カテゴリー「思想・宗教」の185件の記事

2018/12/31

【仏像】5年に1度ご開帳の秘仏・薬師三尊ご開帳 大善寺(山梨県勝沼町)

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 今年の10月、以前に訪れたことがある勝沼の大善寺(【仏像】重文の日光・月光菩薩と十二神将 ぶどう寺大善寺@山梨県勝沼町)で、秘仏薬師三尊の特別公開が行われたので、行って来ました。
 この仏さまは、5年に一度しかご開帳されませんが、今年はそれに加えて、大善寺の開山1300年にあたるんだそうです。

【寺院名】真言宗智山派 柏尾山 大善寺(ぶどう寺)
【公式サイト】・http://katsunuma.ne.jp/~daizenji/
【住所】山梨県甲州市勝沼町勝沼3559
【拝観日】2018年10月3日
【拝観】基本的に毎日可(時間は変わります)。拝観料500円(ご開帳時も同額でした)。駐車場有り。
【仏像】
薬師三尊像 (初) 写真
  薬師如来像(葡萄薬師) サクラ 一木造 像高86.7cm 平安時代 重要文化財
  日光菩薩立像 サクラ 一木造 像高102.6cm 平安時代 重要文化財
  月光菩薩立像 サクラ 一木造 像高101.8cm 平安時代 重要文化財

十二神将立像 檜一木造・寄木造 像高138.2〜145.9cm 鎌倉時代 重要文化財
日光菩薩立像・月光菩薩立像 檜寄木造・玉眼 像高248.0/247.0cm 鎌倉時代 重要文化財


 
 こんかいはご開帳ということで、平日だというのに、なかなかの賑わい。受付や案内など、地元の人たちも多く参加している感じでした。

 さて、本尊の薬師三尊さまは、今回はじめて拝観できました。

 中尊の薬師如来さまは、像高90cm弱で、等身大よりやや小柄な印象。顔も大きめで、胸やお腹も肉付きが良く、座椅子にもたれかかるような、ゆったりした姿勢です。お顔はふっくらとしていて、やや面長で、顎は小さめ。目は切れ長で釣り上ってます。左手には葡萄を持っています。右手は与願印だと思うのですが、内側に親指があるかのようで、ちょっと造形が乱れてます。後年の補修によるのかもしれません。

 日光・月光菩薩は、胸や、腿から下の肉付きが良く、お腹もぷっくりしてます。目は細くて、まぶたはやはり腫れぼったいです。それぞれ内側の脚の膝を、少し曲げています。衣紋は翻波式。普通とは反対に、月光菩薩の方がつり目で厳しい表情をしており、日光菩薩の方が柔らかいお顔です。

 全体として、優しさと荘厳さを兼ね備えており、都風の洗練されたものではありませんが、平安時代の地方仏として存在感のある仏さまだと思いました。勝沼にあって、ぶどうを持っているというのが素晴らしいですね。


 前回も拝観した十二神将、キャラは立ってるけど、ポーズなど躍動感にはちと欠けます。
 大きな日光・月光菩薩。寄り目であることがわかりました。

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2018/12/30

【仏像】「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-」サントリー美術館

 もうだいぶ前の話ですが、サントリー美術館で開かれた醍醐寺展に行ってきました。あらゆるジャンルの密教美術が展示されており、仏像は8点でしたが、全てが国宝か重要文化財で、快慶作もあるという、充実したラインナップでした。

 醍醐寺は以前に訪れたことがありますが(
【仏像】国宝薬師三尊、五大明王など。醍醐寺(京都))、こんかいは5躯が初拝観でした。

 初拝観のものから先にご紹介します。

 まずは何と言っても如意輪観音坐像(15:出品リストの番号)(写真)。平安中期の、ゆったりおっとりした優美なお姿。お顔もふっくらとして、満ち足りた表情。伏し目がちにして、なにか思案しているのか、それともまどろんでいるのか。腰を曲げて、まるで光背によりかかってでもいるように、ゆったりと座っております。如意輪観音さまの右手は、頬に手のひらをあてている場合と、手の甲を当てている場合がありますが、この像は手の甲の方。とっても優しそうな素晴らしい如意輪さまです。

 ついで快慶作の不動明王(26)(写真)。鎌倉時代の作ですが、上の歯で下唇を噛み、両目を見開いて正面を見据えるという古風なお顔。京都の東寺・講堂の不動明王(写真)に習った、いわゆる「大師様」のお姿です。そうした制約のなかでも、細かい表情や、絞り込まれたウエスト、ちょっと持ち上げた両肩など、鎌倉らしい躍動感があり、それでいて全体として美しく収まっています。

 国宝の虚空菩薩立像(27)(写真)は、でっぷりしているというか、寸詰りというか、変わったお姿。衣紋も彫りが深くてぐるんぐるんしており、足の部分は翻波式になっております。平安初期の仏様ですね。同じ時代の三井寺の十一面観音(写真)をちょっと思い出します。
 この像は、長らく「聖観音菩薩立像」とされて来ましたが、つい先日の平成27年(2015)、調査を元に「虚空蔵菩薩立像」とお名前が変更になったそうです(春季特別公開 - 醍醐寺)。

 阿弥陀如来坐像(28)は、定朝様の整った仏様でした。

 仏像ではありませんが、聖宝坐像(5)(写真)も初めて観ました。聖宝は、平安初期に醍醐寺を開山したした人で、空海の孫弟子にあたるそうです。江戸時代の作ですが、表情から人となりが伝わってくる、見事な像です。わざわざ吉野右京種久作と付記されており、ググってみると、有名な仏師のようですが、詳しいことはよくわかりません。

 あとは再会した仏様たち。
 国宝の薬師如来および両脇侍像は、階段近くの吹き抜けスペースに展示されており、最初は(恐れ多くも)上から見下ろし、やがて足元に降りていくという感じでしたが、迫力はなかなかのものでした。
 五大明王は、霊宝館に安置されていたものですね。
 象に乗った帝釈天と、ちと珍しい牛に乗る閻魔さまも、久々にお目にかかりました。


 


京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-

2018年9月19日~11月11日(11月8日訪問)
サントリー美術館

サントリー美術館の公式サイト
特設サイト

出品リスト(pdf, 430.8K)

出品された仏像
    ◎重要文化財 ⦿国宝 番号は出品リストの番号です。

 写真は、醍醐寺文化財アーカイブスで見ることができます。

5 聖宝坐像 吉野右京種久作 江戸時代 延宝2年(1674) (初) 写真
14 ⦿ 薬師如来および両脇侍像 平安時代 10世紀
15 ◎ 如意輪観音坐像 平安時代 10世紀(初) 写真
22 ◎ 五大明王像 平安時代 10世紀
23 ◎ 帝釈天騎象像 平安時代 10世紀
24 ◎ 閻魔天騎牛像 平安時代 12世紀
26 ◎ 不動明王像 快慶作 鎌倉時代 建仁3年(1203) (初) 写真
27 ⦿ 虚空菩薩立像 平安時代 9世紀 (初) 写真
28 ◎ 阿弥陀如来坐像 平安時代 12世紀 (初)

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2018/12/16

【仏像】釈迦如来坐像(甲賀三大佛)大池寺@滋賀県甲賀市

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 甲賀三大仏、最後は大池寺の釈迦如来さまです。


【寺院名】臨済宗妙心寺派 竜護山 大池寺(だいちじ)
【公式サイト】・大池寺公式サイト
【住所】滋賀県甲賀市水口町名坂1168
【拝観日】2018年11月13日
【拝観】拝観料400円。
【仏像】釈迦如来坐像 写真


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 広々した敷地に、手入れの行き届いた庭があり、明るい雰囲気のお寺です。

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 「蓬莱庭園」と呼ばれている枯山水の庭園です。まるで現代の抽象彫刻のようですね。拝観したのは11月中旬でしたが、紅葉がとても見事でした。刈り込まれているのはサツキだそうで、春もさぞ美しいことでしょう。江戸初期の小堀遠州の作と伝えられているそうです。

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 中庭と白壁。禅宗らしいデザインですね。

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 「禁酒」の看板がありました。このお寺で修行するのはぽん太は絶対に不可能です。

 釈迦如来さまは、本堂に安置されております。丈六の仏様ですが、台座が高くて円光もあり、とっても大きく見えます。パンフレットによれば、天平時代に行基菩薩が一刀三礼(一回ノミを入れるたびに三回礼拝する)でお造りになったと伝えられているそうです。しかし衣の彫りも薄い定朝様のお姿で、平安中期以降、あるいは近世にそれを模したものかもしれません。
 しかしお顔といい、お姿といい、いかにも「大仏」という感じの堂々とした仏さまです。

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2018/12/15

【仏像】阿弥陀如来坐像(甲賀三大佛)十楽寺@滋賀県甲賀市

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 櫟野寺を拝観したところ、置いてあったパンフレットで「甲賀三大佛」というものがあることを知り、ついでに巡ることにしました。甲賀市観光ガイドのページをご覧ください。
 三大仏とは、櫟野寺の薬師如来、十楽寺の阿弥陀如来、大池寺の釈迦如来です。昔から言われていたものではなく、近年観光スポットとして新たに作られたもののようで、十楽寺で解説してくれたお姉さんが、つい最近までは観光客がお参りに来るような寺ではなかったとおっしゃってました。
 しかし実際に行ってみると、とってもすばらしい仏さまで、多くの人が参拝する価値があると思いました。


【寺院名】浄土宗 清浄山二尊院 十楽寺(じゅうらくじ)
【公式サイト】・十楽寺ホームページ
【住所】滋賀県甲賀市土山町山中351
【拝観日】2018年11月13日
【拝観】拝観料500円。
【仏像】 △市指定
  本尊丈六阿弥陀如来 像高278cm 江戸時代前期
△ 本尊阿弥陀如来坐像 像高89.5cm 平安時代後期
  救世観世音菩薩 像高69cm 南北朝以後
△ 十一面観世音菩薩 像高217cm 平安時代
  十一面千手観世音菩薩 像高202cm 鎌倉時代
△ 摩耶夫人像 像高86cm 室町時代
  裸形阿弥陀如来

  釈迦誕生仏
  薬師如来
  毘沙門天像


 まずは冒頭の写真の、本尊丈六阿弥陀如来。丈六ということで大きく存在感があります。仏具に囲まれれていて、ちょっと全体は見にくいです。江戸時代の作ですが、俗っぽさがなくて、すっきりとした品の良いお姿です。

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 続いて本尊阿弥陀如来坐像。こちらは像高約90cmと小さめですが、平安時代後期の作とのこと。お寺のパンフレットやWikipedia(参考文献が十楽寺パンフレットになってますが)には重要文化財と書いてありますが、国指定文化財等データベースにも出てないし、違うんじゃないかな?ちなみに十楽寺ホームページには市指定文化財になっており、こちらの甲賀市の文化財一覧 - 甲賀市でも、市指定になってます。
 てなことはさておき、これまたとても良い仏さまです。ふっくらしたお顔で、ちょっと笑みを浮かべております。体つきもふっくらしてますね。衣紋の彫りは浅めですが、様式的にならず自然な感じです。

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 こちらは救世聖観世音菩薩さま。像高約70cmとさらに小さめ。南北朝以降の作だそうですが、これも古風な感じのいい仏様ですね。体はほっそり。脚の部分の衣紋の流れは複雑で、室町以降の感じですね。切れ長の三日月型の目。口もとはすぼめています。

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 十一面観世音菩薩です。像高は2mちょっとと大きめ。市指定の立派な平安仏です。非常に整ったお姿です。

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 鎌倉時代の十一面千手観世音菩薩です。こちらも像高約2m。

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 お顔にマスクの線がついてます。痛みが激しいのが残念ですね。

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 室町時代の摩耶夫人像です。摩耶夫人は、ブッダのお母さんですね。

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 拡大すると、脇の下からブッダがお生まれになっているのが見えます。

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 これは珍しい!裸の阿弥陀さまです。ぽん太は初めてお目にかかりました。
 解説では、裸の像に、本物の布の法衣を着せるようにしたものだとのことでした。

 裸形阿弥陀は珍しいものだそうです。ぐぐってみると、奈良県桜井市璉珹寺(女人裸形阿弥陀仏)、埼玉県久喜市常観堂、京都市転法輪寺、奈良国立博物館、滋賀県大津市浄光寺、埼玉県白岡市興善寺などが見つかりました。縁があったら拝んでみたいです。

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2018/12/07

【仏像】33年ぶりの秘仏十一面観音ご開帳・櫟野寺@滋賀県甲賀市

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 収蔵庫の改修工事を利用して、2年前に東京国立博物館で開かれた櫟野寺展では、像高3メートルを越す秘仏御本尊を初め、20躯もの重文の仏様が勢ぞろいしました。
 さて、工事も無事に終わり、今年の秋、めでたく33年に一度の大開帳を迎えました。ぽん太とにゃん子は、東京までお出ましいただいたお礼も兼ねて、櫟野寺までお参りに行ってきました。

 櫟野寺は、滋賀県は甲賀市(こうかし)、三重県との県境に近い山間部にあります。なんでこんなところにたくさんの重文の仏さまが……と思うのかもしれませんが、地図をよく見ると近くに国道1号が走ってます。そう、昔の東海道が近くを通っていたのですね。東海道は、現在の東名高速や東海道新幹線のルートとは異なり、名古屋から桑名、四日市を経て鈴鹿峠を越え、甲賀を通って琵琶湖の草津に抜けていたんですね。現在の交通網で言うと、電車の関西本線から草津線に通じるルートが近いかと思います。

 


【寺院名】天台宗 福生山・自性院 櫟野寺(らくやじ)
【公式サイト】・櫟野寺公式サイト
        ・御本尊大開帳のページ
【住所】滋賀県甲賀市甲賀町櫟野1377
【拝観日】2018年11月13日
【拝観】大開帳の特別拝観料は800円、通常拝観料500円。
【仏像】番号は、特別展「平安の秘仏 滋賀櫟野寺の大観音とみほとけたち」の図録の番号
     ◎重要文化財 □県指定 △町指定

1 ◎十一面観音坐像 像高312.0cm 平安時代・10世紀
- △釈迦如来坐像 平安時代 (初拝観) 写真
3 ◎地蔵菩薩坐像 像高110.8cm 平安時代(1187)
- 毘沙門天立像 鎌倉時代 (初拝観)
- □弥勒如来坐像 ケヤキ 一木造 南北朝時代・暦応3年 (初拝観) 写真
- 地蔵菩薩像 平安時代 (初拝観)
20 ◎吉祥天立像 像高100.0cm 平安時代・12世紀
15 ◎聖観音立像 像高180.0cm 平安時・12世紀
5 ◎聖観音立像 像高168.2cm 平安時代・10世紀
8 ◎聖観音立像 像高170.3cm 平安時代・10〜11世紀
9 ◎十一面観音立像 像高167.4cm 平安時代・10〜11世紀
- 白象像 藤原時代 (初拝観)
17 ◎十一面観音立像 像高95.4cm 平安時代・12世紀
16 ◎聖観音立像 像高97.7cm 平安時代・12世紀
14 ◎聖観音立像 像高97.0cm 平安時代・12世紀
13 ◎聖観音立像 像高115.1cm 平安時代・12世紀
18 ◎十一面観音立像 像高97.9cm 平安時代・12世紀
19 ◎地蔵菩薩立像 像高104.5cm 平安時代・12世紀
7 ◎吉祥天立像 像高103.9cm 平安時代・10世紀
6 ◎地蔵菩薩坐像 像高97.1cm 平安時代・10世紀
10 ◎聖観音立像 像高103.3cm 平安時代・11〜12世紀
11 ◎聖観音立像 像高101.8cm 平安時代・11〜12世紀
12 ◎吉祥天立像 像高105.4cm 平安時代・11〜12世紀
4 ◎毘沙門天立像 像高163.0cm 平安時代・10〜11世紀
2 ◎薬師如来坐像 像高222.0cm 平安時代・12世紀


 まずは御本尊の十一面観音さま。ホームグラウンドで厨子のなかに収まり、心地好さそうです。博物館の広くて無機質な空間で見るよりも、いっそう大きく感じます。大開帳ということで、指には五色の糸が結ばれ、堂の外へと繋がっていました。

 その向かって右には、平安時代の釈迦如来さま。町指定ということで、国立博物館にはお出ましになりませんでした。どのような仏さまだったかは、すっかり忘れてしまいました。

 御本尊の向かって左には、地蔵菩薩坐像が安置されておりました。

 左側の壁に進むと、左からまず鎌倉時代の毘沙門天、そして南北朝時代の弥勒如来さま、平安時代のお地蔵様。いずれも初拝観です。弥勒如来様は素木で、ちょっと面長のお顔でした。
 続いて吉祥天、3躯の観音様、十一面観音と続き、一番道には藤原時代の白象の像が置かれておりました。

 その向かい側(お厨子の左側面の外側)には、右から十一面観音、3躯の聖観音、十一面観音、地蔵菩薩が安置されてました。

 お厨子の右側面の外側には、右から吉祥天、地蔵菩薩、2躯の観音さま、吉祥天。そして右の壁際には、左から毘沙門天と薬師如来さまがおられました。

 いずれも京都の洗練された仏さまと異なり、ちょっと鄙びていて親しみやすく、見ていて気持ちがとてもほっこりします。


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 境内には、石仏がずらりと並んでおります。

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 仁王さまも、なかなか迫力があります。

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2018/12/06

【仏像】仏像がいっぱい。秘仏如意輪観音にお会いしたくなる。三井寺(園城寺)

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 ぽん太とにゃん子は11月中旬、滋賀県は三井寺(園城寺)に、仏像を観に行ってきました。ほぼ紅葉の時期でしたが、全体に色づきが悪かったです。でも、ところどころ美しい紅葉を楽しむことがきました。
 三井寺は、以前に観光で訪れたことはあるのですが、仏像にまったく興味がなかった頃。おそらく収蔵庫には入らなかったでしょうし、仏像の記憶はまったくなく、印象に残っているのは弁慶の引き摺り鐘ぐらい。


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 拝観コースに従い、まずは釈迦堂。なかには釈迦如来立像が祀られております(写真)。いわゆる清涼寺式の釈迦如来ですが、お顔が普通の人っぽくて、同心円状の執拗な衣紋も含め、清涼寺式の独特の暑苦しさがありません。お優しい感じのお釈迦様です。

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 続いて金堂です。建物自体が国宝です。豊臣秀吉の正室北政所が再建したものだそうで、桃山時代らしく華麗かつ優美です。
 御本尊は弥勒菩薩ですが、秘仏となっており、ググっても写真もみつかりませんし、いつ拝観できるのかもわかりません。

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 その代わりというか、たくさんの仏像が安置されているのですが、覚えられニャイ!できれば目録を配布してほしいのですが、博物館じゃなくて信仰の対象のお寺かだから仕方ないですかね。
 以下、案内板にあった上の写真と、帰ってからぐぐった情報を元に、記憶を辿って書いているので、ひょっとしたら違ってる部分もあるかもしれませんが、ご容赦を。

 まずは正面。秘仏の扉の前には、平安時代の大日如来坐像が置かれております(写真)。像高約1mと大きめで、存在感があります。平安後期らしいおっとりしたお姿です。
 その左には平安時代の不動明王立像。バランスの良い上品な像で、羂索を持つ左手は下げております。
 そのほか小さな像が十数躯置かれておりましたが、よく覚えておりません。

 次に向かって左手に回り込むと、鎌倉っぽいポーズの毘沙門天様や、鎌倉や南北朝のお地蔵さんがおられましたが、目を引き付けたのは「尊星王立像」写真。初めて聞いたお名前です。色鮮やかな江戸時代の像。像容がめずらしく、菩薩の姿で四臂。頭上に鹿の頭があり、お体は緑色です。左足で玉の上に立ち、右足は膝を曲げて、右足の後ろでシェーみたいにしています。肘を曲げた右手と左手で、胸のあたりで槍と錫杖を持っており、残る日本の腕は上に広げた手で月輪と日輪(?)を持っています。大きなお皿のような光背には七つの円が、それぞれ動物を伴って配されております。こちらの三井寺所蔵の絵画の尊星王像の解説によれば、北極星を神格化したもので、妙見菩薩の別名だそうです。よみうりランドの妙見菩薩とはだいぶ像容が異なります。尊星王に関連する尊星王法は、園城寺四箇大法の一つとされる重要な法だそうです。

 裏側に回り込むと、室町時代の乾漆造という珍しい釈迦如来坐像や、円空仏が7躯ありました。また右手には、聖観音菩薩立像や、二童子を伴う不動明王坐像、千手観音像などがありました。

 続いて境内の南側に位置する微妙寺の御本尊は、有名な重文の十一面観音様ですが、ここにはレプリカが置かれておりました。

 で、本物はどこにあるかというと、微妙寺の向かいにある文化財収蔵庫です。入っていくと、いました、いました。像高約80センチの小さめの像(写真)。なによりも独特のプロポーションが目を引きます。大きな頭に短足で、下半身のでっぷりした肉付き。なんかぽん太は土偶を思い浮かべました。呪術的な雰囲気がする観音様です。
 極めて保存が良く、彫りも深く鮮やか。装飾品の細かい透かし彫りなどは、信じられない技巧です。截金の装飾も少し残っております。

 そのほかには、重文の鎌倉時代の吉祥天立像がおられます(写真)。写実的で、少女の近代彫刻といっても通用しそうです。悠然としたお姿と、小細工のない彫り口が見事です。
 このほかこの収蔵庫には、重文の智証大師坐像と訶梨帝母倚像があるはずですが、両方とも大津歴史博物館に出張中(もちろん、そちらにも行って拝観させていただきました)。かわりに阿弥陀如来さまと不動明王が置かれておりました。
 また国宝の勧学院客殿障壁画なども展示されておりました。

 そして石段を登って観音堂へ。ここには秘仏の重文の如意輪観音さまがおられます。写真はこちら。こ、これは美しさと色っぽさを兼ね備えた素晴らしい仏さまです。でも33年に一度しかご開帳されない秘仏とのこと。前回の公開はいつだったのか受付の尼さんに聞いて見たところ、4年前とのこと。ということは次は29年後……無理かな。
 展覧会などに出品されることもあるそうなので、そちらを期待したいと思います。

 水観寺には、江戸時代の薬師三尊と十二神将。中尊は小さくて新しい感じでした。

【寺院名】三井寺 (天台寺門宗総本山園城寺)
【公式サイト】三井寺公式サイト
【住所】滋賀県大津市園城寺町246
【拝観日】2018年11月14日
【拝観】入山料600円、三井寺文化財収蔵庫は別途300円。
【仏像】 ◎重要文化財
釈迦堂
 木造釈迦如来立像 鎌倉〜南北朝時代 写真

金堂
 木造大日如来坐像 木造漆箔 像高94.9cm 平安時代後期 写真
 木造不動明王立像 平安時代 写真
 木造毘沙門天立像 平安時代
 大黒天立像 室町時代
 木造阿弥陀如来坐像 室町時代
 木造阿弥陀如来坐像 鎌倉時代

 木造毘沙門天立像 鎌倉時代 写真
 木造地蔵菩薩立像 鎌倉時代
 木造地蔵菩薩坐像 南北朝時代 写真
 尊星王立像 江戸時代 写真

 木造円空仏 7躯 江戸時代
 木造釈迦如来坐像
 乾漆宝冠釈迦如来坐像 室町時代 写真

 聖観音菩薩立像 江戸時代
 不動明王坐像 室町時代
 千手観音像 江戸時代

三井寺文化財収蔵庫
◎木造十一面観音立像 ヒノキ一木造 彩色 像高81.8cm 平安時代(9世紀) 写真
◎吉祥天立像 ヒノキ材寄木造 彩色 玉眼 像高67.6cm 鎌倉時代(13世紀前半) 写真
 阿弥陀如来坐像 平安(9世紀)
 不動明王

水観寺
 薬師三尊像 江戸時代
 木造十二神将立像 江戸時代

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2018/11/25

【仏像】わかりやすい解説がお見事 「神仏のかたち」大津市歴史博物館

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エントランスにある地蔵菩薩坐像(平安〜鎌倉、園城寺)

 仏像めぐりで大津を訪れたところ、大津市歴史博物館で仏像の展覧会をやっていると知って、訪れました。
 展示された仏像も良かったのですが、書かれている解説がとっても面白かったです。「信仰」という点ではちょっと不謹慎顔しれないけど、一つひとつの仏さまごとにキャッチコピーがあって、特徴がわかりやすく書かれていました。衣服に詳しいのも特徴で、ここは下着、ここは衣の折り返した部分などと、細かく記載されておりました。おかげで仏像を見ると、だいたいいつの時代かわかるようになりました。学芸員さん、ありがとうございました。

 園城寺(三井寺)の釈迦三尊像(4、出品リストの番号)は江戸時代のもので、三尊とも座っており、華やかな宝冠をかぶっているのが特徴。園城寺の三重塔の初層に安置されているものだそうです。

 安楽寺の薬師如来坐像(5)は平安時代の作で、重要文化財。頭部の肉髻が高めで、丸いお顔、目鼻口が中央に寄ってます。ちょっと古風ながら、平安時代後期の作。1年に1日しか公開していないそうです。

 これまた重文の法楽寺の薬師さま(6)は、いかにも定朝様の仏さま。膝の張りがワイドです。12年に1度だけご開帳になる秘仏で、拝観できるのは貴重です。

 重文の西教寺の薬師さま(7)は、鎌倉時代の作らしく張りがあります。左手の薬壷を正面で持ち、右手を拝むように添えているのが珍しいです。

 このペースでいちいち書いてるときりがないので、ここからスピードアップ。
 阿弥陀三尊像(10) の脇侍の観音菩薩立像は、鎌倉時代の仏師・行快の作。行快といえば、現在東京国立博物館で開かれている大報恩寺展の、秘仏ご本尊の釈迦如来を作った方ですね。快慶のお弟子さんです。この像の墨書銘から、この像が作られたのは1216〜1227年頃であると推定されます。まだ快慶の存命中であり、快慶の死後に個性をいかんなく発揮した大報恩寺の釈迦如来と異なり、快慶の作風に習っています。若干つり目でハリのあるお顔、美しいプロポーション、肉体を意識しながらも装飾的で整ったお姿です。

 鎌倉時代(13世紀)の阿弥陀如来立像(11)は、左手を上げ右手を下げるという、通常とは逆の印を結んでいるのが特徴。日本では珍しいですが、宗や高麗の仏画ではよく見られたそうです。

 石山寺の重文・大日如来坐像(13)は、快慶初期の作。昨年の奈良国の「快慶展」でもお目にかかりました。

 弥勒如来坐像(14)は鉄造で、平安時代にまで遡ります。鉄造としては最古の部類。ちなみに先日観た東京府中の善明寺の鉄造阿弥陀如来坐像は、鎌倉時代(1253)のものでした。

 三面大黒天の2点(38-1,2)は、大黒天・弁財天・毘沙門天が合体したずんぐりした木造。同様の意匠で、江戸時代にはやったと考えられているそうです。

 園城寺から、2躯の訶梨帝母倚像(かりていもいぞう)が出品されておりました。鎌倉時代の重文の像(40)が何と言っても素晴らしい。ポーズや衣服のひだなど、動きを感じさせます。胸に抱かれた子に対する母親の慈愛が感じられますが、その母親も童女のような笑顔です。もうひとつの室町時代の像は(39)、彫りといいお顔といいちょっとグロテスク。でも足元の子供達までセットになって残っているのは珍しいんだそうです。

 また、地主神社の重文のものをはじめ(43)、いくつかの木造神像が展示されておりました。同時期の仏像と比べると、神像の造形は拙い感じがしますが、けっして作者が下手だったわけではなく、はっきりとは見えない神という存在を表現したものだそうです。

 
 


神仏のかたち ―湖都大津の仏像と神像―

 大津市歴史博物館
 平成30年(2018) 10月13日(土)~11月25日(日)

大津市歴史博物館の公式サイト
出品リスト(pdf, 161.1K)

仏像の出品リスト
  ⦿国宝 ◎重要文化財 □都道府県指定 △市指定 ○重要美術品

1 聖衆来迎寺 銅造釈迦誕生仏 1躯 白鳳時代(7 世紀)
参考 新知恩院 △ 木造釈迦涅槃像 1躯 鎌倉時代(13 世紀)
4 園城寺 木造釈迦如来及び両脇侍像 3躯 元和9年(1623)
5 安楽寺 ◎ 木造薬師如来坐像 1躯 平安時代(11 世紀)
6 法楽寺 ◎ 木造薬師如来坐像 1躯 平安時代(12 世紀)
7 西教寺 ◎ 木造薬師如来坐像 1躯 鎌倉時代(13 世紀)
8 西教寺 木造薬師如来立像 1躯 平安時代(11 世紀)
10 西教寺 □ 木造阿弥陀如来及び両脇侍像 3躯 鎌倉時代(13 世紀)
11 西教寺 △ 木造阿弥陀如来立像(逆手) 1躯 鎌倉時代(13 世紀)
13 石山寺 ◎ 木造大日如来坐像 1躯鎌倉時代(13 世紀)
14 弥勒堂維持委員会 △ 鉄造弥勒如来坐像 1躯平安時代(12 世紀)
15 満月寺 ◎ 木造聖観音坐像 1躯 平安時代(10 世紀)
16 寂光寺 □ 木造聖観音坐像 1躯 鎌倉時代(13 世紀)
17 岩間山正法寺 △ 木造十一面観音立像 1躯 平安時代(11 世紀)
18 近松寺 △ 銅造千手観音立像 1躯 平安時代(12 世紀)
19 妙傳寺 銅造弥勒菩薩半跏像 1躯 朝鮮三国時代(7 世紀)
21 園城寺 木造普賢菩薩坐像 1躯 通期 南北朝時代(14 世紀)
23 西教寺 木造日光・月光菩薩立像 2躯 鎌倉時代(13 世紀)
24 岩間山正法寺 ◎ 木造地蔵菩薩立像 1躯 平安時代(11 世紀)
25 園城寺 木造地蔵菩薩立像 1躯 安時代(12 世紀)
26 園城寺 木造不動明王立像 1躯 平安時代(11 世紀)
27 比叡山延暦寺 ◎ 木造四明王像のうち降三世明王、軍荼利明王、金剛夜叉明王 3躯 鎌倉時代(13 世紀)
29 聖衆来迎寺 木造愛染明王坐像 1躯 鎌倉時代(13 世紀)
30 安楽寺 木造四天王立像 4躯 平安時代(10 世紀)
31 比叡山延暦寺 ◎ 木造四天王立像 4躯 平安時代(12 世紀)
32 石山寺 ◎ 木造二天立像 2躯 平安時代(12 世紀)
34 石山寺 木造吉祥天立像 1躯 平安時代(11 世紀)
35 聖衆来迎寺 木造吉祥天立像 1躯 平安時代(11 世紀)
36 園城寺 木造大黒天立像 1躯 南北朝時代(14 世紀)
37 聖衆来迎寺 □ 木造大黒天立像 1躯 暦応2年(1339)
38-1 立木山安養寺 木造三面大黒天立像 1躯 江戸時代(17 世紀)
38-2 園城寺 木造三面大黒天立像 1躯 江戸時代(17 世紀)
39 園城寺 木造訶梨帝母像 1躯 室町時代(15 世紀)
40 園城寺 ◎ 木造訶梨帝母倚像 1躯 鎌倉時代(13 世紀)
41 園城寺 木造愛子像 1躯 鎌倉時代(13 世紀)
42 建部大社 木造男神・女神坐像 2躯 平安時代(12 世紀)
43 地主神社 ◎
木造神像 のうち、 8躯 平安時代(10 世紀)
  木造男神坐像・木造女神坐像 6躯 平安時代(10 世紀)
  木造男神坐像・木造僧形神坐像 2躯 平安時代(10 世紀)
参考 天皇神社 木造男神坐像 2躯 平安時代(10 世紀)
45 石山寺 銅造蔵王権現残欠 一括 平安時代(12 世紀)
46 石山寺 ◎ 木造維摩居士坐像 1躯 平安時代(9 世紀)
47 比叡山延暦寺 ◎ 木造維摩居士坐像 1躯 平安時代(9 世紀)
48 西教寺 木造慈覚大師坐像(伝暹賀) 1躯 平安時代(10 世紀)
49 園城寺 ◎ 木造智証大師坐像 1躯 鎌倉時代(13 世紀)
特別 円福院 ◎ 木造釈迦如来坐像 1躯 鎌倉時代(13 世紀)

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2018/11/23

【仏像】ふだんは拝めない仏様がいっぱい 「至宝展」比叡山延暦寺国宝展

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 比叡山延暦寺の国宝殿で開かれている「至宝展」に行ってきました。
 国宝こそないものの、普段は非公開だったり秘仏だったりして一般には決して観ることができない仏さまがずらりと並んだ、素晴らしい展覧会でした。
 ただ、図録を販売しておらず、あとで出品目録を眺めても、どこのどんな仏さまだったのかがまったくわからないのが残念でした。

 釈迦如来座像(目録番号1、以下数字のみ記載)と不動明王(2)は写真撮影OKでした。釈迦如来さまは薄い衣の定朝様ですかね。
 延暦寺というと、元亀2年(1571)に織田信長によって焼き討ちされたことが知られておりますが、平安時代作の多聞天・広目天(7)は、焼き討ちを免れたものとのこと。
 十一面観音(13)は、最澄が生まれたお寺といわれている、坂本の生源寺に祀られている仏さま。普段は厨子に収められており、年に一度誕生会(たんじょうえ)の時だけ拝観が許されるそうです。伏し目がちのすっきりしたお顔、全体に彫りが浅い、平安時代の仏さま。金属製の装飾もきれいです。頭上の化仏のにこやかな表情が癒されます。
 日光月光を従えた薬師如来坐像(17)は、おメメが後から書いたかのようにぱっちり。同じく薬師如来坐像(18)は、ちょっと奥まった暗いところに安置されていて、よく見えませんでした。
 不動明王二童子像(21)は、鎌倉時代の迫力ある像。特に顔の表情が力強かったです。
 不動明王と毘沙門天を従えた千手観音さま(22)は珍しいです。回峰行の祖である相応(そうおう)が開いた明王寺のご本尊。いずれも平安時代の仏様。千手観音さまは丸顔でおっとりした表情。毘沙門天の利かん坊のようなお顔が良かったです。
 観音菩薩立像(23)は平安時代の前期の仏様で、ちょっとエキゾチックなお顔をしております。普段は非公開だそうです。
 平安時代の千手観音さま(32)は、ちょっと鳥っぽいけど、お優しいお顔。千手も両肩からすべて垂れ下がるようについていて、お優しく癒されるお姿です。
 
 

伝教大師1200円大遠忌記念
「至宝展」

比叡山延暦寺 国宝殿
2018年8月1日〜11月30日

至宝展facebook
出品目録


 上の動画で出品作の一部の映像がご覧いただけます。以下に、仏様が映っているおおよその時間を付記します。

仏像の出品目録
  ◎重文 △市指定

1 釈迦如来坐像 1躯 平安時代 6:20
2 不動明王立像 1躯 江戸時代 6:40
7 ◎ 四天王立像 2躯 平安時代 8:53
9 毘沙門天立像 1躯 江戸時代 9:09
11 地蔵菩薩立像 1躯 平安時代 9:09
13 十一面観音立像 1躯 平安時代 9:57
14 ◎ 阿弥陀如来立像 1躯 鎌倉時代 12:41
15 ◎ 阿弥陀如来立像 1躯 鎌倉時代 12:41
16 ◎ 阿弥陀如来坐像 1躯 鎌倉時代 12:51
17 ◎ 薬師如来坐像 附・日光・月光菩薩立像 3躯 平安時代 14:35
18 ◎ 薬師如来坐像 1躯 平安時代 15:04
19 四天王立像 4躯 平安時代 15:04 写真
20 不動明王立像 1躯 平安時代 17:52
21 ◎ 不動明王二童子像 3躯 鎌倉時代 17:56
22 ◎ 千手観音・毘沙門天・不動明王立像 3躯 平安時代 21:20
23 △ 観音菩薩立像 1躯 平安時代 23:28
24 △ 地蔵菩薩立像 1躯 平安時代 23:28
25 六観音坐像 6躯 江戸時代
26 薬師如来坐像 1躯 室町時代
28 阿弥陀如来坐像 1躯 鎌倉時代
29 如来坐像 1躯 平安時代
31 薬師如来坐像 1躯 平安時代
32 ◎ 千手観音立像 1躯 平安時代 写真
34 如意輪観音坐像 1躯 室町時代 写真
36 普賢菩薩坐像 1躯 南北朝時代 写真
38 地蔵菩薩坐像 1躯 室町時代 写真
39 ◎ 不動明王坐像 1躯 平安時代
41 ◎ 不動明王立像 1躯 鎌倉時代
43 不動明王立像 1躯 平安時代
44 不動明王坐像(五大明王) 1躯 平安時代 写真
46 毘沙門天立像 1躯 平安時代
48 ◎ 別当大師立像 1躯 室町時代 写真
50 大黒天半跏像 1躯 南北朝時代
52 三面大黒天立像 1躯 江戸時代
57 准低観音像 1躯 江戸時代
60 雨宝童子立像 1躯 平安時代 写真
62 弁財天坐像 1躯 桃山時代
63 妙見菩薩倚像 1躯 江戸時代
64 伝教大師坐像 1躯 江戸時代 写真
65 ◎ 慈恵大師坐像 1躯 鎌倉時代 写真
66 ◎ 慈恵大師坐像 1躯 鎌倉時代
67 ◎ 慈眼大師坐像 1躯 江戸時代

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2018/11/22

【仏像】特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」東京国立博物館

 東京都国立博物館で行われている「大報恩寺展」に行ってきました。

 京都の大報恩寺は、2回ほど訪れておりますが、秘仏ご本尊の釈迦如来さまはこれまでお目にかかったことなし。まだ前回訪問時は、十大弟子のうち5人が外出中でした。
 ということで今回は、秘仏ご本尊の釈迦如来さまと、勢揃いした十大弟子がお目当て。また、それぞれの後ろ側も見れるのが楽しみです。

 まずは釈迦如来坐像。一見して煌びやかさと気品に目を奪われます。丸くて張りのあるお顔。切れ長の目は釣りあがり、見開いた目は前方を鋭く見つめております。口元もややへの字で筋肉が緊張しております。威厳のある気迫のこもったお顔です。でも、斜め横から見ると、鼻筋が高く、 口元が引き締まっていて、なかなかの美男子です。
 全体のお姿はプロポーションが取れております。肉体の表現も、慶派のリアルな表現を踏まえた上で、適度に様式化した感じ。
 印相は施無畏与願印ですが、上げた右手は指を少し外側に傾け、下げた右手も小指に行くほど指をそらして、小指側をやや下げるなど、微妙な表情と柔らかさがあります。
 衣紋も、お腹のあたりで垂れ下がったところや左の腕の部分、両足など、力強く流麗で、服の素材感まで感じられ、とても印象的です。
 快慶の弟子である行快の手により、13世紀に作られたものとのこと。台座や光背も造像当時のものが残っているそうです。
 素晴らしい仏様を拝むことができました。

 今回は十大弟子が勢ぞろい。しかも、背後に回り込んで観ることができます。肩甲骨のあたりの表現や、衣の背中側が見れて興味深かったです。また横から見ると、ややパーキンソン的な姿勢の人もいれば、ぐっと背筋を伸ばした人もいて、よく観察していると思いました。
 大報恩寺のパンフレットでは、目犍連と優婆離の2躯が快慶作となっていた気がしますが、今回の展覧会では10人全員が快慶作となっておりました。図録にそこらの解説があったのかもしれませんが、ちとお高くて手が出ませんでした。10人全員が快慶工房の作ということは共通認識だと思うのですが、そのなかで目犍連のみを快慶作とする根拠がないということかもしれません。

 また定慶作の六観音菩薩像は、何度見ても素晴らしい。こんかいは、お顔やプロポーションを見比べたりしてみました。お顔では、如意輪観音さまや准胝観音さまが素晴らしく、プロポーションは聖観音さまがスマートでした。

 なぜかお寺の創建以前に作られたという平安時代の千手観音さまは、ひらべったいお顔、はれぼったい目、翻波式の右衛門など、古風な出で立ち。威風堂々と立ち並ぶ鎌倉の仏像群のなか、お優しいお姿にほっとできました。

特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」

東京国立博物館 2018年10月2日(火) ~ 2018年12月9日(日)

東京国立博物館のサイト
東京国立博物館公式ブログ
展覧会公式サイト
出品目録(pdf, 651.7K)


仏像の出品作

1 重文 釈迦如来坐像 行快作 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺

2 重文 十大弟子立像
2-1 重文 舎利弗立像 快慶作 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
2-2 重文 目犍連立像 快慶作 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
2-3 重文 大迦葉立像 快慶作 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
2-4 重文 須菩提立像 快慶作 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
2-5 重文 富楼那立像 快慶作 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
2-6 重文 迦旃延立像 快慶作 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
2-7 重文 阿那律立像 快慶作 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
2-8 重文 優婆離立像 快慶作 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
2-9 重文 羅睺羅立像 快慶作 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
2-10 重文 阿難陀立像 快慶作 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺

4-1 天王立像 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
4-2 羅刹立像 その一 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
4-3 羅刹立像 その二 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
4-4 羅刹立像 その三 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
4-5 羅刹立像 その四 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
4-6 羅刹立像 その五 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺
5 重文 誕生釈迦仏立像 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺

6 重文 六観音菩薩像
6-1 重文 聖観音菩薩立像 肥後定慶作 1軀 鎌倉時代・貞応3年(1224) 京都・大報恩寺
6-2 重文 千手観音菩薩立像 肥後定慶作 1軀 鎌倉時代・貞応3年(1224) 京都・大報恩寺
6-3 重文 馬頭観音菩薩立像 肥後定慶作 1軀 鎌倉時代・貞応3年(1224) 京都・大報恩寺
6-4 重文 十一面観音菩薩立像 肥後定慶作 1軀 鎌倉時代・貞応3年(1224) 京都・大報恩寺
6-5 重文 准胝観音菩薩立像 肥後定慶作 1軀 鎌倉時代・貞応3年(1224) 京都・大報恩寺
6-6 重文 如意輪観音菩薩坐像 肥後定慶作 1軀 鎌倉時代・貞応3年(1224) 京都・大報恩寺
7 重文 六観音菩薩像像内納入文書 8巻のうち
7-1 重文 准胝陀羅尼経 1巻 鎌倉時代・貞応3年(1224) 京都・大報恩寺 (後期に巻替あり)
7-2 重文 馬頭念誦儀軌 下巻 1巻 鎌倉時代・貞応3年(1224) 京都・大報恩寺 (後期に巻替あり)
7-3 重文 如意心陀羅尼呪経 1巻 鎌倉時代・貞応3年(1224) 京都・大報恩寺 (後期に巻替あり)
8 地蔵菩薩立像 1軀 鎌倉時代・13世紀 京都・大報恩寺

16 重文 傅大士坐像および二童子立像
16-1 重文 傅大士坐像 院隆作 1軀 室町時代・応永25年(1418) 京都・大報恩寺
16-2 重文 普建立像 院隆作 1軀 室町時代・応永25年(1418) 京都・大報恩寺
16-3 重文 普成立像 院隆作 1軀 室町時代・応永25年(1418) 京都・大報恩寺
17 重文 千手観音菩薩立像 1軀 平安時代・10世紀 京都・大報恩寺

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2018/11/18

【仏像】エジプトの石像のような千手観音 「東寺の如来・祖師像」東寺宝物館

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(Wikipediaからの転載許可された画像です)

 これまで何回か東寺は訪れたものの、いつも宝物館がお休み。こんかい初めて観ることができました。お目当は上の写真の像高6メートル近い平安の千手観音さまと、唐から伝わり平安京の守護として羅城門に安置されていたという兜跋毘沙門天さまです。

 千手観音様は2階に祀られておりますが、ドアをくぐった瞬間にその迫力に圧倒されます。何人もの拝観者が、「おおっ」と声をあげてました。
 大木のようにどっしりと直立しております。お顔もちょっと厳粛な表情で、我々の頭上を越えてはるかかなたをじっと見つめています。小さな手はだいぶ欠けてしまっております。それもそのはず、この像は昭和5年(1930)に火災のため大きな被害を受けました。その後昭和41年(1966)から3年かけて修復が行われ、現在のお姿になったとのこと。
 脚の部分の衣服が、ふくらはぎあたりで一回絞られ、そこから飛行機の水平尾翼のような感じで下に広がっております。全体に「人間らしく」ないために、超越的で崇高な印象です。なんだかエジプトの石像を見ているような気分がしました。
 来春には東京の国立博物館で東寺展が開かれますが、さすがにこの仏様はいらっしゃらないでしょうから、こんかい拝観できてよかったです。

 
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(Wikipediaからパブリックドメインの写真です)

 続いて国宝の兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)。ぽん太は以前に、岩手県の成島毘沙門堂と藤里毘沙門堂で二つの兜跋毘沙門天を観たことがあります(【仏像】岩手にある二つの重文の兜跋毘沙門天(1)成島毘沙門堂【仏像】岩手にある二つの重文の兜跋毘沙門天(2)藤里毘沙門堂)。が、なんといってもこちらが本家本元。兜跋国(現在のトゥルファン)が敵に襲われたとき、このお姿で現れて敵を撃破したという言い伝えがあり、平城京の正門である羅城門の上に祀られ、都を守護していたものだそうです。元々は唐で作られたものだそうで、表情やお姿がちょっとバタ臭いです。しかし、ウェストがキュッとしまってすらりと背が高い八頭身は菜々緒も真っ青。岩手のものと異なり、地天女の両脇に鬼まで従えております。細工がとても細かいうえに保存状態もよく、羅城門に祀られていたといういわれも加わって、まさしく国宝にふさわしい仏さまです。来春、東京にもお出ましになるとのこと。また会えるのを楽しみにしております。


 もう一つの重要文化財は、仏様ではありませんが、「夜叉神立像」。かなり朽ち果てていて、目玉をひん剥き、鼻がもげたお顔はかなり怖いです。


 明から伝えられたという三つの銅製の如来様は、かなり修復がなされているようですが、すらりとしたお姿と飄々としたお顔が印象的でした。


 そのほか多くの仏様がいらっしゃいましたが、ちょっとお腹いっぱいになって、印象が薄れてしまいました。

「東寺の如来・祖師像」

東寺(教王護国寺)宝物館
2018年9月20日〜11月25日

出品目録(jpg)
2018秋特別公開|東寺公式サイト

仏像の出品
    ⦿国宝、◎重要文化財

 賓頭盧尊者坐像 木造 像高90.0cm 江戸
 愛染明王坐像 木造菜食 像高34.1cm 室町
 釈迦如来立像 木造漆箔 像高77.3cm 鎌倉
 弥勒菩薩立像 木造漆箔 像高55.1cm 鎌倉
 薬師如来座像 木造 像高66.4cm 平安
 薬師如来立像 木造 像高19.1cm 江戸
 大日如来坐像 木造漆箔 像高34.5cm 室町
 大日如来坐像 木造菜食 像高59.7cm 室町
 大日如来坐像 銀製 像高17.0cm 江戸
 阿弥陀如来坐像 木造 像高44.7cm 平安
 阿弥陀如来坐像 木造漆箔 像高54.2cm 江戸
 地蔵菩薩半跏像 木造 像高87.0cm 鎌倉
◎千手観音立像 木造漆箔 像高584.6cm 平安
 地蔵菩薩半跏像 木造 86.2cm 平安
⦿兜跋毘沙門天立像 木造 像高189.4cm 唐
 愛染明王坐像 木造彩色 像高111.4cm 南北朝
◎夜叉神立像 雄夜叉 木造 像高195.3cm 平安
 如来坐像 3躯 鋳銅製 (各)像高90.0cm 明

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