【歌舞伎】超豪華キャストの「白波五人男」(2008年5月・歌舞伎座夜の部)
5月は新橋演舞場と歌舞伎座と両方で歌舞伎をやっているので観劇が忙しいです。今回は歌舞伎座夜の部です。
まずは白波五人男で有名な「青砥稿花紅彩画」。歌舞伎初心者のぽん太は、「浜松屋」と「勢揃」は何度か観たことがありますが、通しで観るのは初めてです。ようやく物語全体の筋が理解できました。河竹黙阿弥の代表作で1862年(文久2年)に江戸市村座で初演されたそうです。
今回は菊五郎が弁天小僧。浜松屋の嫁入り前の娘の役は年齢的にちょっと無理があり、観客に豊かな想像力が要求されますが、正体を現してからの気っ風の良さは最高です。「知らざぁ言って聞かせやしょう」の名台詞も聞き惚れやした。團十郎の日本駄右衛門も堂々とした風格。左團次の南郷力丸、時蔵の赤星十三郎、三津五郎の忠信利平で、ツラネを見ているときれいだしかっこいいし、ひとりひとりに歳月だけが生み出すことのできる味わいがあり、思わず頬がほころんできます。最後の青砥左衛門藤綱は富十郎で締めるという豪華配役でした。
海老蔵が、なよなよした若旦那の浜松屋宗之助を演じました。ここでためている力を、こんど観る午前の部の「碇知盛」でどのように爆発させてくれるのか期待が膨らみます。日本駄右衛門の團十郎が海老蔵に「実は誠の親子であったか」と言うところでは、予想通り観客席が暖かい笑いに包まれました。
錦絵のような豪華な場面が次々と現れ、七五調の美しいセリフの連続、大道具の大仕掛けもあって、黙阿弥ワールドを堪能しました。
この大狂言のあとを、踊りで飾った松緑も立派。
團菊祭五月大歌舞伎 平成20年5月 歌舞伎座 夜の部
一、通し狂言
青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)/白浪五人男
序 幕 初瀬寺花見の場
神輿ヶ嶽の場
稲瀬川谷間の場
二幕目 雪の下浜松屋の場
同 蔵前の場
稲瀬川勢揃の場
大 詰 極楽寺屋根立腹の場
同 山門の場
滑川土橋の場
弁天小僧菊之助 菊五郎
日本駄右衛門 團十郎
南郷力丸 左團次
赤星十三郎 時 蔵
忠信利平 三津五郎
浜松屋宗之助 海老蔵
木下川八郎 松江
大須賀五郎 男女蔵
千寿姫 梅枝
川越三郎 市蔵
薩島典蔵 團蔵
伊皿子七郎 友右衛門
浜松屋幸兵衛 東 蔵
柵 田之助
鳶頭清次 梅 玉
青砥左衛門藤綱 富十郎
二、三升猿曲舞(しかくばしらさるのくせまい)
此下兵吉 松 緑
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