カテゴリー「芸能・芸術」の670件の記事

2017/11/21

【オペラ】イリーナ・ルングのテクニックと演技力(と美貌)に思わず涙!「椿姫」新国立オペラ

 過去に何度も見ている「椿姫」。こんなに感動したのは初めてでした。たぶんヴィオレッタ役のイリーナ・ルングがすごかったんだと思います。美人でスタイルはいいし、コブシ(?)はコロコロ回るし、演技力はあるし。

 翳りのない素直な声で、ヴィオレッタが娼婦に身をやつしながらも純粋な心を持っていることが伝わってきました。また「花から花へ」のコロラトゥーラは、一つひとつの音をとっても丁寧に歌っていて、聞きごたえがありました。演技も、第2幕のジェルモンとのやりとりや、第3幕がすばらしく、ぽん太は「椿姫」で初めて泣いてしまいました。

 プロダクションは前回と同じくヴァンサン・ブサール。4階から見ると、鏡の壁と床の両方に反射して、とっても幻想的。4階に嬉しい舞台装置です。
 第二幕の第一場と第二場の間に休憩があって、2幕構成のようになってます。第3幕でヴィオレッタ以外の登場人物が紗幕の向こうにいるのは、全ては死にゆくヴィオレッタの幻影というパターンの演出か?

 アルフレードのアントニオ・ポーリは、冒頭の「乾杯の歌」はちょっと物足りなかったけど、誠実でありながらも甘い歌声がよかったです。ジョヴァンニ・メオーニのジェルモンは代役でしたが、厳格さと冷酷さが半端なく、聴いていてこちらまで身の縮こまる思いでした。

 しかし、このジェルモンの人物像は、何度見てもよくわかりません。家族制度を大切にする熱心なカトリック信者で、因襲的な人物だとは思うのですが、ヴィオレッタに対し、アルフレードと別れてくれなどと残酷なことを言っておいて、「死なずに生きてください」とか、「幸せになってください」とか、なんで同じ口からそんな言葉が出てくるのかと思います。
 

オペラ「椿姫」/ジュゼッペ・ヴェルディ
La Traviata / Giuseppe VERDI

2017年11月19日
新国立劇場オペラパレス

公式サイト
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/9_009636.html

指揮 リッカルド・フリッツァ
演出・衣裳 ヴァンサン・ブサール
美術 ヴァンサン・ルメール
照明 グイド・レヴィ
ムーヴメント・ディレクター ヘルゲ・レトーニャ
再演演出 久恒秀典
舞台監督 村田健輔

ヴィオレッタ イリーナ・ルング
アルフレード アントニオ・ポーリ
ジェルモン ジョヴァンニ・メオーニ
フローラ 小林由佳
ガストン子爵 小原啓楼
ドゥフォール男爵 須藤慎吾
ドビニー侯爵 北川辰彦
医師グランヴィル 鹿野由之
アンニーナ 森山京子
ジュゼッペ 大木太郎
使者 佐藤勝司
フローラの召使い 山下友輔

合唱指揮 三澤洋史
合唱 新国立劇場合唱団
管弦楽 東京フィルハーモニー交響楽団

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2017/11/20

【歌舞伎】仁左衛門の演技が光る。霊験亀山鉾(れいげんかめやまほこ)2017年10月国立劇場

 しばらくブログを書けないうちに、だいぶたまってしまいました。10月の国立劇場の歌舞伎の備忘録。

 久々に「歌舞伎」の面白さを堪能できました。やっぱ歌舞伎はこ〜でなくちゃ!仁左衛門はいいですね〜。

 「霊験亀山鉾」(れいげんかめやまほこ)は、ぽん太は初見。巨悪の藤田水右衞門が、仇討ちを次々と返り討ちにしていくというお話です。
 返り討ち物といえば、同じく鶴屋南北作の「絵本合法衢」(えほんがっぽうがつじ)を、同じく仁左衛門で見たことがありますが、それに優るとも劣らぬ面白さ。今回のは、返り討ちのやり方が、徹底的に「卑怯」なのが特徴で、相手に毒を飲ませたり、待ち伏せして集団で襲ったりします。「巨悪」といっても、そこそこ腕は立つようですが、恐ろしいほど強いヤツではないようです。
 脚本もよくできていて、残酷なシーンもあれば、棺桶の取り違えという滑稽な場面もあり、火をかけられた棺桶から水右衛門が現れる「絵」も面白かったです。

 仁左衛門の演技には、ただただ感心するばかり。相変わらず細かいところの演技が丁寧です。具体例をあげると……芝居を見てから時間が空いたので忘れちゃいましたが……最後の方で巻物の文面が思っていたのと違っていてびっくりしたところで、芝居は先へ進んでいるのに、「おっかし〜な〜。なんだこの文面は」みたいな感じで巻物を読み直しているところなど。

 そのほかも歌六、錦之助、吉弥、彌十郎、雀右衛門などがしっかりした演技で支えてました。秀太郎の全てを包み込むような大きさと慈愛。孝太郎、動きにキレがあります。橋之助、かっこよくなってきました。

 いまや歌舞伎を見るなら歌舞伎座以外か? 歌舞伎座も、名場面集や、滝沢歌舞伎みたいなのばかりじゃなく、見応えのある演目をかけてほしいです。

平成29年度(第72回)文化庁芸術祭主催
四世鶴屋南北=作
奈河彰輔=監修
国立劇場文芸研究会=補綴

通し狂言 霊験亀山鉾(れいげんかめやまほこ) 四幕九場
      ― 亀山の仇討 ―

公式サイト・http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_l/2017/1010.html

2017年10月
国立劇場

序  幕 第一場 甲州石和宿棒鼻の場
      第二場 同 石和河原仇討の場
      第三場 播州明石網町機屋の場

二幕目 第一場 駿州弥勒町丹波屋の場
      第二場 同 安倍川返り討の場
      第三場 同 中島村入口の場
      第四場 同      焼場の場

三幕目       播州明石機屋の場

大 詰       勢州亀山祭敵討の場

(出演)
藤田水右衞門/古手屋八郎兵衛/隠亡の八郎兵衛 片岡仁左衛門
大岸頼母 中村歌六
石井兵介/石井下部袖介 中村又五郎
石井源之丞 中村錦之助
源之丞女房お松 片岡孝太郎
若党轟金六 中村歌昇
大岸主税 中村橋之助
石井毛乳母おなみ 中村梅花
藤田卜庵/縮商人才兵衛 片岡松之助
丹波屋おりき 上村吉弥
掛塚官兵衛・仏作介 坂東彌十郎
芸者おつま 中村雀右衛門
石井後室貞林尼 片岡秀太郎

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2017/10/23

【歌舞伎】ぽん太はご不満!「マハーバーラタ戦記」2017年10月歌舞伎座昼の部

 う〜ん、正直、あんまり面白くなかったです。

 黄金の衣装を着た神々が、争いを繰り広げる人間界を打ち眺め、慈愛こそが人げを救うと主張する太陽神の子・迦楼奈(かるな)と、力こそが争いに終止符を打つと考える帝釈天の子・阿龍樹雷(あるじゅら)が、人間界に送り込まれる……。
 出だしはなかなかいい感じでした。これから迦楼奈と阿龍樹雷の行動が対比され、慈愛のいい面悪い面、力による支配のいい面と悪い面が描かれていくのかな。両花道が効果的に使われるのかも。北朝鮮やISなどの現代的な問題にもつながっていくかも、などと期待してました。

 しかし、あんまり二人の対比がはっきりしません。迦楼奈は、弓やマントラを学ぶため、師匠に身分を偽ります。また、なぜか悪がしこい鶴妖朶王女(づるようだおうじょ)と友情を誓い、味方となります。一方の阿龍樹雷も、そんなに荒々しくもなく、武力による支配を目論んでいるわけでもありません。

 また全体に、ストーリーを追うことに汲々として、ちょっと慌ただしく感じました。たとえば、迦楼奈を授かった汲手姫(くんてぃひめ)が、いきなり赤ん棒をガンジス川に流したり。もう少し場面を整理して、深く描いてもよかったのでは。

 最後は延々とちゃんばら。鎧のデザインなども含め、アニメっぽいです。「ひとつ、一対一で闘うこと」とか言ってるに、いきなり一人を大勢で囲んでました。歌舞伎のタテの定型だから仕方ないのかもしれませんが。

 矛盾といえば、最初の神様の段取りでは、まずは迦楼奈が争いを鎮めようとし、うまくいかなかったら阿龍樹雷が登場する、みたいな話だったのに、いきなり二人がいたので、ちと戸惑いました。

 時々出てくる宗教的な話も、味付けという感じで、深い哲学があるとは思えませんでした。

 なんか、全体として、ジャニーズとかがやっている舞台と同じレベルに感じました。勘三郎のときみたいな演出家
を使ったらどうだったかな。思えば勘三郎はすごかったな。

 音楽自体は悪くはないと思いましたが、インドというよりインドシナのガムランっぽいような気がしました。

 菊五郎、菊之助、松也、それぞれ健闘。七之助の鶴妖朶王女が、迫力ある悪役ぶりでした。

 

芸術祭十月大歌舞伎
平成29年10月1日(日)~25日(水)

公式サイト
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/543
特設サイト
http://www.kabuki-bito.jp/mahabharata/

昼の部

平成29年度(第72回)文化庁芸術祭参加公演
日印友好交流年記念
青木 豪 脚本
宮城 聰 演出
新作歌舞伎
極付印度伝

マハーバーラタ戦記(まはーばーらたせんき)

序幕 神々の場所より
大詰 戦場まで

迦楼奈(かるな)/シヴァ神(しん)   菊之助
汲手姫(くんてぃひめ)   時蔵
帝釈天(たいしゃくてん)   鴈治郎
鶴妖朶王女(づるようだおうじょ)   七之助
百合守良王子(ゆりしゅらおうじ)/多聞天(たもんてん)   彦三郎
風韋摩王子(びーまおうじ)   坂東亀蔵
阿龍樹雷王子(あるじゅらおうじ)/梵天(ぼんてん)   松也
汲手姫(くんてぃひめ)/森鬼飛(しきんび)   梅枝
納倉王子(なくらおうじ)/我斗風鬼写(がとうきちゃ)   萬太郎
沙羽出葉王子(さはでばおうじ)   種之助
弗機美姫(どるはたびひめ)   児太郎
森鬼獏(しきんば)   菊市郎
拉南(らーな)   橘太郎
道不奢早無王子(どうふしゃさなおうじ)   片岡亀蔵
修験者破流可判(はるかばん)   権十郎
亜照楽多(あでぃらた)   秀調
羅陀(らーだー)   萬次郎
弗機王(どるはたおう)/行者   團蔵
大黒天(だいこくてん)   楽善
太陽神(たいようしん)   左團次
那羅延天(ならえんてん)/仙人久理修那(くりしゅな)   菊五郎

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2017/10/15

【オペラ】8年越しで結末がわかったぜい。「神々の黄昏」新国立オペラ

 10月1日の初日に観てきました。

 前回の2009/2010シーズンの「指環」が、ぽん太の「指環」初体験だったのですが、実は他の予定とかちあってしまって、最終日の「神々の黄昏」だけ観ることができなかったんです〜crying。ということで、この壮大なオペラの結末がわからないまま。なんだか宙ぶらりんの気持ちのまま苦節8年、ついに「神々の黄昏」を観ることができました!あ〜、す〜っとした。
 でも、暗い結末だったんですね。神々の世界が崩壊して、自由な人間の世界が始まるのかと思っていたら、みんな死んじゃうのか〜。
 でもでも、もちろんとっても感動しました。壮大なスケール感がいいですね。やっぱヴァーグナーはすごいですね。いいものを観たっつ〜感じでした。
 上演時間は、休憩を入れて全部で6時間弱。長いです。動きが乏しくて、これまでのあらすじ紹介みたいな序幕は、ちと意識を失ってしまいましたが、その後は眠くならずに見通すことができました。

 このオペラ、歌舞伎っぽいというか、なんかストーリーが荒唐無稽で表現がくどいです。ヘンテコなストーリーだなーと思い始めると、すごくバカバカしく見えてくるので、そうならないように一生懸命感情移入をして観てました。ニーチェが「指環」を見てヴァーグナーと決別し、ビゼーの「カルメン」を高く評価したというのも、ちと分かる気もしました。
 「神々の黄昏」にヴォータンが出てこないのがちと残念。神々の世界の崩壊を嘆く重々しい独唱を聴きたかったです。

 ジークフリート役のステファン・グールドは今回も素晴らしかったです。ブリュンヒルデのペトラ・ラング、終幕の歌唱は感動的でした。ハーゲンのアルベルト・ペーゼンドルファーは、重々しい声でガタイも大きく、冷酷で不気味な悪者という印象。アルベリヒの島村武男も、役柄の表現が素晴らしかったです。アントン・ケレミチェフのグンターは、世間知らずの高貴なおぼっちゃ風。安藤赴美子のグートルーネも可憐で美しかったです。ヴァルトラウテのヴァルトラウト・マイヤーは明るく力強い歌と演技で、出番は少なかったですが、強く印象に残りました。ぽん太は知らんが、往年の名歌手だそうな。さもありなん。ラインの精の増田のり子、加納悦子、田村由貴絵も、橋の下に隠れたり出てきたりして、なんか魚っぽくて、イタズラっぽくて、良かったです。新国立劇場合唱団の迫力は相変わらず。

 こんかいのオケは珍しく読売日本交響楽団。飯森さんが今シーズンの説明をしたとき、質問コーナーで誰かが理由を聞いてましたが、答えがあんまりよくわかりませんでした。飯森さんの指揮で、スケールの大きい大河の流れのような音楽を聴かせてくれました。

 さるやんごとなきお方が聴きにきてました。

 大満足の長い長い1日でした。

リヒャルト・ワーグナー
楽劇「ニーベルングの指環」第3日

《神々の黄昏》

新国立劇場オペラ劇場
2017年10月1日

公式サイト
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/gotterdammerung/

指揮:飯守泰次郎 IIMORI Taijiro

演出:ゲッツ・フリードリヒGötz FRIEDRICH
美術・衣裳:ゴットフリート・ピルツGottfried PILZ
照明:キンモ・ルスケラKimmo RUSKELA
演出補:アンナ・ケロAnna KELO
舞台監督:村田健輔MURATA Kensuke

ジークフリート:ステファン・グールドStephen GOULD
ブリュンヒルデ:ペトラ・ラングPetra LANG
アルベリヒ:島村武男SHIMAMURA Takeo
グンター:アントン・ケレミチェフAnton KEREMIDTCHIEV
ハーゲン:アルベルト・ペーゼンドルファーAlbert PESENDORFER
グートルーネ:安藤赴美子ANDO Fumiko
ヴァルトラウテ:ヴァルトラウト・マイヤーWaltraud MEIER
ヴォークリンデ:増田のり子MASUDA Noriko
ヴェルグンデ:加納悦子KANOH Etsuko
フロスヒルデ:田村由貴絵TAMURA Yukie
第一のノルン:竹本節子TAKEMOTO Setsuko
第二のノルン:池田香織IKEDA Kaori
第三のノルン:橋爪ゆかHASHIZUME Yuka

合唱指揮:三澤洋史MISAWA Hirofumi
合唱:新国立劇場合唱団/二期会合唱団New National Theatre Chorus / Nikikai Chorus Group
管弦楽:読売日本交響楽団:Yomiuri Nippon Symphony Orchestra

協力:日本ワーグナー協会Richard-Wagner-Gesellschaft Japan
芸術監督:飯守泰次郎IIMORI Taijiro

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2017/10/10

【歌舞伎】まさに極め付け!吉右衛門の「幡随長兵衛」2017年9月歌舞伎座昼の部

 9月歌舞伎座は、昼の部の観劇。

 「毛谷村」は、染五郎の六助。前半の人の良さは出ているが、後半に真実を知って大魔神に変身するところがパワー不足。吉之丞の杣斧右衛門が、飄々とした感じと踊りの面白さで良かったです。菊之助のお園は、「女房じゃぞ」のところのクネクネ具合や、臼を転がして怪力を見せるあたりが、あんまり面白くなかったです。

 続いて藤十郎と壱太郎の「道行旅路の嫁入」。藤十郎、貫禄はあるけれど、さすがに足腰が弱ってきたか?壱太郎、きっちりと踊っていたけど、なぜか楽しめなかったです。力弥に会いに行くというドラマが感じられず、形に気をとられているように思いました。

 最後は極付、吉右衛門の「幡随長兵衛」。握手でお客さんに愛想を振りまきながら客席から登場し、舞台に上がったところでふっと気を入れて役に入るあたり、自由自在です。歌い上げるような台詞回しを聞いているだけで気持ちよくなります。魁春の女房お時も円熟の芸で、「歌舞伎」を楽しめました。 


歌舞伎座

秀山祭九月大歌舞伎
平成29年9月

公式サイト
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/536

昼の部

一、彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
  毛谷村

    毛谷村六助 染五郎
    お園 菊之助
    杣斧右衛門 吉之丞
    お幸 吉弥
    微塵弾正実は京極内匠 又五郎

  仮名手本忠臣蔵
二、道行旅路の嫁入(みちゆきたびじのよめいり)

    戸無瀬 藤十郎
    小浪 壱太郎
    奴可内 隼人

  河竹黙阿弥 作
三、極付 幡随長兵衛(きわめつき ばんずいちょうべえ)
  「公平法問諍」

    幡随院長兵衛 吉右衛門
    水野十郎左衛門 染五郎
    近藤登之助 錦之助
    子分極楽十三 松江
    同 雷重五郎 亀鶴
    同 神田弥吉 歌昇
    同 小仏小平 種之助
    御台柏の前 米吉
    伊予守頼義 児太郎
    坂田金左衛門 吉之丞
    慢容上人 橘三郎
    渡辺綱九郎 錦吾
    坂田公平/出尻清兵衛 又五郎
    唐犬権兵衛 歌六
    長兵衛女房お時 魁春

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2017/10/09

【演劇】ぽん太はちと楽しめず。ケラリーノ・サンドロヴィッチ演出「ワーニャ伯父さん」

 先日、「陥没」で初めてケラリーノの舞台を観たらとても面白かったので、引き続き「ワーニャ伯父さん」を観に行って来ました。
 チェーホフの舞台を生まれて初めて観たぽん太が偉そうに言うのもなんですが、なんか、あんまし面白くなかったです。でも、ぽん太だって若い頃からチェーホフが好きだったんだい!

 普通に写実的に演じたら、登場人物たちの情けなさというか、悲哀がもっと感じられたんじゃないかと思うのですが、ちょっとエンゲキっぽく演出を加えたせいで、登場人物たちのリアルな生き様が見えてきませんでした。
 だとしたら、動きなりリズムなり、別の演劇的な面白さが加わらないといけないと思うのですが、前回のケラ作品で感じられたような、軽妙さや独特の間合い・リズムが感じられませんでした。

 段田安則はぽん太の好きな役者ではありますが、かつては中二病で教授に心酔していたけど、現在はすっかり幻滅して愚痴ばかりこぼしている、ちょっと神経質っぽいワーニャの「ニン」ではない気がします。なんかガテン系に見えてしまいます。
 宮沢りえも美しく上手でしたが、教授の若い後妻のエレーナがどういう人物なのか今ひとつよくわかりませんでした。演出の問題か?
 人気の黒木華も、あんまりいいと思いませんでした。ラストのワーニャに語りかける長ゼリフも、ぽん太の心には響かなかったです。東方正教会の信者じゃないと思い入れが難しいのかしら。日本で言えば、現世は苦しいけど死んで極楽浄土に生まれ変わるみたいなセリフですよね。
 山崎一、痛みを訴えて同情を引こうとする老いぼれた教授には見えない。これも演出のせいか?
 ぽん太と同業のお医者さんの横田栄司、一見ダンディだが、未来のために森を育てるとか観念的なことをほざいている飲んだくれを好演。
 脇役の立石涼子と小野武彦が良かったです。

「ワーニャ伯父さん」

新国立劇場小劇場
2017年9月14日

・公式サイト
 http://www.siscompany.com/ojisan/gai.htm

作 ・・・・・ アントン・チェーホフ
上演台本・演出 ・・・・・ ケラリーノ・サンドロヴィッチ

キャスト
段田安則、宮沢りえ、黒木華、山崎一、横田栄司、水野あや、遠山俊也、立石涼子、小野武彦

ギター演奏
伏見 蛍

美術 ・・・・・ 伊藤 雅子
照明 ・・・・・ 関口 裕二
衣装デザイン ・・・・・ 伊藤 佐智子
音響 ・・・・・ 水越 佳一
ヘアメイク ・・・・・ 宮内 宏明
演出助手 ・・・・・ 坂本 聖子
舞台監督 ・・・・・ 瀬﨑 将孝
プロデューサー ・・・・・ 北村 明子
企画・製作 ・・・・・ シス・カンパニー

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2017/10/08

【文楽】ケレンたっぷり「玉藻前曦袂」(たまものまえあさひのたもと)2017年9月国立劇場第二部

お〜〜い。
ぽん太は生きてるぞ〜〜〜。

何があったというわけではありませんが、なんだかバタバタしてて、
9月は一回しかブログを更新できませんでした。

もう記憶が薄れてしまいましたが、備忘録がわりに感想をアップ。


 9月の文楽公演は、よく前を通る那須の殺生石(せっしょうせき)のいわれがわかるということで、第二部の「玉藻前曦袂」(たまものまえあさひのたもと)を観に行ってきました。

 ところがラストの「化粧殺生石」(けわいせっしょうせき)という段は、殺生石の前で、座頭や雷、夜鷹や女郎などが、次々と踊りまくるというシュールな場面。
 なんだこりゃ? グランド・フィナーレでしょうか?
 殺生石のいわれは結局よくわかりませんでした。

 当時の江戸庶民たちは殺生石の伝説をよく知っていたので、事細かに描いてもうざったがられるので、省略したのかもしれません。プッチーニのオペラの「マノン・レスコー」で、マノンがアメリカに出航する場面の次が、いきなりルイジアナの砂漠をよろよろになって彷徨う場面になっているようなものか?

 この段、「七化け」と呼ばれる人形の早変わりが見ものだそうですが、衣装やカツラを変える歌舞伎とは異なり、文楽だと人形を持ち替えるだけだと思うので、ぽん太にはイマイチ有り難みがよくわかりません。

 全体に、玉藻前が一瞬にして狐の顔になるなどの、ケレンが主体の舞台でした。なかなかシカケがよくできてます。

 それでも、桂姫と初花姫のどちらの首の討つかを双六で決めるという「道春館の段」は、見応えがある場面でした。なんかこの段だけ劇として突出してましたが、先行作品の名場面をパクって組み入れたんでしょうか?

 で、初花姫は、玉藻前と名を改めて入内しますが、そこに突然九尾の狐が現れて玉藻前に乗り移ります。こうして突然妖狐の話になるのですが、なんか唐突で脈絡がありません。これまでの話は何だったの?という感じ。

 「訴訟の段」は、伽羅先代萩の「対決」みたいに玉藻前の正体を巡って緊迫したやりとりが繰り広げられるのかと思ったら、傾城が訴訟の裁判官をするというユルイお話で、面白かったです。

 
 咲寿太夫と龍爾改め友之助のイケメンコンビは、出番が短かったです。
 千歳太夫は、道春館の段の奥を、これでもかと言わんばかりの熱演。

 勘十郎が九尾の狐のぬいぐるみみたいなのを持って、舞台上を真剣に走り回っていた姿が可愛かったです。
 


2017年9月文楽公演 第二部
東京・国立劇場
2017年9月13日

・公式サイト
  http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2017/910.html

玉藻前曦袂(たまものまえあさひのたもと)

清水寺の段
  薄雲皇子 津國太夫
  犬淵源蔵 南都太夫
  采女之助 文字栄太夫
  桂姫 咲寿太夫
  腰元 亘太夫
  腰元 碩太夫
      團吾

道春館の段
  中  希太夫
     寛太郎
  奥  千歳太夫
     富助

神泉苑の段
  口  咲寿太夫
     龍爾改め友之助
  奥  咲甫太夫
     清介

廊下の段
  始太夫
  清志郎

訴訟の段
  睦太夫
  喜一朗

祈りの段
  文字久太夫
  宗助

化粧殺生石(けわいせっしょうせき)
  咲甫太夫
  睦太夫
  始太夫
  小住太夫
  亘太夫
  藤蔵
  清馗
  寛太郎
  清公
  清允

薄雲皇子 玉也
源蔵 勘市
桂姫 簑二郎
采女之助 幸助
初花姫後に玉藻前 文昇
萩の方 和生
金藤次 玉男
重之卿 亀次
仕丁甚太平 玉路
仕丁平作 和馬
玉藻前実は妖狐 勘十郎
菖蒲前 紋吉
葛城前 簑太郎
千歳前 勘次郎
美福門院 清五郎
亀菊 勘彌
文字野 簑悠
内侍の局 紋秀
持兼の宰相 文哉
お末 簑紫郎
右大弁 玉勢
安倍泰成 玉輝

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2017/09/07

【演劇】痛ましいアル中共依存夫婦がつかむハッピーエンド 「喝采」加藤健一事務所

 以前に牛先生がぽん太に勧めていた「加藤健一事務所」の芝居を観てきました。演目は「喝采」です。

 下北沢の本多劇場に足を踏みいれたのは何十年ぶりでしょうか。なつかし〜な〜。こんなに小さかったっけ。ぽん太が大きくなったのか? んなわけないhappy01

 ちょっとふっくらした竹下景子さんを久々に見れて嬉しかったです。加藤健一以下、みな芝居がうまいですね〜。大和田伸也のバスのきいた声も、芝居に彩りを与えてました。

 上演時間は、休憩15分をはさんで2時間40分の長丁場。
 前半は、かつての名優・現在はアル中のダメダメ男のフランク(加藤健一)と、なんとか彼が自信を取り戻して立ち直れるようにと甲斐甲斐しく尽くす妻のジョージー、フランクの嘘を信じ込んでジョージーがフランクをダメにしていると思い込んでいる演出家のバーニーの、3人のやりとりが中心。
 なんか典型的なアル中の家庭というか、教科書に載っているようなどろどろの共依存の関係を見ているようで、精神科医のぽん太にはちょっと疎ましかったです。なんか、休日にまでこんなの見たくない。

 後半はちょっと笑いも織り込んだりして、最後はフランクがブロードウェイで喝采をあびるというハッピーエンド。
 まあ、結果としてうまくいったからいいけど、普通はフランクとジョージーはずるずると滑り落ちていって、最後には離婚というパターンだよな〜などと思いました。

 しかし舞台としてはとっても楽しめました。繰り返しになるけど一人ひとりの俳優さんの演技が素晴らしかったです。ぽん太が普段見ている野田秀樹の芝居とはまったく異なるセリフ劇で、世の中にはいろいろな芸術活動をしているひとたちがいて、それぞれにファンがついてるんだな〜などと思いました。

 ストーリーとしては、前半はバーニーの視点からジョージーを悪者に描いておいて、後半で「実ハ」にしたら盛り上がるんじゃないかと思いましたが、歌舞伎の見過ぎか?
 実際は、フランクのために尽くしているのに、フランクの嘘を信じたバーニーに悪者扱いされるジョージーの気持ちが見所になるんでしょうけど、だとするとジョージー役の竹下景子はちょっと優しすぎたか。もっと暗さもある女優さんがよかったのかもしれません。

 ぽん太はジョージーの振る舞いを、フランクとの「共依存」における「アル中の妻」と感じたのですが、にゃん子から見ると、「夫のために献身的に尽くす妻のおかげで、ようやく幸せを得られた」と受け止めているようでした。見る人によって受け止め方はさまざまですね。

 ぽん太としては、演劇において「共依存」が描かれていることに興味を感じたので、作者のクリフォード・オデッツについてウィキペディアで調べて見ると、クリフォード・オデッツ(Clifford Odets、1906年 - 1963年)は、アメリカ合衆国のユダヤ人劇作家。スタニフラフスキー・システムを取り入れた進歩的俳優集団のグループ・シアターに参加。1934年にはアメリカ共産党に加わり、劇作家に転じて社会主義的の作品を発表。
 をを、なんとフランシス・ファーマーと一時不倫関係にあったと書いている。映画『女優フランシス』の主人公の、精神障害になってロボトミーをされたとかされてないとかいう女優ですね。年代を見比べると、精神医療施設に強制収容される以前のようですね。

 こんかいの舞台の原作は、1950年に初演されたThe Country Girl。1954年に同じタイトルで映画化され、グレイス・ケリーがジョージーを演じて評判になったようです。この映画が日本で公開された時のタイトルが「喝采」だったんですね。

 ところで、アルコール依存症の医療の歴史ってどうなってるんでしょう。共依存やアルコール依存者の妻といった概念はいつ頃確立したのでしょうか。ぽん太は残念ながらよく知りません。ぐぐってみると、AA(アルコール・アノニマス)は1935年にアメリカでできたようですね。そのうちアルコール依存症治療の歴史をみちくさしてみたいと思います。

 そういえばフランシス・ファーマーは、オデッツと不倫関係にあった少し後から、ひょとしたら同じ頃から、酒に溺れていったわけで、「喝采」が作られた1950年は奇しくもファーマーが精神医療施設から7年ぶりに退院した年。この劇のテーマとなんらかの関係があるかもしれません。
 


加藤健一事務所 vol.99
「喝采」

「喝采」加藤健一事務所公演情報

作:クリフォード・オデッツ
訳:小田島恒志、小田島則子
演出:松本祐子

下北沢・本多劇場

加藤健一
竹下景子
浅野雅博(文学座)
林次樹(Pカンパニー)
寺田みなみ
山路和宏(青年座)
大和田伸也

美術 乘峯雅寛
照明 古宮俊昭
音響 青蔭佳代
衣裳 竹原典子
ヘアメイク 馮啓孝
舞台監督 笹原久義

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2017/08/25

【バレエ】中身のぎっしり詰まった贈り物 《ルグリ・ガラ〜運命のバレエダンサー〜》 Bプログラム

 日本のバレエファンに愛され続けるマニュエル・ルグリ。今回の舞台は、芸術監督を務めるウィーン国立バレエ団に加え、英国ロイヤルのヌニュス、ムンタギロフ、ボリショイのスミルノワ、チュージン、そしてパリオペ元エトワルのゲランや、盟友のパトリック・ド・バナ、スペインのエレナ・マルティンなど、若手から錚々たる面々までを率いてのガラ公演でした。
 しかも全部で16演目。いつもより早い18:30開演で、一回の休憩を挟んで、終了が22:00!見応えがありました。ほとんど寝ずにhappy01見ることができました。

 まずはしばらくルグリと仲間たちの練習風景やステージの動画が流れてから、公演が始まります。一つひとつの演目の前に、プロジェクターで演目やダンサーの案内が表示されるという仕組み。普通は公演が始まると暗くてチラシが見えないので、何て演目で誰が踊ってるのかわからくなったりすることが多いので、ありがたいです。ただ、演目案内のときの打楽器を使った激しい音楽は、なんだか格闘技のイベントの選手紹介みたいで、ちょっと違和感を持ちました。

 さて、感想ですが……ううう、演目が多すぎて、ひとつ一つをよく覚えてないweep。印象だけを書きます。

 『エスメラルダ』は、ナターシャ・マイヤーがとっても顔が小さくて、キュートでした。

 『I have been kissed by you...』は、幕が開くと、恰幅のいい怖〜いオバさんが、ゴージャスな衣装を着てポーズをとってます。初めて見ましたが、この人がエレナ・マルティンとのこと。しばらくすると、スカートの裾から手がニュ〜っと伸びて来て、バナがあわられるという趣向。あまり踊りらしい踊りはなく、バナが舞台とオケピの境に腰掛けたり。そのうちオケピの方に降りようとし始めたのでびっくりしたら、ちゃんと蓋がしてあった様子。当たり前か。天井からいくつもの椅子が吊り下げられたセットも悪くなかったです。
 切れ目なく『...Insede the Labyrinth of Sollitude』に移行。ダンサーはジェロー・ウィリック。怪我のため来日できなくなったダヴィデ・ダトの代役ですが、これがとってもよかった。体がよく動いて踊りそのものもうまかったけれど、勢いと若々しさが感じられました。何回も続いたカーテンコールは、「代役お疲れさん」という意味ではなく、すばらしい踊りに感動してのものだったと思います。ぽん太が彼の踊りを見るのは初めて。今後が期待できます。
 バナの振り付けもよかった。なんかドラマというか、物語性が出てきましたね。

 『海賊』はルグリの振り付け。会場の入り口でもらったチラシの中に、来年ウィーン国立バレエがルグリ版「海賊」全幕をやるという情報がありました。見に行きたいです。本日は第2幕のアダージョで、例の有名なやつではないので、元々の振り付けがどうだったかよくわからず、比較ができませんでした。
 ポラコワは東洋っぽい体の動きもあって良かったですが、チェリェヴィチコと間が合わなかったのか、ちょっとリフトがもたついてる気がしました。

 『Whirling』は黒い衣装で踊ったやつだっけ、悪くはなかった気がするけど、あまり覚えてにゃい。

 『Movements of the soul』を自ら振り付けて踊ったニキーシャ・フォゴは、ちょっと黒人の血が入った感じですが、ぐぐってみるとスウェーデンの生まれらしい。ぽん太は初めて見ました。キュートでコミカルな振り付けが、彼女の雰囲気に似合ってました。

 『ジゼル』はヌニュス、ムンタギロフの英国ロイヤル・ペア。ヌニュスのジゼルは、非人間的な妖精という感じではなく、深い悲しみを抱いているように見えました。

 ついでスミルノワ、チュージンのボリショイ・ペアによる『ファラオの娘』。これはもう落ち着いて見てられますな。

 第一部の〆はゲランとルグリの『ランデヴー』。よくわかりませんが、昔の恋人同士の久々の出会い、みたいなローラン・プティらしい悲哀とペーソスを感じる踊り。ゲランとルグリ、素晴らしとしか言いようがありません。この表現力は、歳をとって衰えるどころか、ますます円熟味を増している感じ。

 『タランテラ』はフォゴとウィリックた楽しくリズミカルに踊りました。テクニックもばっちし。

 マイヤーとフェイフェルリックが、後半ではコンテ作品の『Mozart à é」を踊りましたが、振り付けがあまり面白くなかったです。

 ゲランとルグリの『フェアウェル・ワルツ』は以前に世界バレフェスで見たようですが、今回も堪能。男女の恋の様々な駆け引きと感情の動きを、大人の踊りで見せてくれました。

 『白鳥の湖』から黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥは、なんと1964年ウィーン版のヌレエフ振り付け!先日の「バレエ・スプリーム」で、後のバ・ド・トロワ版のヌレエフ振り付けを見ましたから(ロットバルトがいなかったけど)、これで新旧ふたつのヌレエフ版を見れたことになります。
 ポラコワは悪くなかったですが、ちょっと可愛らしい振付のヌレエフ版よりも、普通のプティパ=イワーノフ版の妖艶な黒鳥の方があってるかも。32回転もバランス崩してちょっと短めでしたかね。チェリェヴィチコは背が低めで、ポラコワの王子役はちょっと気の毒。ジャンプの大きさも感じられませんでした。ヌレエフ版は、ポーズや線の美しさがないと難しいですね。

 『Factum』は、マルティンのフラメンコ的な動きと、バナ独特の動きとの、コラボが面白かったです。

 スミルノワとチュージンの『ジュエルズ』より”ダイヤモンド”は、安心して見れましたが、ちと疲れてきて眠くなってしまいました。

 前半で悲しみをたたえた『ジゼル』を踊ったヌニュスが、今度は『ドン・キホーテ』。スペイン的な突き抜けた明るさはないけど、元気で可愛らしい感じ。グラン・フェッテで4回転入れてなかった?

 オオトリはルグリの『Moment』。舞台上のピアノの生演奏をバックにした踊り。最初は太極拳みたいな動きから始まりました。ルグリの表現力のある動きが、ブゾーニ編曲のバッハとよく合ってました。滝澤志野のピアノも、音楽のタメ具合など、とてもルグリと息があってましたが、あとでチェックしたらウィーン国立バレエ団の専属ピアニストとのこと。う〜ん、息があってるわけです。

 3時間があっという間。最後は会場全体がスタンディング・オベーション。ルグリもいつまで踊ってくれるかわからないし…。中身がぎっしり詰まった贈り物だったな〜などと思いながら、猛暑のなか帰途につきました。

《ルグリ・ガラ〜運命のバレエダンサー》
2017年8月23日
東京文化会館

公式サイト

Bプログラム

1)『エスメラルダ』
  音楽:C.プーニ
  振付:M.プティパより
  出演:ナターシャ・マイヤー、ヤコブ・フェイフェルリック

2)『I have been kissed by you…』
  音楽:M.リヒター
  振付:H.マルティン、P.d.バナ
  出演:エレナ・マルティン、パトリック・ド・バナ

 『…Inside the Labyrinth of solitude』
  音楽:T.ヴィターリ
  振付:P.d.バナ
  出演:ジェロー・ウィリック

3)『海賊』第2幕よりアダージョ
  音楽:L.ドリーブ
  振付:M.ルグリ
  出演:ニーナ・ポラコワ、デニス・チェリェヴィチコ

4)『Whirling』
  音楽:P.グラス
  振付:A.ルカーチ
  出演:ニーナ・トノリ、ジェームズ・ステファン

5)『Movements of the Soul』
  音楽:バルバトューキ、K.ディクソン、M.スタイン
  振付:ニキーシャ・フォゴ
  出演:ニキーシャ・フォゴ

6)『ジゼル』
  音楽:A.アダン
  振付:J.ペロー/J.コラリ
  出演:マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ

7)『ファラオの娘』
  音楽:C.プーニ
  振付:P.ラコット
  出演:オルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン

8)『ランデヴー』
  音楽:J.コスマ
  振付:R.プティ
  出演:イザベル・ゲラン、マニェル・ルグリ

9)『タランテラ』
  音楽:L.M.ゴットシャルク
  振付:G.バランシン
  出演:ニキーシャ・フォゴ、ジェロー・ウィリック

10)『Morzart à 2』より
  音楽:W.A.モーツァルト
  振付:T.マランダン
  出演:ナターシャ・マイヤー、ヤコブ・フェイフェルリック

11)『フェアウェル・ワルツ』
  音楽:F.ショパン、V.マルティノフ
  振付:P.d.バナ
  出演:イザベル・ゲラン、マニュエル・ルグリ

12)『白鳥の湖』より黒鳥の
  グラン・パ・ド・ドゥ
  音楽:P.I.チャイコフスキー
  振付:R.ヌレエフ(1964年ウィーン版)
  出演:ニーナ・ポラコワ、デニス・チェリェヴィチコ

13)『Factum』
  音楽:K.コルホー
  振付:H.マルティン、P.d.バナ
  出演:エレナ・マルティン、パトリック・ド・バナ

14)『ジュエルズ』より“ダイヤモンド”
  音楽:P.I.チャイコフスキー
  振付:G.バランシン
  出演:オルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン

15)『ドン・キホーテ』
  音楽:L.ミンクス
  振付:M.プティパ
  出演:マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ

16)『Moment』
マニュエル・ルグリ ソロ
(世界初演)
  音楽:J.S.バッハ/F.ブゾーニ
  振付:N.ホレツナ
  出演:マニュエル・ルグリ
  ピアノ:滝澤志野

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2017/07/30

【歌舞伎】叫ぶ勸玄くん 2017年7月歌舞伎座夜の部

 千穐楽に観てきました。海老蔵と勸玄くんの宙乗り、盛り上がりましたね。観客も大喜び。
 勸玄くんははじめちょっと手を振って、そのあとはなんか指をもじもじしてましたが、突然大声で何か叫びました。ただ大歓声に遮られ、何と言ったのかはわからず。でも可愛かったです。
 海老蔵は、ちょっと笑みを浮かべ、穏やかな菩薩のような表情でした。
 麻央さんの壮絶な闘病生活の記憶と重なり、ぽん太もちょっと感動しました。

 ただ肝心の狂言の方はどうだったかな〜。お家騒動に実ハもあって、早変わりに宙乗りと見所満載でしたが、あいかわらず内容がなく、なんか既視感がある場面が多かった気がします。
 まあ歌舞伎の脚本といえば、江戸時代から、これまであったものを改作したり組み合わせたりして新作を作るという伝統はあるのですが、それでも何か新たな創造がないとね。それが親子宙乗りってことかしら。
 あるいはまた、現代のわれわれの心に響くような、テーマなり主張なりが欲しい感じもしました。

 市川本家の海老蔵がスーパー歌舞伎化してきたようで、そしたら猿之助はどうするんでしょう。「ワンピース」で頑張ってるからいいのか……。

 児太郎の演技が見応えがありました。側室から、盗賊の一味としての姿を現し、最後はもどりと、メリハリをもってうまく演じており、歌舞伎の面白さを感じました。


 ところで「秋葉大権現」ってなに?
 Wikipediaをみると、山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神様とのこと。火防の霊験があり、秋葉原の地名の由来とも言われているそうな。
 「秋葉」という名前は、静岡県浜松市の秋葉山から来ているようで、現在そこには秋葉本宮秋葉神社があります(公式サイト)。
 江戸時代には、新潟県長岡市にある秋葉三尺坊大権現も、もうひとつの霊山として信仰を集めたそうで、その奥の院には石川雲蝶の彫刻があるようで、そのうち行ってみたいと思います。雲蝶に関するぽん太の過去の記事はこちら(【彫刻】日本のミケランジェロ(?)石川雲蝶を訪ねて(永林寺、西福寺開山堂))。
 秋葉権現はどのようなお姿をしているのか、Googleで画像検索をしてみると、例えばこちらの画像にあるように、烏天狗のような姿で、不動明王のように剣と羂索を持ち、火炎を抱き、白虎に乗っているものが多いようです。
 今回の歌舞伎では、海老蔵は頭の上に龍を乗っけておりましたが、これは水神系ですから、本来の秋葉権現のお姿とはちょっと違うようですね。まあ、演劇ですからどうでもいいんですけど。

七月大歌舞伎
平成29年7月

公式サイト

夜の部

  日本駄右衛門を中心に、宙乗り、大立廻りで
  繰り広げる圧倒的スケールの奇想天外な物語

  竹田治蔵 作
  織田紘二 補綴・演出
  石川耕士 補綴・演出
  川崎哲男 補綴・演出
  藤間勘十郎 補綴・演出

秋葉権現廻船語
通し狂言 駄右衛門花御所異聞(だえもんはなのごしょいぶん)

  市川海老蔵
  堀越勸玄   宙乗り相勤め申し候

  発 端 遠州月本城下浜辺松原の場
  序 幕 遠州月本館の場
  二幕目 大井川土手の場
       遠州無間山お才茶屋の場
       同 秋葉大権現の場 
  大 詰 都東山御殿の場
       同  奥庭の場
       元の御殿の場

日本駄右衛門/玉島幸兵衛/秋葉大権現     海老蔵
                     月本円秋     右團次
                     月本祐明     男女蔵
                      奴浪平     亀鶴
                   月本始之助     巳之助
                     傾城花月     新悟
                   寺小姓采女     廣松
               奴のお才/三津姫     児太郎
                        白狐     堀越勸玄
               駄右衛門子分早飛     弘太郎
                        長六     九團次
                  逸当妻松ヶ枝     笑三郎
                   馬淵十太夫     市蔵
                     東山義政     右之助改め齊入
             玉島逸当/細川勝元     中車

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