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2005/08/21

南アルプス南部縦走(荒川岳、赤石岳、聖岳)

 今年の夏休みは、南アルプスに行ってきました。
 8月8日、清水インターで高速を降り、カーナビの言うとおりに国道362号線を通って大井川鉄道の千頭(せんず)駅に出る道を使ったのですが、この峠道も、井川湖まで抜ける道も、細くて走りにくいことこのうえありません。あとで東海フォレストの送迎バスの運転手さんに聞いたら、静岡市内から安倍川に沿って北上し、富士見峠を経て接岨峡に至る道が、バスも通れる広い道だということです。詳しくはこちらのロードマップをご覧ください。
 さて、これからの長い縦走を前にして「風呂の入り納め」ということで、赤石温泉白樺荘に立ち寄りました。ぽん太好みの鄙びたすばらしい温泉でした。
フシグロセンノウ 畑薙第一ダムの駐車場に車を停め、無料送迎バスで椹島に入ります。椹島ロッジは少年院のような立派な建物で(冗談です)、個室になっていて快適でした。ロッジの周囲は、アジサイや、フシグロセンノウのオレンジの花や、シナノナデシコが咲いていました。

【山名】荒川岳(3141m)、赤石岳(3120.1m)、聖岳(3013m)
【山域】南アルプス
【日程】2005年8月9日〜8月12日
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】(8/9)晴れ、(8/10)雨、強風、(8/11)快晴、(8/12)雷雨のち曇り
【コース】(8/9)椹島ロッジ(5:35)…千枚小屋(12:30)
(8/10)千枚小屋(4:51)…荒川岳(悪沢岳)(7:05)…赤石岳(12:35)…百間洞山の家(14:55)
(8/11)百間洞山の家(5:11)…聖岳(11:16-13:03)…聖平小屋(14:56)
(8/12)聖平小屋(5:30)…聖平登山口(てっぽうせき橋)(9:59)
【みた花】(8/9)シナノナデシコ、フシグロセンノウ、ソバナ、シャクジョウソウ(初)、ナガバノコウヤボウキ(初)、ハクサンオミナエシ、セリバシオガマ、イチヤクソウ、カニコウモリ、アキノキリンソウ、カイタカラコウ、サラシナショウマ、キタザワブシ、マルバダケブキ、クルマユリ、トモエシオガマ、シナノキンバイ、イブキトラノオ、グンナイフウロ?、ニッコウキスゲ、クロトウヒレン(初)、エゾシオガマ、ハクサンフウロ
(8/10)コゴメグサ、ウサギギク、ミネウスユキソウ、ミヤマオトコヨモギ、ホソバツメクサ、イワツメクサ、タカネビランジ、イワベンケイ、イブキジャコウソウ、ミヤマウイキョウ、チシマギキョウ、キタダケヨモギ(初)、タカネナデシコ、イワインチン(初)、タカネコウリンカ(初)、ミヤママンネングサ、タカネヒゴタイ、ヨツバシオガマ、タカネヤハズハハコ、ハクサンボウフウ、ミヤマシオガマ(初)、ミヤマダイコンソウ、アオノツガザクラ、キバナコマノツメ、ハクサンイチゲ、チシマギキョウ、ミヤマホツツジ、ネバリノギラン(初)、ミソガワソウ
(8/11)ミヤマアケボノソウ、ミヤマシャジン、キオン、イワオトギリ、トウヤクリンドウ、シコタンハコベ(初)、ダイモンジソウ、ミヤマミミナグサ(初)、シコタンソウ(初)、イワギク(初)、マツムシソウ、
(8/12)クガイソウ、ミソガワソウ、ハンゴンソウ、コウモリソウ(初)、モミジガサ(初)、クルマバツクバネソウ、タニジャコウソウ(初)

シャクジョウソウ 初日は千枚小屋までの登りです。急ではないけれども長い道のりです。シャクジョウソウを初めて見ました。ギンリョウソウに似ていますが、やや黄金色で、花のかたちも違います。
 千枚小屋で一泊です。逆回りで縦走してきた登山者の会話から、稜線の花のすばらしさが期待されます。

タカネビランジ2日目、千枚岳への登りで、いきなりタカネビランジが咲き乱れていいました。高山植物ではなくて園芸種かと見まごうばかりの華麗な花です。今回の登山で一番印象に残った花です。
ライチョウ 朝はなんとかもっていた天気がだんだん悪くなってきました。雨が降り出し、おまけによろけるほどの強風です。花の写真を撮るどころではありません。ライチョウ君の一家が現れたのでパチリ。南アルプスにもライチョウはいるんですね。それからみなさん、ライチョウも飛びます!ぽん太はたしかに見ました。
ミヤマシオガマ 赤石避難小屋をすぎたあたりから天気が回復してきて、再び花の撮影開始です。ミヤマシオガマです。ピンクのシオガマはいろいろありますが、花が丸くまとまって咲く、葉がニンジンのように細かく切れ込む、花の上唇がくちばしのように湾曲しているなどの特徴があります。ぽん太は初めて見ました。
ネバリノギラン ネバリノギランです。ぽん太は今回初めて同定したのですが、これまで枯れたチドリかなんかだと思って見逃していた可能性があります。ふと見ると蜂がとまって蜜を吸っていたので、この格好と色合いで立派に咲いている花だとわかりました。触ると花や茎がネバネバします。
トンカツ その夜は「百間洞山の家」に泊まりました。難読漢字ですが、「ひゃっけんぼらやまのいえ」と読むようです。夕食はなんと揚げたてのトンカツです。揚げたてをいただくため、一度に8人ずつ15分間隔で呼ばれます。小屋の規模が小さいのをうまく生かした、すばらしいサービスだと思います。ぽん太は、南アルプスの山小屋は小さくてぼろいという先入観を持っていましたが、どこも新しく立て替えられ、小ささを生かしたアットホームなサービスでした。
 荒川岳、赤石岳周辺の山小屋の多くは、東海フォレストという会社が運営しています。細薙第一ダムから無料の送迎バスを走らせているのもこの会社です。あまり儲かるとも思えない山小屋を運営し、無料バスのサービスもして、経営はなりたっているのでしょうか?東海フォレストは東海パルプという会社の関連会社ですが、南アルプス南部の山林の多くを所有しているようです。南アルプスの地図を見てみると、南アルプス国立公園は山頂や稜線付近に細長く伸びているだけですが、その理由は東海パルプが山林を所有しているからだというウワサをぽん太は聞いたことがありますが、真偽のほどはわかりません。

シコタンハコベ 3日目は快晴となりました。聖岳山頂を経て聖平小屋に向かいます。地味な小物系の花をふたつ紹介しましょう。
シコタンソウ シコタンハコベです。花の直径は1センチほどです。赤い雄しべの先がきれいです。
 シコタンソウです。こちらも1センチ程度の花ですが、花びらの赤と黄色の点々がかわいいですね。
マルバダケブキ さて、マルバダケブキの大群落です。向かい側の斜面までぎっしり咲いていました。豪華ですが毒々しさもあり、まるで極楽か地獄か、夢の中のような幻想的な風景でした。
聖平小屋 聖平小屋では、スイカの無料サービスがありました。こちらは静岡市井川観光協会が運営しているようですが、アマゴという魚を売りにしており、夕食には唐揚げ、朝食には甘露煮が出ました。おいしゅうございました。

 最終日は、てっぽうせき橋の聖岳登山口まで、長い長い下りです。朝から雷雨でしたが、途中で雨は上がりました。東海フォレストの無料送迎バスは、椹島方面でしたら途中から乗せてもらえます。バスをひろって椹島まで行き、そこで改めて乗車手続きをして、細薙第一ダムの駐車場に戻りました。
 接岨峡温泉会館で汗を流したのち、寸又峡温泉山湯館で一泊して、帰途につきました。

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