【バレエ】間近で観るとすごい迫力・Kバレエの『くるみ割り人形』
なんと席が最前列でした。にゃん子がファンクラブに入ったおかげか?しかもオーケストラピットなし。ということは、目の前数メートルでダンサーが踊っているわけです。
近すぎて見づらいという面もありますが、とにかくぽん太は、生まれて初めて間近で観るダンスの大迫力にびっくり仰天いたしました。
これまでジャンプが低いとか偉そうに言っててごめんなさい。これまで回転が遅いとか偉そうに言っててごめんなさい。これまで足が開かないとか偉そうに言っててごめんなさい。これまで踊りが硬いとか偉そうに言っててごめんなさい。
これまではバレエは遠くの席から観ていたので、なんか別世界を眺めている感じだったのですが、こうして近くから見てみると、ぽん太と同じ生身の人間がこんなすごいパフォーマンスをしていたのかと、改めて驚きました。ぽん太には決してできません(あたりまえか……)。
ジャンプ、回転、手足の動き、表情の表現、どれをとってもスゴイの一言。バレエ・ダンサーって、こんなにスゴイ人たちだったんだ。
ぽん太は、最初から最後まであんぐり口を開けたまま、ただただボーゼンと観ていました。
Kバレエの『くるみ割り人形』は3回目。音楽はすばらしいけど話しがつまらないことで有名な原作を、ストーリーの面白さを重視して改訂した熊哲版です。ただ第一幕は、美しいチャイコフスキーの音楽が、つぎはぎになってしまっているのが残念。マリー姫が天使(?)に導かれてクリスマスツリーから出てくるところや、くるみ割り人形がいったん王子様に戻ったと思ったら、またくるみ割り人形に戻ってしまったりするところは、ちょっと意味がわかりませんでした。それにドロッセルマイヤーが人形劇でこれまでのいきさつを述べるシーンがあるのだから、序幕の王子とマリー姫が変身させられるくだりは不要では?せっかくのチャイコフスキーの美しい序曲が寸断されてしまいます。
音楽は録音。原作をかなり脚色していることと、赤坂ACTシアターという会場もあいまって、古典バレエというより、クラシック・バレエ団を使ったイベントという印象でした。TBSとの関係も含め、Kバレエが今後、どういう方向に進んで行くのか。ぽん太としては、「イベント」系もあってもいいですが、本格的なクラシック・バレエでもファンをうならせて欲しいです。
以前に海賊でノーブルなアリを踊った遅沢佑介と松岡梨絵のコンビはお見事のひとこと。以前にも観た神戸里奈のクララちゃんは、とてもかわいらしかったです。特にスチュアート・キャシディとのパ・ド・ドゥは、柔らかな衣裳と軽やかなリフトで、まるで空を飛び交っているかのようでした。花のワルツの東野泰子さん笑顔が愛らしい。中国人形の副智美さん、コミカルなダンスですが、細かな動きやポーズの正確さが光ってました。ロシア人形の片方の人(名前不明)、ジャンプ力がすばらしい。全体にKバレエのダンサーは、この前観た新国立劇場バレエ団と比べると、アピールが上手な気がしました。
問題を感じたのは、公演の後の遅沢くん、松岡さんとの握手会。ホールを出たときまだあまり人がならんでいなかったので、時間がかからないだろうと思って並んでみたのですが、二人が着替えて出てくるまで、小一時間待たされました。最初から一時間待つと聞いていたら、巣穴までの道のりの遠いぽん太は並ばなかったのに。せっかくいい気分だったのに、ちょっと待ちくたびれました。それでも生の松岡さん(と遅沢くん)は、奇麗でかっこよかったです。松岡さんは、両手でしっかりとぽん太の手を握ってくれました。惚れてまうやろ〜!
『くるみ割り人形』 The Nutcracker
Tetsuya Kumakawa K-BALLET COMPANY
2008年12月23日夜、赤坂ACTシアター
ドロッセルマイヤー Herr Drosselmeyer :スチュアート・キャシディ Stuart Cassidy
マリー姫 Princess Marie :松岡梨絵 Rie Matsuoka
くるみ割り人形 The Nutcracker / 王子 The Prince :遅沢佑介 Yusuke Osozawa
クララ Clara :神戸里奈 Rina Kambe
人形王国の王様 The Doll King / Dr.シュタールバウム Dr.Shtahlbaum :ショーン・ガンリー Sean Ganley
人形王国の王妃 The Doll Queen / シュタールバウム夫人 Mrs.Shtahlbaum :天野裕子 Yuko Amano
ねずみの王様 The Mouse King :スティーブン・ウィンザー Steven Windsor
フリッツ Fritz :酒匂麗 Rei Sakoh
【第1幕4場 (雪の国) ActI Scene4 (The Land of Snow)】
雪の女王 The Queen of Snow :樋口ゆり Yuri Higuchi
雪の王 The King of Snow :輪島拓也 Takuya Wajima
粉雪 Snowflakes: 副智美 Satomi Soi / 湊まり恵 Marie Minato / 中村春奈 Haruna Nakamura / 渡部萌子 Moeko Watanabe
【第2幕 (人形王国) ActII(The Land of Dolls)】
花のワルツ Valse des Fleurs :東野泰子 Yasuko Higashino / 白石あゆ美 Ayumi Shiraishi / 輪島拓也 Takuya Wajima / 西野隼人 Hayato Nishino
アラビア人形 Arabic Dolls :樋口ゆり Yuri Higuchi / ニコライ・ヴィユウジャーニン Nikolay Vyuzhanin / 石黒善大 Yoshihiro Ishiguro
スペイン人形 Spanish Dolls :浅野真由香 Mayuka Asano / 木島彩矢花 Sayaka Kijima / 小山憲 Ken Koyama / 内村和真 Kazuma Uchimura
中国人形 Chinese Dolls :副智美 Satomi Soi 小林由明 Yoshiaki Kobayashi
ロシア人形 Russian Dolls :荒井英之 Hideyuki Arai / 長島裕輔 Yusuke Nagashima
フランス人形 French Dolls :中谷友香 Yuka Nakatani / 湊まり恵 Marie Minato / 山口愛 Ai Yamaguchi
客人/子供たち/ねずみたち/兵隊/粉雪たち/花のワルツ コール・ド・バレエ 他 Artists of K-BALLET COMPANY
Ladies/Gentlemen/Children/Mice/Soldiers/Snowflakes/Valse des Fleurs
人形劇 / 天使 Puppet Play / Angel K-BALLET SCHOOL
●芸術監督 Artistic Director 熊川哲也 Tetsuya Kumakawa
●演出・振付 Production / Choreography 熊川哲也 Tetsuya Kumakawa
●原振付 Original Choreography レフ・イワーノフ Lev Ivanov
●オリジナル台本 Original Scenario マリウス・プティパ Marius Petipa
●音楽 Music ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー Peter Ilyich Tchaikovsky
●舞台美術・衣裳 Set and Costume Design ヨランダ・ソナベンド Yolanda Sonnabend / レズリー・トラヴァース Leslie Travers
●照明 Lighting Design 足立恒 Hisashi Adachi
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