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2019/12/16

【仏像】秘仏の薬師如来倚像は暖かみのある金銅仏・正暦寺(奈良県)

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 紅葉で有名な正暦寺の、秋の特別公開に行って来ました。秘仏の御本尊・薬師如来像がご開帳されるとのことです。あいにくの小雨模様でしたが、ちょうど紅葉の盛りで、実に見事な色合いでした。



【寺院名】菩提山真言宗) 大本山 正暦寺(しょうりゃくじ)
【公式サイト】・http://shoryakuji.jp
【住所】奈良県奈良市菩提山町157
【拝観日】2019年11月28日
【拝観】毎日拝観可。拝観料500円。
【仏像】◎重要文化財 ●県指定
◎薬師如来倚像  金銅 像高28.0cm 飛鳥〜白鳳時代 お姿
●日光月光菩薩像 平安時代 お姿
●孔雀明王 鎌倉時代 お姿
 愛染明王 室町時代
 不動明王 平成18年 上本慶舟作



 まずは国重文に指定されている、白鳳時代の金銅仏・薬師如来倚像 。正暦寺の本堂に安置される御本尊ですが、特別公開の時しかご開帳されていない秘仏です。
 普段はどう配置されているのかわかりませんが、正面手前の小さな厨子の中に収められ、厨子の戸が開けられています。その背後に、大きめの薬師如来坐像が置かれておりますが、これが普段のお前立ちというか、お後ろ立ちなのでしょうか。左右には、平安時代の日光・月光菩薩がありますが、かなり大きくて、バランスは取れておりません。後年に組み合わされたものです。

 写真で見ると、浴衣姿で下駄を履いて縁台で涼んでいるおっさんのように見えますが(罰当たりな表現で申し訳ありません、鶴亀、鶴亀)、実物を見るととてもお優しく見えます。膝をゆったりと開いたポーズは、東京の調布市の深大寺の白鳳仏(国宝)と似てますね。ちょっと素朴で、小さいせいか可愛らしさもあります。同時代の朝鮮渡来の、デフォルメされ超然とした感じの金銅仏とは異なり、和風の慈愛あふれる仏様です。

 薬師如来の脇侍として置かれている日光・月光菩薩立像は、ご本尊に比べてとても大きく、バランスが取れておりません。それもそのはず、神仏分離令によって桜井市の大御輪寺(だいごりんじ)から移されたいわゆる客仏です。有名な聖林寺の十一面観音さま(国宝)も、この時に大御輪寺から移されたものだそうです。
 どちらも両腕がなくなっているなど損傷が激しかったためか、国重文には指定されず、奈良県指定文化財です。現在は修復を終えて、痛々しさなく拝観することができます。お顔もお体もふっくらとして肉付きが良く、腰を軽くひねり、のびのびした仏さまです。

 紅葉の借景が見事な庭園のある客殿(国重文)に移動すると、孔雀明王が祀られております。お名前の通り、孔雀の上に乗った仏さまですが、とても整った装飾的なお姿で、鎌倉時代といっても室町に近いのかな、という気がします。
 「明王」でありながら、慈悲深い菩薩のお姿。wikipediaによると、元々はインドの女神・マハーマーユーリーとのこと。高野山の金剛峯寺にある快慶作の孔雀明王(国重文)が有名だそうで、これは快慶展や高野山展で拝ませていただいたことがあります。

 また、孔雀明王の隣には、室町時代の愛染明王が安置されており、護摩堂には、平成時代の不動明王坐像が、矜羯羅・制咜迦童子を従えておられます。

 それから正暦寺では古くからお酒が造られ、高い酒造技術を持っていたそうで、日本清酒発祥の地と言われているそうです。
 
 

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