カテゴリー「芸能・芸術」の677件の記事

2017/12/22

【歌舞伎】亀蔵の至芸!「らくだ」で笑い納め。2017年12月歌舞伎座第2部

 亀蔵がらくだをやると聞いて歌舞伎座に行ってきました。
 ん〜、なんか暮れも押し詰まってきたせいか、空席が多かったですね〜。亀蔵のらくだの価値を知らんのかいな。12月は3部制で、お値段は若干安いとはいうものの、割高感があったのかも。

 で、亀蔵のらくだ、す・ば・ら・し・か・っ・たです。約10年ぶりに観ましたが、衰えるどころかさらにパワーアップした感じ。
 前回とはちょっと脚本が違うみたいですが、ぽん太の記憶力ではよくわかりませんでした。
 というかこの芸は、舞踏やダンス、マイムなどの身体パフォーマンス全体のなかでも、トップクラスなんじゃないでしょうか?
 実際は自分で体重を支えているはずなのに、あのぐったり感はすごいです。操られているときなどは、伸ばした足の指先で体重を支えているのでしょうか?
 らくだが背が高くてのそ〜っとしているという設定も、亀蔵にぴったりですね。「ニン」を超えた天性のらくだ役者だと思います。
 心の底から大笑いをして、一年の垢を落とすいい機会となりました。ありがとうございました。

 中車の屑屋久六と、愛之助のやたけたの熊五郎、う〜〜〜ん今ひとつでした。というか、十年前の勘三郎と三津五郎が記憶に残っているからな〜。
 中車も双眼鏡で見ると、顔で一生懸命芸をしてるんですけど、三階から肉眼で見ると、身体全体の動きや声の調子やリズムなど、面白さが感じられません。愛之助ともうまく掛け合いになって行かず、最後も盛り上がって皆でかんかんのう踊ってドタバタでエンディング、という流れができませんでした。
 ニャン子と、勘三郎に代わる屑屋久六役は誰かいるだろうかという話になり、勘九郎しかないという結論に達しました。勘九郎さん、そろそろ「らくだ」 、よろしゅうお願いいたします。

 今回、舞台に向かって右側の席を取ってしまい、大家さんの玄関先での亀蔵と中車の「格闘」がよく見えなかったのが残念!次は左側の席にします。

 あと、皆さんすでにご存知かと思いますが、若き亀蔵さんが「らくだ」を語った動画をリンクしておきます。

 そのあと松緑で「蘭平物狂」。松緑の体を張った立廻りが見事でした。
 一子繁蔵は松緑の息子さんの左近。なんか声がはかなげで良かったです。

十二月大歌舞伎
平成29年12月2日(土)~26日(火)

公式サイト
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/548

第二部

 初代桂文枝 口述
 堀川 哲 脚本
 奈河彰輔 改訂・演出
 今井豊茂 演出
一、らくだ

  紙屑屋久六 中車
  やたけたの熊五郎 愛之助
  家主幸兵衛 橘太郎
  家主女房おさい 松之助
  らくだの宇之助 片岡亀蔵


 浅田一鳥 作
 水沼一郎 補綴
 竹柴諒二 補綴
 倭仮名在原系図
二、蘭平物狂(らんぺいものぐるい)

  奴蘭平実は伴義雄 松緑
  壬生与茂作実は大江音人 坂東亀蔵
  水無瀬御前 児太郎
  一子繁蔵 左近
  女房おりく実は音人妻明石 新悟
  在原行平 愛之助

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2017/12/21

【クラシック】なんか淡々とした演奏でした。マルク・アンドレーエ指揮、新日本フィルの『第九』

 今年の第九は日程と会場の関係から新日本フィル。指揮のマルク・アンドレーエは初めてでした。

 どうも音響的にぽん太と相性がわるいオーチャードホール。今回は3階の袖の席。全体的にまあまあまとまって聴こえたのですが、ちょっと遠い感じで、迫力がありませんでした。

 座席のせいなのかわからないけど、なんか淡々とした演奏で、特にぐぐっと引きつけられるところなく終わってしまいました。
 指揮のマルク・アンドレーエは指揮棒を持たず、強拍で手をぐっと伸ばすような感じで、淡々とリズムを刻んでました。細かいニュアンスの指示はほとんどなく、テンポの微妙な揺れもありませんでした。なんかとっても地味な演奏で、あんまり興奮できませんでした。

 プログラムも『第九』一曲だけで、コスパが悪い( ^ω^ )。


 家に帰ってからぐぐってみると動画がみつかりました(https://www.youtube.com/watch?v=Ma9EjcUixjM)。1993年のN響ですが、あれれ、指揮棒持ってパワフルかつ表情豊かに振ってるじゃないですか。う〜ん、昨日の指揮は「老成」したってこと?ぽん太には、なんか老成の域を超えてるように思えて、この間に脳梗塞とか病気をして、握力が落ちて指揮棒を握れなくなったんじゃないかなどと心配になりました。
 

『第九』特別演奏会
2017 ユニオンツール クリスマスコンサート

Bunkamura オーチャードホール
2017年12月17日

公式サイト
https://www.njp.or.jp/archives/5763

ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調『合唱付き』op.125
Beethoven:Symphony No.9 in D minor op.125 “Choral”


指揮 マルク・アンドレーエ
Marc Andreae, conductor
ソプラノ 森谷 真理
Mari Moriya, soprano
アルト 山下 牧子
Makiko Yamashita, alto
テノール 大槻 孝志
Takashi Otsuki, tenor
バリトン 久保 和範
Kazunori Kubo, baritone
合唱 栗友会合唱団
Ritsuyukai Choir, chorus
合唱指揮 栗山 文昭
Fumiaki Kuriyama, chorus master

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2017/12/15

【クラシック】マツーエフのラフマニノフにびっくり仰天(ゲルギエフ/マリインスキーが劇場管弦楽団)

 マツーエフの演奏、特にラフマニノフの3番はまさに「凄い!」のひとことでした。ぽん太は驚くやら感動するやら。
 無知なるぽん太はマツーエフという名は初耳で、何の事前情報もなく聴きに行きました。大柄でがっちりした体格で、ぴんと背筋を伸ばして椅子に座った姿は、強靭な筋肉が伺えます。奏でる音色もがっしりとしていて、昔でいえばリヒテルみたいなスケール感がありあす。どんなに早いパッセージでも音が混ざらず、一つひとつの音が正確に聞こえてきます。それでいて静かでゆっくりしたところなどでは、まるで天国のような美しい音色を奏でます。
 まさしく超絶技巧ですが、ヴィルトーソ的なテクニックのひけらかしはなく、音楽に正面から向き合った演奏です。
 圧巻は第3楽章。怒涛の突き押しならぬ怒涛の演奏で、ラストは大きな体全体をムチのように痙攣させて腕をはね上げ、力のこもった熱演でした。
 いや〜凄かったな。観客も大興奮で、演奏終了と同時に「うお〜っ」というどよめきが起きました。
 こちらのインスタグラム(https://www.instagram.com/p/Bch2cBNH00m/)で、ラストの部分を聞くことができます。こちらのyoutube(https://www.youtube.com/watch?v=dRYSuGQfiqE)に、2013年の演奏があるけれど、今回の方がパワーアップしている気がします。
 ラフマニノフの3番というと、映画の『シャイン』を思い出しますが、こりゃ弾いてて気が触れるのも無理ないな〜。

 4番ももちろんよかったですが、3番の後ではちょっと物足りなく感じてしまうというのが、とっても贅沢。

 3番4番を続けて演奏するなんて、なんと凄い体力だと思ったら、同じ日のマチネで1番と2番を弾いてるじゃん。1日4曲とはおそロシア。

 最後は「交響的舞曲」。初めて聞く曲ですが、ロシアっぽい哀愁はあまり感じられず、なんだかフランス音楽っぽいところもありました。ラフマニノフの最後の作品だそうですね。

 先日のベルリンフィルに引き続いてのラフマニノフで、なんだか彼の曲に興味が湧いて来ました。

 ゲルギエフ指揮のマリインスキー歌劇場管弦楽団の演奏は、ロシアっぽい哀愁が感じらていいですね。弦の繊細な音色も、先日のベルリンフィルの厚みのある音とは全く違います。そして夕焼けの光のような金管、感傷的な木管の響き。所どころで見せるタメもよかったです。
 ゲルギエフって楽章の間の休みを取らないんですね。歌劇で鍛えているから、このくらいの長さをぶっ続けで演奏するのは平気なんでしょうか。表現がドラマチックなのも、歌劇の影響か?

 この演奏会は、ロシア文化の祭典「ロシアの季節」の締めくくりなんだそうです。実はぽん太とにゃん子、「ロシアの季節」の幕開けの公演にも行っております。それはザハロワが踊ったバレエの『ジゼル』で、これがまた最高のパフォーマンスでした。「ロシアの季節」の最初と最後の公演(しかもどちらも名演)を見れて、とっても幸せに思いました。ロシアの文化は素晴らしい!!

 


ワレリー・ゲルギエフ指揮 マリインスキー歌劇場管弦楽団 デニス・マツーエフ(ピアノ)

2017年12月10日(日) 18:00
サントリーホール

公式サイト
https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=584

ワレリー・ゲルギエフ Valery Gergiev (芸術総監督、首席指揮者, Artistic and General Director)
デニス・マツーエフ Denis Matsuev (ピアノ, Piano)
マリインスキー歌劇場管弦楽団 The Mariinsky Orchestra


ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op. 30
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番 ト短調 Op. 40 (ピアノ:デニス・マツーエフ)

ソリストアンコール
ラフマニノフ:練習曲「音の絵」Op.39-2

ラフマニノフ:交響的舞曲 Op. 45

オーケストラアンコール
メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」より"スケルツォ"

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2017/12/14

【オペラ】ゾフィー役のゴルダ・シュルツが可愛いね「ばらの騎士」新国立オペラ

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 今回はにゃん子が病欠で、一人で観に行ってきました。にゃん子の席は、とっても高価な荷物置き場に。

 「ばらの騎士」は久しぶり。でも、何度観てもいいオペラですね。お洒落で流麗で、胸ときめく恋もあればドタバタのお笑いあり。そして漂う哀愁。大人の最高のエンタテイメントです。

 今回はオクラヴィアン役のダニエラ・シンドラムが来日できなくなったのがとっても残念。代役のステファニー・アタナソフももちろんとっても素晴らしいのですが、前回の2015年の「ばらの騎士」でも同じ役。オクタビアンやファーニナルも前回と同じ歌手だったので、全体にちょっと既視感がありました。

 前回と違う歌手としては、元帥夫人のリカルダ・メルベートは、『さまよえるオランダ人』のゼンタや『ジークフリート』のブリュンヒルデを聞きました。時の流れを憂いつつ若い世代に未来をたくしていく気品ある元帥夫人でした。

 また、ゾフィー役のゴルダ・シュルツは、ちっちゃくて可愛らくして、令嬢というより可愛らしいお嬢さんという感じ。高音が鈴の音のように澄んでました。

 ジョナサン・ミラー演出の舞台装置も悪くないですが、やっぱりばらの騎士の登場シーンは、舞台正面の階段の上から降りてくるのがぽん太は好きです。まばゆいばかりの美しい若者の登場に、ゾフィーと同じ気持ちで胸をときめかせたいところ。


オペラ「ばらの騎士」/リヒャルト・シュトラウス
Der Rosenkavalier / Richard STRAUSS

新国立劇場オペラパレス
2017年12月3日

公式サイト
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/9_009637.html

指揮:ウルフ・シルマー
演出:ジョナサン・ミラー
美術・衣裳:イザベラ・バイウォーター
照明:磯野 睦
再演演出:澤田康子
舞台監督:大澤 裕

元帥夫人:リカルダ・メルベート
オックス男爵:ユルゲン・リン
オクタヴィアン:ステファニー・アタナソフ
ファーニナル:クレメンス・ウンターライナー
ゾフィー:ゴルダ・シュルツ
マリアンネ:増田のり子
ヴァルツァッキ:内山信吾
アンニーナ:加納悦子
警部:長谷川 顯
元帥夫人の執事:升島唯博
ファーニナル家の執事:秋谷直之
公証人:晴 雅彦
料理屋の主人:加茂下 稔
テノール歌手:水口 聡
帽子屋:佐藤路子
動物商:青地英幸

合唱指揮:三澤洋史
合唱:新国立劇場合唱団
児童合唱:TOKYO FM 少年合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

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2017/12/03

【バレエ】ベジャールの正法の時代は終わったか? モーリス・ベジャール・バレエ団2017年日本公演<Bプロ>

 モーリス・ベジャール・バレエ団は、日程の都合でBプロのみの鑑賞。ベジャール振り付けとジル・ロマン振り付けが、それぞれ2作品というプログラムでした。

 ジル・ロマンの振り付けは、オシャレで独特な雰囲気があるけれど、ちょっと小道具に頼りすぎで、踊りそのものの面白さに欠ける感じがしました。それから、群舞がほとんどない。パワフルな群舞の振り付けは苦手なんでしょうか。オシャレすぎて、なんだかファッションブランドのショーのような気もしました。いっそのこと、衣装デザインはゴルチエとかにしてみては?
 いつのまにかダンサーにイケメンが増えた気がします。ビジュアル重視か?
 それから、ベジャールよりジル・ロマンの振り付けの方が、ダンサーたちが生き生きと踊っている気がしました。開祖ベジャールが成仏して10年たち、正法の時代が終わり、像法の時代に入ったのか?

 最初はベジャール振付の「ピアフ」。ぽん太は初めて見ました。
 有名な、というより伝説的なシャンソン歌手、エディット・ピアフの歌に振り付けた演目。背後にピアフの写真が掲げられ、ベジャールのピアフに対するオマージュの気持ちが感じられます。
 一つひとつの振り付けがバラエティに富んでいて、ベジャールの溢れんばかりの才能が伝わってきます。ピアフの声の質は哀愁に満ちておりますが、男性ダンサーだけの踊りで、ベジャールが同性愛だったことがよくわかりました。

 続いてジル・ロマン振り付けの「兄弟」。日本人ダンサーの那須野圭右と大貫真幹が兄弟役(?)で出演。音楽には津軽三味線の吉田兄弟や、美空ひばりの歌も使われており、日本公演にふさわしい演目でした。美空ひばりは、日本にピアフといったところか?座間の事件のあとでは、ちょっと生々しい表現もありましたが。

 休憩を挟んでこれまたジル・ロマン振り付けの「アニマ・ブルース」。ベンチがあったりして、なんか街の中でいくつもの恋が繰り広げられるような話し。最初に出てきた男性が、椅子に座って上から雪を振りかけられ続けるのが、なんだかよくわからなかった。おもしろいって言えばおもしろいけお、バレエではないよね(後で踊るけど)。
 隣に美女(シャルキナ)が座った黒人ダンサーが、びっくりして二度見し、「なにこれ?どうしたの」、「あっちもなんかやってるやん」、「げへへ、よく見るといい女だな、ひとつくどいてみるか」みたいな顔芸をするのが面白かったです。演技がうまいですね。

 最後はベジャールの「ボレロ」。「メロディ」はベテランのエリザベット・ロス。もちろん悪くはなかったんだけど、「ボレロ」の「メロディ」は、「良かった」レベルを超えるカリスマ性が欲しいところ。そういう意味では、ちょっと物足りなかったです。おまけに席が前の方だったので、「リズム」が邪魔になって「メロディ」が見えにくかったです。
 終わってからにゃん子が、「「リズム」がすごく良かった〜、感動して涙が出そうになった」との感想。引き締まったボディに、両手を広げて上げたり下げたりするポーズが、まるで阿修羅像みたいだったとのこと。そういう見方はぽん太は気がつきませんでした。千手観音と二十八部衆といったところか。ベジャールが仏教にも精通し、自ら座禅をしていたのは有名ですが、ボレロの振り付けで仏像を意識していたかどうか。面白いテーマですね。

 カーテンコールにジル・ロマンが登場。細身の神経質そうな青年だと思っていたら、ベジャール風のヒゲをたくわえて、いつの間にかおじいさんになってました。
 


モーリス・ベジャール・バレエ団 2017年日本公演

2017年11月26日
東京文化会館

Bプロ

公式サイト
http://www.nbs.or.jp/stages/2017/bejart/index.html

「ピアフ」
 振付:モーリス・ベジャール
 音楽:エディット・ピアフ

『愛の言葉』:男性全員
『アコーディオン弾き』:クゥィンテン・ギリアムズ
『冷淡な美男子』(ジャン・コクトーの戯曲より):ファブリス・ガララーグ
『私の回転木馬』:ローレンス・リグ
『道化師万歳』:ハビエル・カサド・スアレス
『あなたはきれいね、分かってるでしょ...』:男性全員
『私の友達リュシアン』:デミアン・バルガス
『水に流して』:男性全員

「兄弟」
 振付:ジル・ロマン
 音楽:モーリス・ラヴェル、エリック・サティ、吉田兄弟、美空ひばり、
 シティ・パーカッション(ティエリー・ホーシュテッター&jB メイアー)

 ガブリエル・アレナス・ルイス、リザ・カノ
 那須野圭右、大貫真幹
 ジャスミン・カマロタ、大橋真理

「アニマ・ブルース」
 振付:ジル・ロマン
 音楽:シティ・パーカッション(ティエリー・ホーシュテッター&jB メイアー)

 カテリーナ・シャルキナ、コナー・バーロー
 リザ・カノ、ガブリエル・アレナス・ルイス
 ジャスミン・カマロタ、ジェイム・オエッソ
 エリザベット・ロス、クゥィンテン・ギリアムズ
 キャサリーン・ティエルヘルム、ジュリアン・ファヴロー

「ボレロ」
 振付:モーリス・ベジャール
 音楽:モーリス・ラヴェル

 メロディ:エリザベット・ロス

 リズム:
 アンジェロ・ペルフィド、ガブリエル・アレナス・ルイス、ファブリス・ガララーグ、コナー・バーロー、
 スン・ジャユン、ダニエル・ゴールドスミス、マッティア・ガリオット、ミケランジェロ・ケルーチ、
 ヴィト・パンシーニ、ローレンス・リグ、ハビエル・カサド・スアレス、フェデリコ・マテティッチュ、
 ドノヴァーヌ・ヴィクトワール、ジェイム・オエッソ、クゥィンテン・ギリアムズ、大貫真幹、
 ヴィクトル・ユーゴー・ペドロソ、アントワーヌ・ル・モアル

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2017/12/01

【クラシック】躍動感あふれる「ペトルーシュカ」 サイモン・ラトル指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団2017年来日公演

 前回の「第九」の演奏で超感動したラトルとベルリンフィル、日程の関係から川崎まで聴きに行ってきました。
 会場のミューザ川崎シンフォニーホールは、以前に野田秀樹演出の「フィガロの結婚」を観たところ。ほどよい大きさで、カタツムリみたいな作りで、いいホールですね。でもホワイエが狭くて休憩時間には大混雑し、トイレが大行列になるのが玉に瑕です。

 最初は「ペトルーシュカ」。バレエではちょくちょく聞く曲ですが、さすがに全然違います。やや早めのテンポでフルートのパッセージが始まりますが、それが極めて複雑な音楽に聞こえます。やがて入ってくる弦楽器のトゥッティが、心に染み入るかのような音色。至福の悦びに酔いしれて、ぽん太は思わずだらしない笑顔に……。全体として、とてもビビッドでリズム感に富み、ニュアンス豊かで、緊迫感のある演奏でした。

 つづいて陳銀淑のChorós Chordón。ぽん太は現代音楽(特にメロディーがないやつ)は苦手で、よくわかりません。さすがのラトルも、でっかい総譜を見ながら、拍子を刻んで指揮してました。
 なんかクシャクシャいう音がしてきて、観客の誰かがチラシの入ったビニール袋の音を立てているのかと思ったら、打楽器奏者が紙をクシャクシャしてました。真剣にクシャクシャしてるのが、おかしかったです。

 ラフマニノフの交響曲第3番は、ぽん太は初めて聞く曲。郷愁を誘うメロディーがあちこちでてくる、ロシアっぽい曲でした。ラトルは演歌系も悪くないですね。

 最後にアンコールでプッチーニの「マノン」の間奏曲。ドラマチックに歌い上げました。

 4種類のまったく違う曲を堪能できました。来年の夏でベルリン・フィルとの首席指揮者契約が終了するラトル。最後の来日公演を聴くことができてよかったです。


ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 2017年来日公演

公式サイト
http://www.fujitv.co.jp/events/berlin-phil/index.html

2017年11月23日
ミューザ川崎シンフォニーホール

管弦楽 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮 サイモン・ラトル

演奏曲目
<プログラム①>
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)
陳銀淑(チン・ウンスク):Chorós Chordón
  (ベルリン・フィル委嘱 2017年11月ベルリンにて世界初演)
ラフマニノフ:交響曲第3番 イ短調 Op.44

アンコール  「プッチーニ:マノン・レスコー」第3幕間奏曲

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2017/11/30

【歌舞伎】情と型のバランス・仁左衛門の勘平 2017年11月歌舞伎座夜の部

 仁左衛門の勘平は何回か見てるのですが、かなり久しぶり。自分のブログをぐぐっても出てこないし、ひょっとしたら前回から10年以上たってるかも。最近は菊五郎をよく見てる気がします。

 仁左衛門も菊五郎と同じく基本的には菊五郎型ですが、気っ風のよさがあって型を一つひとつみせていく菊五郎に対して、仁左衛門の勘平は姿や表情が美しく、情の動きがが伝わってきました。

 例えば有名な財布を見比べる場面でいうと、仁左衛門の場合、「違ってくれ」と思いながら懐から出した財布を見るときの不安と緊張、「ああ、同じだ」と気づいた瞬間の血の引くような思いが、ありありと伝わってきました。

 母おかやに殴打されるときの足の形なども美しかったです。

 勘平のその時その時の心の動きがドラマとして描き出され、型において表情や姿の美しさを見せるのが、仁左衛門の良さだと感じました。

 基本は菊五郎型ですが、細かいところは違ってましたね。二つ玉の鉄砲は、一回撃つだけですし、花道でおかるの駕籠を押しもどすところも、菊五郎はぽ〜んとひと突きするのに対し、仁左衛門はずず〜っと押し戻してました。

 染五郎の斧定九郎は、迫力と色気があってかなり良かった気がします。吉哉のおかやは、ちょっと気丈そうな感じがしましたが、悪くありませんでした。


 藤十郎と扇雀の「新口村」もまた、上方風の情に溢れる名演。藤十郎もまだまだ元気で、顔も化粧をすると誠に美しいですが、さすがに声が通らなくなってきたか。歌六の孫右衛門も熱演で良かったですが、ここは我當でで見たかったです。


 最後はぽん太が嫌いな「元禄忠臣蔵」より「大石最後の一日」。
 おごり高ぶらず、みな整然と切腹しましょう、みたいなテーマが、ぽん太はイヤです。ダメ男の悲惨な運命を暖い目で描いた「仮名手本忠臣蔵」の五・六段目とは大違いですよね。
 大石内蔵助を幸四郎が自信を持って演じていました。幸四郎は時代物だとセリフに変に節がつき、声がくぐもって聞き取りにくくなりますが、今回のような現代劇の方があってますね。演技は良かったとぽん太は思います。
 また児太郎のおみのが、小姓のふりをしている時も、女の正体を表してからも、ともに素晴らしい演技でした。
 金太郎くん、いつのまにかずいぶん身長が伸びました。でもまだセリフと演技はまだ変。

吉例顔見世大歌舞伎

歌舞伎座
平成29年11月22日

公式サイト
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/546

夜の部

一、仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
    五段目  山崎街道鉄砲渡しの場
          同   二つ玉の場
    六段目  与市兵衛内勘平腹切の場
    
  早野勘平  仁左衛門
  女房おかる  孝太郎
  斧定九郎  染五郎
  千崎弥五郎  彦三郎
  判人源六  松之助
  母おかや  吉弥
  不破数右衛門  彌十郎
  一文字屋お才  秀太郎


  恋飛脚大和往来
二、新口村(にのくちむら)

  亀屋忠兵衛  藤十郎
  傾城梅川  扇雀
  孫右衛門  歌六


  真山青果 作
  真山美保 演出
  元禄忠臣蔵
三、大石最後の一日(おおいしさいごのいちにち)

  大石内蔵助  幸四郎
  磯貝十郎左衛門  染五郎
  おみの  児太郎
  細川内記  金太郎
  吉田忠左衛門  錦吾
  赤埴源蔵  桂三
  片岡源五右衛門  由次郎
  久永内記  友右衛門
  堀内伝右衛門  彌十郎
  荒木十左衛門  仁左衛門

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2017/11/21

【オペラ】イリーナ・ルングのテクニックと演技力(と美貌)に思わず涙!「椿姫」新国立オペラ

 過去に何度も見ている「椿姫」。こんなに感動したのは初めてでした。たぶんヴィオレッタ役のイリーナ・ルングがすごかったんだと思います。美人でスタイルはいいし、コブシ(?)はコロコロ回るし、演技力はあるし。

 翳りのない素直な声で、ヴィオレッタが娼婦に身をやつしながらも純粋な心を持っていることが伝わってきました。また「花から花へ」のコロラトゥーラは、一つひとつの音をとっても丁寧に歌っていて、聞きごたえがありました。演技も、第2幕のジェルモンとのやりとりや、第3幕がすばらしく、ぽん太は「椿姫」で初めて泣いてしまいました。

 プロダクションは前回と同じくヴァンサン・ブサール。4階から見ると、鏡の壁と床の両方に反射して、とっても幻想的。4階に嬉しい舞台装置です。
 第二幕の第一場と第二場の間に休憩があって、2幕構成のようになってます。第3幕でヴィオレッタ以外の登場人物が紗幕の向こうにいるのは、全ては死にゆくヴィオレッタの幻影というパターンの演出か?

 アルフレードのアントニオ・ポーリは、冒頭の「乾杯の歌」はちょっと物足りなかったけど、誠実でありながらも甘い歌声がよかったです。ジョヴァンニ・メオーニのジェルモンは代役でしたが、厳格さと冷酷さが半端なく、聴いていてこちらまで身の縮こまる思いでした。

 しかし、このジェルモンの人物像は、何度見てもよくわかりません。家族制度を大切にする熱心なカトリック信者で、因襲的な人物だとは思うのですが、ヴィオレッタに対し、アルフレードと別れてくれなどと残酷なことを言っておいて、「死なずに生きてください」とか、「幸せになってください」とか、なんで同じ口からそんな言葉が出てくるのかと思います。
 

オペラ「椿姫」/ジュゼッペ・ヴェルディ
La Traviata / Giuseppe VERDI

2017年11月19日
新国立劇場オペラパレス

公式サイト
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/9_009636.html

指揮 リッカルド・フリッツァ
演出・衣裳 ヴァンサン・ブサール
美術 ヴァンサン・ルメール
照明 グイド・レヴィ
ムーヴメント・ディレクター ヘルゲ・レトーニャ
再演演出 久恒秀典
舞台監督 村田健輔

ヴィオレッタ イリーナ・ルング
アルフレード アントニオ・ポーリ
ジェルモン ジョヴァンニ・メオーニ
フローラ 小林由佳
ガストン子爵 小原啓楼
ドゥフォール男爵 須藤慎吾
ドビニー侯爵 北川辰彦
医師グランヴィル 鹿野由之
アンニーナ 森山京子
ジュゼッペ 大木太郎
使者 佐藤勝司
フローラの召使い 山下友輔

合唱指揮 三澤洋史
合唱 新国立劇場合唱団
管弦楽 東京フィルハーモニー交響楽団

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2017/11/20

【歌舞伎】仁左衛門の演技が光る。霊験亀山鉾(れいげんかめやまほこ)2017年10月国立劇場

 しばらくブログを書けないうちに、だいぶたまってしまいました。10月の国立劇場の歌舞伎の備忘録。

 久々に「歌舞伎」の面白さを堪能できました。やっぱ歌舞伎はこ〜でなくちゃ!仁左衛門はいいですね〜。

 「霊験亀山鉾」(れいげんかめやまほこ)は、ぽん太は初見。巨悪の藤田水右衞門が、仇討ちを次々と返り討ちにしていくというお話です。
 返り討ち物といえば、同じく鶴屋南北作の「絵本合法衢」(えほんがっぽうがつじ)を、同じく仁左衛門で見たことがありますが、それに優るとも劣らぬ面白さ。今回のは、返り討ちのやり方が、徹底的に「卑怯」なのが特徴で、相手に毒を飲ませたり、待ち伏せして集団で襲ったりします。「巨悪」といっても、そこそこ腕は立つようですが、恐ろしいほど強いヤツではないようです。
 脚本もよくできていて、残酷なシーンもあれば、棺桶の取り違えという滑稽な場面もあり、火をかけられた棺桶から水右衛門が現れる「絵」も面白かったです。

 仁左衛門の演技には、ただただ感心するばかり。相変わらず細かいところの演技が丁寧です。具体例をあげると……芝居を見てから時間が空いたので忘れちゃいましたが……最後の方で巻物の文面が思っていたのと違っていてびっくりしたところで、芝居は先へ進んでいるのに、「おっかし〜な〜。なんだこの文面は」みたいな感じで巻物を読み直しているところなど。

 そのほかも歌六、錦之助、吉弥、彌十郎、雀右衛門などがしっかりした演技で支えてました。秀太郎の全てを包み込むような大きさと慈愛。孝太郎、動きにキレがあります。橋之助、かっこよくなってきました。

 いまや歌舞伎を見るなら歌舞伎座以外か? 歌舞伎座も、名場面集や、滝沢歌舞伎みたいなのばかりじゃなく、見応えのある演目をかけてほしいです。

平成29年度(第72回)文化庁芸術祭主催
四世鶴屋南北=作
奈河彰輔=監修
国立劇場文芸研究会=補綴

通し狂言 霊験亀山鉾(れいげんかめやまほこ) 四幕九場
      ― 亀山の仇討 ―

公式サイト・http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_l/2017/1010.html

2017年10月
国立劇場

序  幕 第一場 甲州石和宿棒鼻の場
      第二場 同 石和河原仇討の場
      第三場 播州明石網町機屋の場

二幕目 第一場 駿州弥勒町丹波屋の場
      第二場 同 安倍川返り討の場
      第三場 同 中島村入口の場
      第四場 同      焼場の場

三幕目       播州明石機屋の場

大 詰       勢州亀山祭敵討の場

(出演)
藤田水右衞門/古手屋八郎兵衛/隠亡の八郎兵衛 片岡仁左衛門
大岸頼母 中村歌六
石井兵介/石井下部袖介 中村又五郎
石井源之丞 中村錦之助
源之丞女房お松 片岡孝太郎
若党轟金六 中村歌昇
大岸主税 中村橋之助
石井毛乳母おなみ 中村梅花
藤田卜庵/縮商人才兵衛 片岡松之助
丹波屋おりき 上村吉弥
掛塚官兵衛・仏作介 坂東彌十郎
芸者おつま 中村雀右衛門
石井後室貞林尼 片岡秀太郎

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2017/10/23

【歌舞伎】ぽん太はご不満!「マハーバーラタ戦記」2017年10月歌舞伎座昼の部

 う〜ん、正直、あんまり面白くなかったです。

 黄金の衣装を着た神々が、争いを繰り広げる人間界を打ち眺め、慈愛こそが人げを救うと主張する太陽神の子・迦楼奈(かるな)と、力こそが争いに終止符を打つと考える帝釈天の子・阿龍樹雷(あるじゅら)が、人間界に送り込まれる……。
 出だしはなかなかいい感じでした。これから迦楼奈と阿龍樹雷の行動が対比され、慈愛のいい面悪い面、力による支配のいい面と悪い面が描かれていくのかな。両花道が効果的に使われるのかも。北朝鮮やISなどの現代的な問題にもつながっていくかも、などと期待してました。

 しかし、あんまり二人の対比がはっきりしません。迦楼奈は、弓やマントラを学ぶため、師匠に身分を偽ります。また、なぜか悪がしこい鶴妖朶王女(づるようだおうじょ)と友情を誓い、味方となります。一方の阿龍樹雷も、そんなに荒々しくもなく、武力による支配を目論んでいるわけでもありません。

 また全体に、ストーリーを追うことに汲々として、ちょっと慌ただしく感じました。たとえば、迦楼奈を授かった汲手姫(くんてぃひめ)が、いきなり赤ん棒をガンジス川に流したり。もう少し場面を整理して、深く描いてもよかったのでは。

 最後は延々とちゃんばら。鎧のデザインなども含め、アニメっぽいです。「ひとつ、一対一で闘うこと」とか言ってるに、いきなり一人を大勢で囲んでました。歌舞伎のタテの定型だから仕方ないのかもしれませんが。

 矛盾といえば、最初の神様の段取りでは、まずは迦楼奈が争いを鎮めようとし、うまくいかなかったら阿龍樹雷が登場する、みたいな話だったのに、いきなり二人がいたので、ちと戸惑いました。

 時々出てくる宗教的な話も、味付けという感じで、深い哲学があるとは思えませんでした。

 なんか、全体として、ジャニーズとかがやっている舞台と同じレベルに感じました。勘三郎のときみたいな演出家
を使ったらどうだったかな。思えば勘三郎はすごかったな。

 音楽自体は悪くはないと思いましたが、インドというよりインドシナのガムランっぽいような気がしました。

 菊五郎、菊之助、松也、それぞれ健闘。七之助の鶴妖朶王女が、迫力ある悪役ぶりでした。

 

芸術祭十月大歌舞伎
平成29年10月1日(日)~25日(水)

公式サイト
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/543
特設サイト
http://www.kabuki-bito.jp/mahabharata/

昼の部

平成29年度(第72回)文化庁芸術祭参加公演
日印友好交流年記念
青木 豪 脚本
宮城 聰 演出
新作歌舞伎
極付印度伝

マハーバーラタ戦記(まはーばーらたせんき)

序幕 神々の場所より
大詰 戦場まで

迦楼奈(かるな)/シヴァ神(しん)   菊之助
汲手姫(くんてぃひめ)   時蔵
帝釈天(たいしゃくてん)   鴈治郎
鶴妖朶王女(づるようだおうじょ)   七之助
百合守良王子(ゆりしゅらおうじ)/多聞天(たもんてん)   彦三郎
風韋摩王子(びーまおうじ)   坂東亀蔵
阿龍樹雷王子(あるじゅらおうじ)/梵天(ぼんてん)   松也
汲手姫(くんてぃひめ)/森鬼飛(しきんび)   梅枝
納倉王子(なくらおうじ)/我斗風鬼写(がとうきちゃ)   萬太郎
沙羽出葉王子(さはでばおうじ)   種之助
弗機美姫(どるはたびひめ)   児太郎
森鬼獏(しきんば)   菊市郎
拉南(らーな)   橘太郎
道不奢早無王子(どうふしゃさなおうじ)   片岡亀蔵
修験者破流可判(はるかばん)   権十郎
亜照楽多(あでぃらた)   秀調
羅陀(らーだー)   萬次郎
弗機王(どるはたおう)/行者   團蔵
大黒天(だいこくてん)   楽善
太陽神(たいようしん)   左團次
那羅延天(ならえんてん)/仙人久理修那(くりしゅな)   菊五郎

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