【登山】本社ヶ丸・清八山/阿弥陀海道宿・笹子スイッチバック駅・黒野田宿【歴史散歩】
ゴールデンウィークの大計画に向けて(ふふふ、まだ秘密だよ)、ぽん太とにゃん子は近場の山に足慣らしに出かけました。
【山域】大月周辺
【山名】清八山(せいはちやま)1593m、本社ヶ丸(ほんじゃがまる)1630.8m
【日程】2011年4月7日
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】晴れ
【ルート】追分8:31…清八山11:13…本社ヶ丸11:55(昼食)…ヤグラ…笹子駅…追分15:30
(※大きい地図や標高グラフは、「山行記録のページへ」をクリック)
【マイカー登山情報】国道20号線沿いや笹子駅には、駐車スペースなし。追分〜東山梨変電所〜登山口の途中のどこかに、邪魔にならないように停めるしかありません。ただし途中でトンネル工事をしており、ダンプが絶えず往復しています。周遊コースをとらず行って来いなら、変電所のさらに先の登山口まで車で入ることができ、歩行時間を往復2時間節約できます。
ぽん太が持っている2005年版の昭文社の地図と、若干登山道が変わっていました。追分から道標に従って登って行くと、ダンプの行き交う対面通行の舗装道路に出ます。この道を稲村神社を左手に見ながら登って行くと、トンネルがありますが、躊躇なくこれをくぐって登っていきます。とちゅう林道を左に分け、東山梨変電所を通り過ぎ、ようやく登山口にたどり着くと、新たに植林された一帯に登山道が造られています。稜線近くなると、北斜面のせいか残雪が現れ、特に登山道の上は踏み固められて滑りやすいため、登山道の端の新雪の部分を選んで登りました。
清八峠からひと登りで清八山山頂。ここは展望がすばらしかったです。まずは冒頭の写真の松くぐりの富士。北には八ヶ岳。そして南アルプスの大パノラマ。左の写真は、甲斐駒・仙丈・北岳・間ノ岳・農鳥岳のあたりです。
しばし展望を楽しんだら、来た道を清八峠まで引き返し、本社ヶ丸に向かいます。ホンジャマカじゃないよ、ホンジャガマルだよ。本社ヶ丸からは、稜線の肩越しに富士山が見えました。ここでお弁当です。
この日に本社ヶ丸に登っていたのは10人程度でしたが、みな来た道を戻ったようでした。しかしぽん太とにゃん子は、鶴ヶ鳥谷屋山に向かって稜線を辿ります。残念ながら新緑にはちょっと早かったのですが、落葉樹の明るい林の稜線歩きは、とても気持ちがよかったです。
下山路は、ヤグラの少し東から船橋沢に降りる道を選びました。稜線直下はやはり雪が踏み固められていて、滑らないように細心の注意が必要でした。林の中のつづら折りを延々と下って行くと、やがて船橋沢沿いの道となります。途中に何回か渡渉がありますが、足を濡らすことはありませんし、対岸の取り付きを注意して確認すれば、ルートを見失う心配もありません。ぽん太の地図ではこのルートの一部が点線となっておりますが、登山初心者のハイカーはいざ知らず、ある程度の山登りの経験がある人なら、まったく問題はありません。
写真は、登山路が林道と交わるところ。山梨の林道って、本当に過剰に整備されてますよね。めったに車が通らないのに、対面通行の舗装路になっております。山梨出身の某政治家のせいでしょうか?
登山道は笹一酒造酒遊館の裏手に降りて来ます。地図を見ると、このあたりは「阿弥陀海」(あみだがい)という由緒ありそうな地名がついています。ぐぐってみると、かつては阿弥陀海道宿(あみだかいどうしゅく)と呼ばれる、甲州街道の宿場だったんだそうです。地名の由来については、こちらの阿弥陀海道|ささのこ通信というサイトが詳しいです。昔このあたりに行基作と伝えられる阿弥陀仏を祀ったお堂があったので、「阿弥陀が谷」(あみだがやつ)と呼ばれていたそうですが、いつの頃からか「阿弥陀海道」という字があてられるようになったのだそうです。この阿弥陀仏は後に普明院の本尊となったと書いてありますが、国道20号を少し西に行った所にある普明院でしょうか?ぽん太はこのお寺はみちくさしたのですが、阿弥陀仏は意識してませんでした。
街並を眺めてもかつての宿場の面影はありませんが、阿弥陀海道宿|甲州海道物語というサイトによれば、明治40年の大水害で、阿弥陀海道宿は壊滅的な打撃を受けたそうです。
さて、登山に話しを戻すと、笹一酒造の裏手の道を西に向かい、大月市役所笹子出張所を越えた所で右に曲がると、笹子駅前に出ます。笹子駅は、現在は無人の小さな駅ですが、駅の南側にけっこう立派なヤードがありました。見てみると、「笹子設備トレーニングセンター」という垂れ幕がかかっており、JRの設備部門の訓練施設として使われているそうです。こちらの岩鉄日記 -麺と電車とダイエットというブログに、このトレーニングセンターの見学記があります。
ぽん太は「昔は大きな駅だったんだな〜」などと思って見てたのですが、帰宅後ぐぐってみると、ここはむかし笹子駅のスイッチバック駅があったところなのだそうです。こちらの笹子|I love Switch Backというサイトに、線路の配置図といにしえの写真が出ております。
本線が急勾配なため、昔の非力な列車では、本線上にひとたび停車してしまうと発車するのが困難でした。このため、本線から分岐した所に勾配のゆるやかな駅を造り、列車は切り返しをして駅に入りました。googleマップなどを眺めてみると、笹一酒造のあるあたりまで、線路が延びていたのかもしれません。
さて、再び登山に話しを戻すと、笹子駅からは交通量の多い国道20号線をてくてく歩いていくことになるのですが、そこにヘンテコな石像が!案内板によると「黒埜宿笠懸地蔵」といい、安政2年(1855年)の刻印があるそうです。このあたりは甲州街道の黒野田宿があったところだそうです。先ほどの阿弥陀海道宿からずいぶん近い気がしますが、東側の白野宿とあわせて三つでひとつとして運用されていたようです。山間に位置しており、まとまった広いスペースが取れないため、このような方法をとったのかもしれません。
あらためて見回してみると、宿場の名残を残す建物が目に入ります。
こちらは立派な建物で、傍らには「明治天皇行在所」という石碑が建っております。あとでぐぐったところ、宿場時代の本陣跡だそうです。
天気にも恵まれ、富士山も見えて、気持ちよく今年の登山のスタートを切ることができました。また、甲州街道の歴史にも触れることができました。そういえばこれまで、東海道や中山道の宿場は訪ねたことがあるけれど、甲州街道の宿場は意識したことがありませんでした。今後もみちくさしたいところです。
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