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2019年3月の2件の記事

2019/03/11

【舞踏】アイディアの数々と素晴らしいスペクタクル 「ヤン・リーピンの覇王別姫〜十面埋伏〜」

20190221_211420

 有名なヤン・リーピンを初めて観に行きました。とはいっても、本人は踊らず演出だけ。

 面白いアイディがいくつもあり、またはっとするような美しいビジュアルが随所に見られました。
 なんとカテコは撮影可。スマホで必死に撮ったのが上の写真です。

 天井には無数のハサミが吊り下げられ、舞台上手では女性がハサミで紙を切っており、切られた紙がうず高く積まれております。この女性は、冒頭から最後まで紙を切り続けておりますが、時々観客に向かって切った紙を広げて見せるのですが、それが漢字になっていて、テロップというか表題になってたりします。最初の「静」というのは、始まるのでご静粛に、という意味か。ちょっと受けました。戦いのシーンでは紙をちぎっては投げたりして暴れてました。

 虞美人は京劇の伝統にならって男性が踊りましたが、最初は白いパンツだけで登場して身体の動きの美しさをしばらく見せ、そのあと舞台上で衣装をつけて役に入っていくのも面白かったです。

 ラストの、舞台に敷き詰められた赤い羽根を舞い上げながらの踊りも、これまで見たことがないスペクタクルで、ゆっくりと落ちてくる羽によってまるで水の中にいるかのような不思議な感覚が生まれました。長い袖を使って羽をバッと巻き上げるのも凄い!

 音楽は、琵琶や琴、太鼓の生演奏。特に琵琶が素晴らしかったです。

 次々と登場する人物の衣装も美しく、照明によって素晴らしい効果を生み出していました。

 身体的には、中国の武術や、京劇の動きやテクニックが使われているように思いました。バク宙や回転回し蹴り(?)は見もの。
 ダンスとしては、上述の虞美人が見応えありました。

 ただ全体として見ると、ぽん太には、なんか芸術というよりはエンターテイメントに見えました。なんでかわらかないけど。動きに「統一性」がないからかしら? 武術的な動きも、最初は驚くけど、目が慣れてくるとちと飽きてきます。

 ぽん太は、項羽と劉邦の話をほとんど知らないので(虞や、虞や、汝をいかんせん、というのは学校でならった気がするが)、ストーリーについていけなかったのが残念です。中国人にとっては誰もが知っているストーリーでしょうから、ストーリーをドラマチックに表現するというよりは、有名な場面をいかに面白く表現するかということに力が向けられていたのかもしれません。

 遅ればせながら『史記』の現代語訳を読んで見たのですが、それでもさっぱりわからず、次に司馬遼太郎の『項羽と劉邦』を読み始めたらとても面白かったのですが、長くていつ読み終わるのかわかりません。

 パンフレットは買ってないのですが、チラシや公式サイトを見ても、それぞれのダンサーの名前すら出てないのが、不思議に感じました。

 次はヤン・リーピンが踊るのも見てみたいです。

「ヤン・リーピンの覇王別姫〜十面埋伏〜」

Bunkamuraオーチャードホール
2019年2月21日

公式サイト

芸術監督・演出・振付:ヤン・リーピン

美術指導・衣裳・舞台デザイン:ティム・イップ
舞台美術(はさみ):ベイリー・リュウ

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2019/03/10

【バレエ】熊哲、まだまだ踊れるじゃん!「カルメン」Kバレエカンパニー

 熊川哲也が踊るというので、久々にKバレエカンパニーを観に行きました。演目は「カルメン」。

 熊川が踊るのを見るのは何年振りでしょう。どうやら3年前の「白鳥の湖」が最後だったようです。
 いったい何歳になるんだろう。1972年生まれですから47歳ですか。すごいですね。イチローやカズ、ジャンプの葛西紀明など、日本人では年齢が上がっても体力がキープできる遺伝子があるんでしょうか。
 さすがに目の覚めるようなジャンプや、高速のピルエットは影をひそめましたが、安定した優雅な踊りで、まだまだ踊れるじゃん!という感じでした。

 Kバレエの「カルメン」は、2014年以来2回目。
 前回と比べて、どこがどう変わったとか言えるほど、ぽん太の記憶力は良くありません。
 ただ前回は、とても感動して、熊川の振り付けの能力を見直した記憶があります。

 こんかい観ても、ダンサーの演劇的な表現力、ストーリーのわかりやすさ、セットや衣装の美しさなどは素晴らしく、振り付けも面白かったです。

 ただやっぱり、ダンサーのテクニックをたっぷりと見せる部分や、しっとりとしたパ・ド・ドゥなども観たかったです。

 それから、ドン・ホセがピストル自殺をしようとするシーンから始まることからもわかるように、カルメンよりドン・ホセに焦点が当てられておりました。これじゃあタイトルは「カルメン」じゃなくて「ドン・ホセ」? オペラでは、カルメンは束縛を嫌い、自由を求める女として描かれており、それゆえ初演時にはニーチェも絶賛したわけですが、こんかいのバレエでは、ふしだらで浮気っぽくて道徳心が乏しい女性として描かれておりました。というわけで、ドン・ホセという真面目な男が悪い女にひっかかって人生を台無しする、というストーリーになってしまい、ちょっと残念でした。

 ダンサーもだいぶ入れ替わったみたいで、知らない人ばかりでした。
 カ矢内千夏さん、カルメンを色気たっぷりに熱演。踊りも演技も上手でした。ミカエラの成田紗弥さん、美人で清楚でこの役にぴったり。
 エスカミーリョ:の遅沢佑介、モラレスの伊坂文月、スニガのS・キャシディなどは、懐かしい顔ぶれ。
 民衆の男三人組(?)のなかに素晴らしいジャンプをする人がいた気がするけど、名前がわかりません。

 しかしビゼーの音楽はいいですよね〜。序曲を聞いているだけで、悲しい結末が思い浮かんで胸が痛んできます。井田勝大指揮のシアター オーケストラ トーキョー、残念ながら音が薄い。もっと小さいハコならいいのかもしれないけど。もっとねっとり感や迫力が欲しかったです。

熊川哲也Kバレエカンパニー Spring Tour 2019
『カルメン』

Bunkamura オーチャードホール
2019年3月6日

Kバレエ公式サイト

芸術監督:熊川哲也

カルメン:矢内千夏
ドン・ホセ:熊川哲也
エスカミーリョ:遅沢佑介
ミカエラ:成田紗弥
モラレス:伊坂文月
スニガ:S・キャシディ

[指揮]井田勝大
[管弦楽]シアター オーケストラ トーキョー

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