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2005年3月の11件の記事

2005/03/28

感情表出(EE)を下げていきいき家族(その5)

 家族の感情表出(EE)と統合失調症の再発について勉強をしてきた、みのぽん太の「おもいッきりブログ」、今回が最終回です。

 まず、これまでのおさらいをいたしましょう。

感情表出(EE)とは、

家族が表す次の三つの悪い感情

批判

敵意

巻き込まれ

 で、こうした悪い感情を家族が持っていると、統合失調症の再発率が上がるんでしたね。

統合失調症患者の9ヶ月後の再発率は

家族が低EEだと約1〜2割

家族が高EEで、週に35時間以上接していて、

服薬も不規則だと約9割

 ですから、ご家族のEEを下げ、過剰に患者さんと接触しすぎないことが大切なんでしたね〜。

EEを下げるには、

統合失調症の正しい知識を身につける

患者さんに対する接し方や対応を学ぶ

患者さんの気持ちを受け入れる

患者さんに関わりすぎず、うまく距離をとる

 さて、まとめは以上です。今回は、会場の奥樣方から質問をお受けして、お答えしたいと思います。さあ、どなたでもどうぞ。

 「みのぽん太さんの話しを聞いていると、ようするに家族が悪い、家族が悪いから子どもの統合失調症が悪化するということですか?」

 いえいえ、違います。家族が病気の悪化の「原因」なのではありません。「患者さんの病気が良くならないのは、患者さんの努力が足らないからではない」とぽん太は申し上げました。同じように、「患者さんの病気が良くならないのは、家族の努力が足らないからではない」と申し上げたいと思います。確かに家族のEEが高いと、患者さんの再発率は上がります。しかし「家族のEEが高い理由は、家族の努力不足や落ち度ではない」のです。
 EEが高くなるのは、重い慢性疾患の患者を家族に抱えたことに対する、正常な反応でもあります。これまで順調に育って来たお子さんが、病気によって「普通」の生活ができなくなることは、患者さんにとっても、ご家族にとっても、たいへん苦しいことです。
 病気の知識がないことでもEEは高くなりますが、それは主治医からの説明が不十分だったり、病気について学べる機会が少ないことが原因です。お子さんの病名さえ知らされていない家族もいっぱいいるのです。
 家族の孤立も高EEの原因となります。周囲のひとたちの偏見や誤解を恐れ、誰にも相談することができない家族も多いのです。家族会など、家族の思いをひとに話し、わかってもらえる場を増やすことが必要です。また、世間の偏見や誤解を正していくことも大切なのです。
 このように、家族のEEを下げるには、ご家族だけが努力すればいいのではなく、社会全体が取り組む必要があるのです。

 「要するに腹が立っても感情が顔に出ないようにすればいいのですか?」

 いえいえいえ、怒りを押し殺して笑っている表情ほど、恐いものはありません。感情というものは、ことばにしなくても相手に伝わるのです。「怒っていても顔に出さないようにする」のではなく、「怒らないようになる」ことが大切です。そのためには、これまで述べてきたように、家族教室などで病気について学んだり、家族会に参加したりすることがよいでしょう。

 「巻き込まれないほうがいいとおっしゃいましたが、子どもが何をしても好きにやらしておけばいいんですか?」

 いえいえいえいえ、過干渉もいけませんが、無関心もまたいけません。放っておくのではなく、「暖かく見守って」下さい。思い出してください。お子さんがまだ小さくて、やっと歩けるようになったころ、お子さんにどのように接していました? 転ぶと危ないからといって歩かせずに抱っこしていたら、お子さんは歩けるようになりません。かといって放っておいたら、転んで怪我をしたり、階段から落ちたりするかもしれません。お母さんたちは、子どもが転びそうになるのをハラハラしながらも、暖かく見守っていたはずです。そして本当に危ないときは、手を出して助けたはずです。患者さんたちにも、そのときのことを思い出して接していただきたいと思います。

 さあ、そろそろ時間となりました。これで「おもいッきりブログ」は終了します。また機会がありましたら、みのぽん太とお会いしましょう。

その1その2その3その4その5

2005/03/27

感情表出(EE)を下げていきいき家族(その4)

 こんにちは、みのぽん太です。感情表出をお勉強する「おもいッきりブログ」の4回目。今日は、ご家族の感情表出を下げることができるのか、そうすることで本当に再発率が減るのか、当番組で行った実験のVTRをご覧下さい。
 それでは、VTRスタート!

*********************

 こんかい「おもいッきりブログ」では、高EEのご家族と暮らす24名の統合失調症の患者さんに協力をいただきました。みなさんもうすぐ退院して、家族とともに暮らすことになっています。患者さんとご家族は、Aチーム12名と、Bチーム12名に、それぞれ分かれていただきました。そしてAチームの患者さんは、退院後は普通の外来治療を受けていただきました。一方でBチームの患者さんのご家族には、EEを下げるための特別なコースを受けていただきました。そのコースは、教育プログラム、家族グループ、家族セッションからなっています。
 教育プログラムでは、統合失調症に関する簡単な講義を受けていただきました。前回お話したように、高EEの家族は統合失調症の症状を理解せず、患者さんの怠けや努力不足と考えることが多かったからです。また家族グループでは、高EEの家族が低EEの家族とさまざまな悩みを話し合うことで、患者さんに対する適切な対応を学んでいただきました。また家族セッションでは、ご家族と患者さんが一緒に話をすることで、お互いの気持ちを理解し合う機会を作りました。
 さらにBチームのご家族には、患者さんと接する機会時間がなるべく週35時間未満になるようにしていただきました。

 さ〜てその結果は?

 EEを下げるための特別なコースを受けていただいたBチームの12組の家族のうち、EEを低下させるか、あるいは患者さんとの接触時間を週35時間未満に減らせたのは、9家族でした。つまり75%のご家族が、この方法で成功したことになります。
 さて、普通の治療を受けていたAチームの患者さんの、9ヶ月後の再発率は50%でした。
 一方Bチームは?
 Bチームで再発したのはたった1人で、再発率は8%でした。Bチームのうち、EEを低下させるか、あるいは接触時間を35時間未満にできた9組にかんしては、再発は0人。つまり再発率は0%でした。

 この実験でわかったことは、簡単なコースを受けることで、3/4の家族がEEを下げるか接触時間を減らすことができ、それによって患者さんの再発率がと〜っても減るということでした。

*********************

 みのぽん太です。みなさま、VTRでよくわかりましたか?  次の4点に気をつけることで、ご家族のEEを下げ、患者さんの再発を防ぐことができるのです。

EEを下げるには、

統合失調症の正しい知識を身につける

患者さんに対する接し方や対応を学ぶ

患者さんの気持ちを受け入れる

患者さんに関わりすぎず、うまく距離をとる

 みなさんも今日から実践して、EEを下げてみて下さいね。
 さて、次回は最終回です。会場の奥様方の質問をお受けしたいと思います。

参考文献
レフ、ヴォーン『分裂病と家族の感情表出』三野善央ら訳、金剛出版、1991年

その1その2その3その4その5

2005/03/26

感情表出(EE)を下げていきいき家族(その3)

 サッカーのイラン戦、残念でしたね〜。奥様こんにちは。「おもいッきりブログ」のみのぽん太です。さあ、感情表出のお勉強も今回で3回目となりました。これまで、家族のEEが高いと、統合失調症の患者さんの再発率が高まることを勉強しました。まず、前回のおさらいです。

統合失調症の退院の9ヶ月後の再発率は、

家族が低EEだと10人に約○〜○人

家族が高EEで、週に35時間以上接していて、

服薬も不規則だと10人に約○人

 奥様、覚えておいでですか。思い出してみてください。
 それでは正解です!

統合失調症の退院の9ヶ月後の再発率は、

家族が低EEだと10人に約1〜2人

家族が高EEで、週に35時間以上接していて、

服薬も不規則だと10人に約9人

 家族が低EEだと、再発率が10人にたったの1人か2人。ところが高EEの家族と長時間接していて、しかも薬もきちんとのんでいないと、10人のうち9人、つまりほとんどの患者さんが9ヶ月後に再発してしまうのでした。恐ろしいですね〜。
 そこで今回の「おもいッきりブログ」では、高EEのご家族と低EEのご家族の違いを調べてみましょう。それを知ることで、奥様方もEEを下げることができますからね。まず最初のフリップです。

統合失調症の患者さんは

過剰な○○○○が苦手なので、

低EEの家族はうまく○○を取るが、

高EEの家族は○○○しすぎる

 さあ、よく見かける話ですね。正解をいってみましょう。

統合失調症の患者さんは

過剰な人間関係が苦手なので、

低EEの家族はうまく距離を取るが、

高EEの家族は深入りしすぎる

 一般に統合失調症の患者さんは、刺激に対して敏感で、深い人間関係が苦手です。ですから彼らは家族やそのほかの人から距離をとろうとすることが多いのです。低EEの家族はそのへんを理解し、患者さんをほどよく孤立させてあげることができます。ところが高EEの家族は、患者さんから応答を得ようとして接触しすぎたり、断りもせずに部屋に入るなどプライバシーを守らなかったり、行動を監視し余計なアドバイスをします。
 そのけっか、こういうことになります。

高EEの家族と暮らす患者さんは、

○○○○○が多い

 統合失調症の患者さんは濃厚な対人関係が苦手ですから、家族が近づこうとすればするほど逃げようとして……

高EEの家族と暮らす患者さんは、

引きこもりが多い

 患者さんの引きこもりに悩んでいるご家族は、一生懸命患者さんとかかわろうとしないで、反対にちょっと距離を取ってみるという方法もありますよ。
 では、次のフリップをご覧下さい。

患者さんの幻覚や妄想などに対して

低EEの家族はそれらを○○○○○と見なして受け入れるが

高EEの家族は○○しようとする

 幻覚や妄想、それに基づく奇妙な言動に対するご家族の態度です。さて正解は?

患者さんの幻覚や妄想などに対して

低EEの家族はそれらを病気の症状と見なして受け入れるが

高EEの家族は否定しようとする

 たとえば「宇宙人が命令したから」と言って部屋中にマジックで落書きをした患者に対して、低EEの家族は「あの子は幻聴があるのよ。わけがわからなくなって、こんなことをしてしまったんだわ。あの子も苦しんでいるのよ」と思うことができます。しかし高EEの家族は、「あの子はまたバカなことを言って。宇宙人なんているわけがないって何度言ってもちっともわからないのよ。病気を治す気がないんだわ」などと言ったりします。
 次の問題です。

患者さんのさまざまな○○○○○することを

低EEの家族は受け入れることができるが

高EEの家族は認められずに

患者さんの○○○や○○が足りないと考える

 患者さんは、病気の症状の結果として、勉強、就労、あるいは身の回りのことなど、さまざまな能力が低下します。

患者さんのさまざまな能力が低下することを

低EEの家族は受け入れることができるが

高EEの家族は認められずに

患者さんのやる気や努力が足りないと考える

 高EEの家族は、こうした能力の低下を病気の結果として受け入れることができず、それを患者さんの努力が足りない、怠けているのだと考えます。発病前は順調な人生を歩んでいた子どもが、学業についていけなくなったり、就職や結婚が難しくなったりして、通常の人生を歩めなくなったことを認めることは、本人だけではなく、家族にとっても辛いことです。でもその辛さに耐えられず、認めようとしないで、子どもを責めるのは間違っています。だって、一番苦しんでいるのは患者さん自身なんですから。
 急性期にみられる幻覚や妄想、興奮などの陽性症状に関しては、どのご家族もそれが病気の症状であると考えております。ところが、慢性期の意欲低下や思考力低下などの陰性症状に関しては、病気の症状ではなく「なまけ」や「やる気がない」と思っているご家族がたいへん多いのです。ですから、ご家族が病気の正しい知識を得ることもたいへん重要です。
 さて、次のフリップです。

患者さんの症状に対して、

低EEの家族は○○をコントロールできるが、

高EEの家族はできない

 はい、正解を見てみましょう。

患者さんの症状に対して、

低EEの家族は感情をコントロールできるが、

高EEの家族はできない

 妄想に巻き込まれて興奮する患者を、低EEの家族は落ち着いて説得し、患者さんの気持ちを静めることができます。また、患者さんとの苦労を、笑いやユーモアを交えて語ることもできます。高EEの家族は、怒りを感じたり、悲しみに飲み込まれたりします。

 さあ、今日のおさらいです。低EEの家族は、患者さんからほどよい距離をとることができます。そして、患者さんの異常な言動を、病気の症状だから仕方ないと受け入れ、我慢することができます。そして能力の低下に関しても、それに耐える力を持っています。最後に低EEのご家族は、自分の感情をコントロールし、自分の体験をユーモアを持って語ることができるのでした。
 でも、現実はなかなかそんなふうには行きませんよね。あくまでも理想であり目標ですからね。そうできてないからといって、ご家族が自分を責めないでくださいね。患者さんを許すだけではなく、ご家族が自分自身を許すことも大切です。
 次回は「おもいッきりブログ」が行った、家族のEEを下げて再発率の変化を調べる実験を放映いたします。

参考文献
レフ、ヴォーン『分裂病と家族の感情表出』三野善央ら訳、金剛出版、1991年

その1その2その3その4その5

2005/03/25

感情表出(EE)を下げていきいき家族(その2)

 奥様こんにちは、みのぽん太です。
 今日も「おもいッきりブログ」で感情表出のお勉強をして、統合失調症の患者さんの病状を少しでも安定させ、いきいき家族になりましょう。前回は、家族の感情表出が高いと、つまり高EEだと、患者さんの統合失調症の再発率が高まるということをお話しました。
 はいフリップをご覧下さい。前回の復習ですよ。

感情表出とは、次の三つの悪い感情

◯◯

◯◯

◯◯◯◯◯

 さあ、何だったでしょう。奥樣がた、覚えてらっしゃいました?

感情表出とは、次の三つの悪い感情

批判

敵意

巻き込まれ

 はい、批判・敵意・巻き込まれの三つですね。忘れている方は前回の「おもいッきりブログ」を見て復習してください。さて、ご家族がこれら三つの悪い感情を持っていると、統合失調症が再発しやすくなるんでしたね。
 本日はそこらへんを、具体的なデータで見てみましょう。最初の問題です。

退院の9ヶ月後の再発率は

家族が低EEだと○%

   高EEだと○%

 さあ、何パーセントぐらいだと思いますか? フリップをめくってみましょう。

退院の9ヶ月後の再発率は

家族が低EEだと13%

   高EEだと51%

 どうです? 家族が低EEだと9ヶ月後の再発率はたったの13%です。1割ちょっと、10人に1人ですね。ぽん太が以前に書いたように、統合失調症の初回エピソード から回復後1年目の再発率は、薬物療法を受けていても30%、薬を中断すると60%程度といわれています。今回のデータは退院後9ヶ月ということで1年よりは短いですが、それでも低EEの患者さんの再発率はわずか13%! 低EEと高EEの違いは、こんなに大きいんですね〜。驚きました?奥さん。しかし高EEだと51%ですから、退院後9ヶ月で、2人に1人が再発してしまうことになります。
 さあ、次のフリップに参りましょう。

家族が高EEでも、退院の9ヶ月後の再発率は

◯◯◯◯◯◯時間が、週35時間未満だと28%

          週35時間以上だと69%

 奥さん、ご家族がもし高EEでも、「あること」の時間が週35時間未満だと、再発率はたったの28%にまで下がっちゃうんです。さて、この「あること」とはなんでしょう?

家族が高EEでも、退院の9ヶ月後の再発率は

家族と接する時間が、週35時間未満だと28%

          週35時間以上だと69%

 ね〜え、驚きましたか?  家族がもし高EEだったとしても、患者さんと直接に接している時間が週35時間より短いと、再発率は28%にまで下がるんです。誰ですか?「それじゃ患者さんをほっぽって遊びに行こう」なんて言ってる方は! でも、息子のため娘のためって、一日中患者さんに密着している奥様! 少し離れて自分の時間を作ることは、家族の息抜きにもなるし、患者さんの再発率も下げるんですよ。だけどそれは放っておくのとは違いますから、間違えないでくださいね。
 じゃあ次の問題に行きましょう。

家族が低EEのばあい、退院の9ヶ月後の再発率は

◯◯◯◯◯◯していてもしていなくても、

1割台であまりかわらない。

 さきほど、ご家族が低EEのときの再発率は1割台だと言いましたね。それは、「あること」をしていてもしていなくても変わらないんです。さて、何でしょう?

家族が低EEのばあい、退院の9ヶ月後の再発率は

きちんと服薬していてもしていなくても、

1割台であまりかわらない。

 誰ですか? 「うちは低EEだから薬を飲ませなくてもいい」なんて言ってるのは。これはあくまでも9ヶ月後のデータでして、退院の2年後になると、やはり薬を飲んでいない方が再発率が高いことがわかっています。だから「薬を飲ませなくてもいい」じゃなくて、「家族が低EEであるということは、再発防止のために、薬に匹敵する力があるんだ」と理解してくださいね。薬はとっても大切です。
 はい、じゃ最後の質問です。

家族が高EEで、週35時間以上接していて、

しかも服薬をきちんとしていないばあいの再発率は?

   a 52%

   b 72%

   c 92%

 奥様どれだと思いますか? 家族が高EEで、35時間以上接していて、薬もきちんと飲んでいないという最悪の場合です。bですか? えっaくらいだろうって。cという方が多いですか? ファイナルアンサ〜? ファイナルアンサ〜? あっ、番組が違いましたね。

家族が高EEで、週35時間以上接していて、

しかも服薬をきちんとしていないばあいの再発率は?

   a 52%

   b 72%

  ◎c 92%

答えはcの92%です。なんと9割のひとが再発してしまうんですね。

 さて、以上の結果をまとめたのが下の表です。

統合失調症の9ヶ月後の再発率
家族EE家族との接触薬物療法
低EE 13%規則的 12%
不規則 15%
高EE 51%35時間未満 28%規則的 15%
不規則 42%
35時間以上 69%規則的 53%
不規則 92%
Brownら(1972)、VaughnとLeff(1976)の研究

 本日の「おもいッきりブログ」では、ご家族のEEで再発率がどれくらい違うのかを具体的な数字で勉強しました。また、高EEであっても、患者さんと接する時間が短いと、再発率は比較的低いことも勉強しました。そして最後に、服薬の重要性も学びましたね。
 次回は、家族のEEを下げるにはどうしたらいいのか、またそれによって本当に再発率が下がるのかどうかを見てみましょう。

参考文献
レフ、ヴォーン『分裂病と家族の感情表出』三野善央ら訳、金剛出版、1991年

その1その2その3その4その5

2005/03/20

感情表出(EE)を下げていきいき家族(その1)

 奥様こんにちは、みのぽん太です。
 さて、本日の「おもいッきりブログ」ですが、テーマは「感情表出(EE)」です。感情表出とかEEとか、ときどき聞きますね〜。でも、それがどういうものか知っているひとは、あんがい少ないと思います。そこで今日は奥様がたに、ぜひ、「感情表出」を勉強していただき、実際に生かして欲しいと思います。

 まず最初のフリップです。

家族の感情表出が高い(高EE)と、

統合失調症患者の○○○が上がる。

 さあ奥様、何でしょう。え? そうですね、「再発率」です。

家族の感情表出が高い(高EE)と、

統合失調症患者の再発率が上がる。

 ね〜え奥様、ご家族の統合失調症が再発すると困りますよね。ご本人もご家族もつらい思いをいたします。統合失調症の再発率を上げてしまう「感情表出」って、いったい何でしょうか? 覚えて帰ってくださいね。はい、次のフリップをご覧下さい。

家族表出(EE:Expressed Emotin)とは

家族が患者さんに示す悪い感情のこと

 感情表出とは、簡単にいえば、感情を表すことです。英語ではExpressed Emotionといいますので、略してEEと呼ぶこともあります。感情といっても、すべての感情ではありません。いくつかの悪い感情のことです。ですから感情表出がいけないからといって、笑いも怒りもせずに能面のようにあらゆる感情を押し殺さなければいけないというわけではありません。
 それでは、どんな感情が問題なのでしょう。それは三つあります。フリップをご覧下さい。

◯◯

◯◯

◯◯◯◯◯

 はい、まず最初の悪い感情ですが、

批判

◯◯

◯◯◯◯◯

 批判ですね。患者さんと一緒に暮らしていると、病気だから仕方がないと自分に言い聞かせていても、ついつい文句を言いたくなることがありますよね。「この子はわけわかんないことばかり言って」とか「まったく一日中ごろごろ寝てて」とか。こういう批判や非難が再発率を高める感情表出のひとつなんですね。気をつけましょう。
 さて、次の悪い感情は

批判

敵意

◯◯◯◯◯

 敵意です。敵意というのは、患者さんの一つひとつの症状や行動を批判するのではなく、患者さんの存在自体を否定するような言葉や感情ですね。たとえば「あなたとなんか暮らしたくないわ」とか、「お前は生きてる価値がないね」とかいうものです。こんなこと言われたら、誰だってつらいですよね。
 さて三番目の悪い感情は・・・

批判

敵意

巻き込まれ

 そうですね、巻き込まれですね。ほら奥さん。患者さんが不安になってくると、一緒になって不安になってしまうことがありませんか? あるいは患者さんが興奮して怒鳴ったりしているのを見て、奥さんも腹を立てて怒鳴り返したりしませんか? こういうのが巻き込まれですね。それから患者さんのことを心配しすぎて、いちいち行動を監視したり、細かいことをああだこうだ指図したりすることはありませんか? また過保護になって、本人に任せられず、なんでも代わりにやってしまったりしていませんか? これらも巻き込まれの一種なんですよ。
 これらの三つの感情、これが多すぎると、ご家族の統合失調症の再発率があがるんですね。では、実際にどれくらい再発率があがるのか? それは次回の「おもいッきりブログ」でお話いたします。

参考文献
レフ、ヴォーン『分裂病と家族の感情表出』三野善央ら訳、金剛出版、1991年

その1その2その3その4その5

2005/03/17

「ローマ皇帝カエサルは帝王切開で生まれた」は間違い

 前回の記事でぽん太が取り上げた山田規畝子『壊れた脳 生存する知』(講談社、2004年)でぽん太が気になったのは、次の文章です。本書の本筋とはまったく関係のない細部ですが、このブログは『ぽん太の「みちくさ」精神科』ですから許してくださいね。
 さて、著者が長男を出産する際に、脳出血を起こさないように帝王切開を行ったというくだり。著者は「帝王切開はその名のとおり、皇帝の子どもが生まれるくらい大事をとるときに行う出産法だから、これより安全な産み方はない」(78ページ)と書いています。
 しかしぽん太の記憶では、帝王切開はローマ皇帝カエサルが「生まれた」ときに行われたのであり、カエサルという名をとってドイツ語でKaiserschnittと呼ばれるため、「帝王」切開という日本語に訳されたはずです。だから子どもは安全だけど、腹を切られた母親のほうはかえって危険だったんじゃないの?
 このように心のなかでツッコミを入れたところ、次々と疑問がわいてきました。ひょっとしたら医学の発達していないローマ時代のことだから、腹を切られた母親はそのまま死んじゃったのかしら? 母親を殺してまで子どもの安全をはかるなんて残酷なことが本当におこなわれていたのだろうか? だいいち、カエサルが帝王切開で生まれたというのは本当なの?

 そこで調べてみたところ、まず「カエサルはローマ皇帝ではない」という衝撃的な事実に行き当たりました。ひょっとしてみなさんには常識ですか? ぽん太は世界史は苦手でまったく知りませんでした。カエサルは独裁的権力を得ましたが、三頭政治のひとりにすぎず、はじめて皇帝(imperator)となったのはアウグストゥス(=オクタビアヌス)だったそうです。だからタイトルの「ローマ皇帝カエサルは帝王切開で生まれた」は、「ローマ皇帝カエサル」という時点で、すでに間違っているわけですね。ぽん太は2005年2月28日の記事「2月だけ28日なのはアウグストゥス皇帝のわがままのせい」のなかで「シーザーがローマ皇帝になったころ」と書きましたが、シーザー(=カエサル)がローマ皇帝になったことはただの一度もありませんでした。

 さて、「帝王切開」の問題に戻りましょう。帝王切開はドイツ語ではKaiserschnitt、ラテン語ではsectio caesareaです。ぐぐってみると、カエサルは帝王切開で生まれたのではないということは、ほぼ確実なようです。
 なぜなら、当時の医学技術でお腹を切って、赤ちゃんもお母さんも助けることができたとは考えられないからです。カエサルの母親がお産のときに亡くなっていないことは、のちにカエサルが母親に宛てて書いた手紙が残っていることから、確かと考えられるといいます。ただ、ぽん太自身はソースを確認していませんので、エビデンスがあるとはいえません。カエサルについて書いた本でも読んでみようかな。
 すると次に問題になるのは、「カエサルが帝王切開で生まれた」という伝説あるいは誤解がいつどこで生まれたのか、ということになります。これに関しては、ネット上ではさまざまな説が流布しているようです。これも話しだすと長くなりそうなので、次の機会に・・・。

2005/03/15

山田規畝子『壊れた脳 生存する知』を読む

 ぽん太は山田規畝子『壊れた脳 生存する知』(講談社、2004年)を読みました。以前にテレビ番組で見たことがあったのです。医師である山田規畝子(きくこ)さんは、繰り返す脳出血によって「高次脳機能障害」という後遺症を背負いました。この本は著者の「高次脳機能障害」との闘いの記録であり、また十分に解明されていないこの障害を医師が内面から記述した貴重な報告です。
 山田さんはもやもや病という病気を抱えていたため、3回の脳出血を起こしました。脳出血の後遺症というと、麻痺などの身体症状が頭に浮かぶと思いますが、山田さんを襲った症状は時計が読めない、すぐに忘れてしまう、立体的に見ることができない、左側に注意がいかないなどといったもので、高次脳機能障害と呼ばれます。パソコンの故障に例えれば、電源が入らないとかモニターが写らないとかいうのが麻痺みたいなものだとすれば、高次脳機能障害は、バグによってアプリケーションが異常な動作をしたり、ファイルが消えてしまったり、制御不能になってしまうようなものかもしれません。パソコンなら買い替えればいいのですが、そういうパソコンをだましだまし使って仕事をしないといけないのが、山田さんの状態です。そんな変わった病気は自分とは関係ないと思うかもしれませんが、高次脳機能障害は交通事故による脳外傷でも起きることが多いので、けっして他人ごとではありません。
 障害そのものとの闘いの苦しみ以外に、障害に対する誤解や偏見のつらさ、世の中がいかに障害者にとって不自由にできているかなども書かれています。ぽん太が普段かかわっている心の病気も、なかなか周囲の人から理解されにくいものですが、山田さんの苦労もなみなみならぬものがあったようです。しかし山田さんの前向きで、どこかのんきな雰囲気は、読む人に勇気を与えるでしょう。
 本書でひとつ興味深かったのは、著者が仕事をしているとすぐ低血糖状態で疲れてくると書いていることです。「こういった作業を続けていると、あくびが出て仕方がない。脳細胞が酸欠になるのだ。昼近くになると燃料不足も加わって、眠気が強くなりはじめる。水分摂取が充分でないとき、それはいっそうひどくなる」(131ページ)。統合失調症患者が甘いものが好きで、コーヒーに砂糖を山のように入れたりするのはよく目にします。味覚異常だとか薬による糖代謝異常だとかいわれていますが、ぽん太は納得のいく説明を聞いたことがありません。統合失調症の患者さんも、ひょっとしたら脳機能の低下を防ぐために糖をいっぱい取っているのかも・・・などと思いました。
 もうひとつ本筋でないところで気になることがあったのですが、それは長くなるので次回に・・・。

2005/03/13

ロシアの精神科医はいまだに国民弾圧の手助けをしている

 ソビエト連邦時代に精神科医が、反体制活動家に精神障害の診断を下して精神病院に閉じ込めることによって、国民弾圧の手助けをしたことは有名ですが、現代のロシアでもいまだに同じことが行われていると聞いたら驚きませんか?
 アンナ・ポリトコフスカヤ『チェチェン やめられない戦争』(三浦みどり訳、NHK出版、2004年)を読むと、チェチェンでロシアがいかにひどいことをしているかが書かれています。それはイラクや北朝鮮どころの騒ぎではありませんが、当然アメリカは触れようとせず、日本の政府やマスコミも右へならえをしています。

 チェチェンの位置は、黒海とカスピ海の間にあるコーカサス山脈の北側にあります。豊富な石油を産出するため、ロシアはチェチェンを手放したくありません。
 日本のマスコミはチェチェン問題を、独立派の武装勢力とロシアとの闘いのように書いています。しかし大切なのは、両者のはざまでどちらからの援助も受けられず、すべてを略奪され焼きつくされ、国際社会からも目を向けられないまま、自力でようやく生き延びている多くの民衆がいることなのです。ロシアの下級兵士が「掃討作戦」の名のもとに民家を訪れ、金目のものを略奪し、家畜などの生活手段を意味もなく焼き尽くし、男たちを「連行」します。残された家族は隣近所や親戚から金を集めて、連行された家族を収容所に「買い戻し」に行かなければなりません。そうしなければ家族は「死体」となって町はずれで見つかることになるのです。ロシアに敵対するはずのテロリストも、ロシア兵の行為を「見て見ぬ振り」しているのだそうです。
 さて、第二次チェチェン戦争のさなかの2002年の2月、ロシアのブターノフ大佐は、「武装勢力に加担している女狙撃兵を拘束する」という名目でタンギ・チュ村を訪れました。しかし実際は「女が欲しかったから」であって、その村のある家に美しい娘がいることを事前に知っていたのです。兵士たちはこの家の18歳の女性を捕まえ、ブダーノフの宿舎の部屋に運びました。そして彼は彼女を強姦したうえで殺したのです。
 大佐はタマーラ・パヴロヴナ・ペチェルニコヴァ精神科教授が率いる委員会の精神鑑定を受けました。鑑定経験52年の彼女は、1960年代から80年代にかけて反体制派に「統合失調症」の鑑定をして次々と精神病院に送り込んだ張本人だったのです。彼女が委員長をつとめた委員会が鑑定した結果は、ブダーノフは責任能力がなく無罪というものでした。しかしそれは犯罪を犯したときだけで、その前もその後も正常な状態なので、再び軍務に復帰していいというのです。この鑑定のけっかブターノフは無罪放免となりかかりましたが、さすがにクレムリンが疑義をとなえ、この本が書かれた時点ではブダーノフの判決はまだおりていません。
 2005年3月8日にチェチェンのマスハドフ元大統領がロシア特殊部隊によって暗殺されたというニュースが飛び込んできました。彼は、国際監視団が見守るなかで有効と認められた選挙で選ばれた大統領でした。
 また『チェチェン やめられない戦争』の著者のポリトコフスカヤは、2004年9月におきたロシアの学校人質事件の交渉のために現地に向かう飛行機のなかで、スチュワーデスが出した紅茶を飲んだ直後に気を失い、あやうく毒殺されかかりました
 ロシアがいまだにこういうことをしている国であること、アメリカがそれを黙って見ていること、そして日本のマスコミもこの問題をとりあげようとしないということを、よく頭に入れておかなければなりません。まあ、この本に書かれていることも、どこまでホントかぽん太にはわかりませんけど。

2005/03/09

ジル・ドゥルーズ『ニーチェ』を読んでみた

 ドゥルーズは、永遠回帰とは、けっして「同一なもの」が回帰するのではないという。
 2005年2月19日の「ニーチェと仏教」という記事で、ニーチェの『善悪の彼岸』を読むことを思いっきり宣言したぽん太ではありましたが、あえなく挫折しました。ぽん太の「狸脳」では理解不能なようです。
 そこでぽん太は、わかりやすいと有名なジル・ドゥルーズの『ニーチェ』(湯浅博雄訳、ちくま学芸文庫、1998年)を読むことにしました。さながら「ニーチェ読本」というおもむきの本で、ニーチェの生涯や哲学が簡潔にまとめられ、そのあとにニーチェの著作からの抜粋が掲載されています。ニーチェの思想がドゥルーズの「力」、「多数性」、「生成」といった概念と関連づけられて述べられており、同じニーチェを読んでも、読む人が読むと理解の深さが全然違うんだな〜と思いました。
 ぽん太は「ニーチェと仏教」で、ニーチェの永遠回帰とは、まったく同一のものが永遠に繰り返されることであると書きました。だって、『ツァラトゥストラはこう言った』にそう書いてあったんだもん。しかしドゥルーズ先生は本書で、「従って<永遠回帰>を、<同一なもの>の回帰とすることは、どうしても避けねばならない」(64ページ)とおっしゃっております。もちろんドゥルーズ先生も、「しかしながら多くのテクストのなかで、ニーチェは<永遠回帰>を一つのサイクルとして、つまりそのうちでは一切が回帰し、<同一なるもの>が回帰するサイクル、そして同一なものへと回帰するサイクルとして考えている」(68ページ)ということは認めております。しかしニーチェは思想を「劇に仕立てる」思想家であって、同一なものが回帰するような書き方をしている部分もあるが、ほかの部分では別の書き方をしている。ニーチェの哲学者としての寿命がさらに長かったなら、もっと多くの説明がなされたであろう、と言っております。
 ドゥルーズによれば、一切が回帰するという考え方は陳腐でおぞましい仮説にすぎず、『ツァラトゥストラはこう言った』のなかでもそのように扱われている。永遠回帰は、道徳としては、「何を欲するにせよ、それが永遠に回帰することも欲するようなしかたで欲せよ」というものであり、善悪というニヒリズムの道徳を超えたレベルでの、生き方の指針を与えるものです。また永遠回帰の過程で、すべての否定的なもの、ニヒリズム、やましい心、怨恨などは追い払われ、肯定的なもの、超人へとつながるものだけが残される。けっきょく「ニーチェの独特の秘密は、<永遠回帰>とは選択的である、ということである」(66ページ)、なんだそうです。
 そりゃそうだ。まったく同一のものが延々と繰り返されるのでは、おもしろくもなんともないものね・・・とぽん太は素直に納得したのである。

2005/03/08

拒食症のひとは低カリウム血症にも注意

 拒食症では血液中のカリウムが低下してきて、脱力や麻痺を来すことがあるので要注意です。お腹が減って力が入らないのかと思っていると、たいへんなことになりますよ。

 拒食症では食物からのカリウムの摂取も不足がちですし、嘔吐を繰り返したり、体重を減らそうと下剤を使うことでも、消化管からカリウムが失われます。また利尿剤も腎臓から尿へのカリウム排泄を増加させ、低カリウム血症の原因となるものがあります。食欲がなくて内科で点滴を受けるばあいも、カリウムの入っていない点滴を繰り返し行うと、カリウムが低下してくることがあります。
 血清カリウム値は通常では3.5mEq/lから5.0mEq/lであり、3.5mEq/l以下だと低カリウム血症とされ、2mEq/lだと重症です。カリウムが低下すると次第に力が入らなくなり、だんだんと全身の筋肉が麻痺してきます。呼吸をするための筋肉が麻痺して息ができなくなったり、心臓の筋肉がやられることもあります。また、筋肉細胞が崩壊していくことさえあります。手足のしびれが出ることもあります。また吐き気や便秘なども起きるので、ますます食欲が低下して悪循環になることもあります。腎臓に障害が現れると、のどが渇いて尿が多くなったりします。また、無気力になったり眠りがちになったりもしてきます。
 血液検査をすれば低カリウム血症はすぐ診断がつくのですが、頭の片隅に低カリウム血症の可能性を置いておかないと、うっかり見逃すことがあります。ぽん太も以前に、拒食症の患者さんが「動けな〜い」と待合室で寝転んでいるのを見て、「な〜に甘えとるんじゃ〜」などと思っていたら、実はいつ心臓が止まってもおかしくないほどの低カリウム血症だったことがあります。
 治療はカリウム剤を飲むことで改善しますが、重症では点滴や入院が必要となります。

 ちなみに血清カリウム値が5.0mEq/lを超えると高カリウム血症と呼ばれますが、この場合は心臓に対する影響が重大で、不整脈から心停止にいたることもあります。また、筋肉の麻痺や脱力もみられます。

2005/03/07

滋賀県の長浜で買った鮒寿しはディープなお味

 ぽん太が旅行で立ち寄った、滋賀県の長浜にある魚三で買った鮒寿しは、とってもディープなお味でした。八丈島の「くさや」もノープロブレムなぽん太も、これにはちょっと参りました。同封の商品説明書に「初めてお召し上がりになられる方は、腐敗した様に勘違いされる場合があります……」と書いてあるほどです。みずから「腐敗したように勘違いされる場合がある」と書いているところがスゴイです。乳酸菌で発酵した卵付きの鮒の味は、ほんの一切れでお酒を一合、ご飯を一杯食べられます。お茶漬けやお吸い物にして味を薄めたら、もっとおいしく食べられるような気がするので、試してみたいと思います。長浜に行かれる方はぜひチャレンジしてください。
 長浜は、のちの豊臣秀吉が1573年に羽柴秀吉と名乗って城持ちの大名に出世したとき、初めて自分の城を築いたところです。当時の長浜城の絵図面などは残っていないため、現在の長浜城はいわゆる「復元」ではなく想像で造ったものだそうです。
 長浜には「北国街道」沿いに古い街並が残っていて観光名所となっているのですが、ぽん太は「北国街道」と聞くと、中山道追分から北陸道高田まで信州を縦断する街道を思い浮かべます。現在の地名でいえば軽井沢の近くの信濃追分から、高速道路の上信越道にだいたい沿って新潟県の上越市へと向かうコースですね。長浜を通る北国街道はもちろんこれとは別で、中山道の関ヶ原から長浜を通って越前に通じていたそうです。

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