ニーチェの『ツァラトゥストラはこう言った』を読む
『歎異抄』を読んで善悪を超えた境地に関心を抱いたぽん太は、ニーチェに『善悪の彼岸』という本があるのを思い出しました。しかしそれを読む前に、ニーチェについての予備知識を得るため、代表作である『ツァラトゥストラはこう言った』(氷上英廣訳、岩波文庫)を読んでおくことにしました。
ニーチェといえば「ソ、ソ、ソクラテスかプラトンか〜、ニ、ニ、ニーチェかサルトルか〜。み〜んな悩んで大きくなった!」という野坂昭如の歌で有名である(え?誰も知らない?)。
ニーチェは1844年生まれのドイツの哲学者で、「神は死んだ」という言葉は有名ですね。しかし1900年にニーチェが死去したとき、神がここぞとばかり「ニーチェは死んだ」と言ったとか、言わないとか……。後年は梅毒におかされて精神に変調を来したこともあって、精神科にかかわりがないわけではありません。『ツァラトゥストラはこう言った』が書かれたのは1883年から1885年にかけてのようです。
この本は「超人」と「永遠回帰」の二つの主題を持つと言われています。
ニーチェはキリスト教的な道徳(つまり善と悪)を否定します。ではわれわれは、何によりどころを見いだせばいいのでしょうか。ニーチェによれば、人間の存在意義は、やがて地上に「超人」が現れるための架け橋となることだと言います。「人間は、動物と超人のあいだに張りわたされた一本の綱なのだ……」(上18ページ)。ダーウィンの『種の起原』が出版されたのは1859年ですから、ニーチェの思想には進化論の影響があるのかもしれません(ぽん太は無知なので事実関係は知りませんが)。つまり猿が進化して人間になったように、人間もやがて進化して超人となる。人間は欠点だらけのくだらない存在だが、超人に進化するための踏み台だと考えれば、存在意義が見いだされるだろう、という感じでしょうか。
では、超人とはどんなひとなのでしょうか? そして人間のあるべき姿とは何なのでしょうか? またツァラトゥストラはとはどういう人物なのでしょうか? それは次の機会に!
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