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2010年9月の14件の記事

2010/09/29

【温泉】点在する野天風呂が魅力 白馬岳蓮華温泉ロッジ(★★★★)、そばの庵はや田(★★★★)

Img_1721 8月中旬、ぽん太とにゃん子は、以前から行ってみたかった白馬岳蓮華温泉ロッジに泊まって来ました。公式サイトはこちらです。大糸線の平岩駅から、山道を西に20kmほど入ったところにありますが、今回ぽん太とにゃん子は、朝日岳から下山して、蓮華温泉ロッジに到りました。意外と建物は新しく、木造の壁は焦げ茶に塗られ、山小屋の雰囲気です。
 客室はこざっぱりした和室。追加料金で個室指定もできるようですが、本日は空いていたので、相部屋になることはありませんでした。テレビがないのが残念。また自家発電のため、夜の9時で消灯となりますので、ヘッドランプ等が必要です。
P8190490 内風呂です。白馬鑓温泉以後、2泊3日分の汗を流します。もちろん湯船に入る前に全身を2度洗い。あ〜さっぱりした。一皮も二皮もむけた気がします。そして温泉のあとの生ビールのうまいこと、うまいこと。ぽん太はこの一杯のために登山をしているようなもんです。
Img_1732 さて、蓮華温泉の最大の魅力は、裏山に点在する野天風呂。写真は5分ほど歩いたところにある黄金湯。混浴で、更衣室も囲いもなく、道から丸見えです。開放感と野趣あふれる雰囲気が最高です。
Img_1727 こちらは歩行時間片道20分。源泉に近い、もっとも奥まったところにある薬師湯です。野天風呂はそれぞれ泉質が違うそうで、ここのお湯は緑っぽい色をしています。他のお風呂は上下2方向をケアしないといけませんが、どんづまりにあるこのお風呂は、一方だけを警戒すればいいので、一番女性が入りやすいかもしれません。
P8190497 夕食は、山小屋風に、食堂で一斉にいただきます。トンカツは、中に味噌が入っていておいしかったです。でも登山はもう終了。ダイエットのため食べ過ぎないように気をつけました。ただ、山小屋の食事としてはすばらしいけど、旅館としてはちょっと質素かな。車が宿まで入るんだから、もう少し食事に凝ってもいいような気がします。
P8200499 朝食は、山小屋としても旅館としても、シンプルです。
 翌朝もゆっくり温泉につかり、バスでJR平岩駅にでました。そこから大糸線でゴトゴトと白馬駅まで行き、八方の駐車場に停めた車を回収して帰途につきました。
 山小屋としては立派だけど、旅館としてはいまひとつ。しかしながら野天風呂群は一級品で、総合得点は4点!

P8200524 せっかくなので安曇野でおいしい蕎麦でも食べて帰ろうと考え、豊科インター近くの「そばの庵 はや田」の寄りました。公式サイトが見当たらないので、Yahoo!グルメにリンクしておきます。
 入り口には信州そば切りの店という看板がありますが、これは信州そば産地表示協議会が、長野県産のそば粉を使って手作業で作った蕎麦を供しているお店を審査して、認定しているものだそうです。
P8200520 せっかくなので十割蕎麦をいただきました。そば粉の芳醇な香りが口一杯に広がって、とてもおいしかったです。けっこう一人前の量が多いです。ぽん太とにゃん子では、普通盛りと半盛りを、二人で食べるくらいで丁度よかったかもしれません。入り口のメニューに「盛り沢山です」と書いてあったのは、そういう意味だったのか……。

2010/09/28

【歌舞伎】吉右衛門の俊寛の絶望 2010年9月新橋演舞場夜の部

 千穐楽に行ってきました。筋書き売場が混んでいたので、まずトイレにゆっくり行ってから買おうと思ったら、なんと筋書きが売り切れ。う〜、筋書きって売り切れるものだったのか〜。最初に買っておけばよかった……。
 「俊寛」というと、やすらかに死を迎え入れるという、歌舞伎座さよなら公演での勘三郎の名演技がぽん太の記憶に残っておりますが、今回の吉右衛門の「俊寛」には、深い「絶望」を感じました。するすると砂の上を走っていくもやい綱を、思わず捕まえようとするものの、船に向かって叫ぶ姿には、孤独や不安、未練などはありません。遠ざかっていく船を岩上から眺める俊寛は、もう叫ぶこともせず、その表情から人間らしい喜怒哀楽の情は一切消え去り、空虚、無、絶望でしかありません。さかのぼって、千鳥に船を譲った行為も、自己犠牲や、極楽浄土に往生したいという信仰心よりは、妻の東屋なしに生きながらえることを無意味に思う気持ちが勝っているように感じました。
 今回の演技の、どこまでが型で、どこからが吉右衛門の工夫か、ぽん太にはさっぱりわかりません。ただ今回の俊寛の絶望といい、7月の浮世又平の絶望といい、吉右衛門自身の内面に根ざした演技であるように思われます。
 福助の千鳥は、若い娘らしくしようとしすぎて、なんだか変でした。可愛らしげな動作もむしろ滑稽に感じられるし、無理に高い声を使っているため、声の持つ感情表現力がそがれていて、くどきも説得力に欠けたように思います。「あ痛」というところだけ地声になるのも、笑わせようとしているとしか思えません。
 段四郎の瀬尾太郎兼康は、生身の人が演じているとは思えない人形のような怪異さがすばらしかったです。仁左衛門、格好良かったですが、のどを痛めたのか声が出てないのが残念でした。

 「引窓」は、染五郎、孝太郎、松緑など若手によるものでしたが、安心して観ていられました。なんといっても東蔵のお幸が、さまざまに揺れ動く母親の情を余すところなく表現して、舞台を引き締めていました。染五郎の南方十次兵衛、花道から出て来たところはなんだかつっころばしみたいに貫禄がなくて、染五郎の柔らかい味が出ていました。孝太郎のお早はしっかりした演技。松緑は、世話物の5月の「魚屋宗五郎」は感心しませんでしたが、さすがに濡髪長五郎のような役は、貫禄といい、様式美といい、良かったです。
 富十郎の「うかれ坊主」は、さすがに身体の動きは十分とはいえないけれど、ひょうひょうとして面白かったです。


秀山祭九月大歌舞伎
新橋演舞場・平成22年9月夜の部

一、猩々(しょうじょう)
              猩々  梅 玉
              猩々  松 緑
             酒売り  芝 雀

二、平家女護島
  俊寛(しゅんかん)
            俊寛僧都  吉右衛門
          瀬尾太郎兼康  段四郎
            海女千鳥  福 助
          丹波少将成経  染五郎
           平判官康頼  歌 昇
         丹左衛門尉基康  仁左衛門

三、鐘ヶ岬(かねがみさき)
              清姫  芝 翫
  うかれ坊主(うかれぼうず)
            願人坊主  富十郎

四、双蝶々曲輪日記
  引窓(ひきまど)
    南与兵衛後に南方十次兵衛  染五郎
            女房お早  孝太郎
            平岡丹平  松 江
            三原伝造  種太郎
           濡髪長五郎  松 緑
              お幸  東 蔵

2010/09/26

【登山】花と温泉の白馬縦走(3) 朝日小屋〜朝日岳〜蓮華温泉

 こんかいの花と温泉の白馬縦走も、今日で終わりです。本日は、まず朝日岳を越え、そのあと長い下り(最後に登り返し付き)ですが、温泉がぽん太とにゃん子を待ってくれてます。

【ルート】(8/19)朝日小屋5:40…朝日岳6:45…白馬岳蓮華温泉ロッジ14:10(泊)
【見た花】オオレイジンソウ、ハクサンフウロ、ハクサンイチゲ、イワギキョウ、ヒメシャジン(白)、ヒオウギアヤメ(群落)、カライトソウ、オトギリソウ、オニシオガマ(群落)、ワレモコウ、ワタスゲ、キンコウカ、シラタマノキ(実)、ジャコウソウ(初)

P8190403 かわいらしくて快適な朝日小屋に別れを告げ、朝日岳の登りにかかります。天気は快晴ですが、下山するにつれて標高が低くなるので、暑さが心配です。
P8190434 本日もさまざまな花が咲き乱れ、ぽん太とにゃん子の目を楽しませてくれました。写真はヒオウギアヤメの群落です。
Img_1703 こちらはオニシオガマの群落。でかくて一つだけでも存在感があるオニシオガマが群落になると、迫力があります。
Img_1707 途中湿原もありました。ワタスゲのドアップです。なんだかうらやましい感じがします。
Img_1709 こちらはシラタマノキの実。きれいですね。
Img_1712 ジャコウソウです。標高が低いところの花のためか、初めてお目にかかりました。
P8190472 朝日小屋のお弁当は、大きなおにぎり二つと、心温まる煮物です。おいしゅうございました。
Img_1721 猛暑のなかの長〜い下りの最後に登り返しもあり、ぽん太とにゃん子はへとへとです。蓮華温泉に付いたのは午後二時過ぎ。行動時間8時間半です。
 驚いたのは、この長い道を登っていく人たちが何人もいたこと。最後の最後で朝日岳を越えるのは大変だろうな〜。ぽん太なら12時間ぐらいかかりそうな気がします。
 蓮華温泉ロッジに関しては、稿を改めてご報告いたします。
Img_1741 翌日、バスでJR平岩駅まで下り、そこから大糸線で白馬駅まで戻り、八方の駐車場に停めてあった車を拾って、帰宅の途につきました。
 三日目も四日目も一日の行程が長くて疲れましたけど、花いっぱい、温泉三昧のすばらしい縦走でした。

2010/09/25

【演劇】勘三郎と野田秀樹のジャムセッション 「表に出ろいっ!」

 この夏の猛暑の最後っぺのような暑さのなか、見に行って参りましたっ!公式サイトはこちらっ
 ん〜、まあ面白かったけど、あんまり感動はしなかったかな。会場も小劇場だったけど、作品も「小品」という感じでした。
 下手側に舞台があって、上手側に横向きの椅子が並んでいて、なんか能舞台みたいだな〜と思っていたら、中村勘三郎は能楽師の役でした。
 今回の脚本は、いつものような言葉遊びはなし。全体としてドタバタコメディー風で、大御所の勘三郎と野田秀樹が、交替で自分の「芸」を披露したり、絡み合ったりと、まるでジャムセッションを聴いているような印象を受けました。もちろん二人のこと、アドリブに見えるのも全部決めごとなんでしょうけど。野田秀樹が客席に受けたと見るや、次は勘三郎が負けじとハイテンションで暴れまくり……という感じの連続で、異様な盛り上がり。ハイハイお二人の持ち味はじゅ〜ぶん堪能いたしましたっ!ちょっとくどいかもっ!オーディションで決まった太田緑ロランスもベテラン二人を相手に健闘。
 テーマとしては、「現実の隙間を埋めるために幻想にしがみつく」(な、なんか、ラカン的だな)とか、「家族」とか、「命」といった感じ。前作の「キャラクター」の主題とも重なっております。さらに娘が信じてる怪しげな団体が書道教室であることが明らかになり、まさに「キャラクター」とつながっておりますが、ここのところであまり笑いは起きませんでした。本日の客席、勘三郎ファンの方が多かったのかな?ただ舞台を観ていて、こうしたテーマには、あまり共感できませんでした。
 ぽん太個人としては、もうちょっと、ホロリとする瞬間や、野田秀樹独特の時空を超越する感覚が欲しかったです。
 で、ぽん太には、何で犬の名前がピナ・バウシュなのかがわかりません。なんか重要なことを見落としているんでしょうか?
 

野田地図番外公演
「表に出ろいっ!」
2010年9月22日夜・東京芸術劇場小ホール

作・演出 : 野田秀樹
美術 : 堀尾幸雄
照明 : 小川幾雄
衣装:ひびのこづえ
選曲・効果 : 高都幸男
ヘアメイク:宮森隆行
舞台監督 : 谷澤拓巳

出演 : 中村勘三郎、野田秀樹、太田緑ロランス

2010/09/24

【歌舞伎】仁左衛門の佐吉、歌六の雲助平作 2010年9月新橋演舞場昼の部

 「沼津」が1時間50分。30分の休憩をはさんで「荒川の佐吉」が2時間5分。どちらも見応えはありましたが、途中休憩なしの長い演目が二つ続いて、どっと疲れてしまいました。もう少し演目の並べ方に工夫はできないものでしょうか。
 「沼津」は初めて観ました。「実は親子」「実は兄妹」「腹を切ってからが長い」「敵同士とそれぞれゆかり」など、まさに歌舞伎といった演目でした。吉右衛門の、朗らかで優しく人のよさそうな十兵衛もよかったですが、なんといっても歌六の雲助平作が光りました。実直で誠実な老人の、娘への思い、息子への思いが、心を打ちました。芝雀のお米は可愛かったですが、もすこし元遊女らしい格とつやっぽさがあるとよかったです。歌昇の安兵衛も軽妙な脇役。染五郎は登場するだけで舞台がぱっと明るくなって、だいぶ華が出て来ました。
 仁左衛門の「荒川の佐吉」は2回目。前回観たのはいつだったか、だいぶ前でよく覚えていません。脚本の真山青果は、ぽん太は『元禄忠臣蔵』がなんか理屈っぽくて嫌いなので、今回もどうかな……と思ってました。「カニが自分の甲羅に似せて巣穴を掘る」とか「前に行くつもりで横に這う」とか「強い者が勝つのではなく、勝つ者が強いのだ」とか、ちょっと理屈っぽい台詞もありましたが、人情味もあり、また権力の座に留まろうとせず、すべてを捨てて旅に出ようとする結末もさわやかで、悪くなかったです。でもやっぱりこの芝居は、仁左衛門が演じるからこそいいのであって、他の役者はちょっと想像できません。仁左衛門の佐吉は、三下の頃の威勢の良さとかわいらしさ、子煩悩さ、一本気なところ、成川に斬り掛かる時の迫力、大成してからの風格と大きさ、ラストのいさぎよさ、どれもこれもすばらしかったです。
 今回観ていて、佐吉が成川に斬り掛かる時の「一心具足千人力、吞龍さまのお符が初めておれに読めるようになったのだ」という台詞が、ぽん太の耳に飛び込んできました。もちろん完全に聞き取れたわけではないので、家に帰ってから本で調べました(『真山青果全集〈第5巻〉』講談社。1976年)。
 「呑龍さま」というのは、呑龍上人のことだと思うのですが、群馬県太田市に大光院というお寺があり、このお寺の初代住職が呑龍上人です。ぽん太がこのお寺を訪れた時のことは、以前の記事に書きました。興味深いのは、呑龍上人は、貧しい子供を引き取っては弟子として育てていたため、「子育て呑龍」と呼ばれていたことです。盲目の子供を引き取って育てていた佐吉と重なるところは、真山青果の工夫でしょうか。
 「一心具足千人力」という言葉は、仁左衛門自身がどこかのインタビューで、大好きな台詞だと言っていた記憶があります。「一心」=一つのことに集中した心、「具足」=完全に備わっていること、ですから、「必死にやり遂げようとすれば、できないことはない」といった意味かと思います。
 「一心具足千人力」という呑龍さまのお札は本当にあったのでしょうか。この芝居の初演は昭和7年(1932年)で、また時代設定は「天保の末年頃」とされています。ちなみに天保時代は1830年から1843年ですね。果たして天保年間に本当に「一心具足千人力」という呑龍さまのお札があったのか、それとも真山青果が脚本を書いた昭和初期にあったものなのか、それとも真山の創作なのか、少しググってみたけどわかりませんでした。
 さて、今月の歌舞伎に戻り、冒頭『月宴紅葉繍』は梅玉と魁春による舞いで優雅に幕開き。最後の『寿梅鉢萬歳』は藤十郎が萬歳を娘姿で踊って、華やかに締めくくりました。

新橋演舞場
秀山祭九月大歌舞伎
平成22年9月・昼の部

一、月宴紅葉繍(つきのうたげもみじのいろどり)
            在原業平  梅 玉
            小野小町  魁 春

二、伊賀越道中双六
  沼津(ぬまづ)
          呉服屋十兵衛  吉右衛門
              お米  芝 雀
            池添孫八  染五郎
           荷持安兵衛  歌 昇
            雲助平作  歌 六

三、江戸絵両国八景
  荒川の佐吉(あらかわのさきち)
           荒川の佐吉  仁左衛門
          丸総女房お新  福 助
         仁兵衛娘お八重  孝太郎
           大工辰五郎  染五郎
             卯之吉  千之助
           白熊の忠助  錦 吾
           あごの権六  由次郎
           極楽徳兵衛  高麗蔵
          隅田の清五郎  錦之助
          成川郷右衛門  歌 六
          鍾馗の仁兵衛  段四郎
          相模屋政五郎  吉右衛門

四、寿梅鉢萬歳(ことぶきうめばちまんざい)
              萬歳  藤十郎

2010/09/23

【登山】花と温泉の白馬縦走(2) 白馬岳〜雪倉岳〜朝日小屋

 本日は、白馬岳頂上宿舎を出発し、白馬岳、雪倉岳を経て、朝日小屋に向かいます。特に白馬岳から先は、登山者も少なく静かな山行が楽しめる上、花の宝庫としても知られております。
 本日のルートと見た花を再掲します。

【ルート】(8/18)白馬岳頂上宿舎6:05…白馬岳6:50…雪倉岳10:20…朝日小屋14:30(泊)
【見た花】(8/18)ミヤマアズマギク、タカネヤハズハハコ、ミヤマクワガタ、ダイモンジソウ、タカネミミナグサ、ウルップソウ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマダイコンソウ、ヨツバシオガマ、マツムシソウ、タカネツメクサ、タテヤマリンドウ、アオノツガザクラ、ヒメクワガタ(初)、ハクサンイチゲ、タカネミミナグサ(初)、イワショウブ、ハクサンシャジン、ウメバチソウ、トウヤクリンドウ、タカネヒゴタイ、オヤマソバ、ミネウスユキソウ、シモツケソウ、ミヤマムラサキ(初)、シロウマアサツキ(初)、オオレイジンソウ、コバイケイソウ、キヌガサソウ、ハクサンオミナエシ、ハクサンコザクラ、ニッコウキスゲ、ツガザクラ、イブキトラノオ……

Img_1563 6時過ぎに白馬岳頂上宿舎を出発。今日の天気は予報では快晴のはずですが、まだガスがかかっております。これでは白馬岳山頂からの展望は望めませんが、ひょっとしたらアレが……。おお、やっぱり見えました。ブロッケン現象です。
Img_1570
 白馬岳山頂を過ぎた頃から、真っ青な空が見えて来ました。正面に見えるのは小蓮華山です。
Img_1576 ミヤマクワガタ君ですが、ピントが合ったので載せときます。花びらの模様がきれいですね。あれ?正面の花の雄しべは緑色ですが、向かって左向きのは黄色ですね。時期によって違うのかしら。
Img_1587 礼文島、白馬岳、八ヶ岳でしか見られないウルップソウ。この時期ほとんどが枯れておりましたが、白馬岳山頂の北斜面に咲いていたこの花が、一番ましでした。
Img_1601 白馬大池に至る稜線沿いの道から左に分岐して、雪倉岳方面に下っていくと、登山客もほとんどいなくなります。そして花・花・花。少し時期は遅かったものの、様々な高山植物が咲き乱れておりました。その様子は多くのブログで紹介されておりますので、ぽん太の気に入ったいくつかの写真だけご紹介。
 初めて見る花です。ミヤマクワガタに似てますが、しべが飛び出していません。ヒメクワガタという花のようです。
Img_1607 な、なんだこれは。ツメクサ系ですが、花びらが2枚ずつくっついています。帰宅後図鑑で調べると、クモマミミナグサかタカネミミナグサのようです。タカネミミナグサの葉のふちに短毛があるということで、タカネミミナグサとしてみましたが、合っているかどうか?
Img_1622_2 雪倉岳への登りの途中、白馬方面を振り返る。向かって左、雲が立っているのが白馬岳。そこから右に、旭岳、清水岳と連なる稜線が見えております。向かって右、稜線から剱岳が顔を覗かしてます。
P8180324 雪倉岳の頂上で昼食です。白馬岳頂上宿舎のお弁当は……。こ、これわっ、うな重ではないか。うれしや、うれしや。まさか北アルプスの頂上でうな重を食べられるとは思わなかった。
Img_1635 この葱坊主のような花は、シロウマアサツキだそうです。お初にお目にかかりました。
Img_1652 この日は平地では猛暑だったそうで、山の上もとても暑かったです。とくに赤男山をすぎてからは、標高も低い上に直射日光に照らされ、ホントに参りました。
 途中でキレイなチョウチョを見つけたのでパチリ。ぽん太はチョウチョは不案内なのですが、帰宅後調べたらアサギマダラのようです(Wikipedia)。長距離を移動する蝶として知られているのだそうです。
Img_1663 ようやく朝日小屋に到着。途中写真を撮りながら歩いたものの、行動時間8時間半です。ああ、しんど。小屋番はとっても感じのいい女性で、清潔で、隅々まで気が行き届いていて、ちょっと可愛らしい山小屋です。公式サイトはこちら
Img_1662 こぎれいな部屋です。本日も一部屋貸し切りでした。
 本日の行程の途中で常駐隊の方に会いました(というか、ぽん太とにゃん子があんまり遅いで、少し急ぐように注意されました)。朝日小屋についてから、小屋の庭でいろいろと話しをお伺いしたのですが、常駐隊の仕事とか、さまざまな遭難例とか、大変勉強になりました。また、ぽん太の登山靴のソールがはがれかかっているので、すぐ買い替えるよう指導されました。恥ずかしながらぽん太は、「常駐隊」を初めて知ったのですが、長野県山岳遭難防止対策協会が遭難防止のために、夏の登山シーズンのあいだ北アルプス一帯に常駐させているのだそうです。ご苦労様です。
P8180355 夕食です。ドリンク一杯サービス付き。ぽん太とにゃん子は赤ワインを選択。かわいらしい陶器の食器。刺身の昆布じめ、鱒寿司、煮物にそばまで付いて、とてもおいしかったです。
Img_1665 それはそれは美しい夕焼けでした。
P8190388 朝食です。なんとなく、女性が作ってくれた感じのやわらかさがあります。
 朝日小屋はとてもすばらしい山小屋ですが、白馬から縦走するにしても、蓮華温泉から登ってくるにしても、アプローチが長いのが残念です。でも、頑張って歩いてでも、宿泊する価値があると思います。

2010/09/22

【登山】花と温泉の白馬縦走(1) 猿倉〜白馬鑓温泉〜白馬岳頂上宿舎

 ぽん太とにゃん子は、夏休みを利用して、白馬岳に行って参りました。猿倉から白馬鑓温泉に入り、白馬岳、朝日岳と縦走し、蓮華温泉に下山して泊まるという、温泉をつなぐコースです。お肌が弱いぽん太ですが、これならおそらく大丈夫。しかも白馬岳から北の雪倉岳、朝日岳の縦走は、高山植物の宝庫とのこと。楽しみです。
 それでは、まずは日程のご案内。

【山域】北アルプス
【山名】白馬岳(2932.2m)、朝日岳(2418m)、雪倉岳(2610.9m)、鑓ヶ岳(2903.1m)、杓子岳(2812m)
【日程】2010年8月16日〜19日(3泊4日)
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】(8/16)雨のち曇り、(8/17)晴れのちガス、(8/18)快晴で猛暑、(8/19)
【ルート】(8/16)猿倉10:20…白馬鑓温泉小屋14:30(泊)
(8/17)白馬鑓温泉小屋6:20…鑓ヶ岳10:10…杓子岳12:20…白馬岳頂上宿舎13:30(泊)
(8/18)白馬岳頂上宿舎6:05…白馬岳6:50…雪倉岳10:20…朝日小屋14:30(泊)
(8/19)朝日小屋5:40…朝日岳6:45…白馬岳蓮華温泉ロッジ14:10(泊)

※大きい地図や標高グラフは、「山行記録のページへ」をクリック
【見た花】(8/16)コゴメグサ、ホタルブクロ(白)、クガイソウ、イワイチョウ、キンコウカ、ミヤマクワガタ、ミヤマタンポポ、ミヤマキンポウゲ、テガタチドリ……
(8/17)タカネニガナ、エゾシオガマ、ウツボグサ、ミソガワソウ、オオバミゾホオズキ、ニッコウキスゲ、ヨツバシオガマ、ウツボグサ、オタカラコウ、カライトソウ、タカネヒゴタイ、サラシナショウマ、キヌガサソウ(半分実)、イワカガミ、ハクサンコザクラ、ミヤマキンバイ、チングルマ、ウサギギク、ハクサンフウロ、コマクサ、ミヤマアケボノソウ、ミヤマトリカブト、タカネナデシコ、カンチコウゾリナ、キオン、タカネシオガマ……
(8/18)ミヤマアズマギク、タカネヤハズハハコ、ミヤマクワガタ、ダイモンジソウ、タカネミミナグサ、ウルップソウ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマダイコンソウ、ヨツバシオガマ、マツムシソウ、タカネツメクサ、タテヤマリンドウ、アオノツガザクラ、ヒメクワガタ(初)、ハクサンイチゲ、タカネミミナグサ(初)、イワショウブ、ハクサンシャジン、ウメバチソウ、トウヤクリンドウ、タカネヒゴタイ、オヤマソバ、ミネウスユキソウ、シモツケソウ、ミヤマムラサキ(初)、シロウマアサツキ(初)、オオレイジンソウ、コバイケイソウ、キヌガサソウ、ハクサンオミナエシ、ハクサンコザクラ、ニッコウキスゲ、ツガザクラ、イブキトラノオ……
(8/19)オオレイジンソウ、ハクサンフウロ、ハクサンイチゲ、イワギキョウ、ヒメシャジン(白)、ヒオウギアヤメ(群落)、カライトソウ、オトギリソウ、テガタチドリ(群落)、ワレモコウ、ワタスゲ、キンコウカ、シラタマノキ(実)、ジャコウソウ(初)
【マイカー登山情報】猿倉に大きな無料駐車場がありますが、ハイシーズンは満車になることも。ぽん太とにゃん子は、最終日に小糸線を使って車を回収しに戻るときの手間も考え、八方の無料駐車場に止め、八方バスターミナルからバスで猿倉に入りました。
【参考リンク】
http://www.alpico.co.jp/access/route_k/sarukura/index.html
  白馬駅から猿倉へのバスの時刻表
http://hakuba-sanso.co.jp/loge/hakubayarionnsen/index.htm
  白馬鑓温泉ホームページ
http://annai.hakuba.jp/content/view/53/64/
  白馬岳頂上宿舎ホームページ
http://www.asahigoya.net/
  朝日小屋ホームページ
http://w2.avis.ne.jp/~renge/
  白馬岳蓮華温泉ロッジ、ホームページ

 最終日に電車で車を回収しに来るため、八方の駐車場に車を停め、八方バスターミナルからバスで猿倉に入りました。猿倉で出発の準備を整えていると、あ、雨が……。いきなりカッパを着ての出発となり、気分は少々もり下がり気味。少しして雨は上がり、曇りとなりましたが。
 1日目(8/16)の猿倉〜白馬鑓温泉(泊)の行程に着きましては、先の記事「【歩かないと行けない温泉(3)】白馬鑓温泉小屋(歩行時間4時間)」をご覧下さい。
 2日目(8/17)は快晴。心浮きうき満開のお花畑を愛でながらの歩行で、稜線までの急登も苦になりません。
Img_1473 ミソガワソウです。遠目に地味なありふれた花ですが、アップで見るとけっこうきれいです。
Img_1491_2 稜線直下のお花畑は、もう黄色やらピンクやらオレンジやらの花でいっぱい。こんなすごいお花畑は初めてです。
 Img_1497 ハクサンコザクラです。かわいいですね〜。
Img_1525 ようやく稜線に出て、鑓ヶ岳山頂目指して登ります。砂利でできたぼた山のような山で、登りづらいことこの上ありません。
P8170179 鑓ヶ岳山頂でお昼にしました。白馬鑓温泉小屋のお弁当ですが、おかずが充実しておいしゅうございました。
Img_1529 鑓ヶ岳山頂を越え、お次ぎはお決まりの杓子岳の写真です。写真向かって左、西側の斜面はまさに杓子のように真っ平らですが、東側は断崖絶壁です。
 このあたりからガスがかかってきました。すると……
Img_1545 ライチョウ君出現!写真には写ってませんが、親子連れです。雨が降らなければいいけど……。
Img_1557 ついに今宵の宿、白馬岳頂上宿舎に到着です。白馬岳の山小屋というと、白馬山荘の方が有名ですが、白馬山荘には以前に泊まったことがあるのと、8月の白馬山荘は混むのではないかという不安から、今回は白馬山荘にしました。というのもぽん太のなかでの夏の白馬岳のイメージは、以前に誰からか聞いた、「大雪渓に引かれた赤線にそって、登山客が下から上までアリのように一列になって登っていき、白馬山荘に吸い込まれていく」というものだったからです。しかし、今回何人かの関係者に話しを伺うと、「そういえば昔はそんなこともあった」というぐらいの話しだそうで、そのころ山に登っていた人たちは今や高齢化し、いわゆる登山ブームもだいぶ下火になっているのだそうです。近年「山ガール」などという言葉も聞きますが、全体としてはごく少数で、登山客が飛躍的に増えるまでの影響はないのだそうです。
P8180221 こちらが寝床。20人くらい泊まれる部屋ですが、ぽん太とにゃん子の貸し切りでした。お盆直後とはいえ、夏山シーズン中なのに……。
P8170219 こちらが夕食。おかずはバイキング方式になっており、おかわり自由なので、おいしいし食べがいがあります。
P8180220 朝食もバイキングです。いっぱい食べて、本日の行程に備えます。

2010/09/20

【医は算術】精神科医は患者一人当たり何分診察すると一番儲かるか?

★ピンポ〜ン!使用上の注意:本日のブログはパロディ、皮肉、ジョークであり、書かれている内容の一部はぽん太の本心ではありません。

 厚生労働省のお役人は、いわゆる医者の売り上げである「診療報酬」によって、医者の診療行為をコントロールしようとします。つまり、発展させたい分野の診療報酬を上げ、縮小したい分野の診療報酬を下げることによって、医者の治療、検査、投薬などを、役人の意図に従わせようとするのです。
 どうやらお役人さんは、医者が最大利益を追求して診療を行っていると考えているようです。しかし断言いたしますが、医者は患者さんにとってもっとも適切な医療を行うことを第一に考えているのであって、決して最大利益を得ようとして診療しているのではありません。それゆえ時として、患者さんのためを思って診療を行うとかえって収入が減り、劣悪な医療を行うと高収入が得られることさえあるのです。
 お役人さんたちが、「医者は金目当てに診療をしている」と考えるなら、いいでしょう、いっそのことぽん太はお役人さんの言うとおり金の亡者となりましょう。そして、患者さんを何分診療したら一番儲かるのか検討してみましょう。

 単純化するために、精神科クリニックを再診した患者さんに、精神療法と、処方箋の発行を行った場合を考えましょう。診療報酬の体系はとても複雑で、受付の曜日・時刻や、薬が何種類かによって価格が変わって来るのですが、細かいことは省略します。
 診察時間によって、診療報酬は以下のように変化します。

(1)診察時間が0分を超えて5分以下の場合
  再診料(明細書発行体制等加算):70点
  精神科外来支援・指導料:55点
  処方箋料(7種以下):68点
    合計:193点
    1点=10円で1,930円
(2)診療時間が5分を超えて30分未満の場合
  再診料(明細書発行体制等加算):70点
  通院・在宅精神療法(30分未満):330点
  処方箋料(7種以下):68点
    合計:468点
    1点=10円で4,680円
(3)診察時間が30分以上の場合
  再診料(明細書発行体制等加算):70点
  通院・在宅精神療法(30分以上):400点
  処方箋料(7種以下):68点
    合計:538点
    1点=10円で5,380円

 診察時間(分)をx、診療報酬(円)をyとして、x分診察した場合の診療報酬y円を、y=p(x)と関数で表現すると、以下のようになります。

 p(x)=1,930   (0<x≦5)
 p(x)=4,680   (5<x<30)
 p(x)=5,380   (30≦x)

 この関数をグラフにすると、以下の図1ようになります。
00010a
 これを見ると、時間とともに段階的に診療報酬が上がり、やがて飽和するという感じになっております。イメージ的にをわかりやすくするために、補助線を加えてみます(図2)
0001ya
 精神科医の精神療法の価値を評価するならば、診察料金は次の図3のように、時間とともに増大していくのが筋のように思います。しかしこのようにすると、精神科医の中には、一人の患者を2時間診察し、一日4人診て生計を立てるヤカラが出て来る可能性があるので、仕方がないのかもしれません。
0001ec
 以上のように考えてみると、精神科の診療報酬体系は、そこそこ妥当なような気がします。
 しかし、精神科医は1日にたった一人の患者さんを診察するのではなく、立て続けに大勢の患者さんを診ていることを考慮する必要があります。一人の患者さんを長く診察すると、一日に診察できる患者さんが減ります。反対に一人当たりの診察時間を短くすると、多くの患者さんを診ることができます。
 単純化して、全ての患者さんを同じ時間診察すると仮定します。また、ある患者さんの診察が終わってから、次の患者さんを診るまでのロスタイムを無視しましょう。すると一人の患者さんをx分診察した場合の、1時間あたりの診療報酬をz=P(x)とすれば、P(x)=p(x)*60/xと表すことができるので、

 P(x)=1,930*60/x   (0<x≦5)
 P(x)=4,680*60/x   (5<x<30)
 P(x)=5,380*60/x   (30≦x)

となります。これをグラフにしたのが下の図4です。
0001er
 これを見るとわかるように、診察時間が短くなればなるほど、1時間あたりの診療報酬は無限に発散していきます。しかし診察時間とともにそれは減少し、5分を過ぎた直後に跳ね上がってピークを迎え、1時間あたりの診療報酬が56,160円となります。そして再び時間とともに減少し、診察時間30分で再び1時間あたりの新療報酬10,760円という小ピークを迎え、再度時間とともに減少していきます。
 1時間あたりの診療報酬が56,160円と聞いて、「なに〜時給6万円、ふざけんじゃねえ、医者は儲け過ぎだ」と起こっているのはどなたですか?「診療報酬」は「売り上げ」であって、医師の「収入」ではありません。ここはよく誤解されるところですが、診療報酬から、開業医はテナントの賃貸料や職員の給料などの経費を支払い、その残りが収入となるのです。いつぞやウソツキ鳩山政権時代に、勤務医の「収入」と開業医の「診療報酬」を意図的に混同して比較し、「開業医は勤務医の1.7倍儲けている」というネガティブキャンペーンを張り、各新聞社もこぞって報道したのでした。過去のニュース記事は消えてしまうので、こちらにリンクしときます)。みんなホントは知ってるくせに、よくやるよ。民主党さん、ぽん太は忘れてへんで〜。さすがにその時は、厚労省がホームページに反論を掲載しましたが。
 さて、話しを元にもどしますが、こうして図4を眺めてみると、通院・在宅精神療法が、診察時間30分未満では330点であるけれど、30分以上になると400点に上がるというのは、ほとんど意味がないことがわかります。何分診療すると、30分における時間あたりの診療報酬P(30)=10,760を下回るのかを計算してみましょう。

 P(x)=10,760  (5<x<30)を解くと、
 4,680*60/x=10,760となり、
 x≒26という答えがでます。

 つまり、診察時間が26分以下の時は、診察を伸ばして30分以上にするメリットはなく、さっさと診察を切り上げた方が儲かるわけです。診察時間が26分を超えてしまった場合にのみ、あと数分診察をして30分以上診察すると、精神科医は儲かることになります。でも、いくら儲かるかというと、

 P(30) - lim[P(30-h),h→+0] =10,760-9,360=1,400

で、最大で1時間あたり1,400円の売り上げにしかすぎません。
 同様に、診察を5分間引き延ばすと得するのはどういう場合かを計算してみると、5分間をわずかすぎた瞬間の1時間あたりの診療報酬は、

 lim[P(5+h), h→+0]=4,680*60/5 =56,160 ですから、
 P(x)=56,160   (0<x≦5) を解くと、
 1,930*60/x=56,160
 x≒2

となります。
 5分を超えて診察しないと通院・在宅精神療法(30分未満)330点が取れないのなら、診察時間を短くして数をさばけばいいや、と思う精神科医もいるかもしれませんが、計算結果によれば、そのためには一人の診察時間をわずか2分以内に押さえないと意味がないわけです。
 で、5分を過ぎていくとどうなるかというと、1時間あたりの診療報酬は

 P(5+0)=56,160
 P(6)=46,800
 P(7)≒40,114
 P(8)=35,100
 P(9)=31,200

と減少していき、
診察時間が10分になると、

 P(10)=28,080

と、1時間あたりの診療報酬は、5分間の診察の半分に落ち込みます。
 以上の結果をまとめます。

厚労省推奨の精神科の診療時間は、
(1)診察が2分を超えたら、無理やり長引かせて5分以上にすること。
(2)診察が5分を超えたら、少しでも早く診察を打ち切ること。10分診察すると売り上げは半額になる。
(3)30分を超えることで診療報酬を上げようというのは無意味。
ということになります。
 患者さんから、「診察時間が短すぎる」「もっとじっくり話しを聞いて欲しい」などの苦情があった場合は、「厚労省の方針だからしかたありません。不満があったら厚労省に言ってください」と返答しましょう。

2010/09/19

【歩かないと行けない温泉(3)】白馬鑓温泉小屋(歩行時間4時間)

Img_1437
 久々の「歩かないと行けない温泉」シリーズ、今回は北アルプスは白馬山麓に湧く白馬鑓温泉(はくばやりおんせん)です。こちらが宿の公式サイトです。ぽん太とにゃん子は、2010年8月16日に宿泊いたしました。
Img_1415 白馬大雪渓の登山口として有名な猿倉からスタートです。車をご利用の方は、猿倉に広い駐車場がありますが、ハイシーズンは満車になることもあり、そうなると八方の駐車場に停めてバスかタクシーを利用することになります。電車の場合は、白馬駅からバスをご利用下さい。
 道は本格的な登山道ですから、温泉マニアが安易に訪れてはなりません。本格的な山の装備と、知識・経験が必要です。途中、このように雪渓を横断したりします。うっかり足を滑らしたら、滑落してそのまま死亡する可能性もあります。
Img_1416 この時期、さまざまな高山植物が目を楽しませてくれます。写真はミヤマキンポウゲの大群落。
Img_1423 やがてはるか上方に湯煙が上がっているのが見え、その向こうに温泉の建物が現れます。
Img_1426 歩行時間4時間で、白馬鑓温泉に到着です(ちなみに下りは3時間)。写真の右側に、裸のおじさんたちが写っておりますが、ここが温泉です。左側にオレンジ色のテントがありますが、テント場から温泉は丸見えです。
Img_1463 建物の入り口です。こちらは受付や食堂となっております。あくまでも山小屋ですから、立派な温泉旅館を想像しないように。
Img_1427  こちらが温泉です。浴槽はコンクリート製。やや熱め。色は透明ですが、白い湯の花が舞い、硫黄臭があります。泉質は含硫黄・カルシウム・マグネシウム・炭酸水素塩泉(硫化水素型)(中性低調性高温泉)、ph6.8とのこと。お湯は、建物側の底の方からどことなく湧いているようです。もちろん源泉掛け流しで、湯量は豊富です。また山中ですので、自然保護のため、石けんは使えません。
Img_1431 標高は2100メートル。雄大な景色がごちそうです。東に向かって開けており、黒姫山や妙高山などの信越国境の山々が見渡せます。
 このお風呂は基本的には混浴ですが、周囲から丸見えなので、女性の入浴は、よっぽど勇気がないと困難です。20時から21時までは女性専用タイムとなっており、真っ暗なので覗かれる心配はないかわりに、景色も見えません。
P8160088 こちらがぽん太が盗撮した女性専用のお風呂です、というのは嘘で、妻のにゃん子が撮影いたしました。ちょっと開放感に欠けるそうです。
Img_1465 建物の裏手には、源泉が湧き出ています。
Img_1464 こちらが客室。山小屋では普通ですが、上下二段の蚕棚方式となっており、混んでいれば赤の他人と枕を並べます。山小屋としてはフツ〜に快適です。
P8160094 こちらは夕食。鶏肉がメインで春巻きもついて、なかなかボリュームがあります。お味噌汁がとてもおいしかったです。
P8170098 こちらは朝食。山の上で塩鮭はうれしいですね。
Img_1451 遥かなる雲海のなかから立ち上る日輪を眺めながらの入浴は、まさに極楽極楽。4時間歩かないと味わえない、白馬鑓温泉の醍醐味です。

2010/09/12

【バレエ】はまり役!コジョカルの「ジゼル」・東京バレエ団

 コジョカルは、昨年の世界バレフェスで「コッペリア」は見たのですが、全幕物は今回が初めてでした。いや〜すばらしかったです!こちらが公式サイトです。
 コジョカルのジゼルって、まさにはまり役ですね。細身の身体といい、清楚で愛らしい表情といい、ジゼルのイメージそのままです。家から飛び出して来た姿を見て、ぽん太はたちまち魅了されてしまいました。身体もとてもやわらかく、かつポーズが美しいです。なんていうのか知りませんが、アラベスクから状態をさらに傾けて足を高く上げる動きも、ネコが伸びをするみたいに、普通のダンサーよりさらに一段ぐっと伸びます。ジャンプも高いし、回転やバランスもとても安定しています。そしてなによりも、演技力があります。第一幕のソロでも、単に上手に踊るだけでなく、愛するアルブレヒトに「さあ、次は難しステップを見せるわよ」「どう?すごいでしょ」と、ダンスの端々で話しかけているような感じです。二幕でウィリとなったジゼルが、ゆっくりと舞台に現れ、ミルタの指示で突然コマネズミのようにくるくると回転するところは、「あ〜あ、あの世の人になっちゃったんだな〜」という感じで、ぽん太の好きな場面なのですが、くるくるぴよんぴよん回ってました。リフトされてふわふわと宙を舞う感じもよく出てました。
 コボーは悪くないですが、がっちりとした体型で、アルブレヒトというよりヒラリオンという感じ。ビヨンビヨンとジャンプを繰り返すところなど、すごかったですが、こんなに体力があったら、この程度ウィリに踊らされても大丈夫なんじゃないかと思いました。コボーのアルブレヒトはとても実直で、婚約者がいながらもジゼルを本気で愛していたように思われました(その結果どうなるかまでは、考えが及ばなかったわけですが……)。二幕でも、深い後悔と愛を感じました。
 後藤晴雄のヒラリオンは、人のよさそうな感じでよかったです。薄ら笑いを浮かべているのがちょっと気になりましたが。アルブレヒトに疑いを抱いているヒラリオンが、現れた村人たちといきなり陽気に踊りだすのはちょっと違和感を感じましたが、東京バレエ団の振付ってこうでしたっけ?田中結子のミルタ、もう少し崇高さが欲しかったですが、悪くなかったです。コールドバレエ陣にも拍手!アラベスクの交差、きれいでしたよ。ウィリ軍団が登場するところで、ベールがすっと引かれる場面がぽん太は好きなのですが、今回はありませんでした。東京バレエ団はいつもこうでしたっけ?井田勝大指揮、東京ニューシティ管弦楽団の演奏も、よかったと思います。
 あ〜いいものを観たな〜。今回はコジョカルがメインだったせいか、カーテンコールでは、感極まったおっさんのスタンドアップ・オベーションが目立ち、ちょっと異様な雰囲気でした。


東京バレエ団「ジゼル」
2010年9月8日 ゆうぽうと

振付・演出:J.コラーリ/J.ペロー/M.プティパ/L.ラブロフスキー
改訂振付(パ・ド・ユイット):V.ワシーリエフ
音楽:アドルフ・アダン
美術・衣裳:ニコラ・ベノワ

ジゼル:アリーナ・コジョカル
アルブレヒト:ヨハン・コボー
ヒラリオン:後藤晴雄
【第1幕】
バチルド姫:吉岡美佳
公爵:木村和夫
ウィルフリード:柄本弾
ジゼルの母:橘静子
ペザントの踊り(パ・ド・ユイット):
高村順子-宮本祐宜、乾友子-長瀬直義
佐伯知香-松下裕次、吉川留衣-平野玲
ジゼルの友人(パ・ド・シス):
西村真由美、高木綾、奈良春夏、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子

【第2幕】
ミルタ:田中結子
ドゥ・ウィリ:西村真由美、吉川留衣

指揮:井田勝大
演奏:東京ニューシティ管弦楽団

2010/09/08

【ダンス】思わせぶりに見えたけど実は奥深いのか?「アポクリフ」(シェルカウイ、首藤康之、ジュルド、ア・フィレッタ)

 ん〜、ひとことで言うとお洒落な「おのでらん」という感じかな。おもしろかったけど、感動はしませんでした。(註:「おのでらん」とは小野寺修二のこと。彼の主宰するカンパニー・デラシネの公式サイトはこちら。首藤と小野寺は、先日PARCO劇場で『空白に落ちた男』を再演しましたが、ぽん太とにゃん子はベニサン・ピットでの初演を見ているので、こんかいは割愛いたしました。そのときの記事はこちら)。
 クラシックバレエの首藤、ヒップホップやヨガの動きに基づくシェルカウイ、サーカスのアクロバットダンサー出身のジュルドという異能の3人のダンサーが、ときにはソロで、ときには絡み合いながら、ダンスやマイムを演じていきます。そして音楽は、コルシカ出身のアカペラ・グループのア・フィレッタが、舞台の上を移動しながら生で歌います。女性が一人も登場せず、酸いも甘いも噛み分けた大人の男たちだけによる舞台でした。ホントかどうかわかりませんが、シェルカウイがゲイだと書いてあるサイトがありましたが、それもうなづける男くさ〜い雰囲気でした。かつ、オシャレでしたけどね。
 異なるジャンルのアーティストがコラボレーションしてひとつの舞台を造り上げる。首藤は、『空白に落ちた男』以外にも、『時の庭』(2010年1月)ではインスタレーション作品とのコラボもしてますが(その時の記事はこちら)、他分野との交流が、首藤の近年のテーマのひとつなのでしょうか。
 ア・フィレッタの歌が存在感ありました。昨今の日本で「アカペラ」というと、先日もテレビで「アカペラ甲子園」という番組もやってましたが、ボイスパーカッションを入れて軽くて透明な印象がありますが、ア・フィレッタの歌は、男くさくて、コブシがきいてます。コルシカ出身らしく、イタリア土着っぽい感じがしますが、ときに聖歌風であったり、さらにイスラムっぽかったりもします。興味のある方は、こちらに動画がありますし、またamazonのサイトでは彼らの来日記念CD「ABエテルヌ~永遠にて~(来日記念盤)」の試聴をすることができます。
 ディミトリ・ジュルドは、サーカス学校出身らしく、手に持った本が宙に浮かび上がろうとする感じのダンスを踊ったり、人形を操ったり、また反対に自分が操り人形の動きをしたりしてましたが、あまりマイムがうまいとは言えません。マイムがリアルすぎると、ダンスというより「芸」っぽくなってしまうので、抑制していたのかもしれませんが。
 シェルカウイのダンスは床に近いところで低い姿勢で踊られ、ヒップホップ風の動きですが、とてもやわらかくしなやかでした。
 三人が縦にならび、手を千手観音のように動かして、三冊の本を開いたり手渡したりする動きは、なかなかおもしろかったです。顔を摺り合わせるようにして踊るデュオも、ちょっと気持ち悪い感じもしましたが、悪くありませんでした。
 ただ、ダンスとしては確かに面白かったのですが、どうも思想というか、主張というか、メッセージが伝わってきませんでした。ダンステニックとしても生まれ育った文化としても異なった出自を持つ三人が、一同に会してダンスをしました、というだけでは、ぽん太は満足しません。
 題名の「アポクリフ」という言葉はぽん太は初耳でしたが、キリスト教の聖書の外典を意味するそうで、Wikipediaにも出てます。それによれば、外典とは聖書の正典に加えられなかった文書のことだそうで、アポクリファapocrypha(な、なんだ、語尾が違うぞ、複数形か?)という言葉は、ギリシア語のαπόκρυφος(隠されたもの)に由来するそうです。してみると今回の舞台は、「正統から排除されること」や、「書物、あるいは言葉と人の関わり」がテーマとなってきそうですが、それに関して彼らはどのような考えを持っているのでしょうか。もちろんダンスは哲学ではありませんが、そのあたりの深い理解がなければ、三島由紀夫や日本刀、切腹を持ち出して、裸体に墨で漢字を書いても、単なる異国情緒の演出にすぎないものとなってしまいます。
 セリフで、コーランが神の啓示ではなく人間が作ったものであることを例証する部分がありますが、ぽん太の感覚からすると、「そんなの当たり前だろ、わざわざ大げさに言うことかよ」という気がします。しかし、モロッコからの移民の父親のもとにベルギーで生まれ、ベルギーのイスラム社会で育ったシェルカウイにとっては、大きな意味を持つのかもしれません。さらに彼がゲイでもあったとすれば、正統からの排除、宗教・文化の対立といったものは、とても切実な問題なのかもしれません。
 冒頭、ダンサーたちは足に鈴を巻いて踊っておりましたが、これはぽん太は、ギエムとアクラム・カーンの『聖なる怪物たち』で見ました(そのときの記事はこちら)。インドのカタックというダンスに使われるものですね。ググッて見ると、アクラム・カーンとシェルカウイは、2005年に『ゼロ度 zero degrees』という作品で共演しており、2007年には日本でも公演しているではないか!DVDも出ているようです(記事の末尾のamazonへのリンクをどうぞ)。Youtubeにも動画があるようですが(たとえばこちら)、それを見ると、人形を使うアイデアも『ゼロ度』で既に試みているようですね。
 『アポクリフ』では、足に巻かれた鈴を、ダンサーたちがもどかしそうに取り去る場面がありましたが、文化の足かせから逃れようとする行為を象徴しているのでしょうか?すると日本刀や切腹といった日本文化は、どう扱われてたかな。やっぱり最後には捨て去られたのかしら。ううう、よく覚えてない。
 また、人形が、自分を操っている人たちを一人けちらし、一人おっぱらい、全員振り切ったところで動かなくなり、床に崩れ落ちるという場面もありましたが、文化や宗教をすべて否定してしまったら、拠って立つところがなくなり、自分が存在できなくなることを現しているのでしょうか?
 なんか、けなすつもりで書き始めたのですが、実は深い作品のような気がしてきたぞ。チャンスがあったらもう一度観てみたくなりました。
 『アポクリフ』の製作はベルギー王立モネ劇場とのこと(初演は2007年)。ぽん太は初めて聞いた劇場でしたが、ベジャールの名声を決定づけた『春の祭典』を委嘱して初演した(1959年)のがこの劇場で、ベジャールの「20世紀バレエ団」は、ベルギー王立モネ劇場に所属していたのですね。し、知らなかった……
 最後にオーチャード・ホールの悪口を。抽選で取れた席が9列目だったときはがっかり。普通は9列目が取れたら大喜びですが、オーチャードホールの前の方の席は、舞台が観にくいので有名です。実際行ってみたところ、かろうじて9列目から床に段差が付き始めるので多少はましでしたが、舞台面より位置が低いのと、前の人の頭とで、舞台上に置かれた本はまったく見えず、シェルカウイの低い体勢での踊りもよく見えませんでした。


ベルギー王立モネ劇場 制作
「アポクリフ Apocrifu」
2010年9月5日
Bunkamura オーチャードホール

演出・振付・出演 : シディ・ラルビ・シェルカウイ
出演 : 首藤康之、ディミトリ・ジュルド
コーラス : ア・フィレッタ
衣裳 : ドリス・ヴァン・ノッテン
世界初演 : 2007年9月5日 ベルギー王立モネ劇場

2010/09/06

【登山】権現岳(八ヶ岳)雪辱に成功!

Img_1243 ぽん太とにゃん子は、昨年5月末に権現岳に登ろうとしたのですが(その時の記事はこちら)、編笠山頂上付近で雷にあってヒョウに振られ、夜半から暴風雪に襲われ、あえなく敗退したのでした。そこでこんかいリベンジすることにしました(前回は「雪」にやられたので、これがホントの「雪辱戦」。お後がよろしいようで)。前回は富士見高原スキー場から登ったので、今回はコースを変えて、観音平から登ることにしました。

【山域】八ヶ岳
【山名】権現岳(2715m)、編笠山(2523.7m)
【日程】2010年7月21日〜22日
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】[7/21]快晴ときどきガス、[7/22]快晴
【ルート】[7/21]観音平(10:59)…編笠岳(14:13)…青年小屋(15:29)(泊)
[7/22]青年小屋(6:17)…権現岳(8:17)…三ツ頭…観音平(12:52)

★大きい地図は、「山行記録のページへ」をクリック
【見た花】ニッコウキスゲ、タカネバラ、ゴゼンタチバナ、ツマトリソウ、コケモモ、オトギリの一種、ミネウスユキソウ、ヨツバシオガマ、ミヤマアカバナ?、シロバナノヘビイチゴ、ミヤマキンポウゲ、キバナノコマノツメ、タカネトウウチソウ、イワギキョウ、タカネグンナイフウロ、シコタンハコベ、ミヤマオトコヨモギ、イブキジャコウソウ、イワオウギ、タカネナデシコ、ミヤマダイコンソウ、ムシトリスミレ、コゴメグサ、シコタンソウ、イワベンケイ、ミヤマミミナグサ、ハクサンイチゲ、タカネニガナ、ハクサンシャクナゲ、ネバリノギラン、ニョホウチドリ(初)、クモキリソウ、キバナミヤマオダマキ、マルバダケブキ、アオチドリ(初)、ベニバナイチヤクソウ、タムラソウ、シモツケソウ……
【マイカー登山情報】観音平に50台ほど停められる広い駐車場があるが、シーズンの土日は路上駐車の列という噂も……。
【参考リンク】
青年小屋|八ヶ岳の山小屋 登山ルートガイド:公式サイトはなさそうなので、青年小屋の情報はこちらで。
長野県の登山地図 権現岳・編笠山権現岳、編笠山周辺のルート図。あくまでも参考に。

Img_1239 おりしも7月下旬。さまざまな花を楽しみながらの歩行で、編笠山到達。冒頭の写真が、編笠山山頂から見た権現岳です。ちなみに左の円錐形のピークは「ギボシ」で、山頂は右のピークになります。
 山頂には、ミヤマアカバナ(?)が咲いておりました。
Img_1256 今回も青年小屋に宿泊。前回泊まったとき、とても印象が良かったので……。入り口には「遠い飲み屋」と書かれた赤提灯がぶら下がっており、アルコールが充実しております。ボトルキープもできるようです。
Img_1257 とっても暑い日だったので、すごい入道雲がいくつも沸き上がってました。今回は雷にあわなくてよかった。
P7210490 前回同様、できたてで暖かくおいしい夕食です。メロンまでついてます。食器が陶器なのもすごい。海の日の連休の直後の平日ということで、宿泊客は全員で5人。食後の山談義も楽しかったです。
P7220495 こちらは朝食。定番の手作りシュウマイ、おいしゅうございました。今日もがんばるぞ!
Img_1264 振り返ると、青年小屋の向こうにまあるい編笠山。なんかかわいいですね。
Img_1271 本日も花また花。朝露に濡れるシコタンハコベです。
Img_1278 こちらはムシトリスミレ。スミレと名が付きますが、スミレの仲間ではなく、可愛い顔して食虫植物です。肉厚の葉に虫がとまっているように見えますが、これはとまっているのではなく、捕獲されているのであって、徐々に消化されて吸収されてしまいます。
Img_1282 こちらはシコタンソウ。花びらのテンテンがきれいです。
Img_1295 ギボシ、権現小屋を過ぎ、縦走路との分岐点から北を見ると、キレットの向こうに赤岳、中岳、阿弥陀岳の連なりが見え、その間から横岳や硫黄岳が顔を出してます。
Img_1297 振り返ると、高度感のある権現岳の頂上が見えます。
Img_1301 登頂成功!イエイ
Img_1308 帰りは、三ッ頭を経て尾根沿いに下山。振り返ると、権現岳の北側はすでにガスが押し寄せ、力強い景観です。
Img_1311 な、なんだこれは!ハクサンチドリにしてはでかいぞ!ニョホウチドリでした。ぽん太は初めて見ました。
Img_1317 これもまた初めて。たぶんアオチドリだと思います。一見地味ですが、よく見るとラン科らしい美しい形状をしております。
Img_1326 観音平の駐車場で、ニッコウキスゲの実にとまるトンボ君(名称不明)。さようなら、また来るときにも迎えておくれ。

2010/09/05

【北海道珍道中(6)】意外と充実・おたる水族館/すし耕

P7070422 大雪山で花に囲まれ、とってもいい気分になったぽん太とにゃん子は、高速道路を飛ばして一路札幌へ。高速料金が無料(大部分)となり、大満足。札幌ではいつもの店(秘密だよ)で、おいしい北海道の海の幸・山の幸をいただき、さらに大満足。
Img_1205 さて、ぽん太とにゃん子の北海道珍道中も、いよいよ最終日。千歳から夕方の便で帰る予定なので、午前中は小樽でもと思っていたのですが、滝のような大雨。雨のなか街をうろつくのも嫌なので、おたる水族館に行ってみることにしました。こちらが公式サイトです。
 写真はサバの群れ。食卓ではおなじみの魚ですが、深場にいてダイビングではなかなか見れないので、ぽん太とにゃん子の目は釘付けです。
Img_1208 おたる水族館は、ショータイムが充実しているようです。まずはオタリア(アシカ)のショー。まずはボールの受け渡し。そのほか足し算など、定番の出し物が楽しめます。
Img_1210 引き続きイルカのショーです。プールはちょっと狭めですが、ダイナミックな演技を披露してくれました。
Img_1221 オホーツク海・ベーリング海の魚が回遊する大水槽も見事でした。この邪悪な顔をした魚はオオカミウオです。
Img_1224 ケガニ君もおりました。かわい〜、食べちゃいたい。
 おたる水族館はなかなか充実しており、半日では見つくせませんでした。また行きたいです。

P7080451 北海道の〆は、いつもの伊勢鮨でと思ったのですが、法事で貸し切り。そこで今回は「すし耕」さんにお世話になりました。こちらがホームページです。リーゾナブルなお値段で、なかなかおいしゅうございました。

2010/09/04

【北海道珍道中(5)】花また花の超メジャーコース/層雲峡から黒岳

 当初は緑岳に登るつもりだったのですが、昨日のウペペサンケ山で北海道のマイナーコースの恐ろしさを知ったぽん太とにゃん子は、超メジャーコースの層雲峡ロープウエイから黒岳というコースに変更いたしました。

【山域】北海道大雪山
【山名】黒岳(1984.0m)
【日程】2010年7月7日
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】晴れ
【コース】七合目登山事務所(11:51)…黒岳(13:22)…七合目登山事務所
【見た花】チシマノキンバイソウ、エゾイワハタザオ、ウコンウツギ、チシマヒョウタンボク、ハクサンチドリ、キバナコマノツメ、エゾノハクサンイチゲ、チシマヒョウタンボク、クロユリ、トカチフウロ、エゾヒメクワガタ、エゾツツジ、エゾイワツメクサ、イワギキョウ、イワヒゲ、メアカンキンバイ、コマクサ、イワブクロ、シロサマニヨモギ、コケモモ、コガネイチゴ、ハクセンナズナ、マルバシモツケ、エゾゼンテイカ、オオタカネバラ、ミヤマオダマキ……
【マイカー登山情報】層雲峡ロープウェイ乗り場近くに無料駐車場あり。

(大きな地図は、「山行記録のページへ」をクリック)

Img_1147 リフトを降りると、蚊の大群ではなく、リスのお出迎え。さすがメジャーコースは違います。
Img_1149 それはそれは美しい花が咲き乱れておりました。全部紹介したらきりがないので、いくつかだけ……。単なるハタザオに見えますが、エゾノイワハタザオです。
Img_1158 チシマノキンバイソウは、何度見てもキレイですね。シナノキンバイよりも大きいし、雌しべが多くてゴージャスです。
Img_1160 おなじみのハクサンチドリですが、ピントが合ったので乗せときます。拡大していると、鳥が飛んでいるように見えますね。
Img_1165 エゾノハクサンイチゲです。花柄が短いのが特徴だそうです。
Img_1169 チシマノキンバイソウの蕾です。黄緑がかった色合いといい、ほのかに開いた萼片といい、かわいらしいです。
Img_1171 実もヒョウタンのような不思議な格好としていますが、花もなかなか不思議なかたちのチシマヒョウタンボクです。
Img_1172 クロユリですね。
Img_1175 この白いパラボラアンテナは、トカチフウロです。
Img_1204 メアカンキンバイです。花びらと花びらの間の萼片が特徴です。
Img_1199 山頂付近、エゾツツジが満開でした。
Img_1190 黒岳山頂より旭岳方面を望む。左より北海岳、間宮岳、中岳などの稜線が見えておりますが、残念ながら旭岳は雲の中でした。

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