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2018/10/18

【歌舞伎】玉三郎の母満江にドラマを感じました 2018年10月歌舞伎座夜の部

 10月の歌舞伎座は、18世勘三郎追善。夜の部を観劇しました。
 もう七回忌になるのか……。あの時は、残された勘九郎と七之助はどうなるのかと心配しましたが、いまや二人とも立派な役者へと成長。さらに今回の公演では、吉野山では玉三郎が勘九郎の相手を務め、また助六では、仁左衛門が17世勘三郎に教わったという助六を演じ、玉三郎は揚巻を七之助に任せて母満江役を務めるなど、勘九郎・七之助に芸を伝えていこうという意図が感じられました。二人もそれに応えて、素晴らしい演技を見せてくれました。

 「宮島のだんまり」は動く錦絵といったところか。どういう話のどういう場面なのかまったくわかりませんが、安芸の宮島を舞台に、源平ゆかりの人物のだんまりでした。扇雀の六方が観れたのが良かったです。たぶん初めてかしら。

 「吉野山」は、玉三郎の静御前、勘九郎の佐藤忠信。勘九郎は、さらにちょっと痩せたかしら、白塗りの侍姿がなかなかいい男振りでした。そして踊りは……不覚にもぽん太は日頃の疲れで寝てしまったのが残念です。

 そして今回のお目当の仁左衛門の「助六」。海老蔵の華やかさやバカっぽさはなく、柔らかく丁寧に演じてました。台詞回しや演技のうまさは流石。でも、「鼻の穴に屋形船けこむぞ」の部分は、海老蔵の方が面白いというか、憎たらしいです。ちょっと仁左衛門は照れてた感じでした。
 助六といったら河東節かと思っていたら、今回は長唄でした。あとで「仁左衛門が語る『助六曲輪初花桜』」(歌舞伎美人)を読んでみたら、題名も市川家の「助六由縁江戸桜」(すけろくゆかりのえどざくら)とは変えて『助六曲輪初花桜』(すけろくくるわのはつざくら)とし、様々な人の良いところを取り込んで作り上げたものとのこと。
 七之助の揚巻は、目がさめるような美しさ。玉三郎から教わったと思われる台詞回しも、華やかさやきっぷのよさがあって良かったですが、まだまだ台詞回しに聞き惚れるまではいってませんでした。
 勘九郎の白酒売新兵衛は、笑いと取ろうとしすぎずに、節度をもって演じてました。
 玉三郎が母満江というご馳走です。最後、思いつめた表情で花道を立ち去る玉三郎。それを勘九郎が真剣な憂慮の表情で見送り、助六を振り向いて「心配するな、ここは俺に任せろ」というような仕草をし、足早に母を追って行きます。わずか十数秒の演技ですが、素晴らしいドラマが感じられました。なんども助六は見てるはずですが、これは初めてでした。
 福山かつぎは千之助。通人は彌十郎。そういえば、以前に團十郎が助六、菊五郎が白酒売のときの、勘三郎の通人が、楽屋落満載でおかしかったな〜。思い出しました。


芸術祭十月大歌舞伎
十八世 中村勘三郎七回忌追善

2018年10月17日 歌舞伎座

公演情報(歌舞伎美人)

夜の部

  平成30年度(第73回)文化庁芸術祭参加公演
一、宮島のだんまり(みやじまのだんまり)

傾城浮舟太夫実は盗賊袈裟太郎 扇雀
大江広元 錦之助
典侍の局 高麗蔵
相模五郎 歌昇
本田景久 巳之助
白拍子祇王 種之助
奴団平 隼人
息女照姫 鶴松
浅野弾正 吉之丞
御守殿おたき 歌女之丞
悪七兵衛景清 片岡亀蔵
河津三郎 萬次郎
平相国清盛 彌十郎


  義経千本桜
二、吉野山(よしのやま)

佐藤忠信実は源九郎狐 勘九郎
早見藤太 巳之助
静御前 玉三郎


三、助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつざくら)
  三浦屋格子先の場

花川戸助六 仁左衛門
三浦屋揚巻 七之助
白酒売新兵衛 勘九郎
通人里暁 彌十郎
若衆艶之丞 片岡亀蔵
朝顔仙平 巳之助
三浦屋白玉 児太郎
福山かつぎ 千之助
男伊達 竹松
男伊達 廣太郎
男伊達 玉太郎
男伊達 吉之丞
文使い番新白菊 歌女之丞
傾城八重衣 宗之助
遣手お辰 竹三郎
くわんぺら門兵衛 又五郎
髭の意休 歌六
松葉屋女房 秀太郎
母満江 玉三郎

後見 松之助

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