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2019/06/02

【オペラ】フアン・フランシスコ・ガテルのオッターヴィオに感動!「ドン・ジョヴァンニ」新国立劇場

 新国立劇場の「ドン・ジョヴァンニ」はすでに何回か見た演出。またか、という気持ちで観に行ったのですが、聴いてびっくり。歌手のレベルが高かったのでしょうか、いままでにない満足感を得ることができました。

 まずは序曲。ん? 迫力がないな〜。低音も響かないし。4階席だからいけないのかしらん、と思って覗き込んで見たら、コントラバス3台の小編成でした。ぽん太はよく知らんけど、モーツァルトの頃の楽器編成なんでしょうか。でもそれだったら、中劇場くらいのハコで見たいよな〜。

 特筆すべきはドン・オッターヴィオ役のフアン・フランシスコ・ガテル。「彼女の心の安らぎこそ」は素晴らしく、特に小さな声の部分が美しかったです。これまでぽん太は、オッターヴィオは端役に過ぎず、彼女を寝取られながら「父親がわりに」とか「愛」とか「真心」とかほざいている木偶の坊かと思っていたのですが、こんかいのアリアには誠実さと真実の愛を感じました。観客の拍手も多かったですね。
 彼の歌を聴いて、ぽん太はこれまでドン・ジョヴァンニの見方を間違えていたんじゃないかと思いました。近代の演劇のように、全体のストーリ展開や登場人物の心理を考えすぎたために、オッターヴィオが間抜けに見えていたんだと思いました。そうじゃなくて単純に、いろんなキャラの登場人物が出てきて、それぞれ素晴らしいアリアを歌う、と思う方が、しっくりくるみたいです。

 ドンナ・アンナについても、ぽん太は敬虔で清らかな女性という印象をもっていたのですが、マリゴーナ・ケルケジは、ちょっとアダっぽい感じ。新国立の「実は女たちはドン・ジョヴァンニを愛していた」という結末には、合っているように思いました。

 ドン・ジョバンニのニコラ・ウリヴィエーリは、単なるどすけべではなくて、ちょっと暗い影を持っており、このオペラの悲劇的な色調に合っていました。女遊びを楽しんでいるというより、何かに突き動かされているという感じがしました。レポレッロのジョヴァンニ・フルラネットはお上手。ドンナ・エルヴィーラは日本人の脇園彩。初めて聞かせていただきましたが、外人勢にまったく聴き劣りせず。今後が楽しみです。妻屋秀和がはまり役の騎士長。

 

「ドン・ジョヴァンニ」/ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
Don Giovanni / Wolfgang Amadeus MOZART

新国立劇場オペラパレス
2019年5月22日

新国立劇場公式サイト


指揮:カーステン・ヤヌシュケ
演出:グリシャ・アサガロフ
美術・衣裳:ルイジ・ペーレゴ
照明:マーティン・ゲプハルト
再演演出:三浦安浩
舞台監督:斉藤美穂

ドン・ジョヴァンニ:ニコラ・ウリヴィエーリ
騎士長:妻屋秀和
レポレッロ:ジョヴァンニ・フルラネット
ドンナ・アンナ:マリゴーナ・ケルケジ
ドン・オッターヴィオ:フアン・フランシスコ・ガテル
ドンナ・エルヴィーラ:脇園 彩
マゼット:久保和範
ツェルリーナ:九嶋香奈枝

合唱指揮:三澤洋史
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

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