【海外旅行】ガラパゴス島・クルーズ(2003.5.3-2003.5.10)
この記事は、@homepageサービスの終了に伴い、ホームページから移行したものです。
ガラパゴスには動物がうじゃうじゃいると聞いていたが・・・・・
アシカがうじゃうじゃ!(ガラパゴスアシカ)
イグアナがうじゃうじゃ!!(ウミイグアナ)
カニもうじゃうじゃ!!!(名称不明)
ほ、ほんとうに動物がうじゃうじゃいるのだった・・・・(汗
しかも間近に!(ガラバゴスゾウガメ)
ここの動物は長い間天敵をもたずに暮らしてきたせいか、人間をまったく恐れないのである。
はるばる長い時間をかけて行ったかいがあったというものである。成田からヒューストンまでコンチネンタル航空で12時間、エクアドルの首都キトまで5時間。そこからガラパゴスまでさらに国内線で2時間である。
しかしコンチネンタル航空にひとこと言いたい。なぜ国際線のくせにアルコールが有料なのだ?しかもそのうえ、アルコールの持ち込み禁止とはどういうことだ!!飲兵衛のぽん太は、飛行機のなかで飲むタダの酒が最高の楽しみなのだ!
ところで、成田空港は、三連休の初日だというのにがらがらであった。出国のカウンターも二つぐらいしか開いていなかったのに、一人もならんでいなかった。不況とイラク戦争とSARSの威力は恐ろしい。
ガラパゴス島という名前は有名だが、どこにあるのか実はぽん太も知らなかった。南米のエクアドルから西に1000Km、太平洋にぽっかり浮かんだ諸島である。
生物が容易に移動できない絶海の孤島であるため、世界中でここにしかいない固有種が多い。さらに島ごとに独自の進化をとげている。ダーウィンがビーグル号でこの島を訪れたことが、「進化論」の構想におおきな影響を与えたことはよく知られている。
さて、ガラパゴスの島々を3泊4日でクルージングするのだが、われわれが乗ったのは豪華客船、その名もアンバサダー号である。
受付でチェックインして船室に向かう。今回はちょっと贅沢して、船室を窓際の部屋にグレードアップしておいたのである。沈む夕日を窓からながめながらカクテルを楽しむ。ああ、優雅。
しかし部屋のドアを開けてみるとそこは・・・
奴隷部屋だった・・・(泣
広さはだいたい三畳である。そこにベッドが二つ入れてある。そして一畳より狭い小部屋に洗面所とトイレがついている。シャワーを浴びると、水が便器にジャージャーかかるという状態である。窓といっても直径20cmほどの固定式の円形の窓があるだけで、ベッドによじ登ってのぞくと、すぐ下に海面が見える。
ロープを張って洗濯物を干したら、完全に下宿状態になってしまった・・・(泣(泣
し、しかしまあ、食事もおいしく、サービスもよく、すばらしい船上ライフだったのである。
ガラパゴス島で一番人気があるのは、なんといってもガラパゴスアオアシカツオドリことBlue-Footed Booby君である。
青い足がとってもキュート。よたよたと歩く姿はこっけいで、ブービー賞という言葉は彼の名前から来ている。
しかし陸上の滑稽な姿とは違い、上空から魚に狙いをつけて急降下し、そのまま海中に矢のように潜って魚を捕る姿は精悍である。
丁度繁殖期であったため、くちばしを空に向けて、求愛のダンスがあちこちで行われていた。
無事に結婚が成立して、子育て中です。
求愛といえば、ガラパゴスアメリカグンカンドリの求愛も有名である。喉の赤い袋をめいっぱい膨らませての求愛だが、こちらはちょっとグロテスクである。
ガラパゴスアホウドリです。
なぜか困った顔をしています。
平地から離陸できないので、崖から飛び降りて離陸することは有名です。でも、飛んでいる姿は翼の長さが2m近くあり、迫力があります。
ガラパゴスマスクカツオドリのひなです。 産毛がポヤポヤでかわいいです。
親になるとこんなに美人さんになります。くちばしの付け根の黒い模様が、名前の由来です。
野生のオオフラミンゴです。
ど、どこだって?
ここです。
これはちょっと遠すぎました。
そのほかの動物たちをかいつまんでご紹介します。
アオメバトです。名前のとおり、目のまわりが青いのが特徴です。
ガラパゴスリクイグアナです。ガラパゴスの住人のなかでは臆病です。人間が持ち込んだロバやブタにさんざんいじめられたせいです。
ガラパゴスカッショクペリカンです。おじいさんのような風貌に似合わず、海に飛び込んで魚を捕ります。
ガラパゴスキイロアメリカムシクイです。黄色がとても目立つ美しい小鳥です。
ヨウガントカゲです。体調20センチほどの小さなトカゲです。
ガラパゴスマネシツグミです。じっと待ちかまえていると、すぐ近くまで寄ってきます。
アカメカモメです。写真では、残念ながら目のまわりの赤い縁取りが写りませんでした。
ガラパゴスオオアオサギです。こう見えても身長は1m以上あります。首を伸ばして遠くを見据え、何を想っているのでしょうか?
ガラパゴスミヤコドリです。朱色の長いくちばしが目立ちます。
ダーウィンフィンチです。ガラパゴスでは雀のように多く見かける小鳥です。ダーウィンの進化論を裏付ける重要な論拠となったため、この偉大な科学者の名前が付けられています。
クルーズの途中で、海水浴やシュノーケリングをする機会もありました。ガラパゴスはほとんど赤道直下なのに、水はとても冷たかったです。これは冷たい海流の影響であり、このあたりの水温が上昇するのが、いわゆるエルニーニョ現象です。
キッカーロックです。
3泊4日のガラパゴスクルーズはあっという間でした。名残惜しい思いを胸に抱きながら、ガラパゴスを後にしました。
エクアドルの首都、キトを一日観光することができました。治安も良く、豊かな印象を受けました。
聖フランシスコ教会です。キトの旧市街は、植民地時代のスペイン風の街並みがいまも残っており、世界遺産に指定されています。
ガラパゴスを実際に訪ねて、ぽん太は思ったのです。
これまでダーウィンの進化論といえば、「生存闘争」によって強いものは生き残り、弱い物は死ぬ。それによって生物はより環境に適応していく。生物の世界は弱肉強食の世界であり、生き残った強者こそが優れた個体であり、子孫を残す正当な権利を持つのだ・・・というような意味に理解していました。
ところがガラパゴスで目の当たりにした世界は、それとはまったく違っていました。
動物たちは血みどろの生存闘争を繰り広げているのではなく、上手に住み分けて共存し、のんびりゆったりと暮らしているように見えました。動物たちが互いにうまく共存しながら、自然環境に適応しているように見えたのです。
人間を見てもまったく恐れない動物たち。彼らを観察したダーウィンが考え出した「進化論」が、弱肉強食を正当化するものであるはずはありません。
少し調べてみると、19世紀末から20世紀初頭にかけて、ダーウィンの生物進化論を故意に誤解・拡大解釈することによって、社会進化論が形作られたそうです。こうした社会進化論は、利潤追求や、特定の人種による支配・征服を正当化するために使われ、ナチズムのユダヤ人の迫害の論拠となったそうです。それはまさに、軍事的・経済的に力のあるアメリカが世界を支配する権利を持つというブッシュの強者の論理なのです。
ダーウィンがガラパゴス島の経験から創りあげた進化論が本当に弱肉強食を正当化するものなのか、それとも生物が平和共存しながら環境と調和していく姿を描いたものなのか、もう一度、『種の起源』を読み直してみようとぽん太は思っています。
ダーウィン研究所で飼育されているこの雄のゾウガメは、同じ種類のゾウガメが人間によって殺されたり持ち去られた結果、この世にたった一頭だけ取り残されてしまった。孤独なジョージ「ロンサム・ジョージ」と呼ばれる彼は、百年近い余生を、独りぼっちで送ることになる。
(2016.9.18付記。ロンサム・ジョージは2012年6月24日に死亡。推定年齢は100歳以上でした。これにより、ピンタゾウガメは完全に絶滅した可能性が高いとされています。)
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