カテゴリー「芸能・芸術」の746件の記事

2019/06/27

【バレエ】オシポワ/ムンタギロフの「ドン・キホーテ」英国ロイヤル2019

 オシポワちゃんがドンキを踊るというので観てきました。

 オシポワのドンキというと、今をさること11年前、ボリショイ・バレエの来日公演でワシーリエフを相手に踊った衝撃的なステージが記憶に残ってます。空いてる日程で選んだ公演で、「オーシポワ?(当時はオーシポワと表記してましたね)知らねえなあ。まあ、いいか」みたいな感じでみ始めたら、二人のあまりの身体能力に腰を抜かしそうになった記憶があります。ワシーリエフの片手片足リフトも凄かったです。

 で、久々のオシポワちゃん。まだまだ健在でした。凄かったです。

 出だしでののけぞりジャ〜〜ンプこそ、振り付けの関係かありませんでしたが、大きくてキビキビした動き、バランスと安定性は以前のまま。そして表現力は格段にレベルアップしております。
 並んだ闘牛士たちが布をフリフリする前を回転して進んでいくところのスピードはものすごく、客席からどよめきがおきました。最後のグランフェッテも、前半は高速のドゥブルで全てを通し、後半はシングルでさらに速度をあげ、軸のぶれもまったくありませんでした。なんだかバレエというよりは、体操競技やフィギュアスケートを見ている気分でした。

 お相手のキトリはムンタギロフ。ガラでは何度かお目にかかりましたが、全幕を見るのは初めてでした。長身でスタイルが良く、足が細長くてジャンプ力があるので、浮遊感がハンパないです。これなら長身のオシポワちゃんに十分対抗できますね。3幕のヴァリアシオンの、開脚回転ジャンプは、とても大きく見えました。
 ただ、片手リフトは意外とあっさりやってました。ちときつかったのか?


 振り付けは、キューバ出身のカルロス・アコスタ。元々の英国ロイヤルの振り付けを見たことがないので、どこまでが彼の工夫なのかよくわかりませんが、よく見る振り付けとはだいぶ違ってました。
 メルセデスのナイフの踊りはなく、並んだマグカップの間を一回だけ踊りました。ジプシーの場面も群舞主体になっており、この方がいいような気がしました。ギターの演奏のシーンも初めて見た気がします。
 ドリアードの世界も、背景に大きなガーベラのような花が咲き乱れていて、ということはドリアードたちが小さいのか?ひょっとしてイギリスの妖精と重なってるのかな、などと思いました(妖精には詳しくないので全然違うかも)。
 機械仕掛けのロシナンテは、ちょっと浮いている感じがしました。

 一番に感じたのは、タイトルロールのドン・キホーテに重きを置いていたこと。普通この演目は、「ドン・キホーテ」という題名ではあるものの実際はキトリとバジルの物語で、ドン・キホーテは付け足しという感じですが、アコスタの演出では、ドン・キホーテは主役とまではいかないものの、彼の狂気と愛と悲しみが丁寧に表現されておりました。
 冒頭でドン・キホーテは、白いケープをまとった女性(ドゥルシネア姫でしょうか)の幻影に魅了されます。一方で黒い布を頭からすっぽりかぶった何かに脅かされます(こちらは恐怖の表現か?)。第一幕の広場では、突然舞台がブルーに暗転すると、ドゥルシネア姫の幻影が現れ、ドン・キホーテがキトリをドゥルネシア姫と混同していることが示されます。それ以外にも、ドン・キホーテはなんども宙を見つめながら、何かに気を取られているような仕草をします。風車に襲いかかるところでも、皆がギターを弾きながら踊っているなかで、次第に精神が混乱していく様子が表現されています。
 ドン・キホーテが高齢なので、なんだかぽん太は認知症のおじいさんを前にしているような感じにして、気の毒に思われました。

 エスパーダのズッケッティは、ちと背が低くて、闘牛士らしい花が感じられませんでした。

 最後に端役(ガマーシュと結婚する人)なのに花束もらっていたのは、ヌニュスでしたでしょうか?

 久々に素晴らしいバレエ公演を観れたな、という感じで、大満足でした。

 

 

英国ロイヤル・バレエ団 2019年来日公演
「ドン・キホーテ』

NBSの公式サイト

改訂振付:カルロス・アコスタ/マリウス・プティパの原版に基づく
音楽:ルトヴィク・ミンクス
編曲:マーティン・イエーツ
美術:ティム・ハットリー
照明デザイン:ヒュー・ヴァンストーン

ドン・キホーテ:ギャリー・エイヴィス
サンチョ・パンサ(従者):フィリップ・モズリー
ロレンツォ(宿屋の主人):クリストファー・サンダース
キトリ(ロレンツォの娘)/ドゥルシネア姫:ナターリヤ・オシポワ
バジル(床屋の青年):ワディム・ムンタギロフ
ガマーシュ(裕福な貴族):トーマス・ホワイトヘッド
エスパーダ(闘牛士):ヴァレンティノ・ズッケッティ
メルセデス(街の踊り子):ベアトリス・スティックス=ブルネル
キトリの友人たち:メーガン・グレース・ヒンキス、アンナ・ローズ・オサリヴァン
ジプシー(ソリスト):ロマニー・パイダク、ルカス・ビヨンボウ・ブランズロッド
ドリアードの女王:クレア・カルヴァート
アムール(キューピッド):イザベラ・ガスパリーニ
ドゥルシネア姫(第1幕):ヘレン・クロフォード
ファンダンゴ(ソリスト):ジーナ・ストーム=ジェンセン、リース・クラーク
街人たち、闘牛士たち、ジプシーたち、森の精たち:英国ロイヤル・バレエ団 ほか

指揮:マーティン・イエーツ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
ギター演奏(舞台):デイヴィッド・バッキンガム、トーマス・エリス、フォーブス・ヘンダーソン、ナイジェル・ウッドハウス

| | コメント (0)

2019/06/14

【歌舞伎】つっころばしのじゃらじゃらから一気に悲劇へ・仁左衛門の「封印切」2019年歌舞伎座昼の部

 本日は昼の部の鑑賞。お目当はもちろん仁左衛門の「封印切」。こちらが公式サイトです。
 先日の夜の部の三谷歌舞伎では若い女性がいっぱいでしたが、本日の昼の部は、いつもの客層に戻ってました。

 仁左衛門の「封印切」は、ぽん太は初めてだと思います。少なくともこのブログを検索しても出てきません。これまで見たのはほとんど藤十郎でした。
 仁左衛門の忠兵衛は、出だしは完全につっころばし風。梅川とのやりとりもなよなよデレデレして、滑稽というか、喜劇風でさえあります。そこまでやるかという感じで、見ていて微笑んでしまいます。藤十郎の場合は、この辺りは節度をもって演じて、大阪はんなり風の情感を醸し出してました。
 こんな調子では、八右衛門とのやりとりや、最後の死への旅立ちはどうなるんだろうと心配になりましたが、そこは仁左衛門、芸と格好良さで、一気に悲劇へと突き進んで行きました。
 愛之助の八右衛門は、ぺらぺらとリズミカルに滑稽に話すのではなく、やや抑えた芝居的でシリアスな演技。藤十郎の忠兵衛は、テンポ良いやり取りの中でカーッと頭に血が上って封印を切ってしまう感じでしたが、仁左衛門の場合は、八右衛門の悪口に対する怒りや、自分が馬鹿にされるのを見ている梅川の苦しみに対する思い、治右衛門やおえんの手前でのメンツなどの様々な心理が読み取れました。
 茶屋で梅川と二人きりになった忠兵衛が外の様子を伺う時、仁左衛門の表情は、冒頭のつっころばしの忠兵衛とは同一人物とは思えない厳しい表情でした。
 久々に素晴らしい舞台を堪能できました。

 「寿式三番叟」では、幸四郎と松也が元気いっぱいに三番叟を踏みました。

 「女車引」は、魁春、雀右衛門、児太郎の華やかな踊り。「車」は出てこないんですね。

 吉右衛門の「梶原平三誉石切」は、明るくおおらかで暖かみがありました。



六月大歌舞伎

歌舞伎座
2019年6月13日

昼の部

一、寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)
  松本幸四郎・尾上松也 三番叟相勤め申し候
    三番叟  幸四郎
    三番叟  松也
    千歳  松江
    翁  東蔵

二、女車引(おんなくるまびき)
    千代  魁春
    八重  児太郎
    春  雀右衛門

三、梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)
  鶴ヶ岡八幡社頭の場
    梶原平三景時  吉右衛門
    大庭三郎  又五郎
    俣野五郎  歌昇
    梢  米吉
    大名山口十郎  桂三
    同 川島八平  松江
    同 岡崎将監  種之助
    同 森村兵衛  鷹之資
    囚人剣菱呑助  吉之丞
    奴萬平  錦之助
    青貝師六郎太夫  歌六

四、恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)
  封印切
    亀屋忠兵衛  仁左衛門
    傾城梅川  孝太郎
    丹波屋八右衛門  愛之助
    阿波の大尽  由次郎
    槌屋治右衛門  彌十郎
    井筒屋おえん  秀太郎

| | コメント (0)

2019/06/13

【歌舞伎】犬ぞりが見どころ!三谷幸喜の「風雲児たち」は2019年6月歌舞伎座夜の部

 歌舞伎座六月大歌舞伎は、久々に昼の部と夜の部の両方を鑑賞することにしました。昼の部は仁左衛門の「封印切」がお目当。そして夜の部は、三谷幸喜の新作の通しです。
 まずは夜の部から。こちらが公式サイトです。


 原作はみなもと太郎の漫画とのこと。みなもと太郎というと、ぽん太は『ホモホモ7』しか知りませんが、こんな漫画も描いていたのか……。なになに、現在も連載中? なんと、まだ生きてたのか! 現在72歳やて。ぜ、ぜひともお元気で……。


 三谷歌舞伎ということで、いつもと客層が全然違って、若い女性が多かったです。

 肝心のお芝居は、前半はちょっとダレてて、「ええっ?三谷幸喜ってこんなもの?」という感じでしたが、犬ぞりが出てきたあたりから面白くなってきました。一斉に背景の幕の下からハスキーちゃんたちが出てきて可愛かったです。やんちゃな子犬たちなのか、盛んにじゃれあっていて、一部ではどんどん乗っかって団子みたいになってましたな。ホントに三階さんたち、何でもできますね〜。

 ラックスマン親子を二役で演じる八嶋智人が出てくると、とたんにテンポが良くなりました。さすがです。
 やっぱり、歌舞伎と演劇ではセリフ術が違うんですね。前半がダレてるように感じたのも、そのせいかも。
 対して歌舞伎陣が本領を発揮したのは、大黒屋光太郎と、脚が壊疽を起こした庄蔵、ロシアに留まることを決めた愛之助のやりとり。歌舞伎というのは、矛盾に引き裂かれた人間たちの叫びで、観客を泣かせる芸なんだなと、再認識いたしました。

 猿之助の庄蔵は、得意の大絶叫。エカテリーナはゴージャスなおばさんみたいで良かったです。松也が黒縁メガネのスーツ姿で巧みな口上。磯吉って、いったい誰が演じてるんだろうと思って見ていたら、幸四郎の息子の染五郎でした。いつの間にか大きくなってたのね。でもなかなかカッコいいです。
 男女蔵の小市、折れたマストで頭を打って認知能力を失った男性を好演。高麗蔵のアグリッピーナ、おもちゃ箱からマトリョーシカが飛び出てきたみたいで可笑しかった。こんな一面もあったのねん。白鸚のポチョムキン、歌舞伎よりぜんぜんいいです。

 第三幕だけ大向こうさんがひとり入ってました。よくこんな芝居でタイミングよく声をかけられるなと思いましたが、意外と歌舞伎の間で演じられているのかもしれません。
 歌舞伎の構成要素として大向こうが大切と言われても、これまで実際のところ、ぽん太にはよくわからなかったのですが、現代劇に大向こうが入ることで、その重要性がよくわかりました。大黒屋光太夫が、「さては新蔵は、庄蔵とともにロシアに残るために、洗礼を受けたんだな」と気がつくための間(ま)に、「高麗屋!」と大向こうが入ったのですが、実に見事なタイミングでした。


六月大歌舞伎

2019年6月12日
歌舞伎座

夜の部

  みなもと太郎 原作
  三谷幸喜 作・演出
  三谷かぶき
月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと)
風雲児たち
  大黒屋光太夫  幸四郎 
  庄蔵/エカテリーナ  猿之助
  新蔵  愛之助
  口上  松也
  キリル・ラックスマン/アダム・ラックスマン  八嶋智人
  マリアンナ  新悟
  藤助  廣太郎
  与惣松  種之助
  磯吉  染五郎
  勘太郎  弘太郎
  藤蔵  鶴松
  幾八  松之助
  アレクサンドル・ベズボロトコ  寿猿
  清七/ヴィクトーリャ  宗之助
  次郎兵衛  錦吾
  小市  男女蔵
  アグリッピーナ  高麗蔵
  ソフィア・イワーノヴナ  竹三郎
  九右衛門  彌十郎
  三五郎/ポチョムキン  白鸚

| | コメント (0)

2019/06/02

【オペラ】フアン・フランシスコ・ガテルのオッターヴィオに感動!「ドン・ジョヴァンニ」新国立劇場

 新国立劇場の「ドン・ジョヴァンニ」はすでに何回か見た演出。またか、という気持ちで観に行ったのですが、聴いてびっくり。歌手のレベルが高かったのでしょうか、いままでにない満足感を得ることができました。

 まずは序曲。ん? 迫力がないな〜。低音も響かないし。4階席だからいけないのかしらん、と思って覗き込んで見たら、コントラバス3台の小編成でした。ぽん太はよく知らんけど、モーツァルトの頃の楽器編成なんでしょうか。でもそれだったら、中劇場くらいのハコで見たいよな〜。

 特筆すべきはドン・オッターヴィオ役のフアン・フランシスコ・ガテル。「彼女の心の安らぎこそ」は素晴らしく、特に小さな声の部分が美しかったです。これまでぽん太は、オッターヴィオは端役に過ぎず、彼女を寝取られながら「父親がわりに」とか「愛」とか「真心」とかほざいている木偶の坊かと思っていたのですが、こんかいのアリアには誠実さと真実の愛を感じました。観客の拍手も多かったですね。
 彼の歌を聴いて、ぽん太はこれまでドン・ジョヴァンニの見方を間違えていたんじゃないかと思いました。近代の演劇のように、全体のストーリ展開や登場人物の心理を考えすぎたために、オッターヴィオが間抜けに見えていたんだと思いました。そうじゃなくて単純に、いろんなキャラの登場人物が出てきて、それぞれ素晴らしいアリアを歌う、と思う方が、しっくりくるみたいです。

 ドンナ・アンナについても、ぽん太は敬虔で清らかな女性という印象をもっていたのですが、マリゴーナ・ケルケジは、ちょっとアダっぽい感じ。新国立の「実は女たちはドン・ジョヴァンニを愛していた」という結末には、合っているように思いました。

 ドン・ジョバンニのニコラ・ウリヴィエーリは、単なるどすけべではなくて、ちょっと暗い影を持っており、このオペラの悲劇的な色調に合っていました。女遊びを楽しんでいるというより、何かに突き動かされているという感じがしました。レポレッロのジョヴァンニ・フルラネットはお上手。ドンナ・エルヴィーラは日本人の脇園彩。初めて聞かせていただきましたが、外人勢にまったく聴き劣りせず。今後が楽しみです。妻屋秀和がはまり役の騎士長。

 

「ドン・ジョヴァンニ」/ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
Don Giovanni / Wolfgang Amadeus MOZART

新国立劇場オペラパレス
2019年5月22日

新国立劇場公式サイト


指揮:カーステン・ヤヌシュケ
演出:グリシャ・アサガロフ
美術・衣裳:ルイジ・ペーレゴ
照明:マーティン・ゲプハルト
再演演出:三浦安浩
舞台監督:斉藤美穂

ドン・ジョヴァンニ:ニコラ・ウリヴィエーリ
騎士長:妻屋秀和
レポレッロ:ジョヴァンニ・フルラネット
ドンナ・アンナ:マリゴーナ・ケルケジ
ドン・オッターヴィオ:フアン・フランシスコ・ガテル
ドンナ・エルヴィーラ:脇園 彩
マゼット:久保和範
ツェルリーナ:九嶋香奈枝

合唱指揮:三澤洋史
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

| | コメント (0)

2019/06/01

【文楽】大河ドラマを1日で見た感じ 「妹背山女庭訓」2019年5月国立劇場

 5月の国立劇場文楽公演は、「妹背山婦女庭訓」の通し。これまで部分ぶぶんは見たことありますが、妹山背山の話しと、お三輪ちゃんの話がどう関係しているのかがさっぱりわからないぽん太とにゃん子、通しで見れるのはうれしいです。
 こちらが特設サイト、そしてこちらが国立劇場のサイトです。 

 通しで見ると、本筋に枝葉の話が絡みながら、クライマックスへと進んでいく流れがよくわかりますね。江戸時代の人は、このような複雑な構造を持つドラマをよく作ったものです。歌舞伎でも、歌舞伎座などは名場面集になってしまっていて、それはそれで面白いけど、たまには通しをやってほしいもの。最近通しが減った気がします。ぜひ国立劇場の方で頑張って欲しいです。

 第一部は若手中心。でも、これまで知らなかったストーリーが演じられます。蘇我蝦夷子が藤原鎌足を追い落とそうとする発端。雛鳥と久我之助の出会いは、腰元が気を利かせて仲を取り持つのが面白く、吹き矢の筒をつかって内緒話で思いを伝え合うというアイディアが秀逸です。後半には登場しない采女の局も絡んできます。
 前半は、蘇我蝦夷子が謀反を企てる悪者なのですが、息子の入鹿は父の悪行を嫌って出家をしています。さらに謀反の証拠の連判状を帝に差し出し、蝦夷子を切腹に追い込みます。あれれ、入鹿って善人に描かれてるのかな〜などと思ったらさにあらず。器量の小さい父のやり方は生ぬるいと考え、父を殺して自分が帝の地位につこうという企みだったのです。う〜ん、やっぱり入鹿は悪いやつですね〜〜。
 二段目は、天智帝を匿う猟師芝六の悲劇。これは泣けます。

 咲太夫が芝六忠義を語りました。よいのですが、ちょっとキレがないです。太宰館の段の靖太夫は、顔を真っ赤にして熱演。倒れるんじゃないかと心配でした。人形遣いも若手中心でしたが、最後は玉男、勘十郎、和生が登場。さすがに舞台が引き締まりました。


 第二部は、歌舞伎では見たことがある「妹背山の段」から。歌舞伎では左右に二つの花道がある「両花道」の演出ですが、文楽では左右に床があって、掛け合いになるんですね。蓑助の遣う雛鳥ちゃんがとっても可愛らしかったです。歌舞伎では高齢男性が演じるのを脳内変換しながら見るのですが、やはり人形の方が脳内変換しやすいです。それから歌舞伎では、大判事清澄が書を読んでる横で、白装束の久我之助が腹を切り、清澄が「早まったな〜」とびっくり仰天します。隣で腹を切ってるんだから気づけよ〜とツッコミたくなりましたが、文楽ではそういう変な感じはありませんでした。この段、泣けました。千歳太夫、声はでかいが、柔らかさがなくてカクカクしすぎて変な感じ。妹山の呂勢太夫と織太夫は、まだまだ楷書。

 四段目は、いつもの通りひたすらお三輪ちゃんが可哀想。現代だったら完全にセクハラのパワハラですな。そのお三輪ちゃんは勘十郎が使いましたが、元気というかシャキシャキしてるというか。橘姫が求馬を訪ねてきたのを見て、腹を立てたお三輪ちゃんが求馬に対し、「何なのよこの女。求馬さんには私という許嫁がいるんだから、ちゃんと言いなさいよ」という感じで迫るあたりは、ちょっと大げさに滑稽に演じてました。

 入鹿を討つ場面と、五段目は省略。こんかいの上演だけで、10時半に始まって終演が21時ですから、省略は仕方ないでしょう。
 

 

通し狂言「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」
国立劇場
2019年5月文楽公演

【第一部】
2019年5月23日観劇

大序  大内の段
          硯太夫
          亘太夫
          小住太夫
          咲寿太夫
          清允
          燕二郎
          錦吾
          清公
   小松原の段
     久我之助 芳穂太夫
      雛鳥  咲寿太夫
      小菊  南都太夫
      桔梗  文字栄太夫
      玄蕃  津國太夫
      采女  小住太夫
          團吾
     蝦夷館の段
       口  亘太夫
          清公
       奥  三輪太夫
          清友

二段目 猿沢池の段
          希太夫
          友之助
    鹿殺しの段
          硯太夫
          錦吾
    掛乞の段
          睦太夫
          寛太郎
    万歳の段
          織太夫
          清志郎
      ツレ  燕二郎
    芝六忠義の段
       切  咲太夫
          燕三

三段目 太宰館の段
          靖太夫
          錦糸

 人形役割
    蘇我蝦夷子 玉佳
    中納言行主 清五郎
    大判事清澄(大内)玉勢
    宮越玄蕃  勘市
    皇室定高(大内)玉誉
    采女    紋臣
    藤原鎌足(大内)玉翔
    荒巻弥藤次 文哉
    久我之助  玉助
    雛鳥    簑紫郎
    腰元小菊  紋吉
    腰元桔梗  玉誉
    めどの方  文昇
    大判事清澄(蝦夷子館より)玉男
    蘇我入鹿  文司
    天智帝   勘彌
    藤原淡海  清十郎
    禁廷の使  玉彦
    猟師芝六  玉也
    倅三作   勘次郎
    女房お雉  簑二郎
    大納言兼秋 玉輝
    来屋新右衛門 玉勢
    倅杉松   和馬
    鹿役人   玉路
    興福寺衆徒 亀次
    藤原鎌足(芝六忠義)勘十郎
    後室定高(太宰館)和生
    注進    玉翔
    青侍    大ぜい
    家来    大ぜい
    近習    大ぜい
    腰元    大ぜい
    官女    大ぜい
    村の歩き  大ぜい
    捕手    大ぜい


【第二部】
2019年5月12日観劇

三段目 妹山背山の段
  背山 大判事  千歳太夫
    久我之助  竹本文字久太夫改め藤太夫
       前  藤蔵
       後  富助    
  妹山  定高  呂勢太夫
      雛鳥  織太夫
       前  清介
       後  清治
       琴  清公

四段目 杉酒屋の段
          津駒太夫
          宗助
    道行恋苧環(こいのおだまき)
     お三輪  芳穂太夫
      求馬  靖太夫
      橘姫  希太夫
          咲寿太夫
          碩太夫
          勝平
          清丈
          寛太郎
          錦吾
          燕二郎
    鱶七上使の段
          藤太夫
          清来馗
    姫戻りの段
          小住太夫
          友之助
  同  金殿の段
          希太夫
          團七

 人形役割
    雛鳥(前) 簔紫郎
    腰元小菊  紋吉
    腰元桔梗  玉誉
    久我之助  玉助
    大判事清澄 玉男
    後室定高  和男
    雛鳥(後) 簑助
    丁稚子太郎 紋秀
    橘姫    一輔
    求馬実は藤原淡海 清十郎
    お三輪   勘十郎
    お三輪母  簑一郎
    宮越玄蕃  勘市
    荒巻弥藤次 文哉
    蘇我入鹿  文司
    両氏鮒七実は金輪五郎 玉志
    豆腐の御用 勘壽
    金殿の官女 勘介
    金殿の官女 玉路
    金殿の官女 簑之
    金殿の官女 玉延
    官女    大ぜい
    花四天   大ぜい

| | コメント (0)

2019/05/30

【舞踊】これがAKBの発祥であった? 東をどり2019年

 ぽん太都にゃん子は、新橋演舞場に「東をどり」を観に行ってきました。もちろん初めてです。普段は見れない世界の一部を垣間見ることができました。こちらが公式サイトです。

20190526_153537
 京都では、毎年4月に芸妓・舞妓さんたちが踊りを披露する都をどりが有名ですが、それに倣って新橋芸者が芸を披露するのが東をどり。大正14年の新橋演舞場のこけら落としとして行われたのが始まりだそうです。

 開場前、新橋演舞場に集まってきている客層が全然違います。ぽん太とにゃん子が見たことがない人たち。着物のご婦人方、高齢のご夫婦もいれば、業界風というか、遊び人風というか、銀座の夜でブイブイ言わせてる感じの人たちが、ママと連れ立って来てるみたいなのも。う〜ん、同じ東京に暮らしながら、こういう人たちとは接点なく暮らしてるんだな〜。面白いな〜。

 入場したら、インターネットで得た情報にしたがって、まずはお茶席へ。芸者さんがお茶を立てているのを眺めながら、榮太楼のお菓子と抹茶をいただきました。う〜、なんか落ち着かない。

20190526_154748

 ついで二階ロビーで升酒と酒肴をいただきました。

 ちなみにドン・ペリニヨン・ブースには、お金持ちの遊び人さんたちが群がってました。

 そうこうしているうちに舞台が始まります。
 さすがに歌舞伎と違って、本物の女だけあって、可愛いです。フェロモンが感じられます。唄や楽器も女性。マイクを使っているのは、普段はお座敷で披露しているわけですから仕方ないですね。

 幕間を挟んで後半は、賑やかなお囃子に始まり、白波五人男を模した新橋五人女ではベテラン(高齢)の芸者さんが奮闘。座敷唄メドレーでは、お座敷で芸者遊びをしないと決してお目にかかれない唄と踊りを見ることができました。

 芸者さんたちが大勢で踊って楽しいですね〜。こりゃ、昔のAKBだな! AKBが実は日本の伝統の上にあることがよくわかりました。

 最後は全員総出で口上とフィナーレですが、その後に新橋の料亭の女将さんたちが衣装に鬘で現れ、挨拶とちょっとした出し物がありました。これがけっこうグダグダになっていて面白かったです。対照的に、芸妓さんたちの踊りがいかにうまくて、いかにピシッとそろっているかが、よくわかりました。

 う〜〜ん。ぽん太も一生に一回くらい、芸者遊びをしてみたいもんです。

 

第95回 東をどり

新橋演舞場
2019年5月26日

〈第1幕〉

上 長唄 吾妻八景 長唄連中
 男 小福 春千代
 女 きみ鶴 君二郎 小花 ぼたん たまき

下 清元 卯の花 清元連中
 男 喜美弥
 女 今千代 くに龍

〈第2幕〉

新ばしはるあき 囃子・長唄・清元連中

一、銀座囃子
   七重、秀千代、千代加、のりえ、きみ鶴、君二郎、清乃
   ちよ美、小福、ぼたん、小花、たまき、春千代
二、新橋五人女
   静香、小喜美、民、加津代、あや
三、座敷唄メドレー
 さのさ〜ぎっちょんちょん〜東雲〜ステテコ〜並木駒形〜深川くずし〜きりぎりす
   喜美勇、三重子、七重、君千代、秀千代、千代加、のりえ、きみ鶴
   君二郎、清乃、ちよ美、小福、ぼたん、小花、たまき、春千代、小夏 
四、廻り灯篭
   三重子、秀千代、君二郎
五、祭りの賑い
   男 小いく
   女 喜美勇
六、口上、フィナーレ
   全員

地方
 長唄
  唄 照代 小玉
  三味線 晶子
 清元
  浄瑠璃 多賀子 清葉
  三味線 美葉 ゆめ 小雪
 蔭囃子 百々香 ゆい

お茶席
 点前 小優
 半使 喜美緒

| | コメント (0)

2019/04/18

【オペラ】フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ 新国立劇場

 新国立劇場オペラのダブルビル新作公演は、「感動する」まではいかなかったけど、楽しめる公演でした。どちらの演目も、ぽん太は初めてでした。

 GW前で地味な作品ということで、客の入りが少なくてチケットをばら撒いたのか、オペラ公演に不慣れな感じのお客さんが多かったです。カテコを写メでバシバシ撮りまくってる人もいました。

 公演に先立ち、新国立劇場の職員がマイクを持って登場。こういう場合、たいていいい話はありません。『フィレンツェの悲劇』のシモーネ役のレイフェルクスが体調不良だけど、予定通り出演しますということでした。実際は、初めて聞く演目である上、朗々と歌うようなアリアもなかったので、どこが調子が悪いのかあんまりわかりませんでした。

 『フィレンツェの悲劇』を作曲したツェムリンスキーは、無学なぽん太は初めて名前を聞きましたが、オーストリアの作曲家・指揮者。1871年生まれということで、リヒャルト=シュトラウスの7歳年下になりますね。音楽も似ていて後期ロマン派風ですが、ツェムリンスキーの方が聞きやすい分、ちょっと面白みもないという感じでしょうか。リブレットに合わせて曲想を変え、丹念に曲を作っている感じですが、もうちょっと歌の聴かせどころがあるとよかったです。
 内容は、オスカー・ワイルド原作のドロドロ風。グイードの死体の前で、シモーネとビアンカが初めて互いに惹かれ合うという「オチ」は、違和感満載です。こんど原作も読んでみたいです。
 拍手もちょっとまばらで、カテコの途中で拍手が消えそうになり、ちと気の毒でした。
 粟國淳演出の舞台は、空間を一部射影幾何学的に歪めたおどろおどろしいもので、悪くありませんでした。


 続いてプッチーニの唯一の喜劇『ジャンニ・スキッキ』。幕の裏側に第一幕のおどろおどろしい建物が透けて見えて、あれ?と思ったらそれが二つに割れ、間に新しい舞台がせり出してきました。その舞台は、本やら羽ペンやら文房具が置かれた机になっていて、登場人物が小人たちのように見えるという趣向。遺産を奪い合う親戚たちの「小ささ」を表現しているそうです。
 楽しいドタバタの舞台でしたが、上演時間1時間というのはやはりちょっと短すぎる感じもしました。
 ジャンニ・スキッキ役のカルロス・アルバレスは歌も良かったし、喜劇的な演技もうまかったです。この演目は外人歌手は彼一人だけ。カルメンのミカエラ役でおなじみの砂川涼子の「私のお父さん」は、清楚で愛らしくて良かったですが、やはりここは外人歌手で聞きたかったです。そういえばラウレッタは演出家によって、清楚な娘であるという設定と、お父さんにおねだりをしているワルという設定があるようですが、今回は前者でした。
 最後にスキッキは、「この悪戯のおかげで私は地獄行きになりました。当然の報いです。でも皆さん、もし今晩を楽しくお過ごし頂けたのなら、あの偉大なダンテ先生のお許しを頂いた上で、私に情状酌量というわけにはいかないでしょうか。 」という口上を述べるのですが、このオペラの原作はダンテの『神曲』なんですね。こちらの《「地獄の底のジャンニ・スキッキ」イタリア研究会(2010年7月27日) 》が詳しいです。

 沼尻竜典指揮の東京フィルの演奏も悪くなかったと思います。




オペラ「フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ」
Eine florentinische Tragödie / Gianni Schicchi

『フィレンツェの悲劇』/アレクサンダー・ツェムリンスキー
全1幕<ドイツ語上演/字幕付>
Eine florentinische Tragödie / Alexander ZEMLINSKY

『ジャンニ・スキッキ』/ジャコモ・プッチーニ
全1幕<イタリア語上演/字幕付>
Gianni Schicchi / Giacomo PUCCINI

2019年4月17日
新国立劇場 オペラパレス

公演案内|新国立劇場

 指揮 沼尻竜典
 演出 粟國 淳
 美術 横田あつみ
 衣裳 増田恵美
 照明 大島祐夫
 舞台監督 斉藤美穂

フィレンツェの悲劇
 グイード・バルディ ヴゼヴォロド・グリヴノフ
 シモーネ セルゲイ・レイフェルクス
 ビアンカ 齊藤純子

ジャンニ・スキッキ

 ジャンニ・スキッキ カルロス・アルバレス
 ラウレッタ 砂川涼子
 ツィータ 寺谷千枝子
 リヌッチョ 村上敏明
 ゲラルド 青地英幸
 ネッラ 針生美智子
 ゲラルディーノ 吉原圭子
 ベット・ディ・シーニャ 志村文彦
 シモーネ 大塚博章
 マルコ 吉川健一
 チェスカ 中島郁子
 スピネッロッチョ先生 鹿野由之
 アマンティオ・ディ・ニコーラオ 大久保光哉
 ピネッリーノ 松中哲平
 グッチョ 水野秀樹

 管弦楽 東京フィルハーモニー交響楽団

| | コメント (0)

2019/04/12

【歌舞伎】仁左衛門の盛綱陣屋、勘太郎と眞秀くんも出たよ。2019年3月歌舞伎座夜の部

  近江源氏先陣館
一、盛綱陣屋(もりつなじんや)
    佐々木盛綱  仁左衛門
    篝火  雀右衛門
    信楽太郎  錦之助
    早瀬  孝太郎
    四天王  廣太郎
    四天王  種之助
    四天王  
    四天王  千之助
    高綱一子小四郎  勘太郎
    盛綱一子小三郎  寺嶋眞秀
    竹下孫八  
    伊吹藤太  
    古郡新左衛門  調
    北條時政  
    微妙  秀太郎
    和田兵衛秀盛  左團次

二、雷船頭(かみなりせんどう)
    女船頭 猿之助
    雷 弘太郎

  河竹黙阿弥 作
三、弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)
  浜松屋見世先より
  稲瀬川勢揃いまで
    弁天小僧菊之助  幸四郎
    南郷力丸  猿弥
    鳶頭清次  猿之助
    忠信利平  亀鶴
    赤星十三郎  笑也
    浜松屋伜宗之助  鷹之資
    番頭与九郎  橘三郎
    狼の悪次郎  錦吾
    浜松屋幸兵衛  友右衛門
    日本駄右衛門  白鸚

| | コメント (0)

2019/04/10

【歌舞伎】「関扉」の菊之助と梅枝が見もの・2019年3月国立劇場

20190320_140219

 3月下旬、国立劇場に歌舞伎を観に行きました。

 時は春、桜は八分咲き、ということで、ロビーには加山又造の陶板画「おぼろ」が飾ってありました。

 今回は、なんと小劇場での公演。歌舞伎座では、予算の関係で、いつも4階から観ているぽん太とにゃん子。久々に間近で舞台を観て、役者さんたちの細かな仕草や表情がつぶさに見え、「やはり歌舞伎は近くでみなくっちゃ」と実感しまた。

 最初の演目は、「元禄忠臣蔵」から「御浜御殿」。理屈っぽくて、ぽん太は苦手としている演目ですが、近くで見ると、駆け引きに伴う細かな心情の動きを役者さんたちが演技で表現しているのがわかったのですが、それでもやっぱり理屈っぽくて苦手でした。
 歌昇の富森助右衛門、まっすぐ正直に体当たりで演じておりましたが、まだ頑張ってる感が伝わってきてしまうのはいたし方なし。
 綱豊卿は扇雀で、さすが貫禄の演技。美しさもあり、激しさもありで、格調が感じられました。
 お喜世役の虎ノ介って誰じゃ?と思ったら、扇雀の息子さんですか。初めて観ました。なんか壱太郎くんに似ているね。

 続いて「積恋雪関扉」。これはなかなか見応えがありました。
 常磐津の大作と言われながら、筋がよくわからず、自然に眠くなるという演目。
 しかし今回は、あらかじめ詞章を読んで予習をしていたので、眠らずに最後まで観ることができました。予習の結果の詳細は、機会があったら日を改めて描きたいと思いますが、要するに六歌仙を世界とした歌舞伎で、六歌仙にかかわる様々な伝承や、和歌、能などを踏まえて作られているようです。われわれにはちんぷんかんぷんですが、当時の人たちは普通にわかったのでしょうか?

 関守関兵衛実ハ大伴黒主の菊之助、なんかこれまでは顔に可愛らしさがあったが、今回の表情には貫禄というか風格が感じられ、男っぽい凄みが感じられました。
 梅枝の小野小町姫・傾城墨染実ハ小町桜の精も凄かった。近くで見ると、全身を極限まで使ってのポーズや、微妙な表情、細かな指の動きなど、見とれっぱなし、感心のしっぱなしでした。
 萬太郎は、さすがに良峯 少将宗貞の気品と貫禄はでず。

 常磐津では久々に巴瑠幸太夫が出演していて、艶のある喉を聴かせてくれました。

 

 

3月歌舞伎公演「元禄忠臣蔵」「積恋雪関扉」
国立劇場小劇場
2019年3月20日

公演案内|特設サイト
公演案内|国立劇場公式サイト

  真山青果=作
  真山美保=演出
元禄忠臣蔵 (げんろくちゅうしんぐら)  二幕五場
    御浜御殿綱豊卿 (おはまごてんつなとよきょう)
       伊藤熹朔=美術
       中嶋八郎=美術
 第一幕 御浜御殿松の茶屋
 第二幕 御浜御殿綱豊卿御座の間
       同      入側お廊下
       同      元の御座の間        
       同      御能舞台の背面

  宝田寿来=作
積恋雪関扉
 (つもるこいゆきのせきのと)   常磐津連中
   国立劇場美術係=美術

(主な配役)
『元禄忠臣蔵』
徳川綱豊卿                 中村扇雀
富森助右衛門               中村歌昇
中臈お喜世                 中村虎之介
新井勘解由                 中村又五郎
                             ほか
『積恋雪関扉』
関守関兵衛実ハ大伴黒主      尾上菊之助
良峯少将宗貞                中村萬太郎
小野小町姫/傾城墨染実ハ小町桜の精  中村梅枝

| | コメント (0)

【オペラ】アリアは良かったけどストーリーがな〜「ウェルテル」新国立劇場

 3月下旬に新国立劇場で「ウェルテル」を鑑賞。

 以前にも新国立劇場で観ましたが、なんかストーリーに盛り上がりがなくてつまらないな〜という印象でした。こんかい久々に観ましたが、やはり同じ印象でした。もちろん、マスネの音楽、特に弦楽器の叙情的な響は素晴らしかったのですが。

 ということで、それぞれのアリアは楽しめたのですが、全体としては、ちと退屈しました。

 ウェルテルのサイミール・ピルグは明るく伸びやかな歌声で、パヴァロッティに学んだというだけあって、初めは「ウェルテル」の舞台ってイタリアかいな?と思うくらいでしたが、後半では悲劇的な歌い方に変えたようでした。声質を微妙に変化させるのが美しく、思わず聴き惚れました。
 シャルロットの藤村実穂子は、日本人ながら声量があって悪くなかったです。

 幸田浩子のソフィーは愛らしかったですが、声量にかけるのが難点。黒田博のアルベールも悪くありませんでした。

 ポール・ダニエル指揮の東京交響楽団の演奏も、パンチもあり、感傷的な弦の響も美しく、よかったと思います。

 日曜だったせいか、フライイングや歌の途中で拍手をする人がいたのは残念でした。

 

オペラ「ウェルテル」/ジュール・マスネ
Werther / Jules MASSENET

新国立劇場オペラパレス
2019年3月24日

公演案内|新国立劇場

指揮 ポール・ダニエル
演出 ニコラ・ジョエル
美術 エマニュエル・ファーヴル
衣裳 カティア・デュフロ
照明 ヴィニチオ・ケリ
再演演出 菊池裕美子
舞台監督 大仁田雅彦

ウェルテル サイミール・ピルグ
シャルロット 藤村実穂子
アルベール 黒田 博
ソフィー 幸田浩子
大法官 伊藤貴之
シュミット 糸賀修平
ジョアン 駒田敏章

合唱指揮 三澤洋史
合唱 新国立劇場合唱団
児童合唱 多摩ファミリーシンガーズ
管弦楽 東京交響楽団

| | コメント (0)

より以前の記事一覧