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2019/04/18

【オペラ】フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ 新国立劇場

 新国立劇場オペラのダブルビル新作公演は、「感動する」まではいかなかったけど、楽しめる公演でした。どちらの演目も、ぽん太は初めてでした。

 GW前で地味な作品ということで、客の入りが少なくてチケットをばら撒いたのか、オペラ公演に不慣れな感じのお客さんが多かったです。カテコを写メでバシバシ撮りまくってる人もいました。

 公演に先立ち、新国立劇場の職員がマイクを持って登場。こういう場合、たいていいい話はありません。『フィレンツェの悲劇』のシモーネ役のレイフェルクスが体調不良だけど、予定通り出演しますということでした。実際は、初めて聞く演目である上、朗々と歌うようなアリアもなかったので、どこが調子が悪いのかあんまりわかりませんでした。

 『フィレンツェの悲劇』を作曲したツェムリンスキーは、無学なぽん太は初めて名前を聞きましたが、オーストリアの作曲家・指揮者。1871年生まれということで、リヒャルト=シュトラウスの7歳年下になりますね。音楽も似ていて後期ロマン派風ですが、ツェムリンスキーの方が聞きやすい分、ちょっと面白みもないという感じでしょうか。リブレットに合わせて曲想を変え、丹念に曲を作っている感じですが、もうちょっと歌の聴かせどころがあるとよかったです。
 内容は、オスカー・ワイルド原作のドロドロ風。グイードの死体の前で、シモーネとビアンカが初めて互いに惹かれ合うという「オチ」は、違和感満載です。こんど原作も読んでみたいです。
 拍手もちょっとまばらで、カテコの途中で拍手が消えそうになり、ちと気の毒でした。
 粟國淳演出の舞台は、空間を一部射影幾何学的に歪めたおどろおどろしいもので、悪くありませんでした。


 続いてプッチーニの唯一の喜劇『ジャンニ・スキッキ』。幕の裏側に第一幕のおどろおどろしい建物が透けて見えて、あれ?と思ったらそれが二つに割れ、間に新しい舞台がせり出してきました。その舞台は、本やら羽ペンやら文房具が置かれた机になっていて、登場人物が小人たちのように見えるという趣向。遺産を奪い合う親戚たちの「小ささ」を表現しているそうです。
 楽しいドタバタの舞台でしたが、上演時間1時間というのはやはりちょっと短すぎる感じもしました。
 ジャンニ・スキッキ役のカルロス・アルバレスは歌も良かったし、喜劇的な演技もうまかったです。この演目は外人歌手は彼一人だけ。カルメンのミカエラ役でおなじみの砂川涼子の「私のお父さん」は、清楚で愛らしくて良かったですが、やはりここは外人歌手で聞きたかったです。そういえばラウレッタは演出家によって、清楚な娘であるという設定と、お父さんにおねだりをしているワルという設定があるようですが、今回は前者でした。
 最後にスキッキは、「この悪戯のおかげで私は地獄行きになりました。当然の報いです。でも皆さん、もし今晩を楽しくお過ごし頂けたのなら、あの偉大なダンテ先生のお許しを頂いた上で、私に情状酌量というわけにはいかないでしょうか。 」という口上を述べるのですが、このオペラの原作はダンテの『神曲』なんですね。こちらの《「地獄の底のジャンニ・スキッキ」イタリア研究会(2010年7月27日) 》が詳しいです。

 沼尻竜典指揮の東京フィルの演奏も悪くなかったと思います。




オペラ「フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ」
Eine florentinische Tragödie / Gianni Schicchi

『フィレンツェの悲劇』/アレクサンダー・ツェムリンスキー
全1幕<ドイツ語上演/字幕付>
Eine florentinische Tragödie / Alexander ZEMLINSKY

『ジャンニ・スキッキ』/ジャコモ・プッチーニ
全1幕<イタリア語上演/字幕付>
Gianni Schicchi / Giacomo PUCCINI

2019年4月17日
新国立劇場 オペラパレス

公演案内|新国立劇場

 指揮 沼尻竜典
 演出 粟國 淳
 美術 横田あつみ
 衣裳 増田恵美
 照明 大島祐夫
 舞台監督 斉藤美穂

フィレンツェの悲劇
 グイード・バルディ ヴゼヴォロド・グリヴノフ
 シモーネ セルゲイ・レイフェルクス
 ビアンカ 齊藤純子

ジャンニ・スキッキ

 ジャンニ・スキッキ カルロス・アルバレス
 ラウレッタ 砂川涼子
 ツィータ 寺谷千枝子
 リヌッチョ 村上敏明
 ゲラルド 青地英幸
 ネッラ 針生美智子
 ゲラルディーノ 吉原圭子
 ベット・ディ・シーニャ 志村文彦
 シモーネ 大塚博章
 マルコ 吉川健一
 チェスカ 中島郁子
 スピネッロッチョ先生 鹿野由之
 アマンティオ・ディ・ニコーラオ 大久保光哉
 ピネッリーノ 松中哲平
 グッチョ 水野秀樹

 管弦楽 東京フィルハーモニー交響楽団

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