カテゴリー「思想・宗教」の135件の記事

2017/06/04

【仏像】快慶の傑作!国宝渡海文殊/安倍文殊院(奈良県桜井市)

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 5月下旬の奈良・京都の旅。ぽん太とにゃん子が次の訪れたのは安倍文殊院。ここには国宝の快慶作・渡海文殊があります。
 同時期に奈良国立博物館で快慶展が行われており、ひよっとしたらそっちにお出ましになっているのではと電話で確認したところ、自宅におられるとのこと。
 渡海文殊さまは、2014年に国立博物館で行われた「日本国宝展」で、善財童子と須菩提だけ観たことがあるのですが、全体を拝観するのは今回が初めて。とっても楽しみです。

【寺院名】華厳宗 安倍山 文殊院(安倍文殊院)
 ・公式サイト
【住所】奈良県桜井市阿部645
【拝観】拝観料700円(お抹茶・菓子付き)。
【仏像】
・木造騎獅文殊菩薩及び脇侍像(渡海文殊) 鎌倉時代 国宝
  文殊菩薩、善財童子、優填王、須菩提(仏陀波利三蔵) 鎌倉時代 快慶作
  維摩居士(最勝老人) 江戸時代 慶長12年(1607年)補作
・釈迦三尊像 室町時代
【写真】安倍文殊院の公式サイトで、それぞれの仏像のきれいな写真を見ることができます。

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 拝観料を払って中に入ると、まず小部屋に通され、抹茶のサービスがあります。お手前をいただきながら、はやる心を鎮めます。

 本堂に入ると、いらっしゃいました!ちょっと遠い?でも、思わず「をゝ〜〜っ」と声が出てしまいます。神々しいです。迫力があります。
 手前に椅子が並んでて、お坊さんが拝むところ(名称不明)があって、その奥に階段があり、さらにその奥に渡海文殊が祀られているという仕組みで、かなり遠いのですが、椅子に座って見上げると、中央の獅子に乗った文殊菩薩は光背まで入れた総高が7メートル。4人の眷属も間隔をあけて広々と配置されており、この群像は圧倒的な迫力があります。

 お坊さんと一緒にお経をあげたあと、簡単な解説をしてくださいます。その後は自由に階段を登って、像のかなり近くまで行って拝観することができます。

 文殊菩薩さまは、左足を下におろした半跏踏み下げ座で、獅子の上に乗ってます。若々しく精悍で、力がみなぎり、文殊菩薩らしく利発な表情。
 ぐぐってみると、経典に「童子相」とあることによる、とあちこちに書かれてますが、コピペつながりのようで、どの経典か書いてあるサイトは見つかりませんでした。
 右手に持った剣と左手に持った蓮が、逆ハの字に開いているあたりがシャープでかっこいいです。
 乗っている獅子は、安土桃山時代の補作だそうです。ちょっと斜め下を向いていて、「ぶわ〜〜っ」とか鳴きそうでいい感じですが、全体のバランスを考えるとちょっとデカすぎる気もします。派手さや躍動感よりも、繊細でまとまった表現を好んだ快慶には、ちょっとそぐわない気もします。でも、現在のお姿に力強さがあることは間違いありません。
 拝むようなしぐさと、あどけない表情が魅力の善財童子(ぜんざいどうじ)と、がりがりのお爺さん須菩提は、上述の通り以前に拝観いたしました。
 ちなみに通常、渡海文殊の脇侍は、善財童子、優填王、仏陀波利三蔵、最勝老人の4人ですが、安倍文殊院では仏陀波利三蔵が須菩提、最勝老人が維摩居士と呼ばれています。
 優填王は堂々たる体格で、獅子のロープを掴んでおります。候補の維摩居士は、仙人風のご老人。
 5人揃ってそのままアニメの主人公になりそうなほどキャラが立ってます。

 奥の部屋には、釈迦三尊像が祀られて降りました。室町時代の作で、明治の神仏分離のおりに、多武峯妙楽寺(現在の談山神社)から移されたものだそうです。
 転法輪印(説法印)を結んでおられますが、光背に飛天が待っていたりして、脇侍も文殊・普賢っぽくないし、ひょっとしたら阿弥陀三尊さまではないかいなどと、ちょっと謎が残る仏様でした。

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2017/06/03

【仏像】優しさと厳しさを備えた国宝十一面観音/聖林寺(奈良県桜井市)

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 5月下旬、ぽん太とにゃん子は奈良県は桜井市の聖林寺を再訪いたしました。ここには日本に7体しかない国宝の十一面観音さまの、一体ががいらっしゃいます。実は以前に一度訪れたことがあるのですが、その頃は仏像に特に興味がなかったので、何の記憶も残ってないのが狸脳の悲しいところ……。(上の写真は聖林寺 - Wikipediaからのパブリックドメインのものです)。


【寺院名】真言宗室生寺派 霊園山(りょうおんざん) 聖林寺
【住所】奈良県桜井市下692
【拝観】拝観料400円。年中無休。
【仏像】
・木心乾漆十一面観音立像 木心乾漆 像高209.1cm 国宝
  写真:聖林寺(公式ホームページ)
・子安延命地蔵菩薩 石像彩色 江戸時代
  写真:聖林寺(公式ホームページ)
・掌悪童子
・掌善童子
・如来荒神像

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 奈良の南部の桜井市の小高い丘の上にある聖林寺。お寺からは奈良盆地を遠望することができます。

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 本堂のどでかい地蔵菩薩にとりあえず参拝し、まずは国宝の十一面観音さまの拝観へ。ちょっと階段を登ったところにあるお堂に安置されております。

 鉄製の扉をあけて中に入ると、ガラスケースの中に見上げる感じで十一面観音さまがいらっしゃるのですが、眩いばかりの神々しさです。さすが国宝!オーラが違います。
 腰をひねったりなどと媚をうらず、ゆったりと直立。お腹をわずかに前に突き出し、肩を少しそびやかしておられます。はれぼったい感じの目で、上唇をちょっと上に上げ、う〜ん?という感じの表情です。胸のあたりはふっくらしてますが、ウェストはキュッと締まってます。指先はとっても優美。衣紋も美しく、裾のあたりは翻波式になっております。優美でありながらも厳粛さを感じさせる、素晴らしい仏様です。
 この仏様は、元々は三輪明神の神宮寺だった大御輪寺の本尊でしたが、幕末・明治の廃仏毀釈の流れのなか、大八車に乗せてこのお寺に避難したんだそうです。そのため、仏様に関する書類は全部失われてしまい、これまでどのように祀られてきたかも、もうわからないそうです。
 そう聞いてもう一度仏様のお顔をながめると、慈愛だけでなく、悲しみや厳しさが感じられます。

 この仏さまは秘仏でしたが、明治20年(1887年)にその禁を解いたフェノロサは、その美しさを絶賛したそうです。そして明治30年に、旧国宝に指定されました。また和辻哲郎も『古寺巡礼』(大正8年・1919年)のなかで多くのページをさいてこの像をほめ讃えております。
 昭和25年(1950年)に文化財保護法が施行されましたが、地方では、制作年代や来歴が不明な多くの旧国宝の仏さまが、重要文化財に格下げになりました。やはり制作年代も来歴もわからない聖林寺の十一面観音が、新制度でも国宝のままだったのは、そのたぐいまれな美しさ故なのか、それとも当時の文部省がフェノロサや和辻哲郎のご威光を忖度した結果なのか、ぽん太にはわかりませんhappy01

 さて、本堂に戻って、ご本尊の子安延命地蔵を参拝。これはどでかくて江戸っぽいです。坐像ですが、左手に宝珠、右手に錫杖を持ったいつものお姿。両側には二体の童子がおります。矜羯羅童子と制多迦童子かと思ったら、掌悪童子と掌善童子とのこと。これはぽん太は初耳です。
 あとでぐぐってみると、地蔵菩薩が、掌悪童子と掌善童子を伴ったものを「地蔵三尊」というそうで、日本で作られた偽経の『延命地蔵菩薩経』に書かれているそうです。

 如来荒神像も、ぽん太は初めて。六臂ですが、白いお顔で、表情は怒ってません。
 荒神 - Wikipediaを見てみると、荒神は日本の民間信仰として台所で祀られる神様だそうで、その来歴ははっきりしないそうです。
 中国で作られた偽経の『无障礙経』(むしょうげきょう)のなかで、三宝荒神が説かれており、それは如来荒神(にょらいこうじん)、麁乱荒神(そらんこうじん)、忿怒荒神(ふんぬこうじん)の三神を指すそうです。

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2017/06/01

【仏像】よみうりランドにある重要文化財の妙見菩薩と聖観音(東京都稲城市)

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 新聞販売店の景品でよみうりランドの入場券が当たったので、仏像を見に行ってきました。以前に妙見菩薩は見に行ったことがあるのですが、もう一つの聖観世音菩薩像は見逃してました。

【寺院?名】よみうりランド 聖地公園
 ・公式サイト
【住所】東京都稲城市 矢野口4015-1
【拝観】入園料1800円。毎日可。
【仏像】
・木造妙見菩薩立像 鎌倉後期(正安3年、1301年) 重要文化財
  写真:古寺巡礼紅の翼
・木造聖観音立像 桧 一木造 平安前期 重要文化財
・十一面観音立像(?)


 新たにできたモノ作りを体験できるアトラクションエリア「グッジョバ」が早くも人気のよみうりランド。しかし別の一角にある仏教エリア「聖地公園」を知る人は多くありません。正門を入ったら左手に進み、慶友病院の横を通り過ぎて奥へ奥へと進むと、丘の上に白いパゴダが見えて来ます。ここが聖地公園です。
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 まずは妙見堂に、妙見様に再会しに行きました。最初に来た時はおでかけでしたが……。

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 今回はいらっしゃいました。でも、柵があってよく見えないのは相変わらず。よみうりランド様、改善をお願いいたします。 もっとはっきりとお姿を見たい方は、上にリンクしたサイトに大きな写真があるので、ご覧ください。
 菩薩でありながら甲冑を身につけ、なにやら腹に一物ありそうな上目遣いの目。ピースサインのような剣印。美豆良(みずら)と呼ばれる古風な髪型。なんとも不思議な菩薩さまです。
 この仏様は、本田不二雄が『ミステリーな仏像』の表紙として取り上げており、ヘッドホンしながらピースする仏像として紹介しています。

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 お次は初めてお会いする聖観世音菩薩さまです。妙見堂から少し下ったところにあるお堂の中に、いらっしゃいます。

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 お堂の中の様子です。中央に聖観音菩薩さま、向かって左には十一面観音(?)、右には金属製の皿のようなものが置かれております。

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 聖観音さまです。これはなかなか素晴らしい本格的な仏様ですね〜。顔から胸、腰とふくよかなお姿で、ちょっと腰をひねって、右ひざを少し曲げたあたり、ゆったりとした感じがあります。
 お顔は冒頭の写真のように、穏やかな笑みを浮かべてらっしゃいます。髷を三段に結っているのがちょっと珍しいです。髪飾りが両肩に垂れております。もともと素木像だったのか、彩色が剥げたのか、ぽん太にはわかりませんが、お顔の木目もとっても美しいです。
 案内板によると、元々は京都府の長岡京市の楊谷寺にありましたが、東京渋谷の観音禅寺に移り、そこからよみうりランドに来たんたそうです。

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 衣紋の流れは写実的で流麗、深い襞と浅い襞が交互に刻まれる翻波式です。両手の親指と中指で、阿弥陀如来のように輪を作っているのも珍しいです。

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 向かって左は十一面観音ですが、解説もなく身元不明。ホームページで多宝塔の中に安置されていると書かれているものかもしれません。それによると、鎌倉時代作の桧材の一木造で、高野山本願寺の本尊でもあったもので、苅萱観音と呼ばれているとのこと。
 隣の竹(?)もよくわかりません。

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 ご覧の通り、多宝塔の内部には、聖髪と仏舎利はありますが、十一面観音はありませんので。


 入場券には、乗り物一回券がついてました。何に乗りたいかにゃん子に聞いたら、ジェットコースターのバンデットとのこと。ぽん太は、研修医の頃に病院のレクで乗って以来、30年数年ぶりです。メガネは落ちそうになるし、足を踏ん張ったせいで膝が痛くなるし、さんざんでした。気分が悪くならなくてよかったですけど。体がもつかどうかという、若い頃と違ったスリルを楽しむことができるジェットコースターでした。

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2017/05/29

【仏像】アンバランスな釈迦如来と美仏の薬師如来/若狭国分寺(福井県小浜市)

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 2016年11月中旬、小浜市の仏像の旅。この若狭国分寺で「若狭國小浜国宝めぐり」の印譜(スランプラリー)全8ヶ所、コンプリートです。記念品として、仏像の写真のしおり(だったと思いますが、見つからない)をいただきました。


【寺院名】曹洞宗 護国山 若狭国分寺
【住所】福井県小浜市国分寺53-1
【拝観】拝観料400円。毎日拝観可だったと思います。
【仏像】
・木造薬師如来坐像 寄木造 像高79.7cm 13世紀 重要文化財
  写真・若狭小浜観光協会
     ・若狭小浜のデジタル文化財
・木造釈迦如来坐像 寄木造 像高318cm 体部14世紀、頭部17世紀 市指定
  写真・若狭小浜のデジタル文化財
・木造釈迦如来坐像 桧 像高85.7cm 鎌倉前期 市指定
  写真・若狭小浜のデジタル文化財
・木造阿弥陀如来坐像 桧 像高86cm 鎌倉前期 市指定
  写真・若狭小浜のデジタル文化財


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 この若狭国分寺は、奈良時代に聖武天皇が国ごとに設置した国分寺のひとつ。かつては壮大な伽藍を誇ったそうです。

 写真は本堂(釈迦堂)です。内部には丈六の釈迦如来坐像が祀られ、国分寺の大仏と言われております。像高3メートル以上で、とにかくでかいです。そうして、顔がさらに長くてでかい。
 印相は施無畏与願印。胸の肉付きがでっぷりしていてお相撲さんみたいです。衣紋の彫りなどはシャープで美しいです。顔はでかくて荘厳。アンバランスですが、迫力があります。
 光背の光線(?)もなんだかぶっといです。七つの化仏があります。七仏薬師か?いや、お釈迦様だよね。ぽん太にはよくわかりません。

 聖武天皇は、各地の国分寺に丈六釈迦像を祀るよう命じました。でもこの仏像は鎌倉時代に造られたものだそうで、さらに修復が重ねられ、頭部は江戸時代と言われております。

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 こちらは薬師堂で、なかには国重文の薬師如来さまがいらっしゃいます。こちらは大仏さまと違って美仏! すっきりしていて、衣紋の流れなどもシャープ。それでいて、胸から腹の肉付きなどは写実的に表現されております。とってもモダンな仏様です。

 両脇に釈迦如来と阿弥陀如来がありますが、網の中にあり、お姿はよく見えませんでした。リンク先の写真でご覧ください。

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2017/05/28

【仏像】ちょっと昔風の阿弥陀如来/萬徳寺(福井県小浜市)

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 2016年11月中旬、小浜仏像の旅。続いて萬徳寺です。


【寺院名】高野山真言宗 延宝山 萬徳寺
【住所】福井県小浜市金屋74-23
【拝観】拝観料400円。毎日可。
【仏像】
・木造阿弥陀如来坐像 桧 寄木造 像高141.5cm 平安後期 重要文化財
  写真・若狭おばま観光協会
     ・若狭小浜のデジタル文化財


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 まずは書院があります。茅葺の屋根が好ましいです。

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 書院の前には美しい庭園があります。萬徳寺は庭園でも有名で、国の名勝に指定されております。延宝5年(1677年)に小浜藩主酒井氏の命によって造られたそうです。
 大山モミジが天然記念物だそうですが、どれだかぽん太にはわかりません。右の塊の左の方だと思うのですが……。

Img_3587 庭園の奥から石段を登ったところに、本堂があります。本堂にはお目当の重文の阿弥陀如来さまがおられます。


 youtubeに動画がアップされておりました。
 ご本尊の阿弥陀如来さまは素地仏で、穏やかな表情。丸顔で唇が小さく、ちょっと人間っぽい親しみがある表情に思えます。胸の肉などはデフォルメされていて、様式的な感じ。平安後期の作とのことですが、衣紋が翻波式になっていたり、衣の裾が台座に垂れているなど、古風な味わいがあります。
 
 両脇に、大日如来(向かって右)と、阿弥陀如来(左)が安置されておりました。お姿は……ちょっと忘れてしまいました。

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2017/05/27

【仏像】素朴なご本尊と美物の前立ち、二つの薬師如来/若狭神宮寺(福井県小浜市)

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 2016年11月中旬の小浜仏像の旅。続いて若狭神宮寺です。
 こちらには室町時代に作られた重要文化財の木造男神・女神坐像がありますが、残念ながら秘仏で参拝はできませんでした。


【寺院名】天台宗 霊応山 若狭神宮寺
  公式サイトはなさそうなので、若狭おばま観光協会のサイトにリンクしておきます。
【住所】福福井県小浜市神宮寺30-4
【拝観】拝観料400円。事前連絡が望ましいです。
【仏像】
・木造男神・女神坐像(秘仏につき拝観できず) 鎌倉初期 重要文化財
・薬師如来 藤原末期
  写真:ノンさんのテラビスト...ストイックに仏像...
・薬師如来
  写真:若狭おばま観光協会ト
・日光菩薩、月光菩薩 藤原末期
・十二神将 鎌倉初期
・十一面千手観音 伝奈良期
・不動明王 平安末期
・多聞天王 平安末期
  内陣全体のお写真はこちら:letuce's room


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 こちらが重要文化財の本堂です。室町時代の天文22年(1553年)に再建されたものだそうです。
 神宮寺は神仏習合が残っている寺院で、参拝の時には柏手を打つそうです。また東大寺二月堂への「お水送り」の儀式が行われる寺だそうです。

 門徒(氏子?)の人が、丁寧な説明をしてくれました。内陣まで入って拝観させていただけるのですが、門徒さんは「内陣に入るのは恐れ多くてちょっと緊張する」とおっしゃってました。

 本堂の正面に祀られた薬師如来さまは、長く秘仏だったそうです。けっこう大きいです。丸顔で二重アゴ、下顎は小さいというか丸く膨れてます。ちょっと素朴で、温かみのある仏様です。

 向かって一番右にも薬師如来さまがいらっしゃいますが、こちらはなかなかの美物です。ご本尊の前立ちをされていたのでしょうか。

 さて、薬師如来の両脇侍の日光・月光菩薩、けっこうおっきい十二神将が、ご本尊のまわりにぎっしり並んでおり、ちょっと窮屈。日光・月光菩薩は黒いです。十二神将は躍動感あるお姿ですが、顔はデフォルメ系。

 向かって左には、十一面千手観音と多聞天、不動明王。

 ご本尊の向かって右には掛け軸が三幅かかっておりますが、神様の名前が書かれており、これもまた神仏習合の現れのようです。

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2017/05/26

【仏像】密教らしい迫力ある仏さま/明通寺(福井県小浜市)

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 2016年11月中旬の小浜仏像の旅。お次は明通寺です。山の斜面に大木に囲まれて、国宝の建物を含む伽藍が残っています。紅葉も綺麗でした。


【寺院名】真言宗御室派 棡山(ゆずりさん) 明通寺(みょうつうじ)
  公式サイト
【住所】福井県小浜市門前5-22
【拝観】拝観料500円。毎日拝観可。
【仏像】
・木造薬師如来坐像 像高144.5cm 寄木造 平安末~鎌倉初期 重要文化財
  写真:若狭小浜のデジタル文化財明通寺公式サイト
・木造降三世明王立像(ごうざんぜみょうおう) 像高252.4cm 一木造 平安後期 重要文化財
  写真:若狭小浜のデジタル文化財明通寺公式サイト
・木造深沙大将立像(じんじゃたいしょう) 像高256.6cm 一木造 平安後期 重要文化財
  写真:若狭小浜のデジタル文化財明通寺公式サイト
・木造不動明王立像 像高161.8cm 桧 一木造 平安末期 重要文化財
  写真:若狭小浜のデジタル文化財明通寺公式サイト
・十二神将 玉眼 鎌倉時代から室町時代
・木造金剛力士像  像高 阿形189cm、吽形188.5cm 寄木造 玉眼 文永元年(1264)市指定


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 まずは仁王様から。等身大より一回り大きいくらいですが、均整が取れたプロポーションで、迫力があります。特に吽形像の表情は、目鼻口が一点に集まってます。

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 本堂は国宝に指定されております。鎌倉時代に再建されたもので、桧皮葺の屋根を持つ和風建築ですが、雅やかさよりも、鎌倉らしい凛とした風情があります。
 この本堂の内部に、仏様が祀られてます。

 ご本尊の薬師如来さまは、像高144.5cmと半丈六くらいの大きな仏様で、堂々としております。全体のプロポーションは定朝様のように整っておりますが、お顔は鷲鼻で小鼻も張っており、切れ長の目や三日月型の眉など、独特な迫力があります。衣紋も流麗というよりも力強いです。

 ご本尊の向かって右におられる降三世明王は、大自在天とその妃の鳥摩を踏んづけた定型のお姿。迫力と雅やかさを兼ね備えた平安後期の作。

 向かって左の深沙大将(じんじゃたいしょう)は、ぽん太は初めてお会いする仏さま。インドから移入された天部の仏様で、『西遊記』の沙悟浄のモデルとも言われ、日本では大般若十六善神の一人とされているそうです。
 忿怒の形相で怒髪天を衝き、頭にはドクロ、腹には幼女の首、戟と蛇を持つ姿は定型だそうです。重文の深沙大将は、岐阜県の横蔵寺、京都の金剛院と、全部で3体しかないそうです。
 どっしりとした迫力のある仏様ですが、右胸から右腕の付け根にかけてのデッサンが少し変。

 不動明王さまは、すでにご紹介した羽賀寺のご本尊の十一面観音菩薩の、脇侍だったものを譲り受けたんだそうです。お顔は平べったいです。

 他に十二神将もありました。躍動感はありませんが、どっしりとしたお姿でした。


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 鎌倉時代中期に再建された三重塔も国宝です。屋根が桧皮葺で、落ち着いた雰囲気の塔。
 今回は第一層の内陣が特別公開されておりました。

 正面には釈迦三尊像がありました。脇侍は獅子に乗った文殊と象に乗った普賢のお定まりの形。
 裏側は阿弥陀三尊像。両脇侍の観音・勢至が立膝なのが珍しかったです。

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2017/05/25

【仏像】古風な仏像群がすばらしい・多田寺(福井県小浜市)

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 2016年11月中旬小浜仏像の旅。次は多田寺です。ここは古い仏像がそろってます。老住職さんと奥様もアットホーム。


【寺院名】高野山真言宗 石照山 多田寺(ただじ)
  公式サイトはなさそうなので、若狭小浜観光協会にリンクしておきます。
【住所】福井県小浜市多田27-15-1
【拝観】拝観料400円。一応毎日拝観可。
【仏像】
・木造薬師如来立像 像高192.5cm カヤ 一木造 平安時代初期(9世紀前半) 重要文化財
  写真:若狭小浜のデジタル文化財
・木造十一面観音菩薩立像(日光菩薩) 像高154cm 桧 一木造 奈良時代末期から平安時代初期 重要文化財
  写真:若狭小浜のデジタル文化財
・木造菩薩立像(月光菩薩) 像高144.2cm 桧 一木造 平安時代初期 重要文化財
  写真:若狭小浜のデジタル文化財
・木造阿弥陀如来坐像(三躯) 像高144.5cm、92.5cm、91.5cm 桧 割矧造 藤原時代 県指定
・聖観音菩薩立像 梅 一木造 藤原時代
  写真:若狭小浜のデジタル文化財
・四天王立像 像高 持国天121.6cm、増長天119.5cm、広目天118.8cm、多聞天117.4cm 藤原時代 県指定
  写真:若狭小浜のデジタル文化財

 受付で拝観料を払うと老住職の奥様(?)が、息を切らしながら何段もの石段を登って、自ら案内してくれます。解説よりも世間話が多いですけどhappy01

 ご本尊の薬師如来様は、これまで小浜で見てきた仏像と印象がまったく異なります。ふつーのお父さんっぽいお顔。様式的な衣紋の流れ。古そうな感じです。
 やや面長でふっくらしたほっぺ。きゅっと結んだ小さな口。いわゆる仏像の神々しさや威圧感はまったくなく、親しみのあるお姿です。腕の形は施無畏与願印と同じですが、両手とも薬指・中指を曲げています。なんという名前の印相なのか、ぽん太にはわかりません。薬壷は持っておられません。
 長い間秘仏とされていたそうです。なかなか印象深い仏様でした。

 薬師如来ということで、両脇侍に日光・月光菩薩がおりますが、元来そうだったのかはちと疑問。
 日光菩薩は、なんと十一面観音です。これまた古風な印象で、お顔も猫みたいににゃ〜んと笑っており、表情筋が盛り上がってます。時代はご本尊よりさらに古く、8世紀末から9世紀初頭まで遡れるそうです。

 月光菩薩は、日光菩薩と異なり、全体にのっぺりとして彫りが浅く、硬さが感じられました。

 右側には阿弥陀如来が三躯あります。近所のお寺から移されたものだそうです。

 四天王は奈良時代の作だそうで、四頭身でどっしりしております。お尻も大きくて、ぽん太は、先日東京国立博物館で見た櫟野寺の毘沙門天さまを思い出しました。

 聖観音は細くてひょろりとして、百済観音に似たお姿。とっても珍しい「梅」の一木造だそうです。

 他に十二神将もおりましたた。

 あとでぐぐってみたら、曽我兄弟の墓があるとか。なんで小浜に曽我兄弟の墓があるのかよくわかりません。次の機会にみちくさしてみたいと思います。

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2017/05/24

【仏像】千の手と24の顔を持つ珍しい千手観音/妙楽寺(福井県小浜市)

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 2016年11月、小浜仏像の旅。次は妙楽寺です。紅葉がとてもきれいでした。


【寺院名】高野山真言宗 岩屋山 妙楽寺
 ホームページはなさそうなので、若狭おばま観光協会公式サイトにリンク。
【住所】福井県小浜市野代28-13
【拝観】拝観料400円。とりあえず毎日可。
【仏像】
・木造千手観音立像(二十四面千手観音) 像高176.3cm 桧 一木造 漆箔 平安時代中期 重要文化財
  写真:若狭おばま観光協会公式サイト若狭小浜のデジタル文化財
・聖観音菩薩像 像高161.5cm 桧 一木造 平安時代 県指定
  写真:若狭小浜のデジタル文化財
・不動明王坐像 楠 一木造 平安時代 市指定
  写真:若狭小浜のデジタル文化財
・地蔵菩薩坐像 像高165.4cm 桧 寄木造 県指定
・四天王立像
・薬師如来立像 江戸時代(17世紀後半)


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 古色あふれる山門です。

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 まずは仁王様から。色鮮やかでちょっとアニメっぽいです。

Img_3544 この美しい建物が本堂です。建物自体が重要文化財で、鎌倉時代の永仁4年(1296年)の建立。若狭で現存する最古の建造物だそうです。

 本堂のなかには立派な厨子(これまた重要文化財)があり、その中に二十四面千手観音さまがいらっしゃいます。実際に千手を持つ像容で、みっちりという感じです。
 千本の手を持つ千手観音像は、奈良の唐招提寺、大阪の葛井寺、京都の寿宝寺などが有名で、いずれも手を放射状に配置して、千手あることを強調しております。しかし妙楽寺の像は小手がかなり小さめに作られていて、正面からだといっけん四十二臂のように見え、また上部の複数の腕が真横に伸びて90度肘で曲がって上に伸びる形で並んでいて、ちょっと工場の配管のような印象を受けます。真数千手のワラワラ感を避けて、腕の動きの変化を求めたのかもしれません。
 太めの胴体がしっかりと直立し、重そうな腕を支えております。表情は爽やかな若者風で、ちょっと真剣な面持ちで正面を見つめております。
 またこの像はもう一つ、正面のお顔の両側にもお顔があり、全部で24面を持つという点でも珍しいそうです。
 近年まで33年に1度しか拝観できなかった秘仏だそうです。

 まわりには極彩色に彩色された四天王がおりました。

 向かって右におられる聖観音菩薩さまは、おっとりと優しい表情の美しい仏様で、衣服の表現がすごく複雑で細かいです。

 向かって左奥の不動明王は、どっかと腰を下ろして、ギョロ目で正面を見据え、下唇を噛み締めた、ちょっと古風な像。おさげ髪を左肩に垂らしているのが珍しいです。

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 傍の地蔵堂には、地蔵菩薩がおられます。

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 大きな頭に妊娠線が走っていてちょっと怖いです。伏し目がちで、左足を下ろした半跏踏下坐(はんかふみさげざ)です。

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 江戸時代の薬師如来様もおりました。

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2017/05/23

【仏像】どでかい大日如来様とこっちを睨む不動明王/圓照寺(福井県小浜市)

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 2016年11月中旬の小浜仏像巡り。次は圓照寺です。

【寺院名】臨済宗南禅寺派 地久山 圓照寺(えんしょうじ)
   公式サイト
【住所】福井県小浜市尾崎22-5
【拝観】一応常時拝観可。拝観料400円。
【仏像】
・木造大日如来坐像 像高251.5cm 桧 寄木造 平安時代 重要文化財
  写真:若狭小浜のデジタル文化財
・木造不動明王立像 像高158.7cm 桧 寄木造 平安時代後期 重要文化財
  写真:若狭小浜のデジタル文化財
・千手観音立像 像高160cm 平安時代
  写真:...ストイックに仏像...

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 こちらが仏様が安置されている大日堂。元々は座禅堂だったそうです。

 扉を開けて中に入ると、まず大日如来さまのデカさにびっくり。丈六の仏様です。その向かって左に不動明王、右に観世音菩薩?がおられます。

 大日如来さまは法界定印を結んでおり、胎蔵界のお姿。金箔が肌の部分に貼られており、緑色の輪光。不動明王の赤い炎とあいまって、色彩感があります。ふっくらしたお顔で、ボリューム感があってどっしりした印象です。すっきり整ったお姿で、いわゆる定朝様とのこと。

 向かって左にいらっしゃる不動明王は、等身大の像。左足を半歩前に踏み出し、お顔もやや左下を向くという珍しい造形。腕もリアルで力がこもってます。平安時代の雅やかな雰囲気を保ちながらも、「動き」への欲望が感じられます。なかなか興味深い不動明王様です。向かって左上に置かれているので、中央で拝観するとちょうど睨みつけられているみたいでいい感じです。
 
 千手観音さまは、傷みと欠損が激しくて、ちょっと可哀想な仏様。お顔も真っ黒です。腕が六本しかなかったので、愛染明王として祀られてきましたが、元々は頭上の十一の化仏と、四十二臂があり、実は千手観音だったそうです。ぽん太が見たときはどうだったか忘れてしまいましたが、上の「...ストイックに仏像...」の写真では、愛染明王のように火炎を背負ってらっしゃいますね。正面の顔の左右に二面があり、いわゆる三面千手というちょっと珍しいお姿です。


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 最後に庭園を拝見。江戸初期のものだそうで、なかなか見事ですね。

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