『ギルガメッシュ叙事詩』を読んでみた
誰です?飯島愛のTバックを想像しているのは。ぽん太が今回取り上げるのは、古代メソポタミアの英雄物語です。
以前にぽん太はヨーロッパ最古の物語であるホメロスの『イーリアス』を読みました(ホメーロスの『イーリアス』を読むーー登場人物たちの行動には違和感を覚える)。そのとき、では「世界」最古の物語はなんじゃらほいとググってみたら、この『ギルガメッシュ叙事詩』とのことでした。みちくさをしないでそのまま放置していたのですが、先日本屋をぶらついていたら、偶然『ギルガメッシュ叙事詩』の翻訳(矢島文夫訳、ちくま学芸文庫、1998年、アマゾンのリンクはこちら)が目についたので、読んでみました。
で、世界最古とはいつ頃なのかということですが、主人公のギルガメッシュは紀元前2600年ほど前に実在したシュメールの王だそうで、物語の成立は紀元前2000年ぐらいまで遡れるそうです。その後この物語は、この地を次々に支配したアッシリア人やバビロニア人によってそれぞれの言葉に翻訳され、楔形文字(くさびがたもじ)で粘土板に刻まれました。これらはさらにあちこちに運ばれ、さまざまな言語に翻訳されたそうです。
物語のあらすじは、たとえばこちらのサイトをどうぞ。現代のRPGにも通じる荒唐無稽で面白いお話です。
歴史の暗闇のなかにすっかり忘れ去れていたメソポタミア文明が、19世紀以後の発掘によって再発見され、楔形文字が解読されて行く経緯もまたドラマチックです。またイギリス人ジョージ・スミスが『ギルガメッシュ叙事詩』の粘土板のなかに、旧約聖書の「創世記」に書かれているノアの箱船の原型と思われる、大洪水の物語を見つけた話も有名だそうです。
メソポタミア文明が栄えたチグリス・ユーフラテス川流域は、現在でいえばイラクにあたります。キリスト教原理主義のブッシュが攻撃しているイラクが、旧約聖書の物語の発祥の地であるとは、まさに歴史の皮肉というか、無常を感じざるをえません。
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