【オペラ】「スペードの女王」ゲルギエフ/マリインスキー・オペラ
あ
先週のウィーン・フィルに引き続き、本日はベルリン・フィル。世界一流のオケを続けて聴けるなんて、日本はいい国だなあ。
メータがすっかり老け込んでいるのに驚きました。杖をつきながらゆっくり舞台に現れ、椅子に座って指揮をしてました。
前回見たのは5年前で、イスラエル・フィルで、ベジャール・バレエの「第九」を振ったとき。その時は普通に元気でした。
しかし、体は衰えても音楽は素晴らしい! メータがちょっと指揮棒を動かしただけで、ベルリンフィルがものすごく反応。
席は前方の右端で、弦楽奏者の脚しか見えませんでした。でも、奏者たちが演奏中に足を盛んに動かし、ピクピクさせたり、踏み変えたり、時にはリズムをとったりして、全身で楽器を弾いていることがよくわかりました。
それから、「英雄」を上皇夫妻がお聞きに来られたのですが、場所的にぽん太の席のすぐ上で、間近でお姿を拝見することができました。上皇夫妻にお目にかかるのは生まれて初めてかな? 天皇陛下は何度も会ってるのですが(山ですれ違ったこともあります)。
「ドン・キホーテ」はあんまり聴き込んでいる曲ではないので、良し悪しはよくわからず。色彩豊かで、まるでオペラを観たかのようなストーリー性を感じました。
「英雄」は、奇をてらったところのないオーソドックスな演奏でしたが、すべての楽器がどれひとつ埋没することなく響き合ってベートーヴェンの交響曲を作り上げ、堂々たる貫禄の演奏でした。「ベートーヴェンは普通に演奏すればいいじゃん。なんで小細工する必要があるの?」と言っているかのようでした。ベルリンフィルの演奏も、すごい集中力で目一杯演奏している感じでした。とても感動しました。
ズービン・メータ指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2019年11月20日(水) 19:00開演
サントリーホール 大ホール
指揮:ズービン・メータ
チェロ:ルートヴィヒ・クヴァント
ヴィオラ:アミハイ・グロス
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
R.シュトラウス:交響詩『ドン・キホーテ』 Op.35
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 Op.55 「英雄」
久々にミハイロふスキー劇場バレエを見に行ってきました。
演目は「パリの炎」にしてみたのですが、失敗だった……。ストーリーが単純すぎるというか、子供騙しのようなお話。パフォーマンスでは、最後のグランフェッテでヴォロンツォーワがドゥブルを入れまくるなど悪くはなかったのですが。「舞台」としては退屈でつまらなかったです。客席も、半分ぐらいしか埋まってなかったかな。
ナチョ・ドゥアドが芸術監督になったとのことで、ちょっと期待していたのですが、それなら彼が振り付けた「眠りの森の美女」を観に行けばよかったです。下調べが足りませんでした。
イワン・ザイツェフも安定した踊りでしたが、目をみはるほどのところはありませんでした。イリーナ・ペレンはさすがに魅力的。
ミハイロフスキー劇場バレエ
「パリの炎」
・公式サイト
作曲:B.アサフィエフ
振付:V.ワイノーネン
改定振付:M.メッセレル
2019年11月21日(木)15:30開演
東京文化会館大ホール
ガスパール(農夫) ロマン・ペチュコフ
ジャンヌ(農夫ガスパールの娘) アンジェリーナ・ヴォロンツォーワ
ジャック(農夫ガスパールの息子) アレクサンドラ・バトゥーリナ
フィリップ(マルセイユの青年) イワン・ザイツェフ
ディアナ・ミレイユ(女優) イリーナ・ペレン
アントワーヌ・ミストラル(俳優) ヴィクトル・レベデフ
みなさん、お久しぶりです。ぽん太、生きてます。
ちょっと忙しくて、ブログを書くひまがありませんでした。
昨夜はウィーンフィルを聴いてきました。席はP席の一番前。
そう、ステージの奥にある席です。
この席は、音のバランスは悪いですが、指揮者を真正面から見ることができるのが楽しみです。
最初はラフマニノフのピアノ協奏曲第3番。先日、マツーエフ、ゲルギエフで凄い演奏を聴いた曲です。
し、しかし、ピアノが聴こえない。考えてみればあたりまえです。ピアノの音は、反響板によって、向こう側に行ってしまうのですから。そのかわり、目の前にあるホルンがすごい音で響いて来ます。ご存知かと思いますが、ホルンの開口部は後ろを向いているので、音が直接こちらに響いて来ます。まるでマフラー外した族車が目の前で何台も空ぶかししている感じです。
いろいろ試しているうちに、やや上を向いて、反響を聞くようにすると、比較的バランスよく音が聴こえることがわかりました。
ピアノのブロンフマンは、もちろんぽん太は初めて。テクニックは素晴らしいです。マツーエフのような鬼気迫る爆発力はありませんが、そのかわり叙情性が素晴らしかったです。ラフマニノフ独特の感傷や苦悩、そして優しさが伝わって来ました。
ピアノアンコールの、ベートーヴェンのピアノソナタ第7番の第4楽章も、テンポ感というか構造性を消して、語りかけるような、戯れるような演奏。まったく違った曲に聞こえました。
指揮のオロスコ゠エストラーダも初めてでした。コロンビア生まれだそうですが、いわゆるラテン系というよりは、ちょっとインディオが入った感じ。笑みを浮かべながら指揮しているのが印象的でした。
さてP席、ラフマニノフはバランスが悪かったですけど、「春の祭典」の迫力は凄かった。目のまで金管が鳴り響き、打楽器が連打!多少のバランスの乱れは関係にゃい!
ちょっとインディオが入った系のエストラーダですが、さすがに南米のリズム感は健在で、ノリノリでした。
アンコールはヨーゼフ・シュトラウスの『憂いもなく』。シュトラウスを演奏するウィーンフィルは、本当に楽しそう。エストラーダが途中で客席を向いて、ティンパニに合わせて拍手を要求。観客が戸惑っていると、「ダメダメ、ほら、あれに合わせて」みたいなジェスチャーをして、面白かったです。
ウィーン・フィルハーモニー 管弦楽団 2019年来日公演
・サントリーホールの公演案内
2019年11月13日(水) 19:00開演
サントリーホール 大ホール
指揮:アンドレス・オロスコ゠エストラーダ
ピアノ:イェフィム・ブロンフマン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 作品30
ストラヴィンスキー:バレエ音楽『春の祭典』
アンコール曲
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調 作品10-3より第4楽章(ピアノ・アンコール)
ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル『憂いもなく』 作品271
歌舞伎座の八月納涼歌舞伎は、第一部のみ観劇。
第一部のお目当は、もちろん七之助が初役で政岡をつとめる「伽羅先代萩」ですが、勘太郎の千松、長三郎の鶴千代からも目が離せません。
「竹の間」は省略で「御殿」から。その代わり「飯炊き」が付いてました。長三郎くんの「政岡が代わりにそちが行け」を楽しみにしてたので、ちと残念でした。
長三郎の鶴千代は、なんだかぽーっとしている感じで可愛かったです。高貴さはありません、というか、育ちのいいぼんぼんみたいな感じ。昨年11月の「実盛物語」の太郎吉の時は、じっとしてるのも大変という感じでしたが、こんかいはそんな心配もなく、ちゃんと演技してました。う〜ん、子供の成長は早いですね。
勘太郎の千松は立派。この役はたいてい、子役が演じて可愛いな〜という感じですが、勘太郎はきっちり歌舞伎として演じており、歌舞伎的な型や動き方の面白さを感じられました。
対照的なこの二人の成長、ホントに楽しみですね。
七之助の初役の政岡、しっかりと演じており、破綻はありませんでした。さすがに飯炊きは手順に追われてる感じて、ちょっとバタバタしていて、動作に見とれるとこまでいきませんでした。
殺された千松に対し、ついに母親の心情をあらわにして泣き叫ぶところは、猿之助の真似をしたのかわからないけど、ちょっとやりすぎでぽん太は好きではありません。悲しみを観客に伝えるのではなく、観客の拍手をもらおうという感じに聞こえました。
幸四郎が八汐と仁木弾正。八汐はちょっとダミ声でしたが、悪くありませんでした。仁木弾正は巨悪の風格と美しさがありました。児太郎の沖の井。扇雀の栄御前。巳之助の荒獅子男之助は勢いがありました。
「闇梅百物語」は、化け物が次々と出てくる楽しい舞踊。一本足の傘を踊った歌昇、宙乗りまであってご苦労様でした。
八月納涼歌舞伎
2019年8月21日
歌舞伎座
・公式サイト
第一部
一、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)
御殿
床下
乳人政岡 七之助
仁木弾正/八汐 幸四郎
沖の井 児太郎
一子千松 勘太郎
鶴千代 長三郎
小槙 歌女之丞
荒獅子男之助 巳之助
栄御前 扇雀
三世河竹新七 作
二、闇梅百物語(やみのうめひゃくものがたり)
骸骨/読売 幸四郎
傘一本足 歌昇
小姓白梅 新悟
河童 種之助
新造 虎之介
籬姫 鶴松
狸/大内義弘 彌十郎
雪女郎 扇雀
にゃん子が新聞の折込チラシをじっと見つめていると思ったら、「これ、行きたい」とのこと。
見ると、往年のヒット歌手がおおぜい参加するコンサート。にゃにゃにゃ、にゃ〜んだこれは!?
実はにゃん子は若かりしころ、参加する歌手の一人であるあいざき進也の大ファンで、なんどもコンサートに行ったことがあるんだそうである。ぽん太はあまり食指が動かなかったのですが、リリーズが「好きよキャプテン」を歌うと知り、行ってみることにしました。せっかくなので、7列目まで限定のプレミアムシートを取ってみました。
そもそもぽん太は、歌謡曲のコンサートに行ったことがありません。ってゆ〜か、義務教育時代にクラスメートがフォークソングだ天地真理だと言ってた時に、ストラビンスキーだバルトークだと言ってる変なやつでした。とはいえテレビに歌謡曲があふれていて、普通に行きていると自然に耳に入って来て、いつの間にか聞き覚えているという時代でした。
ただ、にゃん子に言われてまず思ったのは、こんな往年のスターが揃って出るコンサートがあるのかよ、という疑問でした。これって詐欺なんじゃない? チラシがいかにもチープですし、主催者の「夢グループ」という名前も怪しい。調布市グリーンホールの予定表を見ても、このコンサートが出てない。しかし、「夢グループ、詐欺」で検索してみたところそんな心配はなく、本体は通販の会社ながら、森昌子のコンサートなども企画しているとのことで、安心して出かけました。
夢グループ社長の石田重廣氏が白いスーツで登場し、自ら前説を行ったあとコンサートを開始。昔テレビで見たスターたちが、50〜80歳くらいのおじさん、おばさんになって登場して来ます。でも、ぽん太も同じだけ年取ったんだからね〜。
うれしいのは、それぞれの歌手が、昔の大ヒット曲を歌ってくれるところ。リリーズなら「好きよキャプテン」、辺見マリなら「経験」、桑江知子なら「私のハートはストップモーション」といった具合。みんな新曲を歌いたいだろ〜けど、ぐっとこらえて往年のヒット曲を歌ってくれるのがありがたいですね。
上に書いたように、ぽん太は歌謡曲を生で聴くのは初めてでしたが、もちろんクラシックとは全然違いますが、それぞれうまかったし、味がありました。なかでも何人かの歌、特にザ・タイガースの加橋かつみの「花の首飾り」には感動しました。
みんなとても丁寧に歌をうたい、さらにファンサービスも素晴らしいのには驚きました。平浩二が「バス・ストップ」を歌いながら、客席に降りて来てくれたのですが、一人ひとり本当に丁寧に握手をしていました。
にゃん子は、途中のトークで客席に現れたあいざき進也を、両目をハートにして見つめていたせいか、なんとマイクを向けてインタビューしてくれて、ペンライトをプレゼントしてもらってました。休憩時間にはツーショットで写真を撮り、さっそく携帯の待ち受け画面にしてました。よかったね。
あべ静江のトークも上手でした。
「夢スター歌謡祭 春組対秋組歌合戦」
2019年7月18日
調布市グリーンホール
【チーム春組】
石井明美、おりも政夫、葛城ユキ、加橋かつみ、黒沢年雄、桑江知子、ZERO、平浩二、高道、保科有里、ロザンナ
【チーム秋組】
あいざき進也、晃、あべ静江、伊藤咲子、江木俊夫、大野真澄、西口久美子、辺見マリ、三原綱木、三善英史、リリーズ
(※多少違いがあるかもしれません。)
※日本での全公演が終わってますので、ネタバレありの感想です。
こんかいの新国立の「トゥーランドット」は新制作。
大野和士が芸術監督になってから、伝統的な演出のオペラより、斬新な舞台が増えてきており、今回も期待できます。
予習のため事前に、今回の演出を担当するアレックス・オリエのインタビューを読んで見たところ、斬新な演出で、結末も変えるようなことも書いてあって、さらに期待が高まります。
幕があくと、女性が娘と「せっせっせ」みたいなことをして遊んでおり、そこに男がやってきて女性を連れ去ろうとし、娘が逃げ出すという寸劇が行われます。
これは、第2幕第2景でトゥーランドットが、なぜ求婚者に謎を出して次々と殺していくのか説明する部分に対応しております。そこでトゥーランドットは次のように言います。幾千年も前にルー・リン姫がこの国を治めていたが、タタールの王に敗れ、姫は引き摺り出されていった。その時の叫び声と彼女の死が私の心に宿っていて、いま復讐をしているのだと。
幾千年も前というのは昔すぎて時代が合わない気もしますが、そんな話です。ということは、連れ去られた女性がルー・リン姫なのか?
こちらのオペラ『トゥーランドット』リハーサル映像という動画を見ると、オリエは、「台本に書いてありますが、トゥーランドットの祖母が異国の男性に乱暴、暴力を受けた」と言ってます。すると逃げ去った子供がトゥーランドットなのか。
字幕の翻訳が間違ってるのか?ぽん太はスペイン語はわかりませんが、よく聞いて見ると、確かにabuela(祖母)と言っているようですね。
まさかオリエの勘違い。それともオリエの読み替えでしょうか。ホントは祖母が暴力を受けたのだけれど、そのことを国民におおっぴらに言うことは恥辱なので、遠い昔の話にしていたとか……。
まあ、いいや。
さて、いよいよ現在の物語が始まりますが、セットがすごい。舞台の奥と、両側面が、ジグザクの階段でちょっと強迫的に埋め尽くされた壁になっていて、ちょっと近未来的な地下工場のような雰囲気。そして地面にはボロボロの衣装をまとった民衆がうごめいております。こ、これはまるで「ギガ国」ではないか!
映画「ブレードランナー」や、「メトロポリス」も思い出します。「ブレードランナー」に関しては、演出のオリエ自身が言及しているみたいですね。
プッチーニは、リューの自刃までの楽譜を書き上げたところで、「トゥーランドット」を完成することなく、1924年にこの世を去りました。ちなみに死因は喉頭癌です。そして残されたスケッチをもとに、未完部分をフランコ・アルファーノが補作し、1926年に初演されました。ちなみに初演の指揮はアルトゥーロ・トスカニーニ、場所はミラノ・スカラ座です。初演のまさに初日、トスカニーニは、プッチーニの作曲部分が終わったところで指揮を止め、「マエストロはここで筆を絶ちました」と言って幕を閉めたという逸話がありますが、これにはプッチーニに対する敬意だけではなく、アルファーノに対する対抗意識も含まれていたそうです。
で、「トゥーランドット」はプッチーニ最晩年の作品ということで、音楽的にはヴァーグナーやドビュッシーや、さらにはシェーンベルクなどの影響も受けておりました。そういう意味で、音色や和音進行がとても現代的なのですが、こういう演出で聴くとそれがさらに際立って、近未来的な風景にまったく違和感がありませんでした。
さてエンディング。これは絶対ラストに読み替えがあるぞと踏んでいたのですが、いつものストーリーのまま普通に進行。トゥーランドットが「彼の名は、愛」と歌って、あれれ、このまま終わるのかと思ったら、いきなりナイフを取り出し、リューと同じように自ら首を掻き斬って自害いたしました。
そ、そう来たか……。
普通はリューの死に、愛の尊さを学ぶんですが、あんたはそこを学んだんかい。リューの屍を見つめて何やら考え込んでいたけど、そんなこと考えていたの? なんか空気読めないやつ。
ということで、トラウマとか、ラストの読み替えとかが、ズバッと成功しているようには思えなかったのですが、このあたりをどう解釈するかは、聴衆に任されている部分もあるのでしょう。でも、伝統的な演出にもちと飽きていたので、意欲的で面白い演出だと感じました。
歌手ですが、当日初めて知ったのですが、こんかいの公演はダブルキャストでした。新国立オペラでは初めての企画ですかね。ぽん太の行った日のメンバーは下に書いてあったから、二軍か?
でも、タイトルロールのジェニファー・ウィルソンや、カラフのデヴィッド・ポメロイは、声量もあって悪くなかったです。ちょっとウィルソンの体型が気になったけど。
新国立では「カルメン」のミカエラ役でお馴染みの砂川涼子がリューを歌い、これも透明で清楚で素晴らしかったです。妻屋秀和のティムールは、自害したリューに語りかける場面が涙を誘いました。
オケが今回は、大野和士が音楽監督をしているバルセロナ交響楽団。見ればちょうど来日公演をしていたのね。なるほど。新国立オペラで外国のオケが入ったのは、ぽん太が知る限り初めてでした。
オケの出来栄えはぽん太にはわからないのですが、ラテン的な勢いのあるエネルギッシュな演奏だった気がします。
合唱は、今回は新国立に、藤原歌劇団とびわ湖ホール声楽アンサンブルが混ざっていましたが、よくまとまっていた気がします。
オペラ夏の祭典 2019-20 Japan↔Tokyo↔World
「トゥーランドット」
ジャコモ・プッチーニ ※フランコ・アルファーノ補筆
2019年7月21日
新国立劇場オペラパレス
・公式サイト
指 揮: 大野和士
演 出: アレックス・オリエ
美 術: アルフォンス・フローレス
衣 裳: リュック・カステーイス
照 明: ウルス・シェーネバウム
演出補 : スサナ・ゴメス
舞台監督 : 菅原多敢弘
トゥーランドット: ジェニファー・ウィルソン
カラフ : デヴィッド・ポメロイ
リュー : 砂川涼子
ティムール: 妻屋秀和
アルトゥム皇帝: 持木 弘
ピン: 森口賢二
ポン: 糸賀修平
パン: 秋谷直之
官吏: 成田 眞
合唱指揮 :三澤洋史
合 唱 : 新国立劇場合唱団/藤原歌劇団合唱部/びわ湖ホール声楽アンサンブル
児童合唱 : TOKYO FM 少年合唱団
管弦楽 : バルセロナ交響楽団
芸術監督 : 大野和士
制作 : 新国立劇場/東京文化会館撮
昨夜に引き続き、本日はBプロを鑑賞。
「世界初演」の長い新作を入れた、意欲的なプログラム。有名演目の見どころを並べたそこらのガラとは、ガラが違います。
その「マリア・カラス~踊る歌声~」は、マンチーニの振り付け。マリア・カラス自身が歌うアリアにのせて踊ります。
無学なぽん太は、元のオペラがどんな筋で、アリアがどんな状況で歌われるどんな歌詞なのか、あんまりわからなかったせいか、今ひとつ感動しきれませんでした。マンチーニの振り付けも、いつもながら、斬新な動きなどはなく、エレガントで美しい。しかしそれは俗っぽさと裏腹であり、4組のペアがそれぞれ色分けされた衣装を着ていたり、最後にダンサー全員がマリア・カラスのポートレイトに向かってお辞儀をしたりするのは、ちょっと興ざめにも思えました。
で、でも、悪くはなかったですよ。
こちらの記事(『マリア・カラス〜踊る歌声』(Bプロ)の全貌が明らかに!)によると、マンチーニは、今回出演したダンサーの個性に合わせて曲を選び、振り付けをしたそうです。演劇でいう「当て書き」みたいなもんですな。なるほど、このダンサーにこの振り付けを持って来たか〜あたりまで読み取って楽しめればいいんでしょうけど、哀しいかなぽん太にはそこまでの鑑賞眼はありません。
世界新作の前に、「ジュエルズ」から“エメラルド”と“ダイヤモンド”。衣装も踊りも見事でした。
「ル・グラン・ガラ」2019
2019年7月25日
文京シビックホール
・公式サイト
Bプロ
「ジュエルズ」より“エメラルド”
2 パ・ド・ドゥ
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ガブリエル・フォーレ
ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ
レオノール・ボラック、ジェルマン・ルーヴェ
「ジュエルズ」より“ダイヤモンド”
振付:ジョージ・バランシン
音楽:P.I.チャイコフスキー
アマンディーヌ・アルビッソン、ユーゴ・マルシャン
マリア・カラス~踊る歌声~(世界初演)
振付:ジョルジオ・マンチーニ
ヴェルディ『椿姫』
第1幕 前奏曲
出演:全員
(Abandonne 捨てられた)
ベッリーニ『夢遊病の女』
第2幕第2場 “ああ、信じられない”
出演:マチュー・ガニオ&アマンディーヌ・アルビッソン
(Jeuness et fraîcheur 若さと新鮮さ)
ベッリーニ『清教徒』
第1幕第3場 “私は美しい乙女“
出演:レオノール・ボラック&ジェルマン・ルーヴェ
(Solitude 孤独)
グルック『オルフェオとエウリディーチェ』
第3幕第1場 “われエウリディーチェを失なえり”
出演:オニール八菜&オードリック・ベザール
(Force 強さ)
ビゼー『カルメン』
第2幕 "ジプシーの踊り“
出演:ドロテ・ジルベール&アマンディーヌ・アルビッソン&
レオノール・ボラック&オニール八菜
(Une lettre de Maria Callasマリア・カラスの手紙)
ヴェルディ『椿姫』
第3幕 前奏曲
カタラーニ『ラ・ワリー』
第1幕 “さようなら故郷の家よ”
出演:マチュー・ガニオ&ジェルマン・ルーヴェ&ユーゴ・マルシャン&オードリック・ベザール
ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』
第4幕第1場 “恋はバラ色の翼に乗って”
出演:ドロテ・ジルベール&ユーゴ・マルシャン
フィナーレ
ベッリーニ『ノルマ』
第1幕第1場 “清らかな女神よ”
出演:全員
ヴェルディ『椿姫』
第3幕 “さようなら、過ぎ去った日々よ”
出演:全員
7月下旬、パリ・オペラ座のダンサーたちが踊る『ル・グラン・ガラ』を観に行って来ました。
テクニックに走らず、エレガントで、表現力があって、さすがパリオペ。素晴らしかったなぁ。おまけに席が、なぜか前から二列目(ちょっと端っこだったけど)が取れたので、動きや表情を細かく見ることができたのも嬉しかったです。
たった8人だけの公演でしたが、とても見ごたえがあり、充実した舞台でした。
一つひとつの感想は……。だいぶ時間がたったので忘れちゃったよ。覚えてることだけメモ程度に……。
ハナからオニール八菜が登場し、「眠れる森」。ちょっと動きが硬く、バタバタしてたかな〜。緊張してたのかもしれません。
続いて、ジルベールとガニオによる、「マノン」より“寝室のパ・ド・ドゥ”。いきなりキタ〜〜〜という感じ。今回来日したダンサーたちは皆素晴らしかったですが、ジルベールとガニオはさらワンランクが上という印象があります。表現力というか、ドラマ感が半端ない。映画の一コマを見ているような気持ちになる。絶品ですな。
アルビッソン、ベザールの「失われた時を求めて」より“囚われの女” 。ぽん太は踊りの背景の物語を知らないので、ちょっと感情移入しづらいです。小説の「失われた」は何度かトライしたのですが、すべて挫折。今読んでる「源氏物語」が終わったら、再トライしてみようかしら。岩波文庫の吉田一義訳が読みやすいとの噂。
ポラック、ルーヴェの「白鳥の湖」グラン・アダージョ。しっとりとして、エレガントで素晴らしかったです。ルーヴェのジャンプも高くて大きかったです。
オニール八菜が再び登場して「ヘルマン、シュメルマン」。今度は見違えるように動きがよかったです。マルシャンがしっかりとリード。
ガニオとベザールの「プルーストー失われた時を求めて」より“モレルとサン=ルー” 。怪しい雰囲気が良かったです。
日本初演の「クロージャー」。振り付けのジュリアーノ・ヌネスは、ブラジル出28歳の新鋭振付家とのことですが、ぽん太はあまり面白いと思いませんでした。
アルビッソンとベザールの、『ル・パルク』 より“解放のパ・ ド・ ドゥ” 。あの、ぐるぐる回すやつですな。ベザールって、なんか孤独な若者みたいな、独特の存在感がありますね。
ラストは、「チャイパド」から演目を変更した「エスメラルダ」。ジルベール姐さんが得意のバランスを目一杯披露しました。
『ル・グラン・ガラ2019』
文京シビックホール
2019年7月24日
・公式サイト
Aプロ
「眠れる森の美女」より
振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:P.I.チャイコフスキー
オニール八菜、ジェルマン・ルーヴェ
「マノン」より“寝室のパ・ド・ドゥ”
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ジュール・マスネ
ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ
「失われた時を求めて」より“囚われの女”
振付:ローラン・プティ
音楽:カミーユ・サン=サーンス
アマンディーヌ・アルビッソン、オードリック・ベザール
「白鳥の湖」第2幕より
振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:P.I.チャイコフスキー
レオノール・ボラック、ジェルマン・ルーヴェ
「ヘルマン・シュメルマン」
振付:ウィリアム・フォーサイス
音楽 トム・ウィレムス
オニール八菜、ユーゴ・マルシャン
「プルーストー失われた時を求めて」より“モレルとサン=ルー”
振付:ローラン・プティ
音楽:ガブリエル・フォーレ
マチュー・ガニオ、オードリック・ベザール
「ライモンダ」
振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:アレクサンドル・グラズノフ
ドロテ・ジルベール
『クロージャー』(日本初演)
振付:ジュリアーノ・ヌネス
音楽:フランツ・シューベルト
レオノール・ボラック、 マチュー・ガニオ
『ル・パルク』 より“解放のパ・ ド・ ドゥ”
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ
音楽:W.A.モーツァルト
アマンディーヌ・アルビッソン、オードリック・ベザール
「エスメラルダ」パ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
音楽:チェザーレ・プーニ
ドロテ・ジルベール、ユーゴ・マルシャン
思想・宗教 旅・宿・温泉 日記・コラム・つぶやき 書籍・雑誌 登山・ダイビング・アウトドア 精神医療・福祉 芸能・芸術 酒と食 鉄道模型 雑学
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