今年の夏休みは、南アルプスを縦走してきました。いろな花が咲いていて、ちょっと台風の影響も出ましたが、まあ天気にも恵まれて、山を満喫することができました。今年は登山の十分なトレーニングができなかったので、ゆとりのある行程にしました。また車2台で行って、降り口に車を1台停めておき、縦走を試みました。ただにゃん子の車が軽だったので、高速道路をえんえんと時速80キロで走るのが怖くもあり、しんどかったです。
【山名】北岳(3192.4m)、間ノ岳(3189.3m)、塩見岳(3052m)
【山域】南アルプス
【日程】2006年8月6日〜8月9日
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】(8/6)快晴、(8/7)快晴、(8/8)晴れのち雨、(8/9)雨のち晴れ
【コース】(8/6)広河原(6:30)…白根御池小屋…(草スベリ)…肩ノ小屋(泊)
(8/7)肩ノ小屋(5:52)…北岳(6:52)…間ノ岳(10:54)…熊ノ平小屋(13:58)(泊)
(8/8)熊ノ平小屋(4:29)…塩見岳(10:43)…塩見小屋(12:11)(泊)
(8/9)塩見小屋(5:16)…三伏峠…鳥倉林道登山口(11:27)
【見た花】(8/6)ソバナ、キンレイカ(初)、コバノイチヤクソウ、ミヤマハナシノブ(初)、クガイソウ、エゾシオガマ、ハクサンフウロ、タカネグンナイフウロ、ミヤマアカバナ(初)、センジュガンピ、シナノキンバイ、マルバダケブキ、ミヤマコウゾリナ、イワオウギ、ミソガワソウ、シモツケソウ、イブキトラノオ、クルマユリ、コバノコゴメグサ、ネバリノギラン、ヨツバシオガマ、テガタチドリ、ハクサンイチゲ、サンリンソウ(初)、ミヤマクワガタ(初)、タカネヤハズハハコ、アオノツガザクラ、イワツメクサ、タカネツメクサ、タカネヒゴタイ、コメバツガザクラ、シコタンソウ、チシマギキョウ、ハハコヨモギ、タカネシオガマ、ミヤマミミナグサ、イワベンケイ、
(8/7)チョウノスケソウ、オヤマノエンドウ、タカネマンテマ(初)、タカネナナカマド、ミヤマキンバイ、クロクモソウ(初)、ミヤマオダマキ、シコタンハコベ、ミネウスユキソウ、キンロバイ、タカネイブキボウフウ(初)、タカネコウリンカ(初)、ムカゴユキノシタ(初)、ミヤマウイキョウ、イブキジャコウソウ、白いチシマギキョウ(初)、ミヤママンネングサ、レンゲイワヤナギ(初)、ミヤマホツツジ、トウヤクリンドウ
(8/8)タカネビランジ、ウサギギク、メタカラコウ
(8/9)トモエシオガマ、キソチドリ、コイチョウラン(初)、シャクジョウソウ、シオガマギク(初)
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ミヤマハナシノブ | サンリンソウ | ミヤマクワガタ | タカネマンテマ |
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チシマギキョウ | コイチョウラン | シャクジョウソウ | ソバナ |
【マイカー登山情報】今年の広河原へのアプローチは、芦安温泉の無料駐車場に車を停め、バスで広河原へ入る。奈良田温泉からの県道南アルプス公園線のバスは、道路の崩落のため運行中止。状況は変化するので、事前に情報の確認が必要。
また塩見岳には、鳥倉林道の登山口が整備されていて、マイカーも50台くらい停められますし、バスも入っています。
【参考リンク】
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南アルプスNET:南アルプス市の山岳情報のページ。登山情報、バスの時刻表、山小屋情報、花の情報などが充実。
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大鹿村登山情報:大鹿村役場が運営する登山情報。塩見岳の登山情報、バスの時刻表、山小屋情報に詳しい。
【その他の注意】塩見小屋は予約制です。ご注意ください。
8月6日、ぽん太とにゃん子は桃の木温泉桃栄館を早朝に立ち、芦安温泉の無料駐車場に車を停め、バスで広河原に向かいました。このバスによる輸送は賛否両論あると思いますが、以前に南アルプス林道で、車のすれ違いのケンカを仲裁させられたことがあるぽん太は、大歓迎です。願わくば、バスを自然に優しい低公害車にしてほしいと思います。
さて、こちらの案内図を見ながらお読みください。初日は肩ノ小屋までのゆとりの行程です。広河原から肩ノ小屋に向かうルートは二つあります。ひとつは大樺沢に沿って登り、大樺沢二俣から右に曲がって小太郎尾根に出るルートです。ふたつめは広河原を出たらすぐ右に道をとり、白根御池小屋から「草スベリ」と呼ばれる急坂を登り、最初のルートと合流するルートです。前者のほうが行程が1時間ほど短いですが、昨夜の旅館で草スベリの花がすばらしいとの情報を得ていたので、後者のルートを選択しました。
白根御池小屋についた頃、ヘリコプターが盛んに旋回していて、山小屋の荷揚げかと思っていたら、どうやら事故らしいとのこと。あとで知ったところでは、転落による死亡事故だったそうです。ご冥福をお祈りします。山の危険はどこにでも潜んでいるので、注意しなくてはいけません。
ガスがかかってくるなか、小太郎尾根を肩ノ小屋に向かいます。
肩ノ小屋は大きな小屋ですが、海の日などは大混雑し、一枚の布団で4人寝たなどの話しを聞きます。こんかいはお盆前の平日だったので、ゆったりと寝ることができました。
8月7日、まず北岳を目指して登って行きます。ブロッケン現象が見られました。ブロッケン現象は、ガスのなかに自分の影が映り、まわりに虹のような光の輪が見える現象です。光の輪は写真に写りませんでした。6時52分。日本で2番目に高い北岳山頂に到達。人が多かったです。
北岳から間ノ岳への稜線は、人も減って、天気もよく、とても気持ちよかったです。10時54分、間ノ岳山頂。農鳥岳に続く縦走路から別れて、熊ノ平小屋に向かいます。樹林帯のなかの小さな小屋でした。夜の天気予報では、台風が近づいているとのこと。夜中に、ときおり激しい雨が窓を打ち付けました。
8月8日、とりあえず雨は降っていませんが、天候悪化の可能性があるので、夜明け前に早立ちです。尾根に出たところでちょうど御来光を迎えました。美しい朝焼けが間ノ岳を浮かび上がらせました。明るくなるにつれて、中央アルプス、乗鞍岳、北アルプスが浮かび上がって来ます。槍が小さく見えました。
しかし、その後次第にガスがかかってきて、途中から雨が降り出し、ライチョウ君も出現。視界が開けないまま10時43分に塩見岳山頂に到着。早々に立ち去って、塩見小屋に向かいました。
塩見小屋は定員30名の小さな山小屋で、現在は予約制になっているので注意が必要です。ぽん太は約10年前にもこの小屋に泊まって塩見岳に登ったことがありますが、ちっとも変わっていませんでした。変わったのはトイレのシステムだけで、ビニールの簡易携帯トイレを使うシステムになっていました。一般は1枚200円。宿泊者は、男性は1枚、女性は3枚支給され、追加購入は1枚100円です。男性の小は無料のトイレがあります。山のトイレは大きな問題になっていますが、この程度の値段で採算が合うのなら、設備も簡単だし清潔だし、たいへん結構なことだと思います。
10年ぶりに塩見小屋に泊まってみると、屋根も低くて小さな小屋ですが、梁もしっかりしていて歪みがありません。今後もずっと使い続けてほしいと思いました。
8月9日、台風は日本のやや南側の海上を東に抜けて行き、心配した台風の直撃は避けることができました。だんだんと天気もよくなり、塩見岳が顔を見せ、ぽん太とにゃん子を見送ってくれました。ありがとう。楽しかったよ。また来るからね。
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