カエサルがユリウス暦を制定したことが『プルタルコス英雄伝』に書いてありました。
帝王切開の語源を訪ねる「みちくさ」を続けているぽん太ですが、みちくさの途中で、ぽん太が以前に2月だけ28日なのはアウグストゥス皇帝のわがままのせいで触れた、カエサルがユリウス暦を制定したことを描いた文章が見つかりました。ちょっと長いけど、さらに「みちくさ」をして、引用しておきます。出典はプルタルコス『プルタルコス英雄伝』村川堅太郎訳、ちくま学芸文庫、1996年の下巻の253ページです。
一方、暦法の規定や、歳時の計算にあたりでてくる不整合性の是正は、カエサルの手によってみごとに学問的に考究されて完成し、全く渋滞することのない働きを示すことになった。というのは、ローマ人は、極めて古い時代には一年を定めるのに月の周期に拠っていたが、年と月の関係が混乱してしまったため、犠牲の式や祭りの時がすこしずつずれて、遂に本来の時期とは反対の季節のときに行われるようになってしまったほどだったのである。
そればかりでなく、その当時(前46年)の真の太陽年の長さについても、祭司以外の普通の人たちは全く計算するすべを知らず、ただ祭司たちだけが正確な時を知っていて、突然予期していないときにメルケドニウスという名の閏月を挿しはさむことにしていた。この月をはじめて挿入したのは、王のヌマだといわれ、そのようにして二つの天体の周期的回帰(太陽の周期と月の運行)に関する不整合に対して、長くは保たないにせよ、また僅かではあるが、矯正の策を見出したことは、彼の伝記に記したとおりである。
注によれば、ずれた季節をもとにもどすため、前46年は、全部で445日となったそうです。ずいぶん長い1年ですね。
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