カテゴリー「芸能・芸術」の696件の記事

2018/05/17

【文楽】『本朝廿四孝』のストーリーが分からニャイ!!2018年5月国立劇場第一部

 玉助襲名披露の5月文楽は、口上のある第一部を観劇。

 口上は、例によって面白おかしい裏話などが披露されました。玉男さんの時と比べると、ちょっと人数が少なく、時間も短めで、太夫さんや三味線さんのご挨拶はありませんでした。
 あと、咲甫太夫がいつのまにか織太夫という名前に変わっていてびっくり。調べて見ると、今年の1月に大阪の国立文楽劇場で襲名されたようです。東京では何の襲名披露もないものなんですね。


 その襲名披露狂言は『本朝廿四孝』。歌舞伎では「十種香」や「奥庭狐火」が上演されますが、今回は三段目の山本勘助誕生にまつわるストーリーらしく、まったく観たことがありません。とうぜん八重垣姫も登場しない様子。
 あらかじめチラシの「あらすじ」を読んでみたのですが、まったく理解できず。「まあ、実際に見ればわかるだろう」と甘い考えで臨んだのですが、意表をつく物語展開と、「実ハ」の連続で、何がなんだかさっぱりわからず。お客さんでストーリーを理解できた人は2割ぐらいじゃなかったんでしょうか?
 思いがけない人物が出てきて何か言いだすと、「なんじゃ?この展開は」とぽんたの目は点。客席も何だなんだとざわつき、「だははは」と諦めの笑いが起きたりします。「私は実は○○だ〜」とか言って、服装が変わって出てくるのですが、残念なことに文楽は、人間が演じる歌舞伎と違って、頭(かしら)がみな似てます。服装が変わると元は誰だったのかわからないという始末。
 仕方ないからパンフレットでも買おうかとも思いましたが、節約、節約。あとで調べたり考えたりして、ようやく7割くらいは理解できました。

 それでも部分ぶぶんはなかなか良くって、特に「勘助住家の段」で、雪が降りしきる門の外に置き去りにされた我が子の鳴き声を聞いたお種が、閉ざされていた門を最後には打ち破って我が子を抱きしめるシーンは圧巻でした。「凍え死のうが助けてはならない」という夫の言いつけに背き、門に体を打ち付けるお種のに、理性を超えた本能としての母性愛の凄まじさを感じました。

 「二十四孝」は、元々は中国の24人の孝行者のお話で、元の時代以降に成立したとされているそうです。『本朝廿四孝』は、それを踏まえて近松半二らが脚本を書き、明和3年(1766年)に初演された作品です。
 真冬に筍を食べたいと言った母親のために、天に祈りながら雪の中を掘っていたら、雪が溶けて筍がいっぱい出てきたという、呉の孟宗の話は有名で、本日の狂言にも取り入れられてましたネ。「孟宗竹」という名前の由来にもなっているそうです。

 最後は「道行初音旅」。太夫さんと三味線さんが舞台上のひな壇にずらりと並んでました。こういうのもアリなんですね。明るく華やかな狂言でした。勘十郎さんが今回も狐を熱演。なんか真面目な顔でやってるから面白いな〜(当たり前だけど)。歌舞伎と違って逸見藤太(はやみの とうた)が出てきての立ち回りはなし。

平成30年5月文楽公演
2018年5月
東京・国立劇場 小劇場

2018年5月16日観劇

公式サイト

『本朝廿四孝』

桔梗原の段
  口:芳穂太夫
    團吾
  奥:三輪太夫
    團七
五代目吉田玉助襲名披露 口上
景勝下駄の段
    織太夫
    寛治
襲名披露狂言
勘助住家の段
  前:呂太夫
    清介
  後:呂勢太夫
    清治

高坂妻唐織:簑二郎
越名妻入江:一輔
慈悲蔵 実は直江山城之助:玉男
一子峰松:簑悠
高坂弾正:玉輝
越名弾正:文司
女房お種:和生
百姓正五郎:玉路
百姓戸助:和馬
長尾景勝:玉也
勘助の母【勘助住家(前)まで】:勘十郎
横蔵 後に山本勘助:幸助改め 玉助
勘助の母【勘助住家(後)から】:簑助
奴:大ぜい
家来:大ぜい


『義経千本桜』

道行初音旅

静御前:咲太夫
狐忠信:織太夫
 ツ :津國太夫
    南都太夫
    咲寿太夫
    小住太夫
    亘太夫
    碩太夫
  レ:文字栄太夫
    燕三
    宗助
    清志郎
    清馗
    清丈
    友之助
    清公
    清允
    燕二郎

静御前:清十郎
狐忠信:勘十郎

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/05/13

【バレエ】ため息つくほどじゃないけど素晴らしい公演でした。『ヌレエフ・ガラ』ウィーン国立バレエ団2018来日公演

 今回のウィーン国立バレエ団の来日公演は、「海賊」はパスして「ヌレエフ・ガラ」だけ鑑賞。
 GWの海外旅行の時差ボケと、鼻風邪とで頭がぼーっとし、時おり意識消失していたので偉そうなことは言えませんが、感動!というほどではないけど、演目も渋くてよく練られていて、なかなか良い公演だったと思います。
 ヌレエフというとパリ・オペラ座を思い浮かべるけど、亡命後の1964年にウィーン国立バレエ団で自ら振り付けた『白鳥の湖』を踊ったのをきっかけにウィーンを活躍の場とし、のちにはオーストリア国籍を取得。ヌレエフ/ウィーン国立バレエ団の『白鳥』の動画は、こちら(Youtube)で全幕見ることができますヨ!

 今回のガラは、演目がたくさんで初めて見るものも多かったので、あんまり記憶してませんが、備忘録として感想を書き留めておきます。お目汚しご容赦ください。

 『Opus 25』。ショパンのエチュードのピアノ生演奏で、振り付けのエノ・ペチが自ら踊ります。ピアニストの椅子の端っこに腰掛けたりして、ちょっと雰囲気があってよかったです。

 『ヨゼフの伝説』より。30代の若きノイマイヤー振り付けの作品。旧約聖書の物語がオリジナル。今回演じられたのは、ポティファルの妻がヨゼフを誘惑するシーンか?ふんどし一丁みたいな衣裳が衝撃的。しかも最後は何と男性が裸に!?その瞬間、にゃん子がオペラグラスを手にしたのをぽん太は見逃さなかった。

 『ソロ』というタイトルですが、三人の男性の踊り。ちょっとコミカルです。木本全優くん、なかなかいい体してますね。踊りも良かったです。

 『ベール・ギュント』。若い恋人たちのラブラブな踊り。雰囲気はありましたが、バレエらしい動きはあんまりなかった気がします。

 さておまちかね、ルグリ先生がツィンバルと大人の雰囲気たっぷりに『ランデヴー』を踊りました。これ、前にもどこかで見たな。音楽は有名なシャンソン『枯葉』……というのは実は不正確な言い方で、もともとジョゼフ・コズマがこのバレエのために1945年に作った曲。翌年ジャック・プレヴェールが詞を加え、マルセル・カルネの映画「夜の門」の挿入歌として使われたものがヒットし、 『枯葉』というシャンソンの名曲として知られるようになりました。この『ランデヴー』の方がオリジナルというわけです。これ、豆知識な。
 ルグリ先生、まだまだ踊れますね。こういう雰囲気を一瞬で作り出す技は見事としか言いようがありません。

 『シーニュ 白鳥』。もしも白鳥がジャンキーだったら……なんて設定のわけないよね。六本木の路地裏の瀕死の白鳥か?映像が使われたりして、衣装の羽もなんか変。子役の少年の動きもバレエらしくありません。なんかぽん太は好きくない。

 『コンチェルト』。マクミラン振り付けの美しい抽象バレエ。ってゆーか、ショスタコーヴィチががこんな叙情的な曲を書いてたとはしらなんだ。ラフマニノフかと思ったぜい。ピアノ協奏曲第2番ってくらいだから初期の作品かと思ったら、1957年、51歳の作ですね。先日のノイマイヤーの「ニジンスキー」で使われてた交響曲第11番の前年。ショスタコーヴィチも芸域が広いんですね。ぽん太はそっちに食いつきました。

 『赤のジゼル』は、ロシアの偉大なバレリーナで、のちに精神を病んだオリガ・スペシフツェワの一生に基づいた作品。ヨーロッパでは忘れ去られていた『ジゼル』をヨーロッパに伝えたことでも知られています。だから「赤の(ロシアの)ジゼル」なんでしょうね。スタイリッシュな踊りと衣裳で良かったです。あごひげをたくわえたウラジーミル・シショフの雰囲気がぴったりでした。

 『ストラヴィンスキー・ムーヴメンツ』は、オシャレなモダンバレエですが、「でんぐり紙」(あの七夕飾りで畳んであるのをぐるっと広げると蜂の巣状のぼんぼりになるやつ)みたいな衣裳が面白かったです。飛行機用の枕みたいなのもありました。

 さてルグリ先生が再び登場。ツィンバルとノイマイヤーの『シルヴィア』。素朴な女性を素朴な男性が追いかけてきて、純朴な愛を確かめ合うみたいな踊り。これのどこがシルヴィアなんだい。ぽん太には皆わかりません。ルグリ先生もよかったですが、リアブコでも見てみたくなりました。

 いよいよ最後は≪ヌレエフ・セレブレーション≫。ヌレエフの振り付けで「くるみ割り人形」、「ライモンダ」、「白鳥の湖」から、全11作品の大盤振る舞い。
 ぽん太は年は食ってるけれどバレエファン歴は浅いので、ヌレエフは同時代的には観ていませんから、たいした感慨はありませんでした。でも舞台の背景に飾られたヌレエフの写真が、ちょっとエキセントリックな彼の一般的なイメージとは違って、とっても優しそうな笑顔を浮かべた晩年の写真であるのを見て、ルグリはどういういう気持ちでこの写真を選んだんだろうかなどと考えていたら、ちょっとじわっときました。
 ぽん太から見たヌレエフの振り付けの印象は、「地味なのに難しそう」。「くるみ割り人形」のバジリオくん、なんかフラフラしてました。せっかく橋本清香さんが頑張ってるのにpout
 ラストの「「黒鳥のパ・ド・ドゥ」では、木本全優くんが王子様。リュドミラ・コノヴァロワは、2回転入れて頑張ってました。やっぱりコンテより古典の方が盛り上がるね。
 ミーハーのぽん太の感想でした。

「ヌレエフ・ガラ」
5/10(木)14:00
Bunkamura オーチャードホール

公式サイト

芸術監督:マニュエル・ルグリ


『ワルツ・ファンタジー』
振付:ジョージ・バランシン
音楽:M.グリンカ(「ワルツ・ファンタジー」)
ナターシャ・マイヤー、ヤコブ・フェイフェルリック
エレーナ・ボッターロ、アデーレ・フィオッキ、ズヴェヴァ・ガルジューロ、マディソン・ヤン

『Opus 25』
振付・コンセプト・照明:エノ・ペチ
音楽:F.ショパン(「エチュード」作品25-7)
ピアノ演奏:イゴール・ザプラヴディン
マリア・ヤコヴレワ、エノ・ペチ

『ヨゼフの伝説』より
振付・演出・照明コンセプト:ジョン・ノイマイヤー
音楽:R.シュトラウス(「ヨゼフの伝説」作品25-7)
ヨゼフ:デニス・チェリェヴィチコ
ポティファルの妻:ケテヴァン・パパヴァ

『ソロ』
振付:ハンス・ファン・マーネン
音楽:J.S.バッハ(「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」BWV 1002<クーラントードゥーブル>)
衣装・装置ケソ・デッカー
照明:ヨープ・カボルト
木本全優、リハルド・サボー、ジェロー・ウィリック

『ペール・ギュント』より
振付・台本・照明:エドワード・クルーグ
音楽:エドヴァルド・グリーグ(「ピアノ協奏曲第1番」作品16 第2楽章:アダージョ)
衣裳:レオ・キュラス
アリーチェ・フィレンツェ、ヤコブ・ファイフェルリック

『ランデヴー』より
振付:ローラン・プティ
振付指導:ルイジ・ボニーノ
音楽:ジョゼフ・コズマ(「ランデヴー」)
衣裳:メイヨー
イリーナ・ツィンバル、マニュエル・ルグリ

『マーマレーション』より
振付:エドワード・リアン
音楽:エツィオ・ボッソ(「ヴァイオリン協奏曲第1番」

ニーナ・ポラコワ、イオアンナ・アヴラアム、アリーチェ・フィレンツェ、ニキーシャ・フォゴ、ズヴェヴァ・ガルジューロ、ガラ・ヨヴァノヴィチ、 アニータ・マノロヴァ、スーザン・オパーマン
ロマン・ラツィック、ヤコブ・フェイフェルリック、ミハイル・ソスノフスキ、レオナルド・バジリオ、フランチェスコ・コスタ、ジェロー・ウィリック、イゴール・ミロシュ、トリスタン・リーデル、ジョルト・トゥルック

『シーニュ 白鳥』
振付:ダニエル・プロイエット
音楽:オルガ・ヴォイチェホヴスカ(「シーニュ」)
衣裳:スティーネ・シェーグレン
照明:クリスティン・ブレータル
映像:ヤニブ・コーエン
ケテヴァン・パパヴァ
川西凛空(Kバレエスクール)

『コンチェルト』より
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ドミトリー・ショスタコーヴィチ(「ピアノ協奏曲第2番」作品102第2楽章:アンダンテ)
衣裳・装置:デボラ・マクミラン
照明:ジョン・B・リード
リュドミラ・コノヴァロワ、ロマン・ラツィック
エレーナ・ボッターロ、アニータ・マノロヴァ、芝本梨花子
リハルド・サボー、ドゥミトゥル・タラン、アンドレイ・テテリン

『赤のジゼル』より
振付・照明:ボリス・エイフマン
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(「マンフレッド交響曲」作品58)
衣裳:ヴァチェスラフ・オークネク
オルガ・エシナ、ウラジーミル・シショフ

『ストラヴィンスキー・ムーヴメンツ』より
振付:アンドラーシュ・ルカーチ
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー(「プルチネッラ組曲」(1949年版)<セレナータ>、「5本の指で」<ラルゲット>、「ミューズを率いるアポロ」<アポテオース>)
衣裳製作:モニカ・ヘルヴァルト
照明:アッティラ・ザボー
アリーチェ・フィレンツェ、木本全優
イオアンナ・アヴラアム、ジェームス・ステフェンス、
ニキーシャ・フォゴ、アレクサンドル・トカチェンコ
ズヴェヴァ・ガルジューロ、アルネ・ヴァンデルヴェルデ
ジェロー・ウィリック

『シルヴィア』より
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:レオ・ドリーブ(「シルヴィア」)
衣裳:ヤニス・ココス
イリーナ・ツィンバル、マニュエル・ルグリ

≪ヌレエフ・セレブレーション≫
振付:ルドルフ・ヌレエフ (マリウス・プティパとレフ・イワーノフに基づく) 
構成:マニュエル・ルグリ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー、アレクサンドル・グラズノフ
衣裳:ルイザ・スピナテッリ、ニコラス・ジョージアディス
衣裳アシスタント(スピナテッリ):モニア・トルチア

 『くるみ割り人形』
 第2幕“パ・ド・ドゥ”
 橋本清香、レオナルド・バジリオ

 『ライモンダ』
 第3幕より”ヘンリエットのヴァリエーション”
 ナターシャ・マイヤー

 第3幕より”4人の騎士の踊り”
 スコット・マッケンジー、トリスタン・リーデル、ドゥミトゥル・タラン、アルネ・ヴァンデルヴェルデ、ジェロー・ウィリック

 第3幕より”クレメンスのヴァリエーション”
 ニキーシャ・フォゴ、アニータ・マノロヴァ、芝本梨花子

 第2幕より”アブデラーマンのヴァリエーション”
 ミハイル・ソスノフスキ

 第2幕より”サラセン人の踊り”
 ズヴェヴァ・ガルジューロ、フランチェスコ・コスタ

 第2幕より”ライモンダのヴァリエーション”
 ニーナ・ポラコワ

 『白鳥の湖』
 第1幕より”パ・ド・サンク(コーダ)”
 ヤコブ・フェイフェルリック、イオアンナ・アヴラアム、アリーチェ・フィレンツェ、
 スコット・マッケンジー、リハルド・サボー

 第1幕より”王子のヴァリエーション”
 デニス・チェリェヴィチコ

 第3幕より”スペインの踊り”
 ガラ・ヨヴァノヴィチ、アライヤ・ロジャーズ=ママン、アレクサンドル・トカチェンコ、アンドレイ・テテリン

 第3幕より”黒鳥のパ・ド・ドゥ(コーダ)”
 リュドミラ・コノヴァロワ、木本全優

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/04/26

【歌舞伎】悪もまた美しい「絵本合法衢」2018年4月歌舞伎座夜の部

 仁左衛門が一世一代と銘打っての「絵本合法衢」、観て参りました。いや〜素晴らしかったです。これで最後なんてもったいない!まだまだできそう……というのは客の身勝手な意見で、実はいろいろと大変なんでしょうね。
 仁左衛門は、一時声が出にくそうな時もありましたが、こんかいはとてもよく出てました。特に冒頭で編み笠をかぶった大学之助の声は野太くて迫力があり、最初ほかの役者さんかと思うくらいでした。

 こんかいの「絵本合法衢」は歌舞伎座初上演ですが、ぽん太はすでに国立劇場で2回見てます。ということで細かい感想は省略。
 特に最初に観たのは2011年3月でした。そう、東日本大震災が起きたときです。3月公演としてこの狂言がかけられていたのですが、震災が起きて、途中で打ち切りになりました。ぽん太は震災が起こる前に見ることができたのですが、以来ぽん太のなかでは、仁左衛門演じる悪のイメージと、圧倒的な強さで破壊をもたらした震災のイメージが、重なりあっています。こんかいも、大学之助・太平次によって人々があっけなく次々と死んていくのを見て、じんわりと涙が出てきました。

 「崇高さ」さえ感じる大学之助の巨悪、そしてちょっと可愛らしくさえあるちんぴらの立場の太平次、仁左衛門の演技はこんかいも完璧でした。
 それから時蔵もいいですね。あのカマボコ小屋に住まわせたら、右に出る役者はいません。
 錦之助、孝太郎の田代屋与兵衛・お亀夫婦は、育ちの良い町人らしさと正義感がありました。坂東亀蔵、梅丸の孫七・お米夫婦も若々しかったです。吉弥、彌十郎、團蔵などがしっかりした演技。

 この狂言の題名の由来であり、大詰めの舞台となっているのが、大阪は天王寺の近くにある「合邦辻閻魔堂」であり、そこで実際にあった仇討ち事件がこの狂言の題材になっていることは、以前の記事で書きました(《【歌舞伎】仁左衛門の崇高な悪 国立劇場「絵本合法衢」》)。また実際に合邦辻閻魔堂を訪れた時の記事はこちら(《【大阪の歌舞伎ゆかりの地を訪ねて】合邦辻閻魔堂、四天王寺、野崎観音など》)。
 
 合邦辻閻魔堂に関しては、こちらのサイト(続・竹林の愚人)に簡単な歴史が書かれております。下の方に、『摂津名所図会』に描かれた「合法辻」の画像がありますが、柱と屋根だけの東屋の下に、大きめ(座った状態で人間の身長より少し低いくらい)の閻魔様が祀られているようです。この閻魔様、今回の舞台の閻魔様と似てますね。参考にしたのかもしれません。『摂津名所図会』の刊行は1796年(寛政8年)~1798年(寛政10年)。鶴屋南北の「絵本合法衢」の初演が文化7年(1810年)ですから、南北のころの閻魔堂は、この画像とほぼ同じだったことでしょう。
 

 

四月大歌舞伎

歌舞伎座
平成30年4月25日

公式サイト

夜の部

  四世鶴屋南北 作
  奈河彰輔 補綴・演出
  片岡仁左衛門 監修
通し狂言
絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)

  立場の太平次
  片岡仁左衛門一世一代にて相勤め申し候

  序 幕  第一場 多賀家水門口の場
       第二場 多賀領鷹野の場
       第三場 多賀家陣屋の場
  二幕目  第一場 四条河原の場
       第二場 今出川道具屋の場
       第三場 妙覚寺裏手の場
  三幕目  第一場 和州倉狩峠の場
       第二場 倉狩峠一つ家の場
       第三場 倉狩峠古宮の場
       第四場 元の一つ家の場
  大 詰  第一場 合法庵室の場
       第二場 閻魔堂の場

左枝大学之助/立場の太平次  仁左衛門
田代屋与兵衛  錦之助
田代屋娘お亀  孝太郎
孫七  坂東亀蔵
太平次女房お道  吉弥
お米  梅丸
番頭伝三  松之助
升法印  由次郎
関口多九郎  権十郎
田代屋後家おりよ  萬次郎
高橋瀬左衛門/高橋弥十郎  彌十郎
佐五右衛門  團蔵
うんざりお松/弥十郎妻皐月  時蔵

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/04/18

【オペラ】尻上がりに良くなった「アイーダ」新国立劇場

 新国立劇場開場20周年を飾るにふさわしい壮大なオペラ。新国立のプロダクションは、奇をてらわない重厚で壮大なセットが見ものです。

 ところが開始早々、ラダメス役のナジミディン・マヴリャーノフが歌う「清きアイーダ」が?の出来。声量もないし、声質もさだまらず、音程も不安定。対するアイーダのイム・セギョンは声量こそ圧倒的ですが、叫び声のようなちょっと耳障りな声質。重唱では一人だけ前にでちゃってます。こりゃもう新国立劇場合唱団のコーラスをメインに聞くしかないかな、という感じでした。
 しかし、マヴリャーノフもセギョンも尻上がりに良くなっていき、マヴァリャーノフは声量もある程度でてきて伸びやかな声を聞かせてくれましたし、セギョンも声量をちょっと抑えめにしてバランスもよくなり、心のこもった繊細な声を披露してくれました。最後の「さらばこの世よ涙の谷よ」はとても感動いたしました。
 ひょっとしたら初日だったのかなと思いましたが、ぽん太が聴いたのは2日目だったようです。

 最初のおぼつかない状態を救ったのがアムネリスのエカテリーナ・セメンチュク。とても安定した見事な歌声で、ちょっと声量はないけど、さすがベテラン。巧みな表現力で舞台を引き締めてくれました。

 アモナズロの上江隼人が外人勢に引けを取らない迫力ある歌声で、満足できました。ランフィスが妻屋秀和。新国立合唱団はいつもながらの素晴らしい合唱で、スケールの大きい舞台を支えてくれました。

 パオロ・カリニャーニ指揮の東京フィルハーモニー交響楽団は、キレのあるダイナミックな演奏だった気がします。バレエも楽しかったです。

 終わってみれば大満足。凱旋の場面も素晴らしかったし、久々に舞台全体が動く新国立の装置を見ることもできましたhappy01。今回はお金をかけましたね。やっぱり「アイーダ」はいいな、と思える舞台でした。


新国立劇場 開場20周年記念特別公演
オペラ「アイーダ」/ジュゼッペ・ヴェルディ

新国立劇場・オペラパレス
2018年4月8日

公式サイト

指揮:パオロ・カリニャーニ
演出・美術・衣裳:フランコ・ゼッフィレッリ
照明:奥畑康夫
振付:石井清子

アイーダ:イム・セギョン
ラダメス:ナジミディン・マヴリャーノフ
アムネリス:エカテリーナ・セメンチュク
アモナズロ:上江隼人
ランフィス:妻屋秀和
エジプト国王:久保田真澄
伝令:村上敏明
巫女:小林由佳

合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/03/23

【仏像】不空羂索観音ほか、奈良時代の10像。東大寺法華堂(三月堂)

597pxtodaiji_monaster_fukukensaku_k
 この記事の仏像の画像は、東大寺法華堂|Wikipediaからのパブリックドメインの写真です。
 東大寺の三月堂は、建物時代も奈良時代の部分が残る国宝ですが、なかには10体の天平仏が収められております。もともとは16体の仏様がおられましたが、改修に伴って、6体は東大寺ミュージアムに移されています。
 以前に来たのはいつのことか。ひょっとしたら修学旅行以来かも。

Img_8267
 堂の中には大きめの仏像が10体立ち並び、しかも天平時代の脱活乾漆造の古風なお姿ですから、とても重々しく荘厳な光景です。


【寺院名】華厳宗大本山 東大寺 法華堂(三月堂)
【公式サイト】http://www.todaiji.or.jp/contents/guidance/guidance5.html
【住所】奈良県奈良市雑司町406-1
【拝観日】2018年3月7日
【拝観】常時可能。拝観料600円。
【仏像】
不空羂索観音立像 脱活乾漆造 像高362.0cm 奈良時代 国宝
梵天・帝釈天立像 脱活乾漆造 像高:梵天402.0cm、帝釈天403.0cm 奈良時代 国宝
金剛力士立像 国宝(阿吽) 脱活乾漆造 像高:阿形像326.4cm、吽形像306.0cm 奈良時代 国宝
四天王立像 脱活乾漆造 像高:持国天309cm、増長天300cm、広目天304cm、多聞天310cm 奈良時代 国宝


 御本尊は、冒頭の写真の不空羂索観音菩薩さま。像高362cmで、他の像とあまり大きさがかわりなく、帝釈天や梵天より低かったりしますが、台の上に乗っているのと、その独特のお姿で、存在感を放ってます。
 額の中央に縦に目があり、三目八臂のお姿で、 とても神秘的です。羂索(投げ縄)を持っております。これで衆生をお救いくださるのですね。
 観音菩薩は、さまざまに姿を変えて現れると考えられておりますが、不空羂索観音もその一つで、漢訳経典のなかでは隋時代の6世紀後半に訳された「不空羂索呪経」に初めて現われ、唐時代の8世紀初めに訳された「不空羂索神変真言経」に像容などが詳しく書かれているそうです(不空羂索観音 - Wikipedia)。
 荘厳さを加えている光背も当初のものだそうですが、現在は位置がかなり下がって取り付けられているそうです。

 梵天・帝釈天の写真は、例えばこちらのサイトのまんなかあたりにあります。
 向かって右が梵天、左が帝釈天です。梵天様がよろいをきてますが、一般には帝釈天がよろいを着てるそうで、なんらかの理由で入れ替わった可能性もあるそうです。
 いわれはさておき、どっしりと重量感があるお姿です。

379pxtodaiji_monastery_kongorikishi
 金剛力士は、いわゆる仁王様ですが、山門でよくみかけるお姿とは違い、よろいを身につけております。向かって右が吽形、左が阿形と、通常とは逆の配置です(南大門と同じですね)。
 写真は阿形。髪の毛の逆立ち方がハンパないですね。

395pxtodaiji_monastery_shitenno_of_
 四天王のうち広目天のお写真です。
 四天王さまも、鎌倉時代の躍動的な像とはことなり、どっしりとして古風ですね。躍動感はありませんが存在感はあります。
 四天王像や金剛力士像、なんか薄っぺらい感じが。真横から見えないのでよくわからないのですが、腰からお尻にかけての厚みが薄いような気がします。前方から見るのを意識して作られているのかもしれません。

 三月堂には、このほか国宝の執金剛神立像がありますが、これは秘仏で、12月16日のみ公開されます。ご縁があったら拝観したいものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/03/22

【オペラ】ハイレベルな歌手陣「愛の妙薬」新国立劇場

 カラフルでポップで楽しいチェーザレ・リエヴィ演出の「愛の妙薬」。こんかいは歌手陣のレベルも高く、楽しいだけじゃなく、とっても感動的な舞台でした。

 ネモリーノ役のサイミール・ピルグは、体格はけっして大きくないけど、ふくらみのある表情豊かな歌声。声量も豊かで、パヴァロッティに教えを受けたというのがうなづけます。「人知れぬ涙」も素晴らしかったですが、ちょっと声量を抑えていたのと、細かいところにまだ難点がある感じでした。

 アディーナのルクレツィア・ドレイは、ちょっとキンキンした声はぽん太の好みではないのですが、顔の表情が豊かで演技もうまく、コメディにはぴったり。後半から終盤にかけてのテクニックはは素晴らしく、ピルグよりも目立ってる感じでした。

 前回もドゥルカマーラを歌ったジローラミの、洒落っ気たっぷりな歌と演技は言うまでもありません。ベルコーレの大沼徹も検討。


オペラ「愛の妙薬」/ガエターノ・ドニゼッティ
L'elisir d'amore / Gaetano DONIZETTI

2018年3月18日
新国立劇場 オペラパレス

公式サイト

指 揮:フレデリック・シャスラン
演 出:チェーザレ・リエヴィ
美 術:ルイジ・ペーレゴ
衣 裳:マリーナ・ルクサルド
照 明:立田雄士
再演演出:澤田康子
舞台監督:髙橋尚史

アディーナ:ルクレツィア・ドレイ
ネモリーノ:サイミール・ピルグ
ベルコーレ:大沼徹
ドゥルカマーラ:レナート・ジローラミ
ジャンネッタ:吉原圭子

合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/03/21

【演劇】(ネタバレあり)三谷幸喜お得意のアンジャッシュ物「江戸は燃えているか」

 「新橋演舞場史上、もっとも笑えるコメディ」というあおりに釣られて、ひさびさに三谷幸喜の芝居を観に行ってきました。まさしく抱腹絶倒。まわりのお客さん、うるさくて申し訳ありませんでした。

 三谷幸喜の原点のアンジャッシュ物というか、入れ替わり物。もしも勝海舟が気の小さい男だったら、という設定で、江戸に進軍してきた西郷隆盛と会おうとしないので、庭師を替え玉にして西郷と会談させるというお話。そのあと勝海舟が今さらながら「よし、俺は西郷に会うぞ!」などと言い始めるので、今度は西郷の替え玉を立てて……。
 
 出だしは「あんまり笑えないな〜」という感じで観てたんですが、だんだんとあったまってきて、最後は大笑いでした。
 特にぽん太のツボにはまったのは、本物の勝海舟を西郷隆盛がしげしげと眺め、「ん〜?この人にはどこかで会った気がするぞ。そうだ、思い出した……」という下り(観てない人はわかんないですね)。てっきり「あなたが2年前に会った本物の勝海舟さんじゃ」と言うのかと思ったら、「ただいまおじさん!!」。そっちかよ。
 それから、海舟の長女「ゆめ」がとことこ出てきて、いきなり西郷さんの膝の上に座るところ。え?これってなんだっけ?と一瞬考えてから、あゝ、あの続きね、と笑いがこみ上げてきました。
 天璋院篤姫様もおかしかったです。

 海舟役の中村獅童が気炎を吐いてました。立派なコメディアンに成長したものです。でも、歌舞伎も頑張ってね。台詞回しになんか野田秀樹が入ってる感じ。アドリブっぽいところも、長々と演じていておかしかったです。舞台上の役者さんも吹いてましたね。
 藤本隆宏の西郷隆盛がしっかりした演技でした。この役をきちんとそれらしく演じてないと、この芝居は面白くありません。ぽん太はあまり芝居やドラマを見ないので役者さんには詳しくないのですが、さぞかし実力のある俳優さんじゃないかと思ってぐぐってみたら、元水泳のオリンピック選手なんですね〜。いい芝居してました。
 TOKIOの松岡昌宏もなかなか上手で、特にカッコいいポーズやキザなセリフがが決まってました。やっぱりジャニーズですね。
 
 ラストの「いと」が平次を小刀で刺してしまい、平次がふらつきながらもカッコよく花道を駆けてくシーン、とってつけたみたいなのは別にいいんですけど、もうちょっと膨らまして、ぐっと引き込まれるようなシーンにしてほしかったです。


PARCO Production 三谷幸喜新作書き下ろし

江戸は燃えているか
TOUCH AND GO

2018年3月15日
新橋演舞場

特設ページ

作・演出:
  三谷幸喜

出演
  中村獅童  
  松岡昌宏
  松岡茉優
  高田聖子
  八木亜希子
  飯尾和樹
  磯山さやか
  妃海風
  中村蝶紫
  吉田ボイス
  藤本隆宏
  田中圭

美術:金井勇一郎 
衣裳:宮本宣子 
照明:服部基 
音楽:栗コーダーカルテット
音響:井上正弘 
ヘアメイク:河村陽子 
時代考証:山村竜也 
薩摩弁考証:迫田孝也
演出助手:城野健 
舞台監督:南部丈

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/03/16

【クラシック】マーラー5番の弦が美しい。ズヴェーデン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック

 前回ニューヨーク・フィルの演奏を聴いたのはマゼールの頃でしたが、会場のオペラシティが割れんばかりの大音響でした。それに比べると(当たり前か?)今回のスヴェーデンの演奏は、バランス良くまとまっている印象でした。

 ズヴェーデンという指揮者はぽん太は初めてですが、1960年生まれのオランダ人。元々はヴァイオリニストで、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のコンサートマスターをしておりました。指揮を始めたきっかけが面白く、コンセルトヘボウ管弦楽団がバーンスタインとツアーをしていた時、ホールの響きを確認したいからとズヴェーデンにマーラーの1番を指揮させました。それを聴いたバーンスタインが「君はよいヴァイオリニストだが、もっとよい指揮者になれるだろう」と言ったんだそうです(ぶらあぼ)。

 メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、席のせいもあったのかもしれませんが、五嶋龍のヴァイオリンの音がぜんぜん届いてきませんでした。なんか軽い弾き方で、メンデルルゾーンの情熱もメランコリーも伝わって来ず、お座敷芸を見ているかのようでした。 第三楽章も迫力がなく、お茶目な感じで、冒頭のオケのターンターンタタンのあとのタラララランという音も、いたずらっ子みたいな弾き方でした。オケもソロリソロリと音を出してる感じで、ぽん太は完全なる不完全燃焼でした。

 マーラーの5番はさすがに聞き応えがありました。元ヴァイオリニストだったせいか、弦楽の響きやニュアンスは素晴らしく、従って第4楽章は絶品でした。天国的というよりは、叙情的な演奏でした。ただ管楽器や打楽器は、テクニックこそ最高ですが若干抑え気味で(席のせいもあるかと思いますが)、バランスがいいと言えばいいのですが、もうちょっとパンチがあってもいいような気がしました(マゼールの印象が残っているせいかも)。

 アンコールはヴァグナーの「ローエングリーン」第三幕への前奏曲でしたが、これは音を思いっきり出しまくり、実際のオペラだったらこんな演奏はしないだろうという、アンコールっぽい演奏でした。

 ズヴェーデンのニューヨークフィル、ちょっと派手さはないけど、さすがに超一流の演奏でした。


ニューヨーク・フィルハーモニック

2018年3月14日
サントリーホール

KAJIMOTOの公式サイト

オーケストラ: ニューヨーク・フィルハーモニック
指揮: ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン
ヴァイオリン: 五嶋 龍


メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
             (ヴァイオリン: 五嶋 龍)
マーラー: 交響曲第5番 嬰ハ短調

アンコール ヴァグナー:「ローエングリン」から 第3幕への前奏曲

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/03/15

【オペラ】コニエチュニーとコルチャックがお見事「ホフマン物語」新国立劇場

 新国立劇場オペラの「ホフマン物語」は以前に見たプロダクション。フィリップ・アルローのカラフル美術が美しいです。

 リンドルフほかを歌った新国立劇場初登場のトマス・コニエチュニーが素晴らしかったです。ぽん太は2016年のウィーン国立歌劇場来日公演で「ワルキューレ」のヴォータンを聞きました。その時のシリアスな歌声もすごかったですが、今回のちょっと滑稽な悪役も良かったです。動物が吠えているような深みのある声で、演技も抜群でした。ホフマンのディミトリー・コルチャックも声量では負けず、伸びやかな明るいテノールを聞かせてくれました。
 ふたりに比べると、ニクラウス/ミューズのレナ・ベルキナはちょっと精彩がなかったです。音程も不安定だったし、声に透明感がありませんでした。
 オランピアの安井陽子のコロラトゥーラはお見事!砂川涼子のアントニアは清楚な感じが良かったですが、高音で柔らかさが欠けるのが残念。
 
 でもオペラとしては、長い割に、そんな感動するアリアもないし、劇的な物語もないし、ちょっといまいちな感じもしました。

オペラ「ホフマン物語」/ジャック・オッフェンバック
Les Contes d'Hoffmann / Jacques OFFENBACH

2018年2月28日
新国立劇場オペラパレス

公式サイト

指 揮:セバスティアン・ルラン
演出・美術・照明:フィリップ・アルロー
衣 裳:アンドレア・ウーマン
振 付:上田 遙
再演演出:澤田康子
舞台監督:斉藤美穂

ホフマン:ディミトリー・コルチャック
ニクラウス/ミューズ:レナ・ベルキナ
オランピア:安井陽子
アントニア:砂川涼子
ジュリエッタ:横山恵子
リンドルフ/コッペリウス/ミラクル/ダペルトゥット:トマス・コニエチュニー
アンドレ/コシュニーユ/フランツ/ピティキナッチョ:青地英幸
ルーテル/クレスペル:大久保 光哉
ヘルマン:安東玄人
ナタナエル:所谷直生
スパランツァーニ:晴 雅彦
シュレーミル:森口賢ニ
アントニアの母の声/ステッラ:谷口睦美
ほか

合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/03/14

【歌舞伎】玉三郎のお軽に感動「祇園一力茶屋の場」2018年歌舞伎座夜の部

 最後の「仮名手本忠臣蔵」祇園一力茶屋の場、玉三郎のお軽の演技に、とにかく感動しました。

 決まりきまりのポーズの美しさは言うまでもありませんが、ぶりっ子の程度もほどよく、逃げいていった花道の戸の外でウジウジ言ってるのも適度なおかしさ。
 何といっても素晴らしかったのは、夫勘平の死を聞かされて泣き崩れる場面。父親の死を聞かされた時は普通に驚いて泣いておりましたが、勘平の死を聞かされた玉三郎は、一瞬気を失ったかのようにコロリと仰向けにころがりました。そしてその後、美しい表情を歪めて泣きじゃくりました。乙女のお軽ちゃんが、周りからどう見えるかを忘れてワーワー泣きじゃくる姿に、ぽん太も思わずもらい泣き。平右衛門の仁左衛門が、「お前が手紙を見てしまったのが運の尽きだ。もう死ぬしかない」みたいなことを説きますが、お軽ちゃんはそんなこと聞いてません。なによりも勘平の死を嘆き続けます。お軽が自分の首を差し出すのは、手紙云々の理屈からではなく、勘平のいない現世にはもう未練がないからだ、ということがよくわかりました。
 玉三郎の七段目のお軽は、はるか昔に見た気がするけど、こんなだったかな?演技を変えたのかどうか、タヌキのぽん太は前回の演技を全く覚えていないので、皆目わかりません。
 仁左衛門のうまさはいつもどおり、白鴎の由良之助も悪くなかったです。染五郎の力弥も色気を感じました。

 幸四郎の「熊谷陣屋」はちと残念。熊谷直実の風格が感じられませんでした。体が細いのは仕方ないけど、芸で大きさを表現して欲しいところ。また、時代物らしい様式美がなく、現代劇っぽいのも欠点。しかし最後の花道での表情は、逆に現代劇っぽいところが生きて真に迫っていて、思わず引き込まれました。
 魁春の相模、菊五郎の義経が素晴らしかったです。

 「壽三代歌舞伎賑」は、高麗屋三代同時襲名を祝っての演目で、口上も入ってます。歌舞伎役者総出といった感じでした。


歌舞伎座百三十年

松本幸四郎改め 二代目 松本白 鸚
市川染五郎改め 十代目 松本幸四郎 襲名披露
松本金太郎改め 八代目 市川染五郎

二月大歌舞伎
平成30年2月25日
歌舞伎座

公式サイト

夜の部

  一谷嫩軍記
一、熊谷陣屋(くまがいじんや)

  熊谷次郎直実  染五郎改め幸四郎
  熊谷妻相模  魁春
  藤の方  雀右衛門
  梶原平次景高  芝翫
  亀井六郎  歌昇
  片岡八郎  萬太郎
  伊勢三郎  巳之助
  駿河次郎  隼人
  堤軍次  鴈治郎
  白毫弥陀六  左團次
  源義経  菊五郎


  今井豊茂 作
二、壽三代歌舞伎賑(ことほぐさんだいかぶきのにぎわい)
  木挽町芝居前
  二代目松本白 鸚
  十代目松本幸四郎 襲名披露口上
  八代目市川染五郎

  幸四郎改め白鸚
  染五郎改め幸四郎
  金太郎改め染五郎

  木挽町座元  菊五郎
  芝居茶屋亭主  仁左衛門
  茶屋女房  玉三郎
  男伊達  左團次
  同  又五郎
  同  鴈治郎
  同  錦之助
  同  松緑
  同  海老蔵
  同  彌十郎
  同  芝翫
  同  歌六
  女伊達  魁春
  同  時蔵
  同  雀右衛門
  同  孝太郎
  同  梅枝
  同  高麗蔵
  同  友右衛門
  同  東蔵
  同  秀太郎
  表方  廣太郎
  役者  錦吾
  高麗屋番頭  猿之助
  町火消組頭  楽善
  木挽町町年寄  我當
  江戸奉行  梅玉
  太夫元  吉右衛門
  芸者  藤十郎
     
   
三、仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
  祇園一力茶屋の場

  大星由良之助  幸四郎改め白鸚
  大星力弥  金太郎改め染五郎
  赤垣源蔵  友右衛門
  富森助右衛門  彌十郎
  矢間重太郎  松江
  斧九太夫  錦吾
  遊女お軽  玉三郎
  寺岡平右衛門  仁左衛門

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧