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2010/12/30

【精神医療】教職員の休職、校長がなんと1年半後までの診断書を要求

 教職員5458人、心の病で休職=17年連続増、過去最多-文科省(時事通信:2010/12/24-17:09)という記事が出ていました。教職員の方々のストレスの増大は、大変なことと思います。しかしぽん太は、以前に以下のような体験をしたので、ご報告しておきたいと思います。

 何年も前のことですが、公立高校の先生が受診なさいました。精神的な原因により、教員としての仕事をすることができないとのことでした。診察すると確かに精神疾患に該当し、現状では勤務が不可能で、休職もやむを得ない状態でした。ところが、その方が受診したのは11月だったのですが、翌々年の3月まで働けないという診断書を書いて欲しいと言うのです。「翌年」の3月ではありません。「翌々年」の3月(約一年半後)です。普通、精神疾患の診断書というのは、1ヶ月とか2ヶ月、長くても3ヶ月が普通です。医学的にも翌々年の3月(約1年半後です)までの病状は予測できないので、そんなに長期間の診断書を書くことはできないことをお伝えしましたが、代わりの教員を採用するために「翌々年」の3月までの診断書が必要で、校長からも指示されたとのことでした。そこでぽん太は直接校長先生に電話をかけたのですが、校長先生のおっしゃるにも、手続き上必要なので、どうしてもそのような診断書を出して欲しいとのことでした。どうすべきかぽん太は悩みましたが、公立高校の校長先生がそうおっしゃるのなら、理屈は通らないけど手続き上必要なのだろうと、診断書をお出しすることにしました。

 まさかというか、やっぱりというか、その先生はその後当院を受診することはありませんでした。

 公立高校の独自の制度があるのでしょうが、その業界内の制度で、周囲を振り回さないで欲しいです。精神疾患の1年半後の病状を予測しろという制度は、科学的におかしいのではないでしょうか。身内の特異な制度に従うように医師に要求するのではなく、自分の制度を、一般常識や科学に合致するように変更して欲しいものです。

 1年後、その先生が再び受診なさいました。また1年半後までの休職の診断書を書いて欲しいとのご希望でした。ぽん太が今度はお断りしたことは言うまでもありません。

 今年の最後がグチみたいな記事で申し訳ありません。ぽん太はこの休みは南フランスに行ってきます。戻ってきたらご報告もうしあげます。みなさん、よいお年を!

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コメント

お返事いただけて、嬉しかったです。ありがとうございます。
代わりの教員を雇うのと、診断書とをリンクさせたくないというお気持ち、とてもよくわかります。
それは、医者として当然のことだと思います。冷静に考えれば、一年間休んだ方がいいと、すんなり書いてしまう方が、怖いことなのでしょう。
先日も、代わりとなる教員の数が足りないというニュースが流れました。この現状では、教育委員会は、ぽん太さんのおっしゃるような付記だけでは、特別な対応は受け入れないことでしょう。
「とりあえず、3か月対応して、その後のことは、その後考えよう。」という感じです。納得のいかない、変な話です。
私は、ぽん太さんを否定するつもりはありません。ただ、精神疾患が増えているこの世界で、自分の置かれている環境に、何かあった時に助けを求められない世界に、少々嫌気がさしてしまい、この様なことを書いてしまいました。お許しください。
私も改善を望んでいます。

 ハイジさん、コメントありがとうございます。返事が遅くなって申し訳ありません。
 ぽん太の過疎ブログに、突然1日に2万人以上が訪れてびっくりしたのですが、Yahoo!ニュースからリンクされてたんですね。はい、もう元の過疎ブログに戻りました……。
 ハイジさん、介護たいへんだと思いますが、疲れきらないように注意して下さいね。
 親というのは、子供から見ると自分を育ててくれた存在ですから、親が認知症になるというのは、子供にとっては受け入れがたいことのようです。特に娘より息子の場合、その傾向が強いように思われます。ぽん太も診察では、「まあ、そうカッカしないで冷静に」などと言ってますが、実の両親が認知症になったらそれは悩むだろうし、カッカしたりすると思います。身内というのはそういうものだと思います。
 ハイジさんのブログ、ときどき訪問させていただきます。

 しゃいんさん、コメントありがとうございます。お返事が遅くなって申し訳ありません。
 ぽん太は学校の先生方の大変さも理解しているつもりですし、またブログに書いた先生がずる休みだとは思っていません。ある種の精神障害では、継続的な通院・服薬が必須ではない場合もあり、この先生もそのようなケースでした。また、学校の先生が、生徒を1年間預かるという特殊性のある仕事であることも分かっております。
 ただ問題は、代わりの担任の先生を雇うかどうかの判断を、医師が1年間の休職の診断書を書くかどうかとリンクさせて欲しくないということです。1年間働けないという診断は、多くは医学的にナンセンスですから。
 解決法は簡単で、例えば3ヶ月の診断書を出すときに、3ヶ月後に必ず(あるいは高い確率で)復職できる見通しなのか、それともさらに休職が延長になる可能性が高いのかを付記することにすればいいのです。あるいは、1年間休職が延びる可能性が高いのか低いのかを付記するのでもいいでしょう。「最低3ヶ月の休養が必要で、場合によって休職が1年に及ぶ可能性が高い」という診断書なら、精神科医もストレスなく書くことができます。ぜひ、改善をお願いしたいところです。
 最後に、先生方の日頃のご苦労に、改めて感謝したいと思います。

ぽん太さん こんにちは

yahooの「 精神科病棟 増える認知症の人」の記事から

ぽん太さんのブログにたどり着きました。

私は、実家の母の介護の為に婚家より単身赴任しております。

婚家にも両親、夫がいますが・・深い理解の元で母のそばで

暮らしております。父が死に一人になった母には身の回りの

世話をする人間がどうしても必要なのです

世間のレベルでは一人でも生活できる老人なのですが、依存心

がとても強く、プライドは高いけれど気が弱い・・という

手のかかる皇太后様なのです

私には一人兄がいますが、違う場所で嫁さんと二人で暮らして

います。兄はぽん太さんと同じ精神科医で、兄嫁は薬剤師です

兄は週3回実家に泊りに来ますが・・・

昼間・・精神病の患者さんを診てるのに夜・・ヒステリーな母

を見なくちゃならない

日頃穏やかな兄ですが、「わしには手に負えん」と嘆きます。


「老いる」という事は人間誰にでも訪れる宿命です。

母は老いていく自分を認めれずいつもヒステリーに陥ります

時に、私もヘトヘトになってしまいますが・・・

体力的にも精神的にもどう考えてもこちらが『優位』

・・・のはず。

相手は弱った年寄りだ・・いたわりが必要と言い聞かせて

過ごしています。やはり精神科医でも身内を冷静に診るのは

無理なんでしょうかね?時々情けない位ヒステリー相手に

逆切れしてますよ

すみません・・お忙しいのに拙いメールなど書いてしまって。


精神科医の兄を持っても、なかなか母のヒステリーは治まらず

「仕方ない」で済まされてしまいます。

84歳ですから、多分変わり様も無いと思いますが・・

時々無性に辛くなったり、また奮起したりを繰り返しています

かごの鳥生活を強いられているので、日記なども書いています

暇な時覗いてみて下さい

『べそかきハイジのへたれ日記』

http://beso77.seesaa.net/

大変しつれい致しました。お体に気をつけてお過ごし下さい

 突然のコメント大変失礼いたします。私は某小学校にて教員をしているものです。とあるところをたどって行きついた先に、この記事を見つけ、コメントさせていただきました。
 教員の休職は年々増え、私の職場でも休職および病休になられた方が多くいます。この記事の教員は、確かに診断書ほしさに来たのかもしれません。ストレスからくるものは一緒なのですが、「逃げ」として診断書だけを求め、休職する教員がいるのも事実です。それは、真面目に仕事をしている教員を冒涜していると思っています。しかし、それだけではない教員がいるのも事実です。
 ある方は、異動してすぐ環境になじめず、周りから見ても仕事ができないのが明らかで、職場からも保護者からも心配している状態でした。9月から病気休暇をとりましたが、医者から11月まで休むという診断が下ったことを理由に、代わりの担任を雇うことができませんでした。つまり、3か月の診断書です。その代償として、1つのクラスに、7人の非常勤講師が入れ替わり担当することになったのです。これは、子供たちにとっては異常事態です。人が1つのクラスに入れ替わり立ち替わり入ることは、人それぞれやり方が違うのですから、子供や保護者が混乱するのは明らかです。そして、3ヶ月後、復帰することなく、年度末まで休職することになりました。一度この体制をとったら、新しい担任が来るはずもなく、7人で1クラスを見る体制は続いています。
確かに、長くても3か月の診断書しか書けない状況は当然だと思います。1年半の病状を予測しろなんて、無理な話です。しかし、教員の世界は、誰から見ても復帰はむずかしいという状態でも、医者が3か月しか休めないというから、代わりに担任は雇えない、非常勤を駆使して来年度まで乗り切れという無茶を言う世界です。だから、診断書を求めないと、本当につらい人でも休めない世界なのです。
 こういった現状があることも伝えたく、書かせていただきました。もし失礼がありましたら、お許しください。双方がよりよい方向に向かうよう、願ってやみません。お仕事がんばってください。

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