カテゴリー「思想・宗教」の176件の記事

2018/11/18

【仏像】エジプトの石像のような千手観音 「東寺の如来・祖師像」東寺宝物館

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(Wikipediaからの転載許可された画像です)

 これまで何回か東寺は訪れたものの、いつも宝物館がお休み。こんかい初めて観ることができました。お目当は上の写真の像高6メートル近い平安の千手観音さまと、唐から伝わり平安京の守護として羅城門に安置されていたという兜跋毘沙門天さまです。

 千手観音様は2階に祀られておりますが、ドアをくぐった瞬間にその迫力に圧倒されます。何人もの拝観者が、「おおっ」と声をあげてました。
 大木のようにどっしりと直立しております。お顔もちょっと厳粛な表情で、我々の頭上を越えてはるかかなたをじっと見つめています。小さな手はだいぶ欠けてしまっております。それもそのはず、この像は昭和5年(1930)に火災のため大きな被害を受けました。その後昭和41年(1966)から3年かけて修復が行われ、現在のお姿になったとのこと。
 脚の部分の衣服が、ふくらはぎあたりで一回絞られ、そこから飛行機の水平尾翼のような感じで下に広がっております。全体に「人間らしく」ないために、超越的で崇高な印象です。なんだかエジプトの石像を見ているような気分がしました。
 来春には東京の国立博物館で東寺展が開かれますが、さすがにこの仏様はいらっしゃらないでしょうから、こんかい拝観できてよかったです。

 
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(Wikipediaからパブリックドメインの写真です)

 続いて国宝の兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)。ぽん太は以前に、岩手県の成島毘沙門堂と藤里毘沙門堂で二つの兜跋毘沙門天を観たことがあります(【仏像】岩手にある二つの重文の兜跋毘沙門天(1)成島毘沙門堂【仏像】岩手にある二つの重文の兜跋毘沙門天(2)藤里毘沙門堂)。が、なんといってもこちらが本家本元。兜跋国(現在のトゥルファン)が敵に襲われたとき、このお姿で現れて敵を撃破したという言い伝えがあり、平城京の正門である羅城門の上に祀られ、都を守護していたものだそうです。元々は唐で作られたものだそうで、表情やお姿がちょっとバタ臭いです。しかし、ウェストがキュッとしまってすらりと背が高い八頭身は菜々緒も真っ青。岩手のものと異なり、地天女の両脇に鬼まで従えております。細工がとても細かいうえに保存状態もよく、羅城門に祀られていたといういわれも加わって、まさしく国宝にふさわしい仏さまです。来春、東京にもお出ましになるとのこと。また会えるのを楽しみにしております。


 もう一つの重要文化財は、仏様ではありませんが、「夜叉神立像」。かなり朽ち果てていて、目玉をひん剥き、鼻がもげたお顔はかなり怖いです。


 明から伝えられたという三つの銅製の如来様は、かなり修復がなされているようですが、すらりとしたお姿と飄々としたお顔が印象的でした。


 そのほか多くの仏様がいらっしゃいましたが、ちょっとお腹いっぱいになって、印象が薄れてしまいました。

「東寺の如来・祖師像」

東寺(教王護国寺)宝物館
2018年9月20日〜11月25日

出品目録(jpg)
2018秋特別公開|東寺公式サイト

仏像の出品
    ⦿国宝、◎重要文化財

 賓頭盧尊者坐像 木造 像高90.0cm 江戸
 愛染明王坐像 木造菜食 像高34.1cm 室町
 釈迦如来立像 木造漆箔 像高77.3cm 鎌倉
 弥勒菩薩立像 木造漆箔 像高55.1cm 鎌倉
 薬師如来座像 木造 像高66.4cm 平安
 薬師如来立像 木造 像高19.1cm 江戸
 大日如来坐像 木造漆箔 像高34.5cm 室町
 大日如来坐像 木造菜食 像高59.7cm 室町
 大日如来坐像 銀製 像高17.0cm 江戸
 阿弥陀如来坐像 木造 像高44.7cm 平安
 阿弥陀如来坐像 木造漆箔 像高54.2cm 江戸
 地蔵菩薩半跏像 木造 像高87.0cm 鎌倉
◎千手観音立像 木造漆箔 像高584.6cm 平安
 地蔵菩薩半跏像 木造 86.2cm 平安
⦿兜跋毘沙門天立像 木造 像高189.4cm 唐
 愛染明王坐像 木造彩色 像高111.4cm 南北朝
◎夜叉神立像 雄夜叉 木造 像高195.3cm 平安
 如来坐像 3躯 鋳銅製 (各)像高90.0cm 明

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2018/11/03

【仏像】国重文:府中市にある銅(上染屋不動堂)と鉄(善明寺)の阿弥陀さま

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 東京都の文化財の一斉公開や、文化財めぐり、講座などが行われる東京文化財ウィーク 2018(東京都文化財ウィーク|東京都生涯学習情報)で、府中市にある国重文の仏像が2カ所で公開されると聞き、出かけてきました。

【寺院名】上染屋不動堂
【公式サイト】見つかりません。
【住所】東京都府中市白糸台1-11
【拝観日】2018年11月3日
【拝観】1月28日と11月3日のみ(雨天はレプリカ展示)。無料。間近で拝観できます。
【仏像】
銅造阿弥陀如来立像 金銅 像高48.8cm 鎌倉時代(1261) 国重文

不動明王
何かの立像

【寺院名】善明寺
【公式サイト】見つかりません。
【住所】東京都府中市本町1-5-4
【拝観日】2018年11月3日
【拝観】11月3日。無料。仏殿の扉からの拝観なので、やや遠いです。
【仏像】
鉄造阿弥陀如来坐像 鉄造 像高178cm 鎌倉時代(1253) 重文 写真
鉄造阿弥陀如来立像 鉄造 像高100cm 鎌倉時代 重文

阿弥陀如来坐像
地蔵菩薩立像
不動明王立像
大黒様
阿弥陀三尊像

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 まずは、上染屋不動堂の銅造阿弥陀如来立像から。
 旧甲州街道沿いにある小さなお堂ですが、当日は地元の人たちが大勢集まって、受付や解説をしてくれてました。

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 お堂の手前左側にある小さな祠の中に、重文の阿弥陀如来さまがおられます。

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 像高約50センチ。非常に整ったお姿で、丁寧に作られてます。お顔はふっくらとして、目は切れ長でやや釣りあがり、鼻筋が通っていて、口は小さめ。とっても端正で、かつお優しいお顔です。

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 右手は上げて施無畏印。下げた左手が刀印を結んでいるのは善光寺風ですが、法衣は、いわゆる善光寺式だと通肩(両肩にかけてある)のに対し、本像は片方だけです。お腹が少しぷっくりと出ています。すっきりスマートでありながら、慈悲心のあふれる素晴らしい阿弥陀様でした。

 地元の人の解説や、受付でいただいたパンフレットによると、元々は上野国八幡庄で造られた阿弥陀三尊像でしたが、新田義貞が旗揚げした際、守り本尊として持参したものだそうです。脇侍は上野国に残されていましたが、それらは明治の廃仏毀釈で失われ、中尊のみが残っているそうです。


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 奥の不動堂のなかには、2体の仏様が祀られておりましたが、手前の幕のために足元しか見えませんでした。向かって左が不動明王、右は如来か観音様のようでした。

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 続いて善明寺は、府中本町駅近くの細い路地を入ったとことにあります。門をくぐると、街中にしては広々とした境内で、手入れの行き届いた庭園がめにつきます。

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 鉄造阿弥陀如来坐像は、右手にある大きな仏殿のなかに安置されております。
 で、でっかいです。像高178cmですが、顔もふっくら、体つきもでっぷりしているので、さらに大きく感じます。衣紋の表現も大まかで、素朴なお姿。なんだか石仏みたいです。背部ではなく左胸に銘文があるなど、おおらかな感じがします。

 さて、阿弥陀如来坐像の向かって右には、像高1メートルほどの同じく鉄造の阿弥陀如来立像が安置されております。こちらは坐像よりも丁寧に作られており、バランスも良く、衣紋も流麗で、肌も荒れていません。そこでこの立像は、坐像の胎内仏だったのではないかと考えられています。
 右手を上げ、左手を下げておりますが、指が失われているため印相はわかりません。髪の毛は螺髪ではなく、縄を編んだような清涼寺式ですが、全体のお姿は清涼寺式ではありません。

 入り口で解説をしていた着物姿の女性、『東京から日帰りで会える 仏像参り』の著者の田中ひろみさんでした。実はぽん太とにゃん子は、この本を見て府中のお寺を訪れたのでした。

 配布されていた東京都教育庁のパンフレットによれば、この像はもともと武蔵国分寺の西方の鉄谷(くろがねだに)にあったと伝えられ、その後大國魂神社に安置されましたが、明治の廃仏毀釈で善明寺に移されたとのこと。
 江戸時代の観光案内書の『江戸名所図会』を見ると、現在の大國魂神社である「武蔵国総社六所明神社」のところに「阿弥陀如来の鉄像」という項目がある。高さ七尺ばかりの坐像で、肩に銘文があるとしてその文面まで書かれているので、現在の善明寺の阿弥陀様で間違いなさそう。仮そめの雨覆いの堂が建ててあると書かれているので、雨ざらしに近い状態で置かれていたため、肌が痛んでしまっているのかもしれません。
 元々は畠山重忠が愛妓のために造立し、国分寺の恋ヶ窪にあったという地元の言い伝えを、時代が合わないと否定しています。一方で、むかし国分寺に安置されたものを盗んだ盗賊が、ここに捨て置いたものを祀ったという説も紹介しています。

 同じ頃に成立した『武蔵名勝図会』にもいくつかの説が書かれておりますが、いずれも国分寺のどこかで出土して、大國魂神社に祀られたとされているようです。国立国会図書館デジタルコレクション(→こちら)で見ることができます(15ページ)。面白いのは、仏像の絵が載っていること。先ほど像の左肩に銘文があると書きましたが、実は左袖の部分にも字があるが、なんと書いてあるかわからないと、田中ひろみさんは解説しておられました。しかしこの絵には、「藤原氏」という文字が書かれています。

 だいぶ脱線しましたが、善明寺の本堂には、正面にさらにひとまわり大きな金ピカの阿弥陀如来坐像さまが祀られております。その向かって右に地蔵菩薩、左に不動明王。
 さらに左には、阿弥陀三尊像。整ったきれいなお姿の像でしたが、中尊の阿弥陀さまが踏み下げ座で、両脇侍は片膝をたてているのが珍しいです。
 一番右には大黒天が安置されておりました。

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2018/10/25

【仏像】珍しいポーズを拝めます。特別展「仏像の姿」三井記念美術館

 この秋は、国立博物館の大報恩寺展、サントリー美術館の醍醐寺展など、仏像の展覧会が目白押し。手始めに三井記念美術館の「仏像の姿」展に行ってきました。

 「仏師がアーティストになる瞬間」と銘打って、「顔」「装飾」「動きとポーズ」を切り口に、仏師の創造力や表現の多様性を示す展覧会です。コレ!という目玉の仏さまはおらず、宗教性より美術性を重視しておりましたが、これまで見たことのないポーズの仏さまを見ることができました。国立博物館や芸大、個人蔵の仏さまが多かったです。また芸大による模刻が展示されていたのも珍しかったです。

 会場に入ると最初に迎えてくれる「迦陵頻伽立像(かりょうびんがりゅうぞう)」1-1は、上半身は人間、下半身は鳥という異形。迦陵頻伽は極楽に住む想像上の生物だそうですが、ぽん太は初めて見ました。
 「南方天眷属」1-3は、がっしりした体格や顔など、黒人にしか見えませんが、想像力のなせる技なのでしょうか。
 1-4の銅造の「菩薩立像」は、飛鳥時代らしいお姿で、装飾がとても美しいです。
 1-6「観音・勢至菩薩」は、精緻な截金の装飾がほどこされており、また脚の部分の衣紋も複雑に表現されています。ちょっと瓜実顔で、可愛らしいお顔です。
 1-8「十一面観音立像」は、少し前に踏み出した右足の、カカトが上がっているのが珍しいです。
 パンフレットに使われている2-1「不動明王立像」は、歌舞伎の見栄のような迫力あるポーズが独特。

 4-1「阿弥陀如来立像」は、銅板透彫の細かく繊細で、華麗な光背が目を引きます。またお腹の部分の衣服のU
字型の衣紋と、両足の部分の滝のようなストレートな衣紋の対比が見事です。
 4-2の「弥勒菩薩立像」も、宝冠・光背の見事な装飾と、脚の部分の複雑な衣紋が美しいです、
 4-6の阿弥陀三尊は、両脇侍が片足を後ろに跳ね上げております。かなり珍しいポーズだそうです。勢至菩薩といえば、山形の慈恩寺の五郎丸ポーズが有名ですが、これは次にボールを蹴る瞬間か?
 4-9の毘沙門天像は、玉眼の目が血走っていて怖い。

 お次はちょっと変わった不動明王さまたち。4-15は半跏踏下座のポーズが珍しい。4-16は、髪の毛が海原はるか・かなた師匠状態に風でなびいております。4-17は前髪つき。

 4-19の如来立像は、素朴なふくよかなお顔で、体つきもぼってりしており、天才バカボンみたいです。右手で衣の裾を握りしめているのも、なんか子供っぽい。

 5-3の十一面観音さまはお顔がボッテリ。フェルナンド・ボテロのモナリザを思い出しました。
 5-6の伽藍神は、衣をなびかせて走ってます。右手と右足を同時に前に出すナンバ走り。お顔といいポーズといい、黒鉄ヒロシの漫画に出てきそうです。
 


特別展「仏像の姿(かたち)」 〜微笑む・飾る・踊る〜

三井記念美術館
2018年9月15日〜11月25日

三井記念美術館公式サイト
出品目録(pdf , 829.7K)

主な出品作
◎重要文化財 ○県指定 ●市指定

1-1 迦陵頻伽立像 1 室町時代・15 世 個人蔵
1-2 如来立像 1軀 鎌倉時代・13 世紀 個人蔵
1-3 ◎ 四天王眷属立像(東方天眷属・南方天眷属) 康円 2軀 鎌倉時代・文永4年(1267) 東京国立博物館
1-4 ◎ 菩薩立像 1軀 飛鳥時代・ 7 世紀 東京藝術大学
1-5 ◎ 薬師如来立像 1軀 奈良時代・ 8 世紀 滋賀・聖衆来迎寺
1-6 観音・勢至菩薩立像 2軀 鎌倉時代・13 世紀 神奈川・称名寺 (神奈川県立金沢文庫保管)
1-7 ◎ 菩薩坐像 2軀 平安時代・ 9 世紀
岐阜・臨川寺 
1-8 ◎ 十一面観音立像 1軀 平安時代・ 9 世紀 三重・瀬古区
1-9 菩薩坐像 2軀 平安時代・12 世紀 個人蔵

2-1 不動明王立像 1軀 鎌倉時代・13 世紀 個人蔵

4-1 ◎ 毘沙門天立像 1軀 平安時代・応保 2 年(1162)頃 東京国立博物館
4-2 ◎ 地蔵菩薩立像 快成 1軀 鎌倉時代・建長 8 年(1256) 奈良・春覚寺
4-3 阿弥陀如来立像 1軀 鎌倉時代・13 世紀 東京国立博物館
4-4 ◎ 阿弥陀如来立像 1軀 鎌倉時代・13 世紀 滋賀・観音寺
4-5 弥勒菩薩立像 1軀 鎌倉時代・13 世紀 個人蔵
4-6 ◎ 阿弥陀如来及び両脇侍像 3軀 平安時代・ 9 世紀 大阪・四天王寺
4-7 毘沙門天立像 肥後定慶 1軀 鎌倉時代・貞応 3 年(1224) 東京藝術大学
4-8 毘沙門天立像 1軀 平安時代・12 世紀 滋賀・西遊寺
4-9 毘沙門天立像 1軀 鎌倉時代・13 世紀 個人蔵
4-10 天部立像 1軀 平安時代・9 〜10世紀 個人蔵
4-11 広目天立像 1軀 平安時代・10 世紀 滋賀・長命寺
4-12 ● 天部立像 1軀 平安時代・10 世紀 滋賀・春日神社
4-13 ● 二天立像(持国天・多聞天) 2軀 平安時代・12 世紀 滋賀・光照寺
4-14 ◎ 毘沙門天立像 1軀 平安時代・寛弘 8 年(1011)頃 京都・誓願寺
4-15 不動明王半跏像 1軀 平安時代・12 世紀 個人蔵
4-16 ○ 不動明王立像 1軀 鎌倉時代・13 世紀 埼玉・地蔵院
4-17 不動明王及び二童子像 3軀
4-18 不動明王立像 1軀 平安時代・11 世紀 京都国立博物館
4-19 ◎ 如来立像 1軀 平安時代・10 世紀 滋賀・若王寺
4-20 ◎ 大日如来坐像 1軀 平安時代・12 世紀 東京国立博物館
4-21 ◎ 釈迦如来立像 1軀 鎌倉時代・13 世紀 滋賀・荘厳寺
4-22 十一面観音立像 1軀 鎌倉時代・13 世紀 大阪・四天王寺
4-23 菩薩半跏像 1軀 平安時代・9 〜10世紀 東京国立博物館
5-1 ◎ 観音菩薩立像 1軀 平安時代・10 〜 11 世紀 大阪・本山寺
5-2 観音菩薩立像 1軀 平安時代・ 9 世紀 個人蔵
5-3 ◎ 十一面観音立像 1軀 平安時代・ 9 世紀 大阪・長圓寺
5-4 五大明王像 5軀 平安時代・10 〜 11 世紀 奈良国立博物館
5-5 十二神将立像(子神〜巳神) 6軀 鎌倉時代・13 世紀 奈良国立博物館
5-6 伽藍神立像 1軀 鎌倉時代・13 世紀 奈良国立博物館
5-7 雷神立像 1軀 南北朝時代・14 世紀 公益財団法人小田原文化財団
5-8 ◎ 聖観音坐像 1軀 平安時代・11 世紀 滋賀・荘厳寺
5-9 頭上面(三十三間堂伝来) 15 面 平安〜江戸時代 個人蔵

7-14 地蔵菩薩立像(夜泣き地蔵) 1軀 平安時代 奈良・新薬師寺
7-15 不動明王及び二童子像 3軀 鎌倉時代 個人蔵

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2018/09/28

【仏像】国指定こそないけれど、普段は見れない仏像がいっぱい「神仏人 心願の地」多摩美術大学美術館

 多摩美術大学美術館で、仏像が展示されると聞きつけて、9月上旬に見に行ってきました。
 兵庫県の加東市の文化財を紹介する展覧会で、土器や工芸品などジャンルはさまざまですが、その中に多くの仏像も含まれておりました。
 国立博物館でやるような展覧会と違って、国指定の文化財は一つもなく、なんだかお客さんもまばら。しかしこうした仏像は、もともと公開をしてなかったり、年に数日、あるいは数年に一度しか公開しなかったり、いちいち事前連絡が必要だったりするものが多く、一軒いっけんお寺をまわるのは相当大変です。こうした仏像を一度に拝めるのは、めったにない機会です。しかも入館料が300円。これはありがたいです。

 多摩美術大学美術館というのはどこにあるのかと思ったら、京王多摩センターとのこと。サンリオピューロランドのお隣でした。

 目を引いたのは県指定の朝光寺の千手観音(6-1)。ほぼ等身大ですが、ふっくらと肉付きのいいお顔をしており、重量感があります。衣紋も翻波式に彫られており、素晴らしい平安仏です。
 もう一つの県指定は、播州清水寺の銅造菩薩立像(5-1)。高さ18cmの青銅の仏さまで、白鳳時代まで遡ります。にこやかで、衣装の表現も美しく、とても可愛らしいお姿です。
 木造十一面観音(3-2)は、独特の表情が魅力。ちょっと瓜実顔で、小鼻が張っていて、唇をちょっと突き出しております。
 木造地蔵菩薩立像(3-3)は、お腹が内臓脂肪のようにぷっくり膨れているのが特徴。丹波の達身寺に同様の表現が多くあり、「達身寺様式」と呼ばれるそうです。
 東光寺の木造薬師如来像(3-4)は、彫りが浅く平安後期の様式ですが、大きなお顔の中央に目鼻口が寄っていて、これまた印象深いお顔。
 播州清水寺の毘沙門天立像(5-2)は、30年に1度しか公開されない秘仏。10世紀末から11世紀初頭の作。寸詰まりのプロポーションは、鎌倉時代の仏像とはまったく異なります。しかしどっしりとした重量感があり、つり上がった大きな目、引き締まった口元など、近頃何かと話題の貴乃花親方に似ています。

 そのほか、播州清水寺の碁盤は、表面に黒石が横向きにめり込んでいて、表面から見える部分より内部にめり込んでいる部分の方が大きく見えます。じっさいどうなっているのかわかりませんが、かつて弁慶がこの碁盤で碁を打った時、負けた腹いせに碁石をたたきつけたらこうなったと言われているそうです。

加東市×多摩美
特別展「神仏人 心願の地」

2018年9月1日〜10月14日
多摩美術大学美術館

公式サイト

仏像
(○市指定、◎県指定)
3-1 ○木造地蔵菩薩立像 一木造 像高151.5cm 平安時代(11世紀) 東古瀬地区
3-2 木造十一面観音菩薩立像 一木造 像高108.5cm 平安時代(11世紀) 沢部地区
3-3 木造地蔵菩薩立像 一木造 像高95.0cm 平安時代(11世紀) 沢部地区
3-4 ○木造薬師如来坐像 一木割矧造 像高86.3cm 平安時代(12世紀) 東光寺
3-5 ○木造阿弥陀如来坐像 一木割矧造 像高89.5cm 平安時代(12世紀) 東光寺
3-6 ○木造薬師如来坐像 一木造 像高68.0cm 平安時代(12世紀) 多井田地区
3-7 木造阿弥陀如来坐像 一木造・彩色 像高27.0cm 室町時代 元亀2年(1571) 貞守地区
3-8 木造薬師如来坐像 一木造・彩色 像高23.8cm 室町時代 元亀2年(1571) 横谷地区
3-9 木造獅子・狛犬(2躯) 一木造 高さ73.0, 72.5cm 鎌倉時代(13世紀頃) 厚利地区(加東市寄託)
3-10 木造獅子・狛犬(3躯) 一木造 高さ52.0〜55.0cm 南北朝時代 厚利地区(加東市寄託)
5-1 ◎銅像菩薩立像 青銅製 像高18.0cm 白鳳時代(7世紀後半) 播州清水寺
5-2 ○木造毘沙門天立像 一木造 像高69.2cm 平安時代(10末〜11世紀初) 播州清水寺
5-3 ○木造天部立像 一木造 像高152.8cm(足枘含む) 平安時代(11世紀) 播州清水寺
5-4 木造大日如来坐像 寄木造 像高66.7cm 鎌倉時代(13世紀) 播州清水寺
6-1 ◎木造千手観音立像 一木造 像高157.3cm 平安時代(11世紀) 朝光寺
6-2 木造地蔵菩薩立像(六地蔵) 一木造 像高84.0〜84.5cm 平安時代(12世紀) 朝光寺
6-3 木造地蔵菩薩立像 一木造 像高52.5cm 平安時代(12世紀) 朝光寺
6-4 木造聖徳太子立像 一木造 像高34.0cm 平安時代(12世紀) 朝光寺
6-5 木造不動明王立像 寄木造 像高100.0cm 鎌倉時代(13世紀) 朝光寺
6-6 銅像千手観音菩薩立像 青銅鍍金 像高31.5cm 鎌倉時代(13〜14世紀) 朝光寺
6-7 木造法道仙人坐像 千手観音菩薩立像 寄木造 像高65.0cm 江戸時代(17〜18世紀頃) 朝光寺

その他
5-11 碁盤・碁石 江戸時代(17〜19世紀) 播州清水寺

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2018/08/14

【仏像】素朴な平安末期の地方仏。薬師如来、十一面観音@保福寺(神奈川県足柄市)

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 暑い暑い7月、神奈川県は足柄市にある保福寺に行ってまいりました。膝の上で定印を結んだ手の上に薬壷を持つちっちゃなご本尊の薬師如来さま、そして素朴でとってもお優しいお顔の十一面観音さま、どちらも平安仏です。観ていて思わずほっこりする見事な地方仏でした。


【寺院名】曹洞宗 両澤山 保福寺
【公式サイト】見つかりません。
【住所】神奈川県南足柄市内山1959-1
【拝観日】2018年7月25日
【拝観】要事前連絡。志納。
【仏像】 
薬師如来座像 カヤ 一木造 像高47.8cm 平安末期〜鎌倉初期 県重文 写真
木造十一面観音立像 ヒノキ 一木造 像高161.5cm 平安末期 県重文 写真


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 保福寺は、東名高速の大井松田インターからほど近い集落の中にあります。敷地が広々しております。

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 境内には蓮池があり、ちょうど美しい花を咲かせていました。こちらには、トクサの上にシオカラトンボが……。なんかこんなの見るのも久しぶりだな〜。ちなみに帰宅後ぐぐってみたら、オオシオカラトンボでした。

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 住職さんに案内をお願いし、まずは本堂に安置されている、ご本尊の薬師如来さまから。
 曹洞宗のご本尊は、普通は釈迦如来。このお寺の創建は応年元年(1368年)と言われてますから、その以前からこの地方で信仰されていた仏様なのでしょう。
 像高50cm足らずの小さな薬師さま。膝の上で定印を結び、その上に薬壷を持っているのが、ちょっと珍しい感じがします。切れ長の目。ちょっと曲がったおちょぼ口。ぷっくり膨れた顎。ぽん太は、なんか、ひょっこりひょうたん島の人形を思い出しました。衣紋の表現も簡略で、螺髪もツブツブが大きめであるなど、全体に素朴な造りで、のんびり、おおらかな、平安時代の地方仏です。

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 本堂に向かって左手にある観音堂には、もう一つの平安仏、十一面観音様がいらっしゃいます。
 対面した瞬間、「あら〜」とこっちが思わず笑顔になります。ちょっと胸をそらして、首を少し傾げた感じで、ひょっこりとお立ちです。肩をちょっとそびやかしてますが、肩から胸、二の腕にかけてふっくらとしていて、田舎の娘さんみたいです。お顔も、切れ長の大きな目、おちょぼ口、顎がぷくっと出ていて、頬から首にかけて肉付きが良く、ちょっとはにかんだようにも見える、可愛らしいお顔です。う〜ん、癒し系。こけしのようにも見えますね。
 頭上面の細部は失われています。衣の襞も浅め。
 もともとは厨子の中に安置されていましたが、2010年から2011年にかけての修復ののちは厨子から出され、お優しいお姿全体が拝めるようになったそうです。
 元々は大森頼明の持仏だったと伝えられ、保福寺の近くの御堂(みどう)という名の集落のお堂に祀られておりましたが、明治時代にお堂が老朽化したため、保福寺に預けられたそうです。
 地域の人々に親しまれ、年一回観音祭りが行われ、毎月開かれる観音講では御詠歌が唱えられるそうです。繰り返しますが、曹洞宗のお寺ですから……。宗派にこだわらないところがいいですネ。

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 広い境内には、様々な石仏や石塔が並んでいます。これは青面金剛が掘られた庚申塔でしょうか。

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 六地蔵ですね。中央の後ろにいらっしゃるのは……

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 如意輪観音さまのようです。

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 こちらは、お堂に単独で祀られているお地蔵様です。

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2018/07/02

【仏像】微笑ましい飛鳥時代の薬師如来・虚空蔵菩薩 法輪寺(奈良県斑鳩町)

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 斑鳩の北側に位置する法輪寺。見事な飛鳥仏が祀られております。三重塔は、昭和19年(1944年)に落雷で焼失したのを、昭和50年(1975年)に再建したもの。


【寺院名】聖徳宗 妙見山 法輪寺
【公式サイト】http://www1.kcn.ne.jp/~horinji/
【住所】奈良県生駒郡斑鳩町三井1570
【拝観日】2017年11月2日
【拝観】常時可。拝観料:特別公開のため600円。通常は400円。
【仏像】
木造薬師如来坐像 クスノキ 一木造 像高110.2cm 飛鳥時代 重文 写真
木造虚空蔵菩薩立像 クスノキ 一木造 像高175.4cm 飛鳥時代 重文 写真
木造十一面観音菩薩立像 3.5m 杉 平安時代 重文 写真
木造弥勒菩薩立像(聖観音立像) 一木造 像高157.3cm 平安時代 重文 写真
木造地蔵菩薩立像 桧 一木造 平安時代 像高149.8cm 重文 写真
木造吉祥天立像 杉 一木造 像高171.3cm 平安時代 重文 写真
妙見菩薩立像(御前立) 像高41cm 江戸時代 写真
米俵乗毘沙門天立像 像高157.0cm 平安時代 写真
楊柳観音菩薩立像

聖徳太子二歳像 像高57cm 鎌倉時代 写真
聖徳太子孝養像 室町時代
聖徳太子摂政像 江戸時代


 講堂の中に、飛鳥仏を始めとするたくさんの仏さまが祀られております。

 法輪寺のご本尊の薬師如来。いかに飛鳥仏といったアルカイックなスタイル。法隆寺の釈迦如来さまと似てますね。面長な顔、大きなてのひら、薬壷を持たずに施無畏与願印を結んでおります。衣紋も図式的。ニコニコしたお顔を眺めていると、久々に帰省して故郷のおじちゃんに会った感じがします。

 次は虚空蔵菩薩さま。薬師如来と似たアルカイックなお姿。左手は下げて花瓶の口を上からつまみ、右手は肘のところで正面に向かって曲げ、手のひらを上に向けています。面長で大きなお顔。なんかぽん太には、おじさんがお酒のとっくりを持って、「え〜い酔っ払っちゃったい。御免なすって。うぃ〜ひっく」と言っているように見えます。虚空蔵菩薩と言い伝えられておりますが、観音菩薩と考えられるそうです。

 講堂のご本尊の十一面観音菩薩さまは、時代が下って平安時代の作。像高3.5mと大きいですが、胴体からレン肉まで一木材から掘り出してあるそうです。お顔が独特です。目がまっちり、濃い眉毛、鼻筋が通っていて、厚くて小さな唇、ぷっくりふくれた顎、肉付きのいい喉。ちょっとバタ臭いお顔です。

 弥勒菩薩さまは、左手に持つ蓮華の花の上に塔が乗っており、アラレちゃんっぽいです。顔も丸顔。寺伝では聖観音菩薩とされてきたそうです。

 地蔵菩薩さまは、僧形のお顔が特色。

 ぽん太得意(といってよみうりランドで見ただけですが)の妙見菩薩さまはお前立ちです。よみうりランドのとは全然違うお姿で、腕が四本、鎧を着たいかめしいお姿。秘仏の方は4月15日のみご開帳されるようです。う〜ん見て見たい。

 そのほかいろいろな仏様がおりましたが、もう記憶が薄れてしまいました。

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2018/07/01

【仏像】年に3日のみ公開の国宝釈迦三尊像・重文四天王像 法隆寺上御堂(奈良県斑鳩町)

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 近くまで来たのでと法隆寺に寄り、修学旅行生に挟まれながら拝観していたところ、たまたま年に3日だけの上御堂(かみのみどう)の公開日に当たってました。


【寺院名】聖徳宗 法隆寺
【公式サイト】http://www.horyuji.or.jp
【住所】奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1
【拝観日】2017年11月2日
【拝観】毎年11月1日から3日まで公開。法隆寺の拝観料(1500円)で拝観可。
【仏像】
上御堂(かみのみどう)安置
 木造釈迦如来及両脇侍坐像 桜 一木造 像高:中尊230.0cm、文殊154.2cm、普賢150.2cm 平安時代 国宝 写真
 木造四天王立像 桧 寄木造 玉眼 像高:持国天167.2cm、増長天173.5cm、広目天168.9cm、多聞天171.0cm 室町時代 重文


 上御堂は、西院伽藍の大講堂から、さらに北側に登ったところにあります。建物自体が重要文化財で、鎌倉時代に再建されたものだそうです。
 修学旅行生も、ここまで足を延ばす人は多くありませんでしたが、それでも「年に3日しか見れない」というありがたさはわからないのか、足早に通り過ぎて行きました。

629pxshaka_kami_no_mido_horyuji 写真は、法隆寺-Wikipediaからのパブリックドメインのものです。
 釈迦如来は丈六の坐像。印相は施無畏与願印。全体にボリューム感があってどっしりとしており、金色に輝いており、さすが大寺院の仏様という感じの厳かで崇高なお姿。左脇侍の文殊菩薩は右手に劔、左手に巻物で、右脇侍の普賢菩薩は蓮をお持ちです。二人とも済ました表情でかしこまって控えております。国家的な大寺院にある公式の仏像、という感じがします。
 法隆寺の仏像-Wikipediaによると、桜の一木造とのことですが、こんなでっかい仏像を彫れる桜の大木があったのか、ぽん太にはちと理解できません。

 四天王は、室町らしい躍動感にあふれる像だった気がしますが、よく覚えてませんweep

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2018/06/30

【仏像】白洲正子が愛でた黒焦げのトルソー 松尾寺(奈良県大和郡山市)

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 奈良市の南西の丘陵地帯にある松尾寺。天武天皇の息子の舎人親王の創建と言われています。ここはなんと言っても、白洲正子が『十一面観音巡礼』でその美しさを褒め称えた黒焦げの仏像のトルソーが必見です。


【寺院名】真言宗醍醐派 松尾山 松尾寺
【公式サイト】http://www.matsuodera.com
【住所】奈奈良県大和郡山市山田町683
【拝観日】2017年11月2日
【拝観】常時可。拝観料:範囲によっていろいろ。
【仏像】
千手観音像トルソー 木造 総高188cm 奈良時代 写真
十一面観音立像 桜 一木造 漆箔 像高110.6cm 平安後期 重要文化財 (奈良国立博物館寄託) 写真(お顔だけ)
如来形頭部残闕 桧 10世紀
役行者小角像 円空作 江戸時代 写真


 黒焦げのトルソーは、真っ黒に炭化していて、首も腕も失われ、胴体と脚の外形のみ留めております。昭和い28年(1953年)、本堂の解体修理中に、屋根裏から発見されたそうです。松尾寺の旧本堂は建治3年(1277年)に消失しており、現在の本尊は鎌倉時代の作。このトルソーは、火災以前に祀られていた旧本尊ではないかと考えられています。
 長く人々の信仰を集めた美しい仏さまを見慣れた目には、このトルソーは衝撃以外のなにものでもありません。しかしそれは、きらびやかな仏像以上に訴えかけるものを持っています。それはあらゆるものを朽ち果てさせていく無常さであり、また、自らを犠牲にして衆生を救おうとする菩薩の慈悲でもあります。

 奈良国立博物館に寄託されている重文の十一面観音さまが里帰りして公開されておりました。どういう仏様だったかは忘れました。

 このお寺にはもうひとつ、ご本尊の十一面観音がありますが、こちらは見ることができませんでした。なんと訪問日の翌日の11月3日が公開日でした。

 役行者は、背面に延宝3年(1675年)円空作という墨書があるそうです。しかし円空に特徴的な豪快さや闊達さはなく、ニコニコと微笑んだ可愛らしい像です。

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2018/06/29

【仏像】母性溢れる国宝十一面観音 法華寺(奈良市)

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【寺院名】光明宗 法華寺
【公式サイト】http://www.hokkeji-nara.jp
【住所】奈良県奈良市法華寺町882
【拝観日】2017年11月2日
【拝観】常時可。拝観料:特別公開のため700円。普段は500円。
【仏像】
十一面観音菩薩立像 カヤ 一木造 素地 像高1.00m 平安初期 国宝 写真
維摩居士像 像高90.8cm 平安前期 国宝 写真
阿弥陀如来立像(横笛堂本尊) 鎌倉時代


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 写真は、法華堂-Wikipediaからのパブリックドメインのものです。
 この写真には光背がありませんが、なんか写真で見ると矢がいっぱい刺さったみたいな光背が印象的な、国宝の十一面観音様です。
 矢に見えるのは、蓮の葉でした。蓮の葉がこんなジュンサイみたいに細長く丸まるものか、ぽん太はこれまで着目したことがありませんでしたが、ぐぐって見ると出始めは丸まっているようです(千葉公園の四季)。現在の光背は明治時代の補作ですが、古い光背を踏まえたものだそうです。
 像高は1メートルとそれほど大きくありませんが、さすが国宝、存在感があります。最初から彩色していない素木像で、木目が美しいです。唇には朱が入ってます。胸はふっくらとしておりますが、ウエストは絞られていて、腰は左(向かって右)にひねられています。腕は長く、顎の肉付きなど、全体に豊満な感じがします。
 お顔は「婦人」という感じ。光明皇后の姿を模して作られたという言い伝えがありますが、高貴さよりも、母性、慈愛が伝わって来ます。

 
 国宝の維摩居士像は、見たはずだけど覚えてません。
 

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2018/06/28

【仏像】精緻で高貴な十一面観音菩薩 海龍王寺(奈良)

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 2017年11月上旬に訪問。

 ううう、スマホを機種変更したら、拝観した時の感想のメモが全部消えてしまいましたcrying。記憶も薄れてしまってますが、備忘録としてアップしておきます。

【寺院名】真言律宗 海龍王寺
【公式サイト】http://www.kairyuouji.jp
【住所】奈良県奈良市法華寺北町897
【拝観日】2017年11月2日
【拝観】常時可。拝観料:特別公開のため600円。普段は500円。
【仏像】
十一面観音菩薩立像 桧 金泥 像高94.9cm 鎌倉時代 重文 写真1写真2
文殊菩薩立像 鎌倉時代 重文
愛染明王像 室町時代 市指定
不動明王像
毘沙門天像 平安末期〜鎌倉初期

 海龍王寺の十一面観音菩薩像は、金色に輝き、放射光型の光背を負い、精緻を極めた装身具を身にまとった、気品に溢れ高貴なお姿の仏様です。截金を駆使した装飾も見事。プロポーションも美しく、腰のひねりも控えめです。光明皇后が自ら刻んだ十一面観音像をモデルにして、鎌倉時代に慶派の仏師が作ったものだそうですが、快慶に近い美しさを感じます。

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