。なかで薬師如来や十二神将を見たはずですが、ちと覚えてません。お写真も見つかりませんでした。

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2018/03/29

【仏像】磨崖仏とフィールドアスレチック・笠置寺(京都府笠置町)

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 「京都・南山城十一面観音巡礼」(公式サイトはこちら)のチラシに出ていた十一面観音さまを見に、笠置寺に行ってきました。
 曇り〜雨模様で、時折激しい雨がパラつくという不安定な天気です。
  車のすれ違いもできないような山道をうねうねと登っていくと、駐車場に出ます。ここから長い石段を登ると山門があります。

【寺院名】真言宗智山派 鹿鷺山 笠置寺(しかさぎさん かさぎでら)
【公式サイト】http://www.kasagidera.or.jp
【住所】京都府相楽郡笠置町笠置山29
【拝観日】2018年3月5日
【拝観】毎日可。拝観料300円。駐車場がありますが、途中の道が狭いです。
【仏像】
  本尊弥勒磨崖仏 奈良時代
  虚空藏磨崖仏

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 「笠置型燈籠」を復元したものです。解説によると、平安時代に山道に建てらていたとの文書が残っているものの、どういう形かまったくわからなかったのですが、インターネットで全国に資料を求めたところ、大正時代の本に形や大きさが記載されていることがわかり、復元に至ったそうです。

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 こんなところに猫の石像が……。台座には「笠やん」と書いてあります。なんだろ?

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 正月堂のなかに正解が。境内を案内する猫としてマスコミを賑わした野良猫ちゃんだそうです。

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 山道を歩いていくと、巨岩が目に入ります。
 手前に写っている十三重石塔は国の重要文化財。ぽん太にはありがたみがよくわかりません。

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 笠置寺ご本尊の弥勒磨崖仏。
 こりゃなにかい?心が綺麗な人にだけ見えるってやつ?
 笠置寺は、元弘元年(1331年)に鎌倉幕府打倒を企てて挙兵した後醍醐天皇が陣をしいたところで(元弘の乱)、戦火により笠置寺は消失、磨崖仏も表面が剥離してしまったそうです。

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 正月堂のなかにあった復元図です。

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 こちらが正月堂。室町時代に再建されたもの。奈良のお水取りの第一回目が、ここで行われたという言い伝えが残っているそうです。

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 さらに道をすすむと、また磨崖仏が。こちらは形がくっきり残ってます。虚空蔵磨崖仏です。

 このあと、もうちょっと行けば十一面観音さまがいるのではないかと道を進んで行ったのですが、ほとんどフィールドアスレチック状態で、「胎内くぐり」やら「太鼓石」やら「ゆるぎ石」やらの奇岩があります。小雨が降っていたので、写真はありません。
 約30分後、やっと入り口に戻ってきました。受付の人に聞いたら、阿弥陀如来は受付の隣の収蔵庫に安置されているけど、天気が悪いので本日は後悔していないとのこと。最初に聞けば良かった。
 でも、フィールドアスレチックの間、土砂降りにならなかったのが、せめてものご利益でした。

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2018/03/28

【仏像】ふくよかな阿弥陀様さまにあゝ癒されます・岩船寺(奈良県木津川市)

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 京都南部の木津川市、浄瑠璃寺の近くにある岩船寺。中世には奈良の寺院の世俗化を嫌った僧たちの修行の場だったという。
 し、しかし、50人くらいの団体客がバスで到着。大混雑でしたcoldsweats01。おかげで解説が聞けたのでよかったけど……。
 本堂に阿字池、三重塔など、伽藍が整ったお寺です。

【寺院名】真言律宗 高雄山(こうゆうざん) 報恩院 岩船寺
【公式サイト】なし
【住所】京都府木津川市加茂町岩船上ノ門43
【拝観日】2018年3月5日
【拝観】毎日可。拝観料400円。。
【仏像】
  木造阿弥陀如来坐像 欅一木造 像高284cm 平安時代 重文
  厨子入木造普賢菩薩騎象像 一木造 像高39cm 平安後期 重文
  木造四天王立像 鎌倉時代 市指定

  十一面観音像 鎌倉時代
  十二神将像 室町時代
  薬師如来像 室町時代
  釈迦如来像 室町時代
  不動明王像 室町時代
  菅原道眞像 ムロマリ時代

  石室不動明王像 鎌倉時代 重文

【画像】下記のサイトでお写真が見られます。
  阿弥陀如来・四天王
   ・ストイックに仏像
   ・仏像クラブブログ
  普賢菩薩
   ・letuce's room


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 本堂はなかなか古風……に見えますが、昭和63年に再建されたもの。このなかにご本尊の阿弥陀如来さま他の仏様が安置されております。

 ご本尊の阿弥陀如来坐像は、丈六かやや大きめの坐像。ふっくらしたお顔で、体もふくよか。定朝以前の古風なお姿で、なんか癒されますね。頭と胴体が一木造で作られているそうです。また、円が二つ重なったような二重円光と呼ばれる光背も、古風な形式だそうです。衣の一部に朱色が残ってます。

 普賢菩薩騎象像は、像高39cmと小さいですが、平安後期に作られた重要文化財です。厨子のなかに収められています。雅びやかでチャーミングな仏様ですが、ニタっと笑う象が怪しいです。鼻に蓮華を持っているのもぽん太は初めて見ました。

 四天王は鎌倉時代の作。邪気ではなく岩の上に立っているのは、「岩船寺」という名前にちなんだのか、という解説でした。

 裏側に回り込むと、十一面観音ほかの仏さまが安置されています。

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 庭にある石室の中には……

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 不動明王のレリーフがあります。鎌倉時代の作で、重要文化財だそうですが、ぽん太にはちとありがたみがわかりません。

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 三重塔も室町時代に建てられたもので、重要文化財です。垂木をちっちゃな邪気が支えているのが珍しいそうですが、どこかな?

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 あ、いた。

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2018/03/27

【仏像】技芸天はお顔とお体のアンバランスが美しい・秋篠寺(奈良市)

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 技芸天で有名な秋篠寺に行ってきました。

【寺院名】秋篠寺
【公式サイト】なし
【住所】奈良県奈良市秋篠町757
【拝観日】2018年3月5日
【拝観】毎日可。拝観料500円。無料駐車場あり。
【仏像】
  技芸天 像高204.5cm 頭部:乾漆 天平時代、体部:寄木造 鎌倉時代 重文
  愛染明王 寄木造 鎌倉末期
  帝釈天 像高206.0cm 頭部:乾漆 天平時代、体部:寄木造 鎌倉時代 重文
  不動明王 寄木造 鎌倉末期
  薬師如来 像高140.5cm 寄木造 鎌倉後期 重文
  日光菩薩・月光菩薩 一木造 平安初期 重文
  十二神将 像高65.8〜72.5cm 寄木造 鎌倉末期
  地蔵菩薩 一木造 平安中期 重文
  五大力菩薩 像高102.5~ 123.5cm寄木造 平安末期
【写真】下記のサイトにお写真がいろいろあります。
ノンさんのテラビスト/a>

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 写真は東門です。
 普通はお寺の名前は、〇〇宗××山△△寺となっておりますが、ここは単に「秋篠寺」。昭和24年以後、どこの宗派にも属していないそうです。奈良時代末期に遡るという創建のいわれも定かではないそうです。ちょっと不思議なお寺ですね。

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 こちらが仏さまが収められている本堂です。創建当初は講堂でしたが、鎌倉時代に大修理が行われ、以後は本堂と呼ばれているそうです。奈良時代の様式が残されており、国宝に指定されております。

 本堂の内部が土間になっているのも珍しいです。やや暗いなか、大きめの仏様がずらりと並んでおり、厳かな雰囲気です。。
 中央に本尊の薬師如来、左右に日光・月光菩薩、その後ろに十二神将が並びます。それらの向かって左側に、内側から地蔵菩薩、技芸天、左端に五大力菩薩。向かって右側には、内側から不動明王、帝釈天、愛染明王が配置されております。

 ご本尊はさておき、まずは技芸天から。等身大よりやや大きく、全体にぽっちゃり系。優しい笑みを浮かべたお顔、軽くひねってなまめかしささえ漂うポーズ。人気があるのがうなづける素晴らしい仏さまです。
 技芸天というのは、ぽん太は初めて聞いたお名前ですが、現在の日本にはこの像しかないんだそうです。「摩醯首羅大自在天王神通化生伎藝天女念誦法」などの経典に記載され(原文はこちら。ぽん太は読めまひぇん)、大自在天の髪際から化生した天女で、吉祥と芸能を司るそうです。
 この像は、元々は天平時代に乾漆造りで造られましたが、災禍によって首から下が失われてしまい、鎌倉時代に体部が寄木造りで補われたんだそうです。
 そう言われてもう一度よく見てみると、お顔は天平らしい天真爛漫で屈託のない笑顔。きっと当初のお体は動きが乏しく古風だったことでしょう。しかし現在のお体は、鎌倉時代らしく、実にしなやかで優雅。衣の流れも繊細で装飾的です。顔に合わせてふくよかに作ってるのも見事!
 つまりこの像の魅力は、天平の頭部と、鎌倉の体部のアンバランスが生み出していると言ってよいでしょう。
 喩えて言えば安達祐実みたいなものか(ナンノコッチャ)。

 ご本尊の薬師如来は、鎌倉時代後期の作ですが、わざと古風に造られているそうです。お顔も肉付きがよくてちょっと木喰っぽく、定朝様式以前を模したのでしょうか。衣紋の流れはノミ跡がシャープで流麗。衣服が台座にまで垂れ下がっているのは宋風でしょうか?

 日光・月光菩薩は平安初期の一木造り。体にひねりがなく、まっすぐ直立しているのが古風です。よくある蓮の花のような日輪・月輪ではなく、卓球のラケットみたいなのを持ってるのが珍しいです。解説によると鏡なんだそうです。

 十二神将は、鎌倉時代末期の作とのことで、それぞれの個性や動きがうまく表現されております。帝釈天さまは、技芸天と同じように、天平のお顔に鎌倉のお体。こちらはどっしりとしております。地蔵菩薩はけっこう小さいですが、お顔が怖い。お厨子の中に愛染明王像。五大力像は、痩せててポーズも定型的で、あんまり迫力がありませんでした。

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2018/03/26

【仏像】渡海文殊ほか鎌倉時代の仏さまがいっぱい・西大寺@奈良市

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 東大寺は知ってても、西大寺(さいだいじ)は知らない人が多いのでは?
 名前の通り、奈良の西部にある西大寺。奈良時代創建の真言律宗の総本山ですが、その後衰退し、鎌倉時代に叡尊によって復興されました。ということで、奈良のお寺でありながら、鎌倉時代の仏像がいっぱいあります。

 ぽん太とにゃん子は、昨年春に三井記念美術館で行われた「奈良西大寺展」を見ているのですが、狸と猫だけにあんまり覚えてないのと、美術館ではなくお寺で見たいという気持ちから、訪ねてみることにしました。実際、西大寺展に出品されていなかった仏像をいくつも見ることができました。

 本堂、四王堂、愛染堂、聚宝館の四つのお堂がありますが、残念ながら聚宝館は拝観期間外。残りの三つのお堂を拝観いたしました。

【寺院名】真言律宗総本山 西大寺(さいだいじ)
【公式サイト】http://saidaiji.or.jp
【住所】奈良県奈良市西大寺芝町1-1-5
【拝観日】2018年3月6日
【拝観】四つの建物があり、拝観時間が若干異なります。聚宝館は開館期間が決まってます。秘仏愛染明王は期間限定の公開。料金は四堂全部なら1000円。有料駐車場有り。
【仏像】
本堂
  本尊釈迦如来立像 鎌倉時代 重文
  文殊菩薩騎獅像及び四侍者像 鎌倉時代 重文
  弥勒菩薩坐像 鎌倉時代 市指定
  弘法大師坐像 江戸時代
  興正菩薩坐像 江戸時代
四王堂
  十一面観音立像 平安後期 重文
  四天王立像(金銅四天王邪鬼) 増長天の邪気が天平時代 他は鎌倉〜室町 重文
愛染堂
  愛染明王坐像(お前立ち)
  興正菩薩寿像 鎌倉時代 国宝

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 まず本堂から。この建物自体が、江戸中期に建てられた国の重要文化財です。

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 中央にはご本尊の釈迦如来さまがいらっしゃいます(以下、この記事の仏像の写真は、すべてWikipediaのパブリックドメインのものです)。もちろん「奈良西大寺展」には来てませんでした。
 一見してわかる「清涼寺式釈迦像」ですね。縄を巻いたような頭髪、両肩を覆う衣、前面の同心円状の衣の襞などが特徴です。
 インドに仏陀がまだ生きていた頃にその姿を刻んだ像がありました。その像はのちに中国に伝わり、10世紀後半にそれを模刻したものが日本に請来され、京都の清涼寺に祀られました。この像は「生きているお釈迦様」として信仰を集めたそうで、なんと体内には内臓の模型が収められていました。
 鎌倉時代になって、この釈迦像を模刻したものが日本各地に100体近く作られ、「清涼寺式釈迦像」と呼ばれております。この清涼寺式釈迦像の流行に大きな影響を与えたのが、上で触れた西大寺の中興の祖の叡尊です。叡尊は、仏教をお釈迦様が生きていた時代にまで戻し、お釈迦様自身を崇拝することが大切だと考えたため、清涼寺式釈迦像を本尊としたと言われております(清涼寺式を中心とする特定の模刻像の流行(1)。これ、高校生の論文ですね。お見事です)。
 運慶・快慶が活躍した鎌倉時代に、このような復古調の模刻像を本尊としたのには、叡尊の深い深い思いがあったんですね。

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 次は、ご本尊の向かって左に安置されている、文殊菩薩騎獅像及び四侍者像。いわゆる渡海文殊の形式です。「奈良西大寺展」には、文殊菩薩・善財童子・最勝老人が来てました。ということで優填王(うでんおう)と、仏陀波利三蔵(ぶっだばりさんぞう)には初めてお目にかかりました。
 これらは鎌倉時代らしい素晴らしい仏様です。文殊様が持っている蓮の葉が閉じているのか、チューリップみたいに見えるのが不思議です。獅子がとても生き生きしております。つぶらな瞳の善財童子や、口をへの字に結んで体を弓なりに曲げた優填王など、キャラが立ってます。

 向かって右には、弥勒菩薩坐像。写真は例えばこちらのサイトの真ん中辺にあります。丈六の大きな坐像で、顔が大きく、どっしりしております。

 他には江戸時代の弘法大師像や、興正菩薩坐像がありました。


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 次は四王堂です。奈良時代に西大寺が創建されるきっかけとなった金銅の四天王を祀るためのお堂ですが、現在のものは江戸時代に再建されたものです。

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 内部の四天王も、残念ながら当初のものは残っておらず、後年に再興されたもの。持国天・増長天・広目天は銅像で、多聞天像は左足の膝から下を除き木造。増長天が踏みしめている邪鬼だけが、天平時代の創建当初のものだそうです。
 ぽん太は銅像の四天王は初めて見ましたが、やはり重量感があります。

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 中央には丈六よりも大きな十一面観音様がおられます。下垂した右手に錫杖を持ち、左手には蓮の華瓶。いわゆる長谷寺式の十一面観音像ですね。平安後期の作で、元々は法勝寺十一面堂の本尊であったものを、正応2年(1289年)に四王堂に移したそうです。


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 最後は愛染堂です。
 秘仏の愛染明王は公開されておりませんでしたが、「奈良西大寺展」でお目にかかりました。今回は前立ちの愛染明王さまにご挨拶。

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 興正菩薩寿像です。興正菩薩=叡尊ですね。素晴らしい写実彫刻ですが、本人が生きている間に長寿を願って造られた寿像(じゅぞう)であることが、特色だそうです。国宝ですね。

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2018/03/25

【仏像】本尊阿弥陀如来など@西念寺(京都府木津川市)付:回復地蔵(貝吹地蔵)

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 京都府は木津川市にある西念寺を訪問。
 『万葉集』や『古今和歌集』にも記されている鹿背山(かせやま)の中腹にあり、いにしえは浄勝寺と呼ばれておりましたが、江戸時代に西念寺と改称され、現在に至っているそうです。
 また鹿背山には中世に城郭が築かれていたそうです(木津川の文化財と緑を守る会)。

【寺院名】西山浄土宗 鹿山(かせやま) 医王院 西念寺(さいねんじ)
【公式サイト】https://rokuzan.jimdo.com
【住所】京都府木津川市鹿背山鹿曲田65
【拝観日】2018年3月6日
【拝観】通常は本堂は非公開。薬師堂は扉の小窓からの拝観となる。期間限定で公開されるようだが、時期は要問い合わせ。駐車場はありません。
【仏像】
本堂
  本尊阿弥陀如来坐像 像高89.77cm 江戸時代
  阿弥陀如来坐像 像高56.3cm 平安後期
  善導大師坐像
  法然上人坐像
薬師堂
  薬師如来坐像 像高50.7cm 平安後期 府指定
  日光・月光菩薩立像
  十二神将
近所
  回復地蔵

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 大ぼけコンビのぽん太とにゃん子、何も考えずに西念寺を訪れましたが、お寺の人は不在。どうしようかと悩んでいたところに、ちょうど住職さんが帰宅。拝観を申し出ると、普段は仏様は公開していないとのこと。ところが、わざわざ東京から来たぽん太とにゃん子を哀れんだのか、御本尊にだけお参りさせて下さいました。説明もしてくださり、とってもお優しい住職さまでした。

 江戸時代に作られたという阿弥陀さまは、ちょっとキョトンとした表情で、どちらかというと魚顔の、お優しいお顔。
 ご本尊の向かって右奥に三体の坐像があり、右から善導大師、阿弥陀如来、法然上人。阿弥陀さまは今のご本尊が作られる以前のご本尊だったそうですが、平安後期の作風だそうで、古風でこれまたお優しい表情の、いい阿弥陀様でした。善導大師が帽子(名前は忘れました。水冠かな?)を被っているのがちょっと珍しいそうです。
 お写真は、ネットで探しましたがちょっと見当たらないです。

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 こちらは薬師堂です。さすがにこちらまで開扉はしていただけず、扉の小窓からの拝観。仏様のお写真は例えばこちらにあります(関ジャニ丸山さんが顔まね披露 西念寺の十二神将像|朝日新聞DIGITAL)。

 厨子の扉は開いていて、中に小ぶりな薬師如来さま。こちらも穏やかな表情です。両脇に日光・月光菩薩、逗子の外側に十二神将がいるのがわかりますが、あまりよく見えませんでした。

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 鐘楼の鐘は、戦争中に供出させられそうになりましたが、当時の住職が、村人に時を知らせる大切な鐘であることを説明し、供出を免れたそうです。
 樹皮が付いたままの丸太の撞木が珍しいですね。
 お寺のお庭も端正に手入れされていて、住職さんのお人柄が伝わります。


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 住職さんに教えていただき、お寺のすぐ近くにある磨崖仏のお地蔵さんを拝観しました。苔の緑が美しいですね。

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 左手に持っている宝珠が法螺貝のように見えるので、貝吹地蔵(かいふきじぞう)と呼ばれるようになり、転じて回復地蔵とも呼ばれているそうです。
 南北朝時代の作といわれているそうですが、保存状態がよく、笑顔が素敵です。

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 西念寺の近くで見かけた家。ブルーの瓶(?)が埋め込まれており、ちょっと不思議な建物です。

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2018/03/24

【蟹】新鮮な間人(たいざ)がにを美味しくいただく 炭平@京都府京丹後市(★★★★★)、付:京都丹後鉄道「丹後の海」

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 年に一度の贅沢のカニ旅行。3月上旬、は久々に間人がにの炭平に行ってきました。新鮮で甘みのある間人ガニを、美味しい料理法でいただける、素晴らしい宿です。こちらが公式サイトです。

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 こんかいは車ではなく電車で行きました。鉄道好きのぽん太は少しウキウキ。京都からはしだて7号で出発。福知山からは京都丹後鉄道に乗り入れ、宮津で乗り換えます。

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 宮津からは一両編成の列車でGo! 学校帰りの女子高生も乗ってたりして、ほのぼのした雰囲気。
 網野駅で下車すると、宿の車が迎えにきてくれてます。ここから車で約20分。

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 おしゃれな内装の洋室。広い窓からは、海が見渡せます。到着が遅くなったので、海に沈む夕日が見れなかったのが残念。

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 お風呂は温泉なのですが、消毒の塩素臭が強いのが残念。でも、今回は温泉がメインではないので……。

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 お品書きです。こんかい選んだのは間人蟹フルコース(0.6kg級、1人1.25杯)。茹でがにも入ったコースです。とっても美味しかったですが、ぽん太とにゃん子にはちょっと量が多すぎました。次に来る機会があったら、もうちょっと少なめで十分。

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 蟹が新鮮だからでしょうか、カニみそがとっても美味しいです。
 まずは生のまま、半分いただきます。生臭さがなく、とっても甘いです。
 その次が写真のみそしゃぶ。出汁で少し湯がいて、出しと一緒にいただきます。とろりとして舌がとろけます。
 食べ終わった甲羅は、もちろん甲羅焼きにして、最後は甲羅酒。

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 定番の焼きがに。こちらは香ばしさが食欲をそそります。

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 今回は茹でがにつきのコース。カニしゃぶもついているので、違いを出すために、茹でがには茹でたてを出さず、一晩置いて味を落ち着かせているそうです。

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 朝食も品数が多く、色とりどりの食器がきれいです。

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 日本海を眺めながら、朝風呂を堪能。

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 帰りの電車は、京都丹後鉄道たんごリレー4号。デザインがなかなか凝ってますね。でも、なんだかアレに似ているような。京都丹後鉄道のホームページ(こちら)を見てみると、やはりななつ星などで有名な水戸岡鋭治のデザインだそうです。「丹後の海」という名前のようです。
 発車ベルも、車内アナウンスもなく、いきなり発車するところが、外国の列車みたいでいいです。でも、乗り遅れないように注意!

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 内装は木がふんだんに使われており、和の雰囲気が心地よいです。元々あったタンゴ・ディスカバリー号をリニューアルしたものだそうで、金属の上に板を貼ってあるので、缶コーヒーでもこぼしたら掃除が大変な気がします。

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 途中ですれ違ったこちらの一両編成の列車は、あおまつ号か?こちらも水戸岡鋭治のデザイン。ほかに、くろまつ、あかまつという列車もあるようです(こちら)。なかなか頑張ってますね。

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2018/03/23

【仏像】不空羂索観音ほか、奈良時代の10像。東大寺法華堂(三月堂)

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 この記事の仏像の画像は、東大寺法華堂|Wikipediaからのパブリックドメインの写真です。
 東大寺の三月堂は、建物時代も奈良時代の部分が残る国宝ですが、なかには10体の天平仏が収められております。もともとは16体の仏様がおられましたが、改修に伴って、6体は東大寺ミュージアムに移されています。
 以前に来たのはいつのことか。ひょっとしたら修学旅行以来かも。

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 堂の中には大きめの仏像が10体立ち並び、しかも天平時代の脱活乾漆造の古風なお姿ですから、とても重々しく荘厳な光景です。


【寺院名】華厳宗大本山 東大寺 法華堂(三月堂)
【公式サイト】http://www.todaiji.or.jp/contents/guidance/guidance5.html
【住所】奈良県奈良市雑司町406-1
【拝観日】2018年3月7日
【拝観】常時可能。拝観料600円。
【仏像】
不空羂索観音立像 脱活乾漆造 像高362.0cm 奈良時代 国宝
梵天・帝釈天立像 脱活乾漆造 像高:梵天402.0cm、帝釈天403.0cm 奈良時代 国宝
金剛力士立像 国宝(阿吽) 脱活乾漆造 像高:阿形像326.4cm、吽形像306.0cm 奈良時代 国宝
四天王立像 脱活乾漆造 像高:持国天309cm、増長天300cm、広目天304cm、多聞天310cm 奈良時代 国宝


 御本尊は、冒頭の写真の不空羂索観音菩薩さま。像高362cmで、他の像とあまり大きさがかわりなく、帝釈天や梵天より低かったりしますが、台の上に乗っているのと、その独特のお姿で、存在感を放ってます。
 額の中央に縦に目があり、三目八臂のお姿で、 とても神秘的です。羂索(投げ縄)を持っております。これで衆生をお救いくださるのですね。
 観音菩薩は、さまざまに姿を変えて現れると考えられておりますが、不空羂索観音もその一つで、漢訳経典のなかでは隋時代の6世紀後半に訳された「不空羂索呪経」に初めて現われ、唐時代の8世紀初めに訳された「不空羂索神変真言経」に像容などが詳しく書かれているそうです(不空羂索観音 - Wikipedia)。
 荘厳さを加えている光背も当初のものだそうですが、現在は位置がかなり下がって取り付けられているそうです。

 梵天・帝釈天の写真は、例えばこちらのサイトのまんなかあたりにあります。
 向かって右が梵天、左が帝釈天です。梵天様がよろいをきてますが、一般には帝釈天がよろいを着てるそうで、なんらかの理由で入れ替わった可能性もあるそうです。
 いわれはさておき、どっしりと重量感があるお姿です。

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 金剛力士は、いわゆる仁王様ですが、山門でよくみかけるお姿とは違い、よろいを身につけております。向かって右が吽形、左が阿形と、通常とは逆の配置です(南大門と同じですね)。
 写真は阿形。髪の毛の逆立ち方がハンパないですね。

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 四天王のうち広目天のお写真です。
 四天王さまも、鎌倉時代の躍動的な像とはことなり、どっしりとして古風ですね。躍動感はありませんが存在感はあります。
 四天王像や金剛力士像、なんか薄っぺらい感じが。真横から見えないのでよくわからないのですが、腰からお尻にかけての厚みが薄いような気がします。前方から見るのを意識して作られているのかもしれません。

 三月堂には、このほか国宝の執金剛神立像がありますが、これは秘仏で、12月16日のみ公開されます。ご縁があったら拝観したいものです。

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2018/03/22

【オペラ】ハイレベルな歌手陣「愛の妙薬」新国立劇場

 カラフルでポップで楽しいチェーザレ・リエヴィ演出の「愛の妙薬」。こんかいは歌手陣のレベルも高く、楽しいだけじゃなく、とっても感動的な舞台でした。

 ネモリーノ役のサイミール・ピルグは、体格はけっして大きくないけど、ふくらみのある表情豊かな歌声。声量も豊かで、パヴァロッティに教えを受けたというのがうなづけます。「人知れぬ涙」も素晴らしかったですが、ちょっと声量を抑えていたのと、細かいところにまだ難点がある感じでした。

 アディーナのルクレツィア・ドレイは、ちょっとキンキンした声はぽん太の好みではないのですが、顔の表情が豊かで演技もうまく、コメディにはぴったり。後半から終盤にかけてのテクニックはは素晴らしく、ピルグよりも目立ってる感じでした。

 前回もドゥルカマーラを歌ったジローラミの、洒落っ気たっぷりな歌と演技は言うまでもありません。ベルコーレの大沼徹も検討。


オペラ「愛の妙薬」/ガエターノ・ドニゼッティ
L'elisir d'amore / Gaetano DONIZETTI

2018年3月18日
新国立劇場 オペラパレス

公式サイト

指 揮:フレデリック・シャスラン
演 出:チェーザレ・リエヴィ
美 術:ルイジ・ペーレゴ
衣 裳:マリーナ・ルクサルド
照 明:立田雄士
再演演出:澤田康子
舞台監督:髙橋尚史

アディーナ:ルクレツィア・ドレイ
ネモリーノ:サイミール・ピルグ
ベルコーレ:大沼徹
ドゥルカマーラ:レナート・ジローラミ
ジャンネッタ:吉原圭子

合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

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2018/03/21

【演劇】(ネタバレあり)三谷幸喜お得意のアンジャッシュ物「江戸は燃えているか」

 「新橋演舞場史上、もっとも笑えるコメディ」というあおりに釣られて、ひさびさに三谷幸喜の芝居を観に行ってきました。まさしく抱腹絶倒。まわりのお客さん、うるさくて申し訳ありませんでした。

 三谷幸喜の原点のアンジャッシュ物というか、入れ替わり物。もしも勝海舟が気の小さい男だったら、という設定で、江戸に進軍してきた西郷隆盛と会おうとしないので、庭師を替え玉にして西郷と会談させるというお話。そのあと勝海舟が今さらながら「よし、俺は西郷に会うぞ!」などと言い始めるので、今度は西郷の替え玉を立てて……。
 
 出だしは「あんまり笑えないな〜」という感じで観てたんですが、だんだんとあったまってきて、最後は大笑いでした。
 特にぽん太のツボにはまったのは、本物の勝海舟を西郷隆盛がしげしげと眺め、「ん〜?この人にはどこかで会った気がするぞ。そうだ、思い出した……」という下り(観てない人はわかんないですね)。てっきり「あなたが2年前に会った本物の勝海舟さんじゃ」と言うのかと思ったら、「ただいまおじさん!!」。そっちかよ。
 それから、海舟の長女「ゆめ」がとことこ出てきて、いきなり西郷さんの膝の上に座るところ。え?これってなんだっけ?と一瞬考えてから、あゝ、あの続きね、と笑いがこみ上げてきました。
 天璋院篤姫様もおかしかったです。

 海舟役の中村獅童が気炎を吐いてました。立派なコメディアンに成長したものです。でも、歌舞伎も頑張ってね。台詞回しになんか野田秀樹が入ってる感じ。アドリブっぽいところも、長々と演じていておかしかったです。舞台上の役者さんも吹いてましたね。
 藤本隆宏の西郷隆盛がしっかりした演技でした。この役をきちんとそれらしく演じてないと、この芝居は面白くありません。ぽん太はあまり芝居やドラマを見ないので役者さんには詳しくないのですが、さぞかし実力のある俳優さんじゃないかと思ってぐぐってみたら、元水泳のオリンピック選手なんですね〜。いい芝居してました。
 TOKIOの松岡昌宏もなかなか上手で、特にカッコいいポーズやキザなセリフがが決まってました。やっぱりジャニーズですね。
 
 ラストの「いと」が平次を小刀で刺してしまい、平次がふらつきながらもカッコよく花道を駆けてくシーン、とってつけたみたいなのは別にいいんですけど、もうちょっと膨らまして、ぐっと引き込まれるようなシーンにしてほしかったです。


PARCO Production 三谷幸喜新作書き下ろし

江戸は燃えているか
TOUCH AND GO

2018年3月15日
新橋演舞場

特設ページ

作・演出:
  三谷幸喜

出演
  中村獅童  
  松岡昌宏
  松岡茉優
  高田聖子
  八木亜希子
  飯尾和樹
  磯山さやか
  妃海風
  中村蝶紫
  吉田ボイス
  藤本隆宏
  田中圭

美術:金井勇一郎 
衣裳:宮本宣子 
照明:服部基 
音楽:栗コーダーカルテット
音響:井上正弘 
ヘアメイク:河村陽子 
時代考証:山村竜也 
薩摩弁考証:迫田孝也
演出助手:城野健 
舞台監督:南部丈

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2018/03/20

【仏像】外人が気づかず素通り!木造金剛力士像@東大寺南大門、奈良県

 東大寺を歩いていたら、なにやらでっかい門が……。をゝ、これは南大門ではないか?とうことは、この中には仁王様が……をゝ、あったあった!ということで見てきました。

 前回見たのはいつだったか覚えていないくらいの昔。その後仏像に興味を持ち、写真はなんども見てるけど、さすがに実物は迫力があります。そんじょそこらの寺の、なまはげだかなんだかわからない仁王様とは違います。
 外国人観光客が、けっこう気がつかずに素通りしているのが残念。景観保護のためかもしれませんが、外人さんでもわかるような案内板が欲しいところ。


【寺院名】華厳宗大本山 東大寺 南大門
【公式サイト】http://www.todaiji.or.jp/contents/guidance/guidance8.html
【住所】奈良県奈良市雑司町406-1
【拝観日】2018年3月7日
【拝観】常時可能。拝観無料。
【仏像】木造金剛力士立像 木造 像高8.4m 建仁3年(1203年) 運慶・快慶他 国宝

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 まずは向かって右の吽形……と言われてアレ?と思った人は、仏像の通ですね。通常は向かって右が口を開けた阿形で、左が口を閉じた吽形になっていますが、東大寺南大門では逆ですね。
 東大寺の仁王様にはもう一つ珍しい特徴があって、それは互いに向かい合っているということです。普通は両方とも手前を向いております。こうした理由については、ぐぐるといろいろ書かれていますが、実のところはよくわかりません。
 腕や体をひねってダイナミックなポーズで、衣服もなびいてます。勢いよく動いている一瞬を写真で捉えたかのような造形。もちろんカメラなどない鎌倉時代の作。
 写実性と、造形的な様式性が、見事なバランスで入り混じっています。


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 こちらが吽形です。ぐっと重心を下げ、どっしりとしたお姿。ダイナミックさには欠けますが、バランスが良く、力が漲っています。

 二体の金剛力士像は、運慶が指揮をとって制作されましたが、二体の作風の違いから、誰がどれを造ったのか、さまざまな説がありました。以前は阿形が快慶、吽形が運慶が主になって作られたとされ、いや、動きのある阿形が運慶だろう、などという人もいたりしました。1988年から1993年にかけて行われた解体修理で、阿形から運慶、快慶の名が、吽形からは定覚、湛慶らの名前がみつかりましたが、どのように役割分担したかはいまだに議論が続いているそうです。

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2018/03/19

【うなぎ】野性味あふれる直焼きのうなぎ。田代@愛知県瀬戸市

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 ゴールデンレトリバーさんの企画で、愛知県瀬戸市にあるうなぎの名店「田代」に行ってきました。京都在住の牛さん夫妻も合流しました。
 ホームページはなく、食べログはこちら

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 名鉄瀬戸線の終点、尾張瀬戸駅で下車し、レトロな雰囲気がただよう商店街を進んでいきます。その名も「銀座通り商店街」。
 ん?あちこちに将棋の藤井聡太六段を応援する垂れ幕が……。愛知県出身とは聞いてましたが、実はここ瀬戸市の出身なんだそうです。

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 こちらのお店のシャッターには、手作りの大盤が……。本日行われている杉本昌隆七段との師弟対決がリアルタイムで表示されているようです。

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 レトロな写真館。タイルがいい味をだしております。

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 ショーウィンドウに置かれている招き猫。ちょっと古風な面影で、いわゆる東京の豪徳寺型の招き猫とは、ちょっと雰囲気が違います。

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 こ、こちらは……。不思議な雰囲気が漂います。

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 レトロな商店街が見えてきます。

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 地下じゃないのになぜか地下街?

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 あった。

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 ときおり小雨がぱらつく平日でしたが、待ち時間2時間。ただし我々は、ゴールデンレトリバー君が順番取りをしてくれていました。

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 ということで、一番に入店。

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 こちらが店内です。カウンターと、テーブルが三、四個。

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 うなぎはあらかじめ蒸さない直焼きタイプ。

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 ゴールデンレトリバーさんが頼んだ鰻丼(上)ご飯大盛り。どんぶりからはみ出てます。伊良子岬の大アサリ、はてまたUFOか? うな「重」ではなく、うな「丼」であるところがいいです。うなぎを高級食材として扱う感じがまったくありません。お吸い物はチープなお味。インスタントか?
 冒頭の写真がぽん太が頼んだ上鰻丼(上)ご飯小盛りです。ご飯が見えません。
 表面が黒くて味が濃そうですが、意外とすっきり。内側が白いままだからでしょうか。すっきりとはいえ、油は乗ってます。表面かりかり、内側はふっくらで、とても美味しゅうございました。

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 帰りに通りかかった和菓子屋さん。いい雰囲気ですね。
 瀬戸焼を買って帰りました。何軒かのお店がありますが、雑器の店が多く、ちょっと寂れた感じでした。

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2018/03/18

【居酒屋】いつも満席の奈良の名点「酒処 蔵」@奈良市

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 近鉄奈良駅近くにある居酒屋の名店「蔵」に行って来ました。これまで何度通りかかっても、「満席」の張り紙が掲げられていたのですが、こんかい夕方5時の開店直後に訪れたところ、念願叶って入店することができました。こちらが食べログです。太田和彦さんが『日本の居酒屋――その県民性』 (朝日新書)で取り上げている店でもあります。

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 名前の通り、蔵のような外観の建物。格子戸に暖簾がいい感じ。この格子戸がこれまでぽん太とにゃん子を阻んできたのです。
 内部は燻された木の壁が歴史を感じさせます。定番のコの字型の小さなカウンターがあります。奥の方にも席があるらしく、常連さんが通されておりました。

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 奈良の地酒といえば「風の森」。なんと一合760円です。普通なら1100円くらい取るだろ!

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 奥の板場もレトロな雰囲気。
 おつまみはおでんがメインで、焼き鳥や串焼きがあり、冷奴やもろきゅうなどの居酒屋定番メニューがそろいます。また壁に貼られたメニューには、刺身やカキフライ、ポテトサラダなどがあります。
 居酒屋の名店というと、ちょっと一見さんには怖い雰囲気もありますが、ここは若いお兄さんが接客していて、客も常連以外に観光客も多く(外人さんもいて、メニューも英語が書いてありました)、くつろぐことができます。

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2018/03/17

【奈良】東大寺二月堂のお水取りを初めて見る。

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 奈良の東大寺は二月堂で行われる有名な宗教行事、お水取りを見てきました。
 とはいえ、それを目当てに行ったのではなく、たまたま奈良・京都を旅行していて、奈良の居酒屋に入ったら、店員さんからちょうどお水取りの最中であることを知らされ、急遽見に行くことにしたのです。
 店員さんの口調は「なんでこの時期に奈良に来てお水取りを見に行かないんだ!?」みたいな感じで、奈良市民のお水取りに対する並並ならぬ思い入れを感じました。

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 こちらが昼間の二月堂。参拝客で賑わっております。

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 まだ17時ごろだというのに、早くも場所取りの人たちがいます。

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 ところでお水取りってそもそもなに?二月堂に松明が掲げられる映像が頭に浮かびますが……。
 Wikipedia東大寺のホームページを見てみると、二月堂のお水取りは、修二会(しゅにえ)と呼ばれる宗教行事らしい。古来より、冬が終わって一年の初めに豊作を祈る祈年祭(としごいまつり)という儀式が重視されておりましたが、それに相当する仏教行事が修二会だそうです。ですから修二会は、日本各地のお寺で、さまざまなやり方で行われております。
 東大寺の二月堂でもそうした修二会が行われてきたわけですが、ここにひとつの伝説が加わります。若狭神様が魚を採っていて、二月堂の参集に遅れてしまったため、二月堂のほとりに清水を涌き出させて観音様に捧げたんだそうです。
 そういうわけで二月堂の修二会には、「水を汲む」という行事が組み込まれることになり、二月堂の修二会全体が「お水取り」と呼ばれることになったのです。
 修二会は現在3月1日から2週間にわたって行われますが、12日深夜に狭義の「お水取り」の儀式が行われるそうです。二月堂の隣にある若狭井(わかさい)という井戸から水を組んできて、秘仏十一面観音さまの須弥壇の下の甕に「香水」として収めるのだそうです。これらの甕のうちの一つは、「根本香水」と呼ばれ、お水取りの儀式が始まって以来、減った分だけ継ぎ足されてきたものだそうです。「秘伝のタレ」みたいなものですね。

 お水取り(=修二会)の有名な儀式に「お松明」があります。2月堂のテラス(?)に火が焚かれた映像は、誰でも見たことがあると思います。
 木造建築で火を使って火事になったりしないのかと思いますが、心配した通り、寛文7年(1667年)の修二会の最中に失火して二月堂は消失。1669年に再建されたものが、現存の二月堂だそうです。
 お松明は、もともとは儀式をする人たちが二月堂に入場するときの道灯りでした。それが「せっかくだから派手にしよう」ということで、現在のようなかたちに至ったわけですね。お松明は3月12日だけ行われていると思っている人が多いのですが、実は2週間の期間中毎日行われております。ただ12日は、ひときわ大きい松明(籠松明)が11本、一度に焚かれるそうです。

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 というわけで、14日間の修二会では、お松明やお水取り以外にもさまざまな儀式がおこなれているわけで、たとえばこちら(pdf)でその時刻表を見ることができます。
 実はこれらの儀式は、勝手に二月堂の中に入って、無料で見ることができるのです。
 二月堂の正面と両側面の板戸(壁のように見えます)がところどころ開くようになっていて、そこから中に入れます。扉をあけると、暗闇の中に多くの人が座っております。中はほとんど真っ暗で、行われている儀式は何も見えず、ただ物音を聞き、気配を感じるだけです。それでも、とても宗教的な気持ちになることができます。


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 さて、6時過ぎに二月堂に到着。すでに多くの観光客が詰め掛けてます。火の粉を浴びれる真下にはもう入れず、手前の広場からの見学です。灯篭と灯篭の間からテラスが見える位置をゲット。

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 向かって左手から松明が登ってきて、テラスから突き出され、振り回されます。

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 松明が左から右へ、勢い良く移動します。

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 そして右側で再び振り回されます。飛び散る火の粉。真下で見てる人は、ダウンとかに穴があいちゃうんじゃないかな?お寺の人が箒で一生懸命建物から火の粉を払います。
 これが次々と10本。12日のように、11本が勢ぞろいすることはなかったですが、素晴らしい光景でした。
 奈良仏教は、こういう大掛かりな儀式を伝えてきたのですね。お松明だけでなく、12日間続く修二会のパワーは、「鎮護国家」の力がありそうです。

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2018/03/16

【クラシック】マーラー5番の弦が美しい。ズヴェーデン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック

 前回ニューヨーク・フィルの演奏を聴いたのはマゼールの頃でしたが、会場のオペラシティが割れんばかりの大音響でした。それに比べると(当たり前か?)今回のスヴェーデンの演奏は、バランス良くまとまっている印象でした。

 ズヴェーデンという指揮者はぽん太は初めてですが、1960年生まれのオランダ人。元々はヴァイオリニストで、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のコンサートマスターをしておりました。指揮を始めたきっかけが面白く、コンセルトヘボウ管弦楽団がバーンスタインとツアーをしていた時、ホールの響きを確認したいからとズヴェーデンにマーラーの1番を指揮させました。それを聴いたバーンスタインが「君はよいヴァイオリニストだが、もっとよい指揮者になれるだろう」と言ったんだそうです(ぶらあぼ)。

 メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、席のせいもあったのかもしれませんが、五嶋龍のヴァイオリンの音がぜんぜん届いてきませんでした。なんか軽い弾き方で、メンデルルゾーンの情熱もメランコリーも伝わって来ず、お座敷芸を見ているかのようでした。 第三楽章も迫力がなく、お茶目な感じで、冒頭のオケのターンターンタタンのあとのタラララランという音も、いたずらっ子みたいな弾き方でした。オケもソロリソロリと音を出してる感じで、ぽん太は完全なる不完全燃焼でした。

 マーラーの5番はさすがに聞き応えがありました。元ヴァイオリニストだったせいか、弦楽の響きやニュアンスは素晴らしく、従って第4楽章は絶品でした。天国的というよりは、叙情的な演奏でした。ただ管楽器や打楽器は、テクニックこそ最高ですが若干抑え気味で(席のせいもあるかと思いますが)、バランスがいいと言えばいいのですが、もうちょっとパンチがあってもいいような気がしました(マゼールの印象が残っているせいかも)。

 アンコールはヴァグナーの「ローエングリーン」第三幕への前奏曲でしたが、これは音を思いっきり出しまくり、実際のオペラだったらこんな演奏はしないだろうという、アンコールっぽい演奏でした。

 ズヴェーデンのニューヨークフィル、ちょっと派手さはないけど、さすがに超一流の演奏でした。


ニューヨーク・フィルハーモニック

2018年3月14日
サントリーホール

KAJIMOTOの公式サイト

オーケストラ: ニューヨーク・フィルハーモニック
指揮: ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン
ヴァイオリン: 五嶋 龍


メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
             (ヴァイオリン: 五嶋 龍)
マーラー: 交響曲第5番 嬰ハ短調

アンコール ヴァグナー:「ローエングリン」から 第3幕への前奏曲

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2018/03/15

【オペラ】コニエチュニーとコルチャックがお見事「ホフマン物語」新国立劇場

 新国立劇場オペラの「ホフマン物語」は以前に見たプロダクション。フィリップ・アルローのカラフル美術が美しいです。

 リンドルフほかを歌った新国立劇場初登場のトマス・コニエチュニーが素晴らしかったです。ぽん太は2016年のウィーン国立歌劇場来日公演で「ワルキューレ」のヴォータンを聞きました。その時のシリアスな歌声もすごかったですが、今回のちょっと滑稽な悪役も良かったです。動物が吠えているような深みのある声で、演技も抜群でした。ホフマンのディミトリー・コルチャックも声量では負けず、伸びやかな明るいテノールを聞かせてくれました。
 ふたりに比べると、ニクラウス/ミューズのレナ・ベルキナはちょっと精彩がなかったです。音程も不安定だったし、声に透明感がありませんでした。
 オランピアの安井陽子のコロラトゥーラはお見事!砂川涼子のアントニアは清楚な感じが良かったですが、高音で柔らかさが欠けるのが残念。
 
 でもオペラとしては、長い割に、そんな感動するアリアもないし、劇的な物語もないし、ちょっといまいちな感じもしました。

オペラ「ホフマン物語」/ジャック・オッフェンバック
Les Contes d'Hoffmann / Jacques OFFENBACH

2018年2月28日
新国立劇場オペラパレス

公式サイト

指 揮:セバスティアン・ルラン
演出・美術・照明:フィリップ・アルロー
衣 裳:アンドレア・ウーマン
振 付:上田 遙
再演演出:澤田康子
舞台監督:斉藤美穂

ホフマン:ディミトリー・コルチャック
ニクラウス/ミューズ:レナ・ベルキナ
オランピア:安井陽子
アントニア:砂川涼子
ジュリエッタ:横山恵子
リンドルフ/コッペリウス/ミラクル/ダペルトゥット:トマス・コニエチュニー
アンドレ/コシュニーユ/フランツ/ピティキナッチョ:青地英幸
ルーテル/クレスペル:大久保 光哉
ヘルマン:安東玄人
ナタナエル:所谷直生
スパランツァーニ:晴 雅彦
シュレーミル:森口賢ニ
アントニアの母の声/ステッラ:谷口睦美
ほか

合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

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2018/03/14

【歌舞伎】玉三郎のお軽に感動「祇園一力茶屋の場」2018年歌舞伎座夜の部

 最後の「仮名手本忠臣蔵」祇園一力茶屋の場、玉三郎のお軽の演技に、とにかく感動しました。

 決まりきまりのポーズの美しさは言うまでもありませんが、ぶりっ子の程度もほどよく、逃げいていった花道の戸の外でウジウジ言ってるのも適度なおかしさ。
 何といっても素晴らしかったのは、夫勘平の死を聞かされて泣き崩れる場面。父親の死を聞かされた時は普通に驚いて泣いておりましたが、勘平の死を聞かされた玉三郎は、一瞬気を失ったかのようにコロリと仰向けにころがりました。そしてその後、美しい表情を歪めて泣きじゃくりました。乙女のお軽ちゃんが、周りからどう見えるかを忘れてワーワー泣きじゃくる姿に、ぽん太も思わずもらい泣き。平右衛門の仁左衛門が、「お前が手紙を見てしまったのが運の尽きだ。もう死ぬしかない」みたいなことを説きますが、お軽ちゃんはそんなこと聞いてません。なによりも勘平の死を嘆き続けます。お軽が自分の首を差し出すのは、手紙云々の理屈からではなく、勘平のいない現世にはもう未練がないからだ、ということがよくわかりました。
 玉三郎の七段目のお軽は、はるか昔に見た気がするけど、こんなだったかな?演技を変えたのかどうか、タヌキのぽん太は前回の演技を全く覚えていないので、皆目わかりません。
 仁左衛門のうまさはいつもどおり、白鴎の由良之助も悪くなかったです。染五郎の力弥も色気を感じました。

 幸四郎の「熊谷陣屋」はちと残念。熊谷直実の風格が感じられませんでした。体が細いのは仕方ないけど、芸で大きさを表現して欲しいところ。また、時代物らしい様式美がなく、現代劇っぽいのも欠点。しかし最後の花道での表情は、逆に現代劇っぽいところが生きて真に迫っていて、思わず引き込まれました。
 魁春の相模、菊五郎の義経が素晴らしかったです。

 「壽三代歌舞伎賑」は、高麗屋三代同時襲名を祝っての演目で、口上も入ってます。歌舞伎役者総出といった感じでした。


歌舞伎座百三十年

松本幸四郎改め 二代目 松本白 鸚
市川染五郎改め 十代目 松本幸四郎 襲名披露
松本金太郎改め 八代目 市川染五郎

二月大歌舞伎
平成30年2月25日
歌舞伎座

公式サイト

夜の部

  一谷嫩軍記
一、熊谷陣屋(くまがいじんや)

  熊谷次郎直実  染五郎改め幸四郎
  熊谷妻相模  魁春
  藤の方  雀右衛門
  梶原平次景高  芝翫
  亀井六郎  歌昇
  片岡八郎  萬太郎
  伊勢三郎  巳之助
  駿河次郎  隼人
  堤軍次  鴈治郎
  白毫弥陀六  左團次
  源義経  菊五郎


  今井豊茂 作
二、壽三代歌舞伎賑(ことほぐさんだいかぶきのにぎわい)
  木挽町芝居前
  二代目松本白 鸚
  十代目松本幸四郎 襲名披露口上
  八代目市川染五郎

  幸四郎改め白鸚
  染五郎改め幸四郎
  金太郎改め染五郎

  木挽町座元  菊五郎
  芝居茶屋亭主  仁左衛門
  茶屋女房  玉三郎
  男伊達  左團次
  同  又五郎
  同  鴈治郎
  同  錦之助
  同  松緑
  同  海老蔵
  同  彌十郎
  同  芝翫
  同  歌六
  女伊達  魁春
  同  時蔵
  同  雀右衛門
  同  孝太郎
  同  梅枝
  同  高麗蔵
  同  友右衛門
  同  東蔵
  同  秀太郎
  表方  廣太郎
  役者  錦吾
  高麗屋番頭  猿之助
  町火消組頭  楽善
  木挽町町年寄  我當
  江戸奉行  梅玉
  太夫元  吉右衛門
  芸者  藤十郎
     
   
三、仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
  祇園一力茶屋の場

  大星由良之助  幸四郎改め白鸚
  大星力弥  金太郎改め染五郎
  赤垣源蔵  友右衛門
  富森助右衛門  彌十郎
  矢間重太郎  松江
  斧九太夫  錦吾
  遊女お軽  玉三郎
  寺岡平右衛門  仁左衛門

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2018/03/13

【オペラ】ちと席が遠すぎました。「松風」新国立劇場

 普段は日本人のオペラは観ないぽん太ですが、今回は飯守泰次郎芸術監督のシーズン演目説明会で興味を持ち、観に行くことにしました。
 なんでも、世界有数の振付家サシャ・ヴァルツのダンスがコラボした、ベルギーのモネ劇場で初演されたプロダクションがそのまま来るんだそうで、コレオグラフィック・オペラと呼ばれて世界中で反響を呼んだものなんだそうです。
 ベルギーのモネ劇場といえば、ベジャールが「春の祭典」を初演し、20世紀バレエ団が本拠地とした劇場ではないか!これはバレエ付きのぽん太は観に行かねばなりません。

 し、しかし、感想はちょっと微妙でした……。
 ダンスが入るということで奮発して、いつもの天井桟敷の4階ではなく、3階席を奮発したのですが、それでも遠すぎました。ダンスがあまりよく見えんかった。もっと近くの席だったら面白かったかも。というかこの演目、中劇場でやったほうが良かったんではないかいの〜。

 美術はなかなか良かったです。塩田千春さんという日本人の手になるそうな。冒頭の黒いたたみシラスみたいな幕の上を歌手が伝いながら移動する様子は、美しく、面白かったです。

 でも、音楽とか歌は、あんまり感動しなかったと言うか、正直聴きどころがつかめませんでした。音楽が能っぽすぎるような気がしました。


オペラ「松風」/ 細川俊夫
Matsukaze / HOSOKAWA Toshio

2018年2月18日
新国立劇場 オペラパレス

公式サイト

指 揮:デヴィッド・ロバート・コールマン
演出・振付:サシャ・ヴァルツ
美 術:ピア・マイヤー=シュリーヴァー、塩田千春
衣 裳:クリスティーネ・ビルクレ
照 明:マルティン・ハウク
ドラマツルグ:イルカ・ザイフェルト

松風:イルゼ・エーレンス
村雨:シャルロッテ・ヘッレカント
旅の僧:グリゴリー・シュカルパ
須磨の浦人:萩原 潤

音楽補:冨平恭平
ヴォーカル・アンサンブル:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京交響楽団
ダンス:サシャ・ヴァルツ&ゲスツ

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2018/03/12

【バレエ】「ニジンスキー」ハンブルク・バレエ2018年日本公演

 いや〜、すごい迫力でした。感動するというか、圧倒される感じで、終わった後は虚脱状態でした。

 天才ダンサー・ニジンスキーを題材にしたバレエ。
 第1幕は、スイスのサンモリッツで行われたニジンスキー最後の公演から始まり、彼が踊り、振り付けた伝説的な作品が紹介されていきます。第2幕は、第一次世界大戦の恐怖のなかでニジンスキーの精神が崩壊していき、第1幕で踊られたキャラが入り乱れた壮絶で混乱した世界が描かれます。

 ノイマイヤーがお得意のストーリを持ったバレエとは異なり、暴力的で激しく、叫びのような作品でした。

 第2幕は、ショスタコービッチの交響曲第11番全曲に、振り付けられておりました。エイゼンシュテインの映画「戦艦ポチョムキン」の、有名なオデッサの階段シーンで使われているので、聞き覚えのある方も多いでしょう。
 この交響曲は、「1905年」という表題がつけられており、この年にロシアで起きた「血の日曜日事件」を描いたとされています。サンクトペテルブルクで行われた労働者の平和的なデモに対して軍隊が発砲し、多数の死者を出した事件で、ロシア第一革命のきっかけとなったと言われております(ちなみに戦艦ポチョムキンの反乱が起きたのも、この1905年ですね)。とはいえ、一筋縄ではいかないショスタコービッチのことですから、当然ソビエト政府による民衆の弾圧を意識していると考えていいでしょう。
 てなわけで、この曲自体もかなり凄まじいものなのですが、さらにノイマイヤーの振り付け、そしてリアブコの踊りが凄かった。リアブコの表情は、猟奇的で、鬼気迫るものがありました。踊りの表現力にかけては、リアブコが最高ではないかとぽん太は思っております。おまけに今回は席が前から2列目で、オケピもなかったので、間近でリアブコの踊りを見ることができました。

 第2幕は、まるで悪夢のように、ニジンスキーが踊った役柄が紛れ込んで来るのですが、なかでもロイド・リギンズのペトルーシュカがぽん太の涙をさそいました。人々が殺されて倒れているなか、ペトルーシュカが「おい、みんな、どうしちゃったの?」みたいな感じで歩き回ります。例のミトンのような両手をスリスリすることしかできないペトルーシュカが、とっても哀れに思われました。リギンズの人形のような悲しげな表情も心を打ちました。

 ノイマイヤーはこの作品で、やはり「反戦」を訴えたかったんだと思いました。われわれ日本人としては、東日本大震災の記憶と重なることは、言うまでもありません。

 ニジンスキーは後年、統合失調症に罹患しましたが、精神科医のぽん太はこれまであまりよく知りませんでした。これを機会にちょっと勉強してみようと思います。

 


ハンブルク・バレエ団 2018年日本公演
「ニジンスキー」 
ジョン・ノイマイヤーによるバレエ

2018年2月12日
東京文化会館

公式サイト

音楽:
・フレデリック・ショパン
・ロベルト・シューマン
・ニコライ・リムスキー=コルサコフ
・ドミトリー・ショスタコーヴィチ
振付・装置・衣裳:ジョン・ノイマイヤー

ニジンスキー:アレクサンドル・リアブコ
ロモラ:エレーヌ・ブシェ
ブロニスラヴァ・ニジンスカ、妹:パトリシア・フリッツァ
スタニスラフ・ニジンスキー、兄:アレイズ・マルティネス
ディアギレフ:イヴァン・ウルバン
エレオノーラ・ベレダ、母:アンナ・ラウデール
トーマス・ニジンスキー、父:カーステン・ユング
タマラ・カルサーヴィナ:シルヴィア・アッツォーニ
レオニード・マシーン:ヤコポ・ベルーシ
【ダンサーとして役を演じるニジンスキー】
『謝肉祭』のアルルカン:アレクサンドル・トルーシュ
『ばらの精』:アレクサンドル・トルーシュ
『シェエラザード』の金の奴隷:マルク・フベーテ
『遊戯』の若い男:ヤコポ・ベルーシ
『牧神の午後』の牧神:マルク・フベーテ
ペトルーシュカ:ロイド・リギンズ
内なる世界でのニジンスキーの象徴、ニジンスキーの影:
アレイズ・マルティネス、アレクサンドル・トルーシュ

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2018/03/11

【バレエ】ガラ公演〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉ハンブルク・バレエ団2018年日本公演

 う〜ん、1ヶ月たって忘れてしまいました(´・ω・`)

 ガラ公演といっても、ノイマイヤー本人が自分のバレエ人生を語り、それに従って思い出深い演目が次々と披露されて行くという趣向です。ノイマイヤーの分身も登場し、踊りに絡んだりします。

 ノイマイヤーが初めてダンスに触れたのは、母親に連れていってもらったミュージカル映画だそうで、映画『シャル・ウィ・ダンス?』から「アイ・ガット・リズム」が演じられました。
 なるほど、ノイマイヤーの原点はミュージカル映画なんだ。彼の振り付けが常に物語的で、踊りに会話のような表現力がある理由が、ちょっとわかりました。

 せっかくなので、会場で配られていた、ノイマイヤーの語りの翻訳と、今回上演に使われた音源の一覧表をアップしておきます。

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ハンブルク・バレエ団2018年日本公演
ガラ公演〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉
2018年2月7日
東京文化会館

公式サイト

振付・演出・語り:ジョン・ノイマイヤー
※『作品100-モーリスのために』以外すべて抜粋上演。


「キャンディード序曲」
『バーンスタイン・ダンス』より
ロイド・リギンズ、菅井円加、
有井舞耀、コンスタンティン・ツェリコフ、
フロレンシア・チネラート、アレイズ・マルティネス、ほか

「アイ・ガット・リズム」
『シャル・ウィ・ダンス?』より
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ、ほか

「くるみ割り人形」
ロイド・リギンズ、
フロレンシア・チネラート ― アレクサンドル・トルーシュ、
アンナ・ラウデール ― カーステン・ユング、ほか

「ヴェニスに死す」
トーマス・マンの小説に基づく
ロイド・リギンズ、カロリーナ・アグエロ、
アレクサンドル・リアブコ

「間奏曲」
『オルフェウス』『シルヴィア』『オデュッセイア』
『アーサー王伝説』より、神話の登場人物たち
アレクサンドル・リアブコ(オルフェウス)
パトリシア・フリッツァ(ディアナ)、菅井円加(シルヴィア)
エドウィン・レヴァツォフ(オデュッセウス)
ロイド・リギンズ(アーサー王)

「ペール・ギュント」
ヘンリック・イプセンに基づく
アリーナ・コジョカル*、カーステン・ユング

「マタイ受難曲」
ロイド・リギンズ、ダリオ・フランコーニ、ほか

「クリスマス・オラトリオⅠ- Ⅵ」
ロイド・リギンズ、ルシア・リオス、パク・ユンス、
ワン・リズホン、菅井円加、ヤコポ・ベルーシ、ほか

「ニジンスキー」
ロイド・リギンズ
ニジンスキー:アレクサンドル・リアブコ
ロモラ:エレーヌ・ブシェ
スタニスラフ:アレイズ・マルティネス
ブロニスラヴァ:パトリシア・フリッツァ
ほか

「ハムレット」
サクソ・グラマティクスおよびウィリアム・シェイクスピアに基づく
アンナ・ラウデール、エドウィン・レヴァツォフ

「椿姫」
アレクサンドル・デュマ・フィスの小説に基づく
アリーナ・コジョカル*、アレクサンドル・トルーシュ

「作品100-モーリスのために」
アレクサンドル・リアブコ、イヴァン・ウルヴァン

「マーラー交響曲第3番」
シルヴィア・アッツォーニ、カーステン・ユング、ほか

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