【仏像】銅像延命地蔵菩薩像及脇童子像 日金山東光寺(静岡県熱海市)
ぽん太とにゃん子は、伊豆の岩戸山に登ってきたのですが、登り口にあった東光寺が歴史あるお寺であり、古い参道には多くの石仏があることを知りました(岩戸山登山と岩戸観音の記事はこちら《【登山】東光寺から岩戸山、岩戸観音》)。
この記事は、東光寺に関するご報告です。
【寺院名】真言宗 日金山東光寺(ひがねさん とうこうじ)
【公式サイト】・https://higanesan.com
【住所】静岡県熱海市伊豆山968
【拝観日】2019年1月23日
【拝観】拝観自由。ただし通常は無住で、ご本尊は閉じられた扉のガラス越しに拝観するしかなく、とても見づらいです。いつ開扉されるのか、ぽん太は知りません。
【仏像】 ○市指定
○銅像延命地蔵菩薩像及脇童子像 像高 本像324cm、掌善91cm、掌悪93cm 江戸時代?
閻魔大王石像
奪衣婆石像
岩戸山登山の記事に書いたように、東光寺は、走湯権現(現在の伊豆山神社)と深い関係があり、鎌倉時代には源頼朝の信仰に支えられました。伊豆山神社のある熱海から東光寺に至る道には、多くの石仏群が配祀られています。
山道を登ってきた参拝者が初めて見る東光寺の風景がこちら。正面やや右の建物のなかには、お彼岸のときに建てられると思われる幟がいっぱい入ってます。
こちらが本堂です。ガラス戸は閉まっており、ガラス戸越しに中を覗き込むしかありませんが、内部が暗いので見にくいです。
こちらがご本尊のお姿です。案内板によると半跏像だそうで、それで像高3mはなかなかの大きさです。右手に錫杖を持ち、左手は見えませんが、宝珠をお持ちのようです。キッチュな印象はなく、とても整ったお姿です。
脇侍の二童子は、両側の灯りと蓮華の後ろに、ちらりと見えてます。
延命地蔵とは、「延命地蔵菩薩経」に基づく地蔵菩薩の一形態ですが、残念ながらこの経典は日本で作られた偽経だそうです。このお経の最後で、左右を固める掌善童子、掌握童子について書かれているそうです(延命地蔵菩薩経 - Wikpedia)。
これがその案内板。脇童子の背に寛文十一年(1671年)と書かれているので、江戸時代前半の作と思われます。
一方こちらの案内板には、この地蔵菩薩は頼朝の建立によると書かれており、この矛盾を考証する力はぽん太にはありません。
本堂の前には様々な石仏が置かれておりますが、これは閻魔大王だそうです。ちょっと漫画チックです。
こちらは奪衣婆(だつえば)。かなり怖いです。子供だったら泣くと思います。奪衣婆は三途の川で亡者の衣服を剥ぎ取る鬼女で、このように胸をはだけた姿で表現されることが多いようです。その位置付けは時代とともに様々に変わったようです。
いずれにせよ、地蔵菩薩に閻魔大王、奪衣婆という組み合わせは、地獄からの救済の民間信仰と関連していたと推測されます。重要文化財に指定されている元箱根の磨崖仏からうかがえる地蔵信仰とも、関連しているのかもしれません。
石仏の中に、にゃん子が好きな如意輪観音さまもいました。すごく素朴な像ですが、お顔がとてもお優しく、どこか引かれます。
東光寺の西側、仏塔が並んだ小道を登っていくと……
日金の三仙人塚があります。日金山東光寺にゆかりの三仙人を供養する宝篋印塔で、左から順に木生仙人、松葉仙人、金地仙人です。
案内板によると、中央の松葉仙人は南北朝時代、両側は江戸時代のようです。
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