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2005/12/18

平成18年4月1日から精神科通院医療公費負担制度(32条)が自立支援医療費になります

 このブログのアクセス解析を見ると、自立支援医療費に関する検索からたどり着いた人がけっこう多いようです。ぽん太が自立支援医療費について書いたのはずいぶん昔のことなので、現時点での最新情報をまとめておきましょう。以下は平成17年12月5日に開催された厚労省の社会保障審議会障害者部会(第29回)の資料によるものです。ではQ&A形式で。

Q 精神科通院医療費公費制度(32条)が廃止されると聞きましたが本当ですか?
A はい本当です。平成18年3月31日をもって廃止されます。

Q えっ?では、医療費の補助はなくなるのですか?
A いえ、障害者自立支援法で規定された自立支援医療費に引き継がれます。

Q 32条が廃止されて自立支援医療費になるのですね。それはいつからですか?
A 平成18年4月1日からです。障害者自立支援法は平成17年10月31日に可決成立しました。平成18年4月1日から一部施行されますが、自立支援医療費もそのなかに含まれています。

Q 32条では窓口負担は5%(自治体によっては一定条件を満たすと0%)でしたが、自立支援医療費ではどうなりますか?
A 残念ながら基本的には10%(1割)となります。生活保護世帯ではこれまで通り無料です。一定の収入があり病気が軽い場合は、医療費の補助を使えず通常の健康保険による自己負担(3割〜2割)となる場合もあります。また所得や病気の重さによって月単位の負担額に上限が設けられます。その区分は大変複雑ですが、最新のものは厚労省のホームページのこちらのpdfファイルの4ページ目に書かれています。
 自分の病名と、家族の市町村民税の合計を確認の上、じっくりとご覧下さい。網がかかっている部分が1割負担です。
s1205-7h14

Q 上の項目の自己負担の区分は、これまで言われていたものと同じですか?
A 2つの点で変わっています。まず第1に、「中間所得層」、「一定所得以上」における区分は、これまでの案では所得税額によって行われていましたが、この新たな表では、同一世帯に属する者の市町村民税(所得割)の合計額によって区分されるようになりました。また第2に「重度かつ継続」の範囲ですが、これまでの案では「統合失調症、躁うつ病(狭義)、難治性てんかん」とされていましたが、新しい案では「統合失調症、躁うつ病・うつ病、てんかん、認知症等の脳機能障害、薬物関連障害(依存症等)」と「精神医療に一定上の経験を有する医師が判断した者」とされています。

Q 批判の多かった「重度かつ継続」の範囲は広がったのですね。
A はい、さらに詳しくは厚労省のこちらの資料をご覧下さい。「重度かつ継続」の範囲は以下のようになっています。
(1)医療保険の多数該当の者
(2)ICD-10における次の分類の者
・F0 症状性を含む器質性精神障害
・F1 精神作用物質使用による精神及び行動の障害
・F2 統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害
・F3 気分障害
・G40 てんかん
(3)3年以上の精神医療の経験を有する医師により、以下の病状を示す精神障害のため計画的集中的な通院医療(状態の維持、悪化予防のための医療を含む。)を継続的に要すると診断された者として、認定を受けた者
・情動及び行動の障害
・不安及び不穏状態

Q 「世帯」の所得によって医療費が変わりますが、この「世帯」の範囲を見直す問題はどうなりましたか?
A 現在の案で「世帯」の所得となっていることにより、両親や配偶者の収入が多いと医療費の補助が少なくなったり、多くの障害者を抱える家族の負担が大きいなどの問題が指摘されています。パブリックコメントの資料には「自立支援医療の自己負担上限額等を認定する際の基準とする世帯は、同一の医療保険に加入している家族の範囲とすること。※自己負担上限額等を認定する際の基準となる世帯の範囲については特例を設ける」と書かれています。これを信じれば、親子や夫婦であっても保険証が異なれば同一世帯と見なされないことになりますが、そうすると余分な保険料がかかるので、どちらがとくかよ〜く考えないといけません。また「特例」の内容は書かれていません。

Q これまでは2年ごとの更新でしたが、今後は何年ごとですか?
A 1年ごととされています(ただし施行後6ヶ月間においては1年6ヶ月としてもよいとのこと)。

Q これまで32条が使えた医療機関で、今後は32条が使えなくなることはありますか?
A 自立支援医療費が使えるのは自立支援医療機関に限られます。こちらのパブリックコメント募集のページのこちらのpdfファイルには、「精神通院医療に係る指定自立支援医療機関の指定基準は、当該医療機関に精神医療に関して3年以上の実務経験を有する医師が勤務していることとすること」とされています。

Q 1割負担になると、病院に行くといったいどのくらいのお金をとられるのですか?
A ぽん太の診療所の場合、1回の診察で窓口の支払いが500円〜600円となります。薬局での支払いは薬の内容や投与期間によって異なりますが、診察代と薬代をあわせ、1回につきおおよそ1000円から3000円くらいでしょうか?

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