【第九】やっぱ西本智実はカッコええのう
ナマ西本智実を一度見て、失礼!、聴いてみようと、出かけてきました。
西本智実と言えば、美しい容姿で有名な女性指揮者で、「男装の麗人」ともウワサされています。ちなみにこちらがオフィシャルサイトです。美しい写真もありますよ。だれですか、とろりん(西村知美)と間違えているのは。あの西本智実をぽん太の生息地の多摩地区で見れるとなれば、行かない手はありません。
風の便りによれば、西本智実のコンサートには、彼女と同じように黒いパンタロンスーツに身を包んだコアなファンが押し寄せるとのこと。西村智実を見るも楽しみですが、訪れる観客を見るのもまた楽しみです。ひょっとして客席は、そんな女性ばっかり?中年タヌキのぽん太は、ホールへ向かう道すがら、ひょっとしたらとっても場違いなところに来てしまったのではないかと気恥ずかしくなり、顔を伏せて裏道を歩いてゆきました。しかし実際に行ってみると、普通に第九を聴きに来た多摩地区のおじさん・おばさんも多く、バッチリ化粧を決めた熱烈なファンは見当たりませんでした。ぽん太の考え過ぎだったのでしょうか?
オーケストラの音合わせがすんで、客席が暗くなり、いよいよナマ西村の登場です。今回はクラシック・コンサートでありながら、ぽん太は双眼鏡を持参。さっそうと下手から登場する様子をアップで眺めます。胸から上に黒い刺繍が施されたタキシードがカッコいいです。宝塚風の濃いメークをしているのかと思ったら、意外とナチュラル・メイクで、かわゆらしかったです。
まずは「フィガロの結婚」序曲。指揮ぶりもオーソドックスで、けっこう淡々とタクトを振っていました。そのせいか細かなニュアンスには欠けた気がしましたが、あくまでも「第九」の前菜なのでこんなものでしょうか。しかし、なんで「第九」の前に「フィガロの結婚」なのか、という疑問も残ります。メイン料理を引き立てるために、どのような前菜を出すかは、とっても大切なことのはず。十分に考えた上での選曲なのでしょうか?地方公演なので、有名でわかりやすけりゃいいや、という理由だけだったとしたら、ぽん太は納得できません。
続いて休憩を挟まずお目当ての「第九」。全体としては悪くなかったですが、特徴というか、自己主張があまり感じられませんでした。昨年聴いたシフの第九は、とにかく速くて閉口しましたが、(ぽん太は納得しなかったものの)一本筋は通っていました。西本ならではの音楽を聴かせて欲しいところです。アンサンブルやリズムが時々乱れたのは、オケの実力もあったのかも。ところどころにテンポや音量でアクセントを付けるのですが、曲全体としての構成に裏打ちされていないので、唐突な印象を受けてしまいます。何回か、フッと一瞬の静寂を作るのは、ちょっとキザッタらしいけど面白かったです。激しい部分では、力強さを出そうとしてなのか、タクトを鋭く降っては止め、鋭く降っては止め、という動作になるので、ビートが強調されて旋律の流れが寸断されていたようにも思われました。終楽章は熱演でしたが、宗教性というか思想性というか、高尚さにはやや欠けた気がします。逆に意外とよかったのが3楽章。この曲が、こんなに美しくて奇麗な曲だったとは、これまで気がつきませんでした。
コンサート終了後は、CD等の購入者を対象に、サイン会が行われました。数百人が並んでいたように思います。すごい人気です。ぽん太とにゃん子は、サインはもらいませんでしたが、近くから美しい御姿を鑑賞させていただきました。演奏が終わったばかりなのに、一生懸命ファンサービスをしている姿が、ちょっと気の毒にも思えました。
ぽん太としては、もっと憂いを含んだ横顔や恍惚とした表情を聴衆に見せたり、キッとオケを睨んだりして、ビジュアル系を徹底して欲しいです。音楽ももっとスタイリッシュにして、「他の指揮者がやったら怒るけど、西本なら許せるよな〜」というビューティーな演奏を期待します。
もっとも西本自身は、こうした「売れ方」は望んでおらず、実力で勝負したいと思っているのでしょう。しかし容姿の美しさも天から授かった才能で、そのおかげで多くのファンが聴きに来てくれるのですから、それを感謝し大事にしつつも指揮者としての実力を身につけて欲しいと、ぽん太は願っております。
どりーむコンサート
東京交響楽団が贈る 人類讃歌〜ベートーヴェン「第九」
2008年11月30日/府中の森芸術劇場どりーむホール
モーツァルト
歌劇「フィガロの結婚」K.492より序曲
ベートーヴェン
交響曲第9番ニ短調 作品125「合唱付」
指揮:西村智実
ソプラノ:澤畑恵美
メゾ・ソプラノ:林美智子
テノール:経種廉彦
バリトン:宮本益光
合唱指揮:安藤常光
合唱:東響コーラス
管弦楽:東京交響楽団
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