【温泉】オーガニックな美食と美意識・沓掛温泉満山荘(長野県青木村)(★★★★)
満山荘といえば、かつて奥山田温泉にあった名旅館。硫黄の香りがする薄濁りのお湯、北アルプスの大パノラマ、美味しいお料理、そしてユニークな館主にお会いするのが何よりの楽しみでした。
その満山荘が山を降りて、松本と上田の中間ぐらいにある沓掛温泉に移転したのが2016年。ぽん太とにゃん子は2月下旬、初めて新・満山荘に泊まってきました。
こちらが公式サイト。日本秘湯を守る会のWebサイトからも予約できます。
ほっこりした里山のなかにある昭和テイストの木造旅館。お湯は無色透明、お肌すべすべのアルカリ性単純温泉がもちろん源泉掛け流し。露天風呂もあります。そしてお料理の素晴らしさは以前と同じ。地元の素材を使いながら、見た目も美しい創作料理の数々。もちろん地酒も充実してます。
新たな名旅館の誕生を、温泉ファンとして喜びたいと思います。ただ、お値段がぽん太にとっては若干高いので、評価は4点……ですが、お値段以上の価値がある宿です。
こちらが宿の入り口です。ここからみると建物が小さく見えますが、奥に広い配置になっております。
旅籠風の玄関。窓に描かれたMANSANSOHの文字が、レトロモダンな雰囲気を醸し出します。
旧満山荘からは急峻な北アルプスの大パノラマが望めましたが、新満山荘の周囲は鄙びた里山の風景が広がっております。これもまたいいです。椅子へのこだわりは旧満山荘譲りか。
ちなみに元々この旅館は、同じく日本秘湯を守る会の会員宿だった「おもとや」さんですね。買い取って改築したのでしょう。旧満山荘は、いまは伊奈里館という旅館になってます。
ロビーでいただくウェルカムお菓子。なんだか忘れちゃいましたが、美味しかったです。
お部屋は、広々として明るい角部屋でした。ソファとロッキングチェア。ふかふかの羽布団。レトロモダンの調度品です。
なかなか建物全体が見渡せるアングルがありません。左下は、温泉の屋根です。
お風呂は三つあって、男女入れ替わりになってます。写真は一番小さい内湯。このほか、青いタイルが美しい広々した半露天風呂と、庭にあって開放感あふれる野天風呂があります。ほかのお客さんがいて、ちと写真は撮れませんでした。
お湯は無色透明で、ちょっと硫黄臭があります。綿状の褐色の湯の花が少量舞ってます。すべすべ感がある優しいお湯です。
加温はしているようですが、加水や消毒なしの源泉掛け流しです。
ぬるめの温度設定になっていて、いつまでも入ってられる感じです。
源泉は二種類あるようですが、どれがどれに注がれてるかわからなくなってしまいました。
こちらは沓掛温泉1号泉の温泉分析書です。泉温は34.7度と低め。pH9.2のアルカリ性です。泉質はアルカリ性単純温泉。
そしてこちらが3号泉の温泉分析書です。泉温が38.5度と少し高いですね。
夕食はお食事処で。あ、この「Food 風土」の看板、旧満山荘にあったな。懐かしい。
本日のお品書きは、二代目館主の手によるもの。達筆ですね。書道は独学なんだそうですよ。料理人の明子さんは、館主の奥さんです。
この器もあった、あった。牛乳豆腐柚子味噌です。
とてもお料理全部の写真は載せられません。冒頭の写真が、メインの「大岩魚・春菊ジェノバ風」。芸術のような盛り合わせですね。春菊のジェノベーゼが絶品でした。
宿の休憩室には、旧満山荘から持ってきたと思われる様々な椅子があり、初代館主が一生懸命切り貼りしてた北アルプスのパノラマ写真が展示されてました。初代はどうしてるんだろう。初代が惚れ込んだ奥山田の地を離れてここに移転したということは、ひょっとして……。
思い切って三代目の若旦那に聞いてみたところ、初代はお元気で、老人ホームに入っているそうです。もともと奥様が入居していたらしいのですが、見舞いに訪れているうちに、他の知り合いも入居してたりしたものだからすっかりそこが気に入って、まだまだお元気にもかかわらず、自分も入居したんだそうです。そして持ち前のキャラクターで、すっかり老人ホームの人気者になっているそうです。
よかった。
休憩室に、アルペンホルンとか、初代ゆかりの品々をもっと展示して欲しいです。
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