« 2019年9月 | トップページ | 2019年12月 »

2019年11月の6件の記事

2019/11/25

【舞踏】これぞ日本の暗黒舞踏?「のたれ●」大駱駝艦・麿赤兒

Img_3864_20191124152201

 麿赤兒の大駱駝艦を初めて観に行ってきました。会場は世田谷パブリックシアター。

 うう、観客の年齢層が高! 70代くらいが多かったでしょうか。いわゆる全共闘世代? 紅テント見てたぜぃみたいな感じか。
 若い客層は掴んでないみたいですね。けっこう空席も多かったです。

 パンフレットや、役者名の幟が並んだ劇場の雰囲気からすると、ぽん太がたまに観に行く山海塾とくらべると、ちょっとおどろおどろしく、ちょっと下品、ちょっと寺山修司が入った感じか? 実際に観てもだいたいそんな感じでしたが、さらにユーモアも感じました。

 冒頭は、麿赤兒がむしろの上で死んでるところから始まります。

 ぽん太は山頭火のことは、「咳をしても一人」という句しか知りません、ってググってみたら、山頭火じゃなくて尾崎放哉(おざきほうさい)って人じゃん! 「分け入っても分け入っても青い山」のほうか。

 ということで、ぽん太は山頭火のことを全く知らないので、解説やネットを参考にしながら解読すると、冒頭で死んでる麿赤兒は、山頭火の母親らしい。彼が10歳の時に、父親の芸者遊びなどを苦にして、井戸に投身自殺したそうな。ということは、傍らで泣いていた少年が山頭火か。
 死んだ母親(麿赤兒)は、トラウマのように、山頭火に纏わりつき続けます。

 「行乞1」では、山頭火の分身と思われる5人の托鉢僧が現れます。お経を唱えながら客席を歩き回って喜捨を乞うのですが、不思議なことに、次第に観客が財布を取り出して鉢に小銭を入れ始めます。な、なんだこれ? 小声で「小銭入れてください」とか行ってるのかな? ぽん太の席は2階だったけど、まさかこっちには来ないだろ〜な。
 観客はクスクス。麿赤兒のユーモアを感じました。

 その後は、遊女あり、逆さ吊りあり。大正時代の浅草っぽい毛色の悪い女性のダンスあり。

 公家・坊主・武将・褊綴姿の人たちは誰でしょう。公家は「東風吹かば……」とか行ってたから菅原道眞かな。坊主は西行で褊綴姿は芭蕉で、漂泊した人たちかしら。でも菅原道眞は太宰府に左遷はされたけど漂白してないよね。よくわからん。

 最後は関東大震災かしら。そういえばあのセット、檻のようであり、雨のようでもあり、なかなかいいですよね。

 ラストで山頭火の句を団員たちが読み上げるのはちょっと興ざめ。モノマネで本人の名前を言っちゃうみたいな感じ。あれをやらなくても、これまでの舞踏の表現で十分だったと思います。
 あと、麿赤兒の踊りをもすこしたっぷり見たかったです。
 顔が大きくて、手も大きいし、ホントに舞踏向きの体ですね。
 でも全体としては、「日本の暗黒舞踏」という感じで、初めてのぽん太にはとても新鮮で面白かったです。




大駱駝艦・天賦典式
「のたれ●」

世田谷パブリックシアター
2019年11月23日(土)

振鋳・演出・美術・鋳態:麿赤兒

公式サイト

鋳態
麿赤兒
村松卓矢、田村一行、松田篤史、塩谷智司、若羽幸平、小田直哉、坂詰健太、荒井啓汰、阿蘇尊
我妻恵美子、高桑晶子、鉾久奈緒美、藤本梓、梁鐘譽、伊藤おらん、齋門由奈、谷口舞、古田真奈未、川村真奈

場面表題
1 その日  (音楽:土井啓輔)
2 行乞1
3 行乞2  (ジェフ・ミルズ)
4 御霊  (ジェフ・ミルズ)
5 恵美子シスターズ  (チェロ:Shika Udai)
6 木賃宿  (土井啓輔、ジェフ・ミルズ)
7 彼岸花  (ジェフ・ミルズ)
8 ホーイ ホイッ  (土井啓輔)
9 コロリ  (土井啓輔)
10 そしてその後  (土井啓輔)

| | コメント (0)

2019/11/24

【クラシック】巨匠の堂々たる演奏。メータ/ベルリン・フィル「ドン・キホーテ」「英雄」

 先週のウィーン・フィルに引き続き、本日はベルリン・フィル。世界一流のオケを続けて聴けるなんて、日本はいい国だなあ。

 メータがすっかり老け込んでいるのに驚きました。杖をつきながらゆっくり舞台に現れ、椅子に座って指揮をしてました。
 前回見たのは5年前で、イスラエル・フィルで、ベジャール・バレエの「第九」を振ったとき。その時は普通に元気でした。

 しかし、体は衰えても音楽は素晴らしい! メータがちょっと指揮棒を動かしただけで、ベルリンフィルがものすごく反応。

 席は前方の右端で、弦楽奏者の脚しか見えませんでした。でも、奏者たちが演奏中に足を盛んに動かし、ピクピクさせたり、踏み変えたり、時にはリズムをとったりして、全身で楽器を弾いていることがよくわかりました。
 それから、「英雄」を上皇夫妻がお聞きに来られたのですが、場所的にぽん太の席のすぐ上で、間近でお姿を拝見することができました。上皇夫妻にお目にかかるのは生まれて初めてかな? 天皇陛下は何度も会ってるのですが(山ですれ違ったこともあります)。

 「ドン・キホーテ」はあんまり聴き込んでいる曲ではないので、良し悪しはよくわからず。色彩豊かで、まるでオペラを観たかのようなストーリー性を感じました。

 「英雄」は、奇をてらったところのないオーソドックスな演奏でしたが、すべての楽器がどれひとつ埋没することなく響き合ってベートーヴェンの交響曲を作り上げ、堂々たる貫禄の演奏でした。「ベートーヴェンは普通に演奏すればいいじゃん。なんで小細工する必要があるの?」と言っているかのようでした。ベルリンフィルの演奏も、すごい集中力で目一杯演奏している感じでした。とても感動しました。



ズービン・メータ指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

2019年11月20日(水) 19:00開演
サントリーホール 大ホール

指揮:ズービン・メータ
チェロ:ルートヴィヒ・クヴァント
ヴィオラ:アミハイ・グロス
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

R.シュトラウス:交響詩『ドン・キホーテ』 Op.35
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 Op.55 「英雄」

| | コメント (0)

2019/11/23

【バレエ】ストーリーが……ヴォロンツォーワ&ザイツェフ「パリの炎」ミハイロフスキー・バレエ

 久々にミハイロふスキー劇場バレエを見に行ってきました。

 演目は「パリの炎」にしてみたのですが、失敗だった……。ストーリーが単純すぎるというか、子供騙しのようなお話。パフォーマンスでは、最後のグランフェッテでヴォロンツォーワがドゥブルを入れまくるなど悪くはなかったのですが。「舞台」としては退屈でつまらなかったです。客席も、半分ぐらいしか埋まってなかったかな。
 ナチョ・ドゥアドが芸術監督になったとのことで、ちょっと期待していたのですが、それなら彼が振り付けた「眠りの森の美女」を観に行けばよかったです。下調べが足りませんでした。

 イワン・ザイツェフも安定した踊りでしたが、目をみはるほどのところはありませんでした。イリーナ・ペレンはさすがに魅力的。



ミハイロフスキー劇場バレエ
「パリの炎」

公式サイト

作曲:B.アサフィエフ
振付:V.ワイノーネン
改定振付:M.メッセレル

2019年11月21日(木)15:30開演
東京文化会館大ホール

ガスパール(農夫)  ロマン・ペチュコフ
ジャンヌ(農夫ガスパールの娘)  アンジェリーナ・ヴォロンツォーワ
ジャック(農夫ガスパールの息子)  アレクサンドラ・バトゥーリナ
フィリップ(マルセイユの青年)  イワン・ザイツェフ
ディアナ・ミレイユ(女優)  イリーナ・ペレン
アントワーヌ・ミストラル(俳優)  ヴィクトル・レベデフ

| | コメント (0)

2019/11/21

【仏像】国宝の日光・月光菩薩など。東大寺ミュージアム

20191106_154311

 東大寺法華堂(三月堂)に安置されていた国宝の日光・月光菩薩は、白い塑像でとても印象深いお姿ですが、2011年から東大寺ミュージアムに移されております。ぽん太とにゃん子はこんかい縁あってお会いしにいくことになりました。


【会場
】東大寺ミュージアム
【公式サイト】企画展・特別展のご案内
 展示期間が終わったら、こっちのリンクになるかも
  ・http://culturecenter.todaiji.or.jp/museum/archive03.html
【住所】奈良県奈良市水門町100番地

【拝観日】2019年11月6日
【拝観】この企画展は、2019年10月10日から(終了日未定)。休館日あり。拝観料600円。
【仏像】◉国宝 ◎重要文化財
◎ 菩薩半跏像 銅像鍍金 奈良時代(8世紀) 写真
◎ 千手観音立像 木造彩色 平安時代(9世紀) 写真
◉日光菩薩立像 塑像彩色 像高207.2cm 奈良時代(8世紀) 写真
◉月光菩薩立像 塑像彩色 像高204.8cm 奈良時代(8世紀) 写真
◎持国天立像 木造彩色 平安時代(12世紀) 写真
◎多聞天立像 木造彩色 平安時代(12世紀) 写真
◉弥勒仏坐像 木造素地 像高39cm 平安時代(9世紀) 写真
◎釈迦如来坐像及び多宝如来坐像 銅像鍍金 奈良時代(8世紀) 写真
◎弁財天立像 塑像彩色 像高219cm 奈良時代(8世紀) 写真
◎閻魔王坐像 木造彩色 鎌倉時代(13世紀) 写真

◎地蔵菩薩立像 木造彩色 鎌倉時代(13世紀) 知足院 写真


 お目当はやはり国宝の日光・月光菩薩立像。元々は東大寺の法華堂に安置されていたもので、実物は目にしたことがなくても、渋い表情の真っ白いお姿はいつの間にか目に焼き付いてます。
 実際に向き合ってみると、2メートルを超える長身で、塑像の質感も伴って、重量感があります。そしてやはり表情が素晴らしいですね。阿修羅像なんかもそうですが、奈良時代の仏様のお顔は、平安後期のような類型的なものでもなく、鎌倉時代のような人間的なものでもなく、実に深遠な表情をしています。
 ホントに日光・月光菩薩さまかどうかは、疑問があるそうです。

 法華堂から移されたもう一つの仏さまは、重文の弁財天立像。これも2mを越す白い塑像です。しかし、われわれが普通に思い浮かべる弁財天の優しいお姿とは異なり、腕が8本で、ちょっと怖いです。上腕は自然にたらし、肘のあたりから八方に腕が広がるので、どこか蜘蛛を思わせます。また、女性なのでそれぞれの腕から袂が垂れ下がっていて、不気味さを高めています。

 怖いといえば、国宝の弥勒菩薩坐像も「異形」の仏さま。猫背で、前に突き出した顔は前後が厚く、目や唇は横に長く、全体としてどことなくカエルっぽいです。像高約40cmの小さな像ですが、神通力(?)はかなりありそうです。
 
 菩薩半跏像は、小さな銅像ですが、とても愛らしい笑顔を浮かべております。下半身の衣の表現がとても細かいです。

 千手観音立像は、お顔もぷっくりしていて、体もどっしりとし、腕も太く、ボリューム感ある千手観音。

 閻魔王は顔が大きくてデフォルメが強く、いわゆる仏像の造形とはだいぶ違っております。

 地蔵菩薩像は美男子で、すっきり整ったしたお姿。厨子もとても美しいです。

| | コメント (0)

2019/11/17

【仏像】日本最古の玉眼・阿弥陀三尊像 長岳寺@奈良県天理市

 

 

20191107_110656

 奈良市の南の天理市にある長岳寺。楼門や地蔵院(現庫裏)、地蔵院本堂など、建物の重要文化財があります。
 猫が多いので、ニャンコ好きにはおすすめ。

 

寺院名】高野山真言宗 釜の口山 長岳寺(かまのくちさん ちょうがくじ)
【公式サイト】https://www.chogakuji.or.jp
【住所】静岡県熱海市伊豆山968
【拝観日】2019年11月7日
【拝観】毎日拝観可。拝観料400円。
【仏像】◎重要文化財
阿弥陀三尊像 木造 玉眼(日本最古の玉眼) 平安末期(仁和元年、1151年) 写真
◎阿弥陀如来坐像
◎観音菩薩坐像
◎勢至菩薩坐像

◎多聞天像 木造 平安中期 写真
◎増長天像 木造 平安中期 写真

 奈良の秋の特別開帳中だったので、ボランティアの方が説明して下さいました。
 「とりあえず10分程度で説明して、よろしければ後でもっと詳しく説明しましょう」ということで楽しみにしていたのですが、残念ながら次の拝観者が来てしまいました。

 んん?この仏さま、どっかで見たぞ? と、思ったら、国立博物館の運慶展に出品されていたそうです。現存の仏像の中で、玉眼の手法が用いられ、制作年代がはっきりしているものとしては(胎内銘から判明したとのこと)、日本最古だそうです。
 平安後期の優雅で彫りが浅い定朝様から、写実的・躍動的な鎌倉彫刻への移行を感じさせるボリューム感ある仏さま。脇侍の観音・勢至菩薩が、片足を垂らす半跏踏み下げ坐なのも変わってます。

 多聞天・増長天は、元は大神神社の神宮寺に祀られていたそうですが、廃仏毀釈に伴って長岳寺に移されたそうです。平安時代中期の作とのことで、どっしりとしたなかに優雅さがあります。色彩もけっこう残っております。


 仏像ではありませんが、特別開帳されていた狩野山楽筆の大地獄絵がとても面白かったです(写真)。
 安土桃山時代の真言宗の地獄理解を反映しているのでしょうか。右から左に向かって時間軸があって、死んでから三途の川を渡り、閻魔様の審判を経て、四十九日、一周忌、三回忌を迎え、極楽浄土に至ります。罪のない人は、画面の上を通って安楽に極楽に至れるのですが、罪のある人は、画面の下側の地獄を経過しながら、最後にはやはり極楽浄土に至るのです。
 地獄といっても2年間かよ、という感じです。もっとも地獄に落ちた人には、それが永遠の時間に感じられるのかもしれませんが。
 六道輪廻の地獄思想からまったく離れて、浄土思想が取り入れられているのが興味深いです。

| | コメント (0)

2019/11/14

【クラシック】エストラーダ、ウィーンフィル ラフマニノフP協第3番、「春の祭典」

 みなさん、お久しぶりです。ぽん太、生きてます。
 ちょっと忙しくて、ブログを書くひまがありませんでした。

 昨夜はウィーンフィルを聴いてきました。席はP席の一番前。
 そう、ステージの奥にある席です。

 この席は、音のバランスは悪いですが、指揮者を真正面から見ることができるのが楽しみです。

 最初はラフマニノフのピアノ協奏曲第3番。先日、マツーエフ、ゲルギエフで凄い演奏を聴いた曲です。

 し、しかし、ピアノが聴こえない。考えてみればあたりまえです。ピアノの音は、反響板によって、向こう側に行ってしまうのですから。そのかわり、目の前にあるホルンがすごい音で響いて来ます。ご存知かと思いますが、ホルンの開口部は後ろを向いているので、音が直接こちらに響いて来ます。まるでマフラー外した族車が目の前で何台も空ぶかししている感じです。
 いろいろ試しているうちに、やや上を向いて、反響を聞くようにすると、比較的バランスよく音が聴こえることがわかりました。

 ピアノのブロンフマンは、もちろんぽん太は初めて。テクニックは素晴らしいです。マツーエフのような鬼気迫る爆発力はありませんが、そのかわり叙情性が素晴らしかったです。ラフマニノフ独特の感傷や苦悩、そして優しさが伝わって来ました。
 ピアノアンコールの、ベートーヴェンのピアノソナタ第7番の第4楽章も、テンポ感というか構造性を消して、語りかけるような、戯れるような演奏。まったく違った曲に聞こえました。
 指揮のオロスコ゠エストラーダも初めてでした。コロンビア生まれだそうですが、いわゆるラテン系というよりは、ちょっとインディオが入った感じ。笑みを浮かべながら指揮しているのが印象的でした。

 さてP席、ラフマニノフはバランスが悪かったですけど、「春の祭典」の迫力は凄かった。目のまで金管が鳴り響き、打楽器が連打!多少のバランスの乱れは関係にゃい!
 ちょっとインディオが入った系のエストラーダですが、さすがに南米のリズム感は健在で、ノリノリでした。

 アンコールはヨーゼフ・シュトラウスの『憂いもなく』。シュトラウスを演奏するウィーンフィルは、本当に楽しそう。エストラーダが途中で客席を向いて、ティンパニに合わせて拍手を要求。観客が戸惑っていると、「ダメダメ、ほら、あれに合わせて」みたいなジェスチャーをして、面白かったです。

 

ウィーン・フィルハーモニー 管弦楽団 2019年来日公演

サントリーホールの公演案内

2019年11月13日(水) 19:00開演 
サントリーホール 大ホール

指揮:アンドレス・オロスコ゠エストラーダ
ピアノ:イェフィム・ブロンフマン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 作品30
ストラヴィンスキー:バレエ音楽『春の祭典』

アンコール曲
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調 作品10-3より第4楽章(ピアノ・アンコール)
ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル『憂いもなく』 作品271 

| | コメント (0)

« 2019年9月 | トップページ | 2019年12月 »