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2019/01/17

【歌舞伎】若い芽が伸びとる伸びとる、常磐津も大活躍。2019年1月新春浅草歌舞伎

  恒例の新春浅草歌舞伎を見て来ました。正月の暴飲暴食がたたって急性胃炎となり、体調は△。1部・2部のダブルヘッダーは疲れました。でも、いつものように、若手の大活躍を、ベテランがしっかりと支えて、とても楽しい舞台でした。

 お楽しみの「お年玉挨拶」は、本日は巳之助。浅草名物のこの挨拶は、雑談(?)が長くて、ふだんの舞台では見れない俳優さんたちの素顔が伺われて人気があるのですが、今回は時間が押しているとのことで雑談なし。ちょっと残念でした。言われてみれば、第一部と第二部の間も30分しかありません。

 最初の演目は「戻駕色相肩」。二人の駕籠かきが、お客の禿を誘って踊り出しますが、最後は駕籠かきが実ハ石川五右衛門と真柴久吉だっという「楼門五三桐」の世界となって終わります。
 梅丸くんの禿(かむろ)がかわいかったです。
 音楽は常磐津。こんかい常磐津さんは、これ以外にも「芋掘長者」、「乗合船惠方萬歳」と、3演目で大活躍でした。

 続いて松也の「義賢最期」。前半の芝居はそれなりでしたが、立ち回りになってからは、さすがに若いだけあって身体能力がすばらしく、迫力がありました。

 「芋掘長者」は、初めて見た演目。お姫様の婿選で、踊りの名人が集まりますが、踊りが苦手な近くに住む芋掘りが、他人の真似をしながら踊ったり、滑稽な芋掘りの仕草で踊るという楽しい演目。
 何と言っても巳之助の踊りのうまさが目立ちました。ところどころに入っていた現代風のセリフも面白かったです。

 30分の短い休憩を挟んで後半戦です。浅草寺にお参りする間もありませんでした。ぜいぜい。

 お年玉挨拶は種之助。第2部は時間があったみたいなのに、あまり雑談がありませんでした。苦手なのかも。

 お正月の公演に付き物の「寿曽我対面」は、松也の五郎、歌昇の十郎。松也の五郎は、自分のセリフのところでは力が入っているのですが、それが終わると気が抜けてスタスタと戻っていくのが気になりました。常にエネルギーがみなぎっていて欲しいところ。けっこう貫禄ある歌昇の十郎はどうかと思いましたが、柔らかい和事の味がよく出ておりました。

 岡本綺堂作の「番町皿屋敷」は、脚本が変。怪談の「播州皿屋敷」を元に、「幡随院長兵衛」の世界と、落語の「厩火事」(うまやかじ)を混ぜたようなお話。
 お殿様の気持ちを試そうとして家宝の皿を割る腰元お菊も変なら、疑われたことに腹を立てて残りの皿も割りまくり、お菊を斬るお殿様も変。お客さんも、これまでの明るい雰囲気から一転、すっかり気分が重くなり、静まり返ってしまいました。
 もうちょっと猟奇的な心理を深掘りしたら面白かったかも。お菊の疑念がだんだん強まって、家宝を割るに至るところとか、これまで「ヨシヨシ」と言ってたお殿様が、お菊の一言でキレ出すところとか……。
 とはいえ隼人くん、うまくなりましたね〜。種之助の女形もびっくりしましたが、違和感なく見れました。

 最後の「乗合船惠方萬歳」は、江戸の町人たちを七福神に見立てた、美しくおめでたい踊り。見た目も華やかでした。それぞれ踊りも良かったですが、七福神+万歳の8人を歌い分ける常磐津もお見事でした。


新春浅草歌舞伎

浅草公会堂
2019年1月16日

新春浅草歌舞伎特設サイト
公演情報|歌舞伎美人

第1部

  お年玉〈年始ご挨拶〉
    巳之助

一、戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)

    浪花の次郎作実は石川五右衛門 中村歌昇
    禿たより 中村梅丸
    吾妻の与四郎実は真柴久吉 中村種之助

  源平布引滝
二、義賢最期(よしかたさいご)

    木曽先生義賢 尾上松也
    小万 坂東新悟
    下部折平実は多田蔵人行綱 中村隼人
    御台葵御前 中村鶴松
    待宵姫 中村梅丸
    進野次郎宗政 中村橋之助
    矢走兵内 中村種之助
    百姓九郎助 大谷桂三

  岡村柿紅 作
三、芋掘長者(いもほりちょうじゃ)

  芋掘藤五郎 坂東巳之助
  友達治六郎 中村橋之助
  息女緑御前 坂東新悟
  腰元松葉 中村鶴松
  松ヶ枝家後室 中村歌女之丞
  菟原左内 中村歌昇
  魁兵馬 尾上松也


第2部

  お年玉〈年始ご挨拶〉
    種の助

一、寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)

    曽我五郎時致 尾上松也
    曽我十郎祐成 中村歌昇
    小林朝比奈 坂東巳之助
    大磯の虎 坂東新悟
    鬼王新左衛門 中村隼人
    化粧坂少将 中村梅丸
    工藤左衛門祐経 中村錦之助

  岡本綺堂 作
二、番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)

    青山播磨 中村隼人
    腰元お菊 中村種之助
    放駒四郎兵衛 中村橋之助
    腰元お仙 中村鶴松
    用人柴田十太夫 大谷桂三
    後室真弓 中村錦之助

三、乗合船惠方萬歳(のりあいぶねえほうまんざい)

    萬歳 坂東巳之助
    才造 中村種之助
    白酒売 坂東新悟
    大工 中村隼人
    女船頭 中村橋之助
    芸者 中村鶴松
    子守 中村梅丸
    若旦那 中村歌昇
    通人 尾上松也

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