« 【歌舞伎】児太郎の「阿古屋」、中車の「あんまと泥棒」 2018年12月歌舞伎座夜の部 | トップページ | 【温泉】テレビもない、携帯もつながらない、正真正銘のランプの宿 度合温泉再訪(★★★★)(岐阜県中津川市) »

2018/12/28

【クラシック】もしもベートーヴェンが南米生まれだったら。クリスティアン・バスケス指揮・東京フィルの「第九」

 ぽん太は、ラトル、ベルリンフィルの究極の「第九」を聞いて以来、日本のオケでこれを超える演奏はないだろ〜な〜と思い、年末の第九は「風物詩だから行くか」程度のノリだったのですが、今回の第九は面白かったです。いい悪いとか、完成度は別にして、これまで聞いたことがないような第九でした。

 指揮のクリスティアン・バスケスは、ベネズエラ出身の指揮者。ベネズエラと聞いてもぽん太の印象は、南米の産油国、反米の急先鋒の大統領がいて、ハイパーインフレで経済がメタメタ。野球選手(横浜ベイスターズのラミレス)やボクシング選手(「あしたのジョー」のカーロス・リベラhappy01)を輩出。そんな感じ。
 でも、以前にウィーンフィルと来日した指揮者グスターボ・ドゥダメルもベネズエラ出身だったような。なんでそんな国(失礼いたしました)から世界的指揮者が続出するんでしょうか。一部の富裕層がいるのか。Wikipediaをみると、ベネズエラは昔は産油や鉱物資源で南米で最も豊かな国だったと書いてあるけど、それでか?なんでもベネズエラにはエル・システマと呼ばれる音楽教育プログラムがあり、貧困層も含め、音楽教育に力を注いでいるんだそうです(エル・システマ - Wikipedia)。へ〜知らなかった。バスケスもエル・システマの出身とのこと。

 で、第一楽章は早めのテンポでスタート。早めの「第九」は近頃よく耳にしますが、えてしてスピーディーでスマートな演奏になるもの。しかしバスケスの演奏は違いました。ビートが強調され、スタッカート気味の音加わって、歯切れよくリズミカルでノリノリの演奏。オケもノリノリで、クラリネットの外人さんは、ジャズかと思うほど体を揺らして吹いてました。金管もバリバリ。バスケスの腕の動かし方は、強拍で手を広げて両腕を上に上げるのですが、すると手のひらからビームがでるかのように、ブワーっと大砲のような音が鳴り響きます。
 第二楽章のスケルツォでは、弦楽合奏が一拍目のビートを非常に強調する下りがあって、ぽん太は「やるな〜」という感じで笑いながら聞いてました。
 第三楽章も速いテンポで、いつもの桃源郷のような雰囲気はありませんでした。速さゆえ、メロディーラインの普段は気がつかない部分がよく聞き取れました。
 さて、終楽章で驚いたのは、女性のコーラスに、子供が……しかもボーイソプラノまで、混ざっていること(第二楽章のあと合唱が入場して来た時点でわかっていたのですが)。そのせいで、合唱が独特の、これまで聞いたことがない音色でした。人類みな兄弟には子供達も入ってるよというか、なんかクリスマスっぽいというか、とっても驚きました。
 独唱陣もなかなかよかったです。

 ドイツっぽい暗闇や影や深遠な部分がなく、南国の太陽に照らされた、燃え上がるような演奏でした。なんかこなれてないというか、荒削りな感じもしましたが、とっても面白い「第九」でした。


 「第九」の前には、ベネズエラの作曲家フアン・バウティスタ・プラサの「フーガ・クリオージャ」。5分程度の短い曲で、ラテン系の明るいメロディの「フーガ」という珍しい曲でした。


東京フィルハーモニー交響楽団
ベートーヴェン『第九』特別演奏会

2018年12月24日
Bunkamura オーチャードホール

東京フィルハーモニー交響楽団のコンサート情報
オーチャードホールのラインナップ


指揮:クリスティアン・バスケス

ソプラノ:吉田珠代
アルト:中島郁子
テノール:清水徹太郎
バリトン:上江隼人
合唱: 東京フィル 特別合唱団
   (新国立劇場合唱団/東京オペラシンガーズ/東京混声合唱団/
    二期会合唱団/藤原歌劇団合唱部)
児童合唱:杉並児童合唱団

フアン・バウティスタ・プラサ/フーガ・クリオージャ
ベートーヴェン/交響曲第9番『合唱付』

|

« 【歌舞伎】児太郎の「阿古屋」、中車の「あんまと泥棒」 2018年12月歌舞伎座夜の部 | トップページ | 【温泉】テレビもない、携帯もつながらない、正真正銘のランプの宿 度合温泉再訪(★★★★)(岐阜県中津川市) »

芸能・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74997/67523039

この記事へのトラックバック一覧です: 【クラシック】もしもベートーヴェンが南米生まれだったら。クリスティアン・バスケス指揮・東京フィルの「第九」:

« 【歌舞伎】児太郎の「阿古屋」、中車の「あんまと泥棒」 2018年12月歌舞伎座夜の部 | トップページ | 【温泉】テレビもない、携帯もつながらない、正真正銘のランプの宿 度合温泉再訪(★★★★)(岐阜県中津川市) »