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2006/10/10

ロシアのチェチェン紛争を告発していたポリトコフスカヤさん殺される

 10月8日に衝撃的なニュースが飛込んできました。

 10月7日、プーチン政権批判で知られるロシアのジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤ氏が射殺されているのが見つかった
  [モスクワ 7日 ロイター] ロシア警察によると、プーチン政権への批判で知られるロシアのジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤ氏が7日、自宅アパートの建物内で射殺されているのが見つかった。
 警察関係者は、ロイターに対して「エレベーターから出る際に、2発の弾丸で殺害されたもようだ。隣人が遺体を発見した」と話している。
 警察は、エレベーター内で、ピストルと弾丸4発を発見したという。
 ポリトコフスカヤ氏はロシア南部チェチェン共和国などでのプーチン政権による人権侵害を取材し、数々の賞を受賞、国際的な評価も高い。
 ポリトコフスカヤ氏が勤める新聞社の副編集長は「職業上の理由で殺されたのではないか。ほかに動機は考えられない」との見方を示した。
 検察当局者も、現場で記者団に、殺人事件として扱うと話している。
 (ロイター) - 10月8日16時11分更新

 以前にぽん太は、ポリトコフスカヤの『チェチェン やめられない戦争』(三浦みどり訳、NHK出版、2004年)について書いたことがありました。その本で彼女は、ロシアのチェチェン問題を告発したのでした。チェチェン問題は、一般に言われているような独立派テロリストとロシア政府の戦いではなく、テロリストとロシア政府との馴れ合いの狭間で国際社会からも見捨てられて悲惨な生活を送っている一般民衆の問題なのでした。この問題は、ロシアが無視しているのはもちろんのこと、アメリカも見て見ぬ振りをし、日本のマスメディアも黙殺しています。
 ポリトコフスカヤは、以前にも、飛行機のなかで客室乗務員が出した紅茶を飲んで毒殺されかかったこともありますが、今回はとうとう殺されてしまいました。今回の彼女の殺害の背後にロシア政府があるのか、あるいは彼女の活動を快く思わなかった勢力によるものなのか、ロシア情勢に不案内なぽん太には皆目わかりませんが、「いまでもロシアでは、政府に批判的なひとが殺されることがある」という事実は確かなようです。そして日本もそのような国にならないという保証はありません。
 フロイトの「死の本能」は、現在の日本では心理学の概念として扱われる傾向があります。しかし、ぽん太はその概念は、第一次世界大戦から第二次世界大戦へと向かう時代における、フロイトの叫びであると思われるのです。そしてその叫び声は、ついに北朝鮮が核実験を行った現代にもこだましているように思えます。

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