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2012年6月の18件の記事

2012/06/30

【温泉】青梅岩蔵温泉儘多屋(★★★★)/吉野梅郷/青梅昭和レトロ

Img_1510 4月上旬、ぽん太とにゃん子は、フクロウ義父さんと義妹のひつじさんを連れて、再度奥多摩に遠征してきました。梅の開花が遅れていた吉野梅郷、今回は満開でしたが、春休みも終わって観光客はまばらでした。

Img_1513 その後、昭和レトロで町おこしをしている青梅駅周辺を訪ねてみました。写真は左が青梅赤塚不二夫会館、右が昭和レトロ商品博物館です。なんか、いい案内図がないのですが、二つリンクを張っておきます。
 http://omjk.jp/zburari/map/map.html
 http://www.omekanko.gr.jp/pamphlet/pdf/b01.pdf
 赤塚不二夫会館は、言わずと知れた赤塚不二夫にまつわる資料や原画を展示してあり、また昭和レトロ商品博物館は、昔懐かしい昭和の商品が展示してあります。昭和の時代をどっぷりと生き抜いたぽん太たち一行は、「あった、あった」という懐かしいグッズばかりで、とても興奮しました。
 また昭和幻燈館(しょうわげんとうかん)は、ノスタルジックな昭和の街並が再現されたジオラマや、これまた懐かしい映画看板が展示されております。映画看板は、青梅の町おこしの先駆けとなった、久保板観氏によるもの。こちらのページが面白いです。またジオラマは山本高樹氏の制作で、ぽん太はこのとき初めて聞いた名前だったのですが、今では、4月から始まったNHKの朝ドラ「梅ちゃん先生」のジオラマで有名ですね。こちらのサイトで(http://www.hiyori-geta.com/index.html)氏の作品を楽しむことができます。

Img_1518 ゴッホン、思わず力が入ってしまいましたが、ここらで宿のご紹介。青梅岩蔵温泉儘多屋(ままだや)さんです。公式サイトはこちら。温泉旅館というよりも瀟洒な山荘風の落ち着いた雰囲気の建物です。
Img_1517 岩蔵温泉といっても皆さん聞いたことがないでしょう?ぽん太も初めてでした。場所は青梅駅の北東で、もう少し行くと埼玉県の飯能市になるというあたりです。宿の向かいに権現の湯と書かれた祠がありますが、ここに源泉があるようです。そこにあった青梅市の案内板によると、新編武蔵風土記稿(1810年起稿、1830年完成)に既に温泉として知られていて、明治5年頃に漢方医儘田長松が旅館として開業したそうです。これが今の儘多屋さんなのかどうか、ぽん太にはわかりません。この祠の裏側には、儘多屋の広々とした庭園や、農園が広がっております。
<Img_1545
 内装は木を多用したナチュラル感じで、デザインにセンスが感じられます。
Img_1529 洒落たオブジェがあちこちに置いてあります。
Img_1526 面白い灯りですね。
Img_1534_2 浴室に続く廊下と、ドアの意匠。
Img_1520 風呂への廊下の途中から、川や竹やぶが見えます。
Img_1521 底を抜いた桶(?)で作られた脱衣棚。
Img_1523 こちらが浴室です。お湯は無色透明で、加水・加温をしているそうで、ちょっと温泉力は弱いです。
Img_1536Img_1539 自家菜園で採れた有機栽培野菜を使ったお料理で、とてもおいしかったです。
Img_1537 せっかく青梅に来たので、梅酒の利き酒セットをいただきました。それぞれに特徴があります。
Img_1544 こちらが朝食です。美味しゅうございました。
 都内にこのような落ち着いた雰囲気の温泉宿があるとは知りませんでした。料理もおいしく、内装にセンスが感じられるのですが、温泉力がちょっと弱いのが減点となり、ぽん太の評価は4点です。

2012/06/29

【登山】愛宕神社から日の出山往復

Img_1501 3月末に話しは戻りますが、奥多摩の「河鹿園」に泊まったぽん太とにゃん子は、さんざん食べてばかりだと太るということで、翌日は今年最初の登山に出かけました。といっても、奥多摩のちょっとしたハイキングで、吉川英治記念館のあたりからアタゴ尾根を登り、日の出山まで往復して来るというコースです。

【山名】日の出山(902.0m)
【山域】奥多摩
【日程】2012年3月29日
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】晴れ
【ルート】愛宕神社10:15…(アタゴ尾根)…三室山…日の出山12:37…愛宕神社

(※大きい地図や3Dグラフはこちら
【マイカー登山情報】付近の有料駐車場を使うしかありませんが、梅の時期は混むかも。

 登り口がちょっとわかりずらいです。吉川英治記念館を左手に見ながら登っていくと、裏手に神社があります。この神社に入って行き、左手の急な階段を上って行きます。社殿の向かって左側に回り込んで行くと、登山道があります。その先も、ところどころに分かれ道があり、ちょっとわかりにくいところもあります。
 途中、愛宕神社の奥の院を過ぎ、三室山に出ると、急に道が広くなり、大勢の登山客が下ってきます。マイナーなコースを選んだつもりだったのですが、御岳山から日の出山を経て吉野梅郷に下るのが、この時期人気のコースになっているようです。静かな早春の山旅を期待してたぽん太とにゃん子は、ちょっとがっかりでした。日の出山山頂で、子供達やグループに囲まれて昼食。天気がいいと東京湾まで見えることもあるそうですが、この日はガスっていてダメでした。

2012/06/28

【バレエ】可愛いおばさん、変な演出「白鳥の湖」アナニアシヴィリ&グルジア国立バレエ

 アナニアシヴィリ(とグルジア国立バレエ)の「白鳥の湖」、観てきました。ジャパン・アーツの特設サイトはこちらです。
 何の予備知識もなく行ったので、幕があいてびっくり仰天。バレエの練習風景でした。正面には鏡があり、両サイドにはレッスンバーがあり、ダンサー達は練習着です。公演が近いのか、衣装が出来上がり、芸術監督の前でパ・ド・トロワやカンテラ踊り(?)のチェックが行われます。つぎに主役を射止めたマトヴィエンコのレッスンに入りますが、芸術監督は気に入らない様子。あげくのはてにマトヴィエンコは倒れ込んでしまいます。ううう、ぽん太の好きなワルツがにゃい!道化クルクルもにゃい!果たして2幕はどうなるのか?
 2幕は、突然正常に戻りました。悪魔の踊りのあと、王子がちゃんと弓を持って出てきます。3幕の黒鳥も無事終了。最初にハンガリー、ナポリ、マズルカが踊られ、次に6人のお妃候補の踊り。黒鳥が登場してスペインになるのもオーソドックス。王子と黒鳥のパ・ド・ドゥでは、前半のハイルヒトラーみたいにしながら踊るところで、一回いっかい高くリフトしていたのが目立ちました。背景にオデットが現れたところでは、悪魔はオディールをマントで隠します。をひをひ、そっちを隠してどうするんじゃ。黒鳥のヴァリアシオンは、蛇使い風の音楽の方でした。
 4幕に突入。王子とオデットの悲しいパ・ド・ドゥののち、悪魔乱入。王子を白鳥たちが囲みます。さあ、これから王子と悪魔の闘いが繰り広げられるのか。白鳥たちが輪を広げると、あらら、もう王子が倒れています。ひょっとして囲んで見えないようにしておいて、なかで「オデットを裏切りおって〜」とフルボッコにしていたのか。
 ここで予想通り最初のレッスン場に戻り、マトヴィエンコは目を覚まします。仲間のダンサー達が、「こんなところで寝てるぜ!さあ、行こう」みたいな感じの身振り。夢から覚めやらないマトヴィエンコの背後に、オデットが現れます。

 この夢のパターンは、どっかで見たような、見ないような……。家に帰って調べてみたら、昨年の1月のマラーホフ、ポリーナの「シンデレラ」(ベルリン国立バレエ)でした。このときの振付・演出はマラーホフ。今回の「白鳥」は、アレクセイ・ファジェーチェフの演出・台本改訂・振付改訂となっております。う〜ん、どっちが先なのか、ぽん太にはわかりません。ただこれだと、「所詮は夢」ということになってしまって、ちょっと感情移入しずらいな〜。「シンデレラ」のときは、夢から覚めたポリーナが主役を射止めるという設定で、シンデレラ・ストーリーと重なっていましたが。
 
 ニーナはやはり素晴らしかったです。胴はちょっと太くなったけど、いつまでも可愛らしいおばさん、という感じ。白鳥は、高貴でウルウルした感じではなく、愛らしくキュートでした。黒鳥も妖艶さはなくて、両手をびょんと伸ばすしぐさなど、「元気いっぱい」でした。
 マトヴィエンコは、大きく、美しく、伸びやかで、正確で、まさに「王子」そのものでした。
 二人に比べると、どうしても他のグルジア国立バレエのダンサー達は見劣りがしました。群舞もバタバタしている印象がありました。音楽のテンポが全体に早めだったせいもあるんでしょうか。指揮者はダヴィド・ムケリア。オケの東京シティ・フィルは、早めのテンポによくついていってました。ヴァイオリンやチェロのソロも情感たっぷりでした。

アナニアシヴィリ&グルジア国立バレエ
「白鳥の湖」
2012年6月27日 東京文化会館

音楽 : ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
原振付 : マリウス・プティパ,レフ・イワノフ
原台本 : ウラジーミル・ベギチェフ、ワシーリー・ゲリツェル
演出・台本改訂・振付改訂 : アレクセイ・ファジェーチェフ
衣装・装置デザイン : ヴャチェスラフ・オクネフ、ギガ・ラピアシヴィリ
照明デザイン : ポール・ヴィダー・シーヴァラング
指揮 : ダヴィド・ムケリア
管弦楽 : 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

≪出 演≫
オデット (白鳥の女王)/オディール (偽のオデット) : ニーナ・アナニアシヴィリ
ジークフリート王子 : デニス・マトヴィエンコ
悪魔 : ダヴィド・アナネーリ
王妃 (王子の母) : ニノ・オチアウリ
式典長 : ユーリー・ソローキン
パ・ド・トロワ (王子の友人たち) :アナ・アルブタシヴィリ、ニノ・マチアシヴィリ、ウィリアム・サントス
3羽の白鳥 : ショレナ・ハインドラワ、ニノ・サマダシヴィリ、エカテリネ・スルマワ
4羽の白鳥 : ヌツァ・チェクラシヴィリ、ニノ・マチアシヴィリ、アナ・アルブタシヴィリ、ニノ・マハシヴィリ
花嫁候補 : エカテリネ・スルマワ、アナ・アルブタシヴィリ、エカテリネ・マハチャシヴィリ、ニノ・サマダシヴィリ、ヌツァ・チェクラシヴィリ、ニノ・マチアシヴィリ
ナポリの踊り : テオーナ・アホバーゼ、ムルマン・キカリシヴィリ
ハンガリーの踊り : アリーサ・ボグダーノワ、ギオルギー・エルカニシヴィリ
スペインの踊り : ショレナ・ハインドラーワ、ヴェーラ・キカビゼ、モリス・メスヒヤ、ウィリアム・プラット
ポーランドの踊り (マズルカ) : タムタ・バフタゼ、 ラナ・カヴレリシヴィリ、ニア・ゲラゼ、 アナ・チモシェーンコ、マルハズ・メスヒヤ、 ズラブ・ダツキシヴィリ、ニカ・ジャイアニ、キゴルギー・エルカニシヴィリ

2012/06/27

【旅館・蕎麦】奥多摩の美しい木造建築と美味しい会席料理「河鹿園」(★★★★)/石挽きそば並木

Img_1478 ようやく梅見の報告です。ぜぇぜぇ。3月末、ぽん太とにゃん子は、吉野梅郷に行って参りました。すぐ近くにありながら、これまで行ったことはありませんでした。

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Img_1449 まずは腹ごしらえ。吉野梅郷の近くの「石挽きそば並木」というお店に入りました。土蔵を改築した雰囲気ある店構えです。
Img_1448 内装も木が使われていて落ち着きます。あまり広くないですが、実は二階席もあります。
Img_1446 突出しの蕎麦豆腐です。
Img_1447 数量限定の「生粉打そば」があったのでいただきました。香りが強く、濃厚なツユとあっていて、とっても美味しかったです。
Img_1450 3月も末だというのに、まだまだ梅が先初めでした。写真の東口あたりはほぼ満開でしたが、大部分はまだつぼみでした。吉野梅郷梅祭りは例年2月下旬から3月末まで、その中心の観梅市民祭りは今年は3月11日でしたから、いかに今年の開花が遅れているかがわかります。

Img_1493 で、いよいよ今宵の宿、河鹿園に到着です。公式サイトはこちらです。場所は御岳駅の正面の御岳橋のたもと。写真は、多摩川の反対側の玉堂美術館側から撮ったものですが、幾つもの建物からなる、美しい木造建築です。
Img_1473 玄関は、料亭の雰囲気のある落ち着いた佇まい。
Img_1474 「ルービスビヱ」の鏡のある廊下は昭和レトロの趣きです。
Img_1476 部屋は多摩川を望む角部屋で、とても眺めがよく、まるで楼閣にいるかのようでした。
Img_1475 繊細な造形。和室っていいですね。
Img_1477 茶室風の床の間の生け花です。
Img_1471 浴室へは、趣きある渡り廊下を進んで行きます。
Img_1467 二つの内湯があり、時間で入れ換えに成ります。こちらは展望風呂。広々として気持ちがいいです。これが温泉だったらな〜。
Img_1488 こちらがもうひとつの岩風呂です。
Img_1480Img_1481 夕食は本格的な会席料理。奥多摩の山の幸、川の幸がおいしくいただけます。
Img_1482Img_1483Img_1484 お造り、タケノコ焼き、山菜の天ぷらなど、どれも美味しく、器や盛りつけも見事です。
Img_1485Img_1486 経木のなかにはおこわが入ってます。
Img_1491 朝食はこちらです。美味しゅうございました。
 木造の美しい建物、料亭風の佇まい、最高のお料理、そして何よりも奥多摩の自然が御馳走です。すばらしい宿ですが、「温泉好き」のぽん太の個人的評価としては、温泉でないことが原点となり、4点です。

2012/06/26

【バレエ】ウェッブ、ウォルシュのドラマチックな表現「マノン」新国立バレエ

 ぽん太は、プッチーニのオペラ「マノン・レスコー」は前に観たことがありますが(そのときの記事はこちら)、バレエの「マノン」を全幕で観るのは初めて。オペラの方は、大胆にストーリーがカットされていて、「荒唐無稽」といった印象でしたが、バレエの方は「ロミオとジュリエット」や「ルドルフ」をで有名なマクミランの振り付け。ドラマティックな展開が期待できます。「マノン」の特設サイトはこちら、通常のの公式サイトはこちらです。
 とにかく主役の二人が素晴らしかったです。見る前は「なんだってェ〜?ヒューストン・バレエ〜?知らね〜なァ〜」、出てきた時は「ちいせえなァ〜」などと思ったのですが、魂のこもったドラマティックな演技、いや踊りにすっかり引き込まれてしまいました。お見それいたしました。
 タイトルロールのサラ・ウェッブ、欲望のために生きる娼婦といったコケティッシュさはなく、どこまでも純真でイノセントな印象でした。デ・グリューのコナー・ウォルシュも、動作の一つひとつに感情がこもっていて、とても表現力豊かでした。ぽん太はルグリを思い出しました。ポーズにむけてぐっと体を伸ばす動作がとても美しかったです。テクニック的にも、難しいリフトを正確かつダイナミックにこなしていました。
 それだけに、あゝそれだけに、周りの新国立のダンサーとの差が目につきました。上手に踊ってはいましたが、踊りに気持ちをこめて感情を表現する能力が、明らかに違っていたのが残念です。サラ・ウェッブと新国立のダンサーが絡む場面で、ことさらそれが目立ちました。スカートをめくって足を見せる仕草もいろっぽくニャイ!
 シェイクスピアの国イギリスが生んだマクミランの振り付けは、劇的ですばらしかったですが、ときにリフトなどが「考え過ぎ」てる気もしました。
 美術は普通に良いという感じでしたが、第三幕第一場の港など、中景に船があるのに、遠景に草原が広がっていて、位置関係がよくわかりませんでした。
 作曲者のマスネ、ぽん太は「タイスの瞑想曲」しか知らず、通俗的な音楽家かと思い込んでいましたが、甘美で叙情的なすばらしい音楽でした。
 指揮のマーティン・イェーツは、特設サイトの解説によれば、2011年のフィンランド国立バレエの公演のときに、新たにオーケストレーションを行った人とのこと。オケは東フィルで、ところどころアンサンブルの乱れが気になり、またパンチが弱い感じもしましたが、チェロだかビオラだかのソロがすすり泣くところでは、ノスタルジーに胸が締め付けられる思いでした。
 以前はコピー用紙だったキャスト表が、ツルツル紙の印刷に変わってました。新国立劇場も金回りが良くなってきたのでしょうか。現場の人ではなく、無駄な理事や事務員のリストラは済ませたのか?
 ウェッブ、ウォルシュとヒューストン・バレエで、「ロミオとジュリエット」を観てみたくなりました。


新国立劇場バレエ公演
「マノン」
2012年6月24日
新国立劇場オペラパレス

【振 付】ケネス・マクミラン
【音 楽】ジュール・マスネ
【編 曲】マーティン・イェーツ
【美 術】ピーター・ファーマー
【照 明】沢田祐二

【指 揮】マーティン・イェーツ
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

マノン:サラ・ウェッブ
デ・グリュー:コナー・ウォルシュ
レスコー:古川和則
ムッシューG.M.:マイレン・トレウバエフ
レスコーの愛人:湯川麻美子
娼家のマダム:堀岡美香
看守:厚地康雄
物乞いのリーダー:吉本泰久
高級娼婦:厚木三杏、長田佳世、堀口純、川口藍、細田千晶
踊る紳士:江本拓、原健太、奥村康祐
客:貝川鐵夫、輪島拓也、小口邦明、小柴富久修、清水裕三郎

2012/06/25

【温泉】鄙びた建物・料理が美味しい!清津峡温泉せとぐち(★★★★)

Img_1423 たまっていた観劇記録を書き終わったところで、ようやく3月の旅行のご報告です。ぜぇぜぇ。
 お世話になったのは清津峡温泉「せとぐち」さん。こちらが公式サイトです。スキーで賑わう石打から、十日町の越後田沢に向かう道を行くと、清津峡トンネルを越えたあたりで左側に鄙びムード満点の宿が見えるのが、前から気になってました。いつか泊まりたいと思ってましたが、こんかい念願かなって泊まることができました。
Img_1411 こちらが宿の建物です。古い民家風。雪の多かった今年の3月、春の日差しですが、まだ冬のたたずまいです。
Img_1412 二階部分の看板です。なかなか趣きがありますね。これが鏝絵だったらもっと凄いですけど。なになに「清津峡ホテル」?……ホテルとは大きく出ましたね。
Img_1425 磨き込まれて黒光りする急な階段、白い壁、なかなか得点が高いです。
Img_1413 新館と旧館がありますが、ぽん太とにゃん子は迷わず旧館を選択。この日はお客さんが少なかったせいか、二間続きの角部屋を取っていただき、ゆったりと過ごすことができました。
Img_1414 欄間には可愛らしい温泉マークの意匠が。温泉に入るウキウキした気分を盛り上げてくれます。
Img_1416 気さくな女将さんがお茶と一緒に持ってきてくれたのは、なんとアツアツのたい焼きです。これはありがタイ。
Img_1438 さて、こちらが温泉です。レトロな感じの浴室ですが、ちょっと狭いです。お湯は無色透明ですが、褐色の大きめな湯の花が少量舞い、なめると有薄甘塩っぱいです。泉質はナトリウムー塩化物泉。泉温が30.6度のため、循環・加温をしているようです。加水はしていないようですが、塩素消毒アリが残念です。
Img_1426 いろりのある部屋でいただく夕食が素晴らしかったです。
Img_1427 なんてことはないお惣菜ですが、都会から来たわれわれには最高のごちそうです。
Img_1432 大きな天然イワナは、あらかじめ炭火でじっくり焼いてあって、柔らかいのに水っぽくなく、頭から頂けます。また、地元の野菜を焼いていただきます。カモもこりこりと歯ごたえがあり、ちっとも生臭くありません。
Img_1430Img_1431 山菜の天ぷらに、マスのお刺身。桜のつぼみや春の緑が添えられています。前は鹿刺を出していたそうですが、昨今の生肉問題のため、控えているそうです。
Img_1433Img_1434 ゼンマイのお味噌汁と、釜炊きのご飯。地元のお米を固めに炊き上げ、お焦げもついて、うまい、うまい。
Img_1435Img_1436 朝食も地元の食材が美味しゅうございました。
 鄙びた建物、美味しいお食事、気さくな女将さんなど、かなり得点が高いですが、温泉力がやや弱いため、ぽん太の評価は5点に近い4点!こんな素晴らしい宿が、いつもスキーに行っている石打の近くにあるなんて知りませんでした。みなさんもスキー・スノボに行った時に、ちょっと足を伸ばして泊まってみてはいかがでしょうか?

2012/06/24

【歌舞伎】芝居とリアルが見ていて交錯 2012年6月新橋演舞場夜の部

 澤瀉屋一門追善&襲名披露公演、夜の部はスーパー歌舞伎の「ヤマタタケル」です。公式サイトはこちら
 哲学者の梅原猛が原作のこの芝居は、ぽん太は2008年3月の新橋演舞場以来2度目。そのときは月乃助(当時は段治郎)がヤマトタケルでした。今回の脚本・演出は、一部初演時に近いものに戻したそうですが、ぽん太の狸脳では、どこが違うのかよくわからないのが悲しいトコロ。筋書きの猿翁の文章によれば(「未来へ天翔ける『ヤマトタケル』)、平成7年(1995年)の上演の際にお客さんにわかりにくいところを改訂したけれど、現代の等身大の人間の感情を描くよりも、骨太な古代ロマンを提示する方がよいと思い直したのだそうです。
 とはいえ今回の舞台を見てぽん太は、やっぱり「父との確執によってアイデンティティを見いだせない若者」といった同時代的なテーマを感じました。その理由は、ひとつには若い世代の亀治郎が演じたことであり、もうひとつには、猿翁と中車のリアルの確執と和解が重なって見えたからかもしれません。
 猿之助のヤマトタケルは素晴らしかったですが、最後にヤマトの国を目の前にして死んで行く所の望郷の思いは、やや弱い気がしました。もっともっと人生の苦労が必要なのかもしれません。
 白鳥となっての宙乗りは、月乃助のときは、生前の苦楽を超越しながらも深い悲しみをたたえた素晴らしい表情に感心したのですが、今回の猿之助の表情には、自信と意思の力を感じました。「亀治郎としての死を迎えたが、猿之助としての生が始まる」といった感じでしょうか。
 宙乗りの前の、團子と笑也のセリフは、團子のために今回付け加えたものだと思いますが、ぽん太は泣く気満々だったのに、今ひとつ感動できませんでした。「日継ぎの皇子ってな〜に?」って、今更そんな質問かい!何もわかってないコドモという感じで、もっと「寺子屋」の菅秀才のような賢さと高貴さが欲しかったです。実はこれも、「何も知らずに歌舞伎の世界に入ってきた」という意味か?
 笑三郎と月乃助が出て来ると舞台がしまります。お二人ともお体を大切にして下さい。笑也が、中車を前に「中途入社組」の意地を見せたのか、気持ちが入った素晴らしい演技で、兄橘姫とみやず姫の二役にメリハリがありました。春猿の弟橘姫、右近のタケヒコ、弘太郎のヘタルベ、それぞれ持ち味を出して好演。門之助はいつもながら上手。

初代市川猿翁 三代目市川段四郎 五十回忌追善
六月大歌舞伎

二代目市川猿翁・四代目市川猿之助・九代目市川中車 襲名披露
五代目市川團子 初舞台

新橋演舞場
平成24年6月13日 夜の部

スーパー歌舞伎
三代猿之助 四十八撰の内 ヤマトタケル

     小碓命後にヤマトタケル/大碓命  亀治郎改め猿之助
                   帝       中 車
                タケヒコ       右 近
               ワカタケル    初舞台團 子
            兄橘姫/みやず姫       笑 也
                 弟橘姫       春 猿
                 老大臣       寿 猿
                ヘタルベ       弘太郎
                帝の使者       月乃助
                  倭姫       笑三郎
         熊襲弟タケル/ヤイラム       猿 弥
               尾張の国造       竹三郎
               皇后/姥神       門之助
           熊襲兄タケル/山神       彌十郎

2012/06/23

【バレエ】熊川哲也のコンビネーション・スピン?「海賊」Kバレエカンパニー

 Kバレエの「海賊」を観てきました。何回か観た演目なので、新しい発見はありませんでしたが、松岡さんは背も高いし美人だし、やはり出て来ると舞台がパッと明るくなるな〜、荒井さんは体がしまっていて美しいな〜などと思いながら舞台を楽しみました。
 熊哲も、ジャンプ力はちょっと落ちた気もするが、シェネのキレと早さは超一流だな〜などと思っていたら、なにやら見慣れない技が。ピルエットの時に、フィギュアスケートのスピンのような姿勢で回転してみせました。さらにスピンの途中でポーズを変えたのでは。これはコンビネーション・スピンではないか。ぬぬぬ。こんなスピンは生まれて初めて見ましたが、熊川の発明なのか。そういえば、なんでこれまでこういうピルエットがなかったのか。バレエの伝統にないからなのか。なにやら不思議なものを見た感じがしました。


Tetsuya Kumakawa K-BALLET COMPANY
「海賊」 Le Corsaire
2012年6月14日 東京文化会館 大ホール

メドーラ Medora:松岡梨絵 Rie Matsuoka
コンラッド Conrad:スチュアート・キャシディ Stuart Cassidy
アリ Ali:熊川哲也 Tetsuya Kumakawa
グルナーラ Gulnara:荒井祐子 Yuko Arai
ランケデム Lankedem:橋本直樹 Naoki Hashimoto
ビルバント Birbanto:ビャンバ・バットボルト Byambaa Batbold
サイード パシャ Said Pasha:ニコライ・ヴィユウジャーニン Nikolay Vyuzhanin

ギリシャの少女達 Greek Girls
中村春奈 Haruna Nakamura / 浅野真由香 Mayuka Asano / 井上とも美 Tomomi Inoue / 岩渕もも Momo Iwabuchi / 別府佑紀 Yuki Beppu / 松岡恵美 Emi Matsuoka / 森絵里 Eri Mori / 薄井友姫 Yuki Usui
海賊の男達 Male Pirates
秋元康臣 Yasuomi Akimoto / 西野隼人 Hayato Nishino / 浅田良和 Yoshikazu Asada / 伊坂文月 Fuzuki Isaka / 長島裕輔 Yusuke Nagashima / 愛澤佑樹 Yuki Aizawa / 福田昂平 Kohei Fukuda / 合屋辰美 Tatsumi Goya / 池本祥真 Shoma Ikemoto / 井澤諒 Ryo Izawa / 酒匂麗 Rei Sakoh / 杉野慧 Kei Sugino
【第1幕2場 (市場) ActI Scene2 (Market)】
物乞い Beggar:湊まり恵 Marie Minato / 井澤諒 Ryo Izawa
【第2幕1場 (洞窟) ActII Scene1 (Cave)】
パ・ド・トロワ Pas de Trois
  第1ヴァリエーション 1st Variation:日向智子 Satoko Hinata
  第2ヴァリエーション 2nd Variation:神戸里奈 Rina Kambe
  第3ヴァリエーション 3rd Variation:白石あゆ美 Ayumi Shiraishi
鉄砲の踊り Gun Dance:山田蘭 Ran Yamada / 古澤友菜 Yuna Furusawa / 金雪華 Solhwa Kim / 秋元康臣 Yasuomi Akimoto / 西野隼人 Hayato Nishino
パシャの夢の中の娘たち / トルコ軍 / 市場の住人達 / 女奴隷達 / 金持ち達
Girls in Pasha's Dream / Turkish Army / Market Dwellers / Female Slaves / Rich People
K-BALLET COMPANY ARTISTS
●芸術監督 Artistic Director 熊川哲也 Tetsuya Kumakawa
●演出・再振付 Production / Additional Choreography 熊川哲也 Tetsuya Kumakawa
●原振付 Original Choreography マリウス・プティパ Marius Petipa
●台本改訂 Scenario 熊川哲也 Tetsuya Kumakawa
●音楽 Music アドルフ・アダンほか Adolphe Adam etc.
●舞台美術・衣裳 Set and Costume Design ヨランダ・ソナベンド Yolanda Sonnabend / レズリー・トラヴァース Leslie Travers
●照明 Lighting Design 足立恒 Hisashi Adachi
●指揮 Conductor 井田勝大 Katsuhiro Ida
●演奏 シアター オーケストラ トーキョー Theater Orchestra Tokyo

2012/06/22

【歌舞伎】中車の話題性と、藤十郎・秀太郎の至芸 2012年6月新橋演舞場昼の部

20120613_1223 6月歌舞伎は何といっても香川照之親子の襲名と初舞台が見物。「芸」とは関係のないところへの興味で恥ずかしい限りですが、小説よりも奇なりというか、歌舞伎の芝居を越えた現実のドラマからは目が離せません。皆の関心も高かったようで、いつもより高く料金が設定されているのに、チケットがとりずらかったです。筋書きの値段も高いような……。ふふふ、松竹さん、儲けましたね。本公演の公式サイトはこちらです。

 ということで、もっとも印象に残ったのは「口上」です。こんなに感動的な「口上」は、ぽん太は初めてでした。藤十郎が進行役で、猿翁はおりませんでした。一同が深々とお辞儀をしたあと、皆は少し頭を上げた姿勢に戻りましたが、市川中車(香川照之)だけは最初から最後まで、頭を床につけて平身低頭したままでした。挨拶の時も表情がこわばっておりました。團子が「猿翁さんより立派な役者になりたいです」みたいなことを言ってましたが、ギャグにしても不遜にすぎないか?猿翁は出ないのかと思っていたら、最後に赤いひな壇に座って(腰掛けているけど正座しているように見える仕掛けですね)、後ろから登場。少しロレツの回らぬ口調ながら、しっかりと口上を述べ、左右にきっぱりとにらみをきかせました。
 しかし、香川照之にこんな歌舞伎への思いがあったとは、ちっとも知りませんでした。血筋への思いというのは、われわれの想像をはるかに越えております。でも、この年齢で歌舞伎の世界に入るなんて、勇気がありますね。例えて言えば、ぽん太が突然外科医として手術室に入るようなもんです。大変だと思います。歌舞伎俳優名鑑に、新猿翁や新猿之助は載っているのに、中車や團子が載っていないのも、ちと気になります。
 それから、亀治郎も猿之助を襲名。これもまた血筋・家柄だから当然とはいえ、右近はどんな気持ちでいるだろうかなどと、いろいろ考えてしまいました。
 ブログの冒頭の写真の祝い幕は、当初は横に並べるはずだった澤瀉屋を代表する役者の隈取りを、福山雅治の発案で一つに重ねたものだそうです(夜の部の冒頭の口上で猿之助が言ってました)。

 さて、最初の演目の「小栗栖の長兵衛」では中車が奮闘。大正9年に初演された岡本綺堂作の新歌舞伎なので、歌舞伎の素養のない中車にも演じやすい演目。中車の演技は、普通の芝居だったら悪くありませんが、歌舞伎としては、やはり声の抑揚や間、動きの様式性に欠けるところがありました。しかし歌舞伎の初舞台で、しかも主役で、ここまでできれば大したもんです。4月の新橋演舞場を病気で休演していた笑三郎、少し痩せたか。段治郎が、いつのまにか月乃助という名前に変わってました。ぽん太が好きな役者の一人ですが、こういうのは襲名披露はしてくれないんですかね。歌舞伎の世界もいろいろ複雑ですね。

 最後は亀治郎の「四の切」。2011年5月に明治座で観て以来です。上手なのは相変わらずですが、観客を意識したあざとさが減って、悲しさがにじみ出ていてよかったです。アクロバティックな動きも、海老蔵だと筋力でぴょんぴょんジャンプしている感じですが、猿之助は柔らかくてふわりふわりとしておりました。藤十郎の義経、秀太郎の静御前が、香川照之の話題性とは異なり、歌舞伎の芸として最高でした。ともに初役だそうですが、義経の気品と悲しみ、静御前の可愛らしさ、これぞ歌舞伎というところを見せてくれました。


初代市川猿翁 三代目市川段四郎 五十回忌追善
六月大歌舞伎

二代目市川猿翁・四代目市川猿之助・九代目市川中車 襲名披露
五代目市川團子 初舞台

新橋演舞場
平成24年6月13日 昼の部

一、小栗栖の長兵衛(おぐるすのちょうべえ)
                 長兵衛       中 車
               馬士弥太八       右 近
                妹おいね       笑三郎
                堀尾茂助       月乃助
                猟人伝蔵       弘太郎
                父長九郎       寿 猿
                巫女小鈴       春 猿
                 僧法善       猿 弥
                 七之助       門之助

二、口上
  初代市川猿翁 三代目市川段四郎 五十回忌追善
  二代目市川猿翁・四代目市川猿之助・九代目市川中車 襲名披露
  五代目市川團子 初舞台
                      猿之助改め猿 翁
                      亀治郎改め猿之助
                           中 車
                        初舞台團 子
                           幹部俳優出演

三、三代猿之助 四十八撰の内 義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
  川連法眼館の場
  市川猿之助宙乗り狐六法相勤め申し候
       佐藤忠信/忠信実は源九郎狐  亀治郎改め猿之助
                駿河次郎       門之助
                亀井六郎       右 近
                  飛鳥       竹三郎
                川連法眼       段四郎
                 静御前       秀太郎
                 源義経       藤十郎

2012/06/21

【歌舞伎】菊五郎・團十郎の「身替座禅」2012年5月松竹座

 5月下旬、ぽん太とにゃん子は、歌舞伎を見に大阪遠征してきました。公式サイトはこちらです。
 初日は夜の部を観劇。
 最初は「絵本太閤記」。團十郎の武智光秀、菊五郎の真柴久吉という配役で、本格的な時代物でした。武智十次郎の菊之助がすばらしく、歌舞伎らしい様式性とリズムがあり、格調が感じられました。東蔵の皐月も武家の妻としての威厳と母親としての悲しみが伝わってきました。
 次いで「高杯」。身体能力の高い海老蔵ですから、体を張った下駄タップを聞かせてくれるんじゃないかと期待しておりましたが、リズムも不明瞭で、以前に観た勘三郎の方がよかったです。ちと期待はずれでした。酒に溺れるあたりの演技(?)はおかしみがありました。
 「ゆうれい貸屋」は軽く楽しい芝居。桶職弥六の三津五郎はいつもながら癖のないすっきりと品のいい演技。幽霊染次の時蔵が熱演で、嫉妬深くて色っぽいけどちょっとおかしな幽霊を、芝居っけたっぷりに演じておりました。

 芝居が跳ねたあとは、和洋遊膳中村で大阪の食を満喫。おいしゅうございました。

 さて、翌日は昼の部、まずは「寺子屋」です。海老蔵の武部源蔵は、以前に観た時には(2007年12月歌舞伎座)大げさすぎてヘンテコでおかしかったのですが、今回は演技もだいぶ押さえられているようで、悪くなかったです。梅枝の女房戸浪も好演。松緑の松王丸は、咳が様式的でリアルさがなくて変でした。最初は大きさが感じられませんでしたが、二回目に登場してからはなかなか迫力があってよかった気がします。このメンバーに入ると、菊之助が頭抜けている気がします。子を思う気持ちが伝わってきました。
 「身替座禅」は、菊五郎の右京、團十郎の玉の井という、ぽん太初めての組み合わせ。おまけに常磐津は人間国宝の一巴太夫。素晴らしくないはずがありません。菊五郎の右京は、惚けた味わいや色っぽさが最高。團十郎の玉の井は、男声を出してあざとく笑いをとったりせずに、ブスながら夫を好きで好きでたまらない、可愛らしい奥方でした。
 最後は藤十郎の「封印切」。藤十郎の忠兵衛を観るのは3回目ですが、完成された芸ですね。八右衛門の挑発に乗って封印を切ってしまうところもいいですが、その前の忠兵衛と梅川のじゃらじゃらや、最後の身請けを祝われるなか、死へと旅立っていくところの情が素晴らしかったです。


團菊祭五月大歌舞伎
大阪松竹座
平成24年5月23日・24日 

昼の部

一、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
  寺子屋
             松王丸    松 緑
            武部源蔵    海老蔵
          源蔵女房戸浪    梅 枝
          御台園生の前    吉 弥
          涎くり与太郎    亀 寿
            春藤玄蕃    亀三郎
          松王女房千代    菊之助

二、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)
            山蔭右京    菊五郎
            太郎冠者    権十郎
            侍女千枝    巳之助
            同 小枝  尾上右 近
           奥方玉の井    團十郎

  恋飛脚大和往来
三、玩辞楼十二曲の内 封印切(ふういんきり)
  新町井筒屋の場
           亀屋忠兵衛    藤十郎
            傾城梅川    菊之助
         丹波屋八右衛門    三津五郎
          井筒屋おえん    東 蔵
          槌屋治右衛門    左團次

夜の部

一、絵本太功記(えほんたいこうき)
  尼ヶ崎閑居の場
            武智光秀    團十郎
               操    時 蔵
           武智十次郎    菊之助
            佐藤正清    海老蔵
              初菊    梅 枝
              皐月    東 蔵
            真柴久吉    菊五郎

二、高坏(たかつき)
            次郎冠者    海老蔵
            太郎冠者    亀 寿
             大名某    市 蔵
             高足売    松 緑

三、ゆうれい貸屋(ゆうれいかしや)
            桶職弥六    三津五郎
            家主平作    團 蔵
         屑屋の幽霊又蔵    市 蔵
         娘の幽霊お千代    梅 枝
          弥六女房お兼    吉 弥
            魚屋鉄造    権十郎
          鉄造女房お勘    秀 調
         芸者の幽霊染次    時 蔵

2012/06/20

【演劇】「THE BEE」NODA・MAP

 なんか忙しかったり風邪ひいたりで、ブログの更新が出来ませんでした
 ということで、一ヶ月前に観た演劇のご報告。もう印象が薄れてますが……。

 会場の水天宮ピットはぽん太は初めてでしたが、移転した都立日本橋高校の旧校舎を利用して作られたスタジオだそうです。東京芸術劇場の運営とのこと。池袋のホールだけじゃなかったのか?そういえば、そもそも東京芸術劇場ってどんな団体なんでしょう。ホームページを見てもよくわからん。東京都庭園美術館や江戸東京博物館を運営している公益法人東京都歴史文化財団が運営しているようです。まあ、昔の都立というか、東京都が外郭団体を作って運営しているといったところでしょうか?
 開演前、会場にはいにしえの歌謡曲が流れています。なつかしの歌謡曲が流れるのは、小劇場のデフォルトなんでしょうか?演劇に詳しくないぽん太にはよくわかりません。
 スーツ姿の野田秀樹が客席から舞台にひらりと登場して公演開始。う〜ん、さすが野田秀樹、身のこなしが軽いです。出だしのゴムひもを使ってのめまぐるしい場面転換の連続は、演劇に慣れてないぽん太には、ちょっと照れくさく感じられます。
 妻子を人質に取られた普通のサラリーマンが、犯人の説得を頼むために犯人の妻の家を訪れたところで、突然、犯人の妻子を人質にして対抗し始めるところは、この芝居の見せ場のひとつだと思うのですが、あまりインパクトを感じませんでした。この豹変に何らかの意味を与えるのか(「人質の家族の役割を演じることができないので、俺も人質犯になったんんだ」みたいなセリフがあった気がしますが……)、それとも特に意味のない奇想天外な展開とするのか、なんだかはっきりしませんでした。
 サラリーマンと人質の妻子との篭城が、なんだか疑似家族みたいになってきて、あたかも日常生活の一コマのように指を一日一本ずつ切り落としていくあたりは、なかなか面白かったです。
 タイトルにもなっている「蜂」が何を意味するのか、ぽん太の狸脳ではよくわかりませんでした。

 宮沢りえちゃん、なかなかよかったです。もっと肉感的な感じがあるとよかったですが。数日前に、離婚の報道が流れたばかりだったので(宮沢りえ離婚!結婚3年…すれ違い生活続き、MSN産経ニュース、2011.5.8)、なんだか見ていて舞台とリアルがかぶりました。

 全体としてなかなか面白かったですが、様々な賞を取るほどの名作とは思えませんでした。「暴力に暴力を持って対抗するのはいか〜ん」みたいなメッセージ性が受けたのかしら?


NODA・MAP番外公演
「THE BEE」
2012年5月17日 水天宮ピット 大スタジオ

出演:宮沢りえ:小古呂の妻/リポーター
   池田成志:百百山警部/シェフ/リポーター
   近藤良平:安直/小古呂/小古呂の息子/リポーター
   野田秀樹:井戸

原作:筒井康隆~「毟りあい」(新潮社)より~
共同脚本:野田秀樹&Colin Teevan
演出:野田秀樹
美術:堀尾幸男
照明:小川幾雄
音響・効果:高都幸男
映像:奥秀太郎
舞台監督:谷澤拓巳
プロデューサー:鈴木弘之
企画・製作:NODA・MAP 主催:NODA・MAP
東京芸術劇場(公益財団法人 東京都歴史文化財団)

2012/06/14

【ハイキング】6月の旭岳ロープウェイ周辺の雪と花

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 湧駒荘に泊まった翌日、ぽん太とにゃん子は、近くにある旭岳ロープウェイに乗って姿見駅まで行ってみました。まだまだ雪が残っていて、雪山の装備もないので、駅周辺を1時間ほど散策するに留めました。
Img_2168 ロープウェイの窓からは、トムラウシの雄大な姿が見えました。写真の右端の遠くに見えるのが、美瑛岳や十勝岳などの十勝の山々です。
Img_2175 姿見駅を降りるとあたり一面雪だらけでしたが、所々雪が溶けたところには、早くも花が咲き始めていました。写真はエゾノツガザクラ。この他、キバナシャクナゲ、メアカンキンバイ、コメバツガザクラ、クロウスゴが咲いてました。
Img_2194 荒々しい噴気孔のむこうに旭岳。
Img_2198 姿見の池も氷に覆われています。
Img_2215 ロープウェイで山を下り、麓の旭岳山麓駅の裏側にある勇駒別湿原の遊歩道を散策しました。ちっちゃな湿原ですが、花が充実していました。写真はエゾノリュウキンカの大群落。ぽん太は初めて見ることができました。
Img_2208 こちらは、エゾノイワハタザオの大群落。これもお初にお目にかかりました。
Img_2206 エゾイチゲ(初)。本州でもときどき見かけるヒメイチゲに似てますが、葉がちょっと丸っこいのと、白い花びらに見える萼片の数が多いのが特徴です(ヒメイチゲは5個)。このほか、スミレの一種、ミヤマノエンレイソウ?、ミズバショウ、サンカヨウなどが咲いてました。

2012/06/13

【温泉】温泉だけでなく料理も美味しい/湧駒荘(★★★★★)

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 以前に泊まってとってもよかった湧駒荘(ゆこまんそう)に、秘湯の会のスタンプ帳のご招待で、再び泊まってきました。宿の公式サイトはこちらです。
 ご紹介するのは2回目のなので、お料理の写真を冒頭に持ってきました。というのはこの宿は、温泉がいいのは言うまでもありませんが、お料理もとっても美味しいのです。
Img_2166 大雪山は朝日岳ロープウィエの乗り場の近くにある湧駒荘、外観はロッジ風でちょっと素っ気ない感じもありますが、自然の厳しいこの地では外観に凝ることはできません。
Img_2157 内部はこのとおり、重厚で落ち着いた雰囲気があり、山岳ロッジ風です。
Img_2138_2 5種類の源泉を、どれも掛け流しで楽しめます。これだけで温泉ファンなら大満足。
 しかし、ここまでは前置きにすぎません。こんかいぽん太が紹介したいのは、お料理のすばらしさです。冒頭の写真に写っているのは、完熟トマトの白ワイン煮、メロンとヴィシソワーズ。写真の上段の真ん中に写っている卵焼きみたいなのが自家製泡醤油で、お造りにつけていただきます。
Img_2145_3 こちらは蝦夷鮑の塩釜焼きです。
Img_2147 それを解体したのがこちら。昆布の味がしみこみ、濃厚な味わいです。
Img_2155_2 このほかにも、素材がいいうえに手間を加えたおいしい料理が次々と。そして最後は白い蕎麦茶ぷりん。参りました。
Img_2165_2 はい、朝食はこちらです。
 温泉も料理も最上級ということで、何度泊まってもぽん太の評価は5点満点です。

2012/06/12

【宿】アポイ岳登山に最適の公共の宿/アポイ山荘(★★★)

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 前回アポイ岳に登ったときは、近くの民宿を利用したのですが、今回は登山口のところにある公共の宿、アポイ山荘に泊まりました。公式サイトはこちらです。
 この宿に泊まるのは、アポイ山荘の登山客ぐらいかと思ってましたが、一般の観光客も多く、けっこう賑わってました。
Img_2135_2 建物は新しくてきれいです。
 お風呂は温泉ではなく沸かし湯ですが、大浴場は広々としており、また露天風呂もあって、登山で疲れた身体をほぐしてくれます。
Img_2130_2 夕食は、公共の宿ということで決して豪華ではありませんが、素材の新鮮さがうれしいです。焼き鮭もただの鮭にあらず、「時鮭」(ときざけ)です。時鮭はトキシラズともいい、季節外れの春にとれた鮭のことで、産卵期ではないので、生殖のためにエネルギーを使っていないので、おいしくて栄養豊富だと言われてます。
Img_2132_2 さて、この緑色のアイス、素材は何でしょう。なんと地元産の昆布を使った昆布アイスクリームです。
Img_2133_2 こちらが朝食。品数も多くておいしかったです。
 アポイ岳登山に最適。豪華ではありませんが、リーゾナブルなお値段でくつろげます。ぽん太の評価は3点。

2012/06/11

【登山】今度は6月4日、アポイ岳再訪

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 花で有名なアポイ岳。以前は7月上旬に登ったのですが、今回は違う花を見るために、時期をずらして6月上旬に登ることにしました。おかげで様々な花を初めて見ることができました。

【山名】アポイ岳(811m)
【山域】北海道南部
【日程】2012年6月4日
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】晴れ
【ルート】アポイ岳ビジターセンター9:38…アポイ岳12:45…幌満お花畑…アポイ岳ビジターセンター15:39

(※大きい地図や3Dグラフはこちら
【見た花】(登山口〜5合目山小屋)オオイワツメクサ(初)、チゴユリ、ツマトリソウ、フデリンドウ、ヒメイチゲ、ミヤマスミレ、イチヨウラン(初)、エゾオオサクラソウ(初)
(5合目山小屋〜山頂)エゾタカネニガナ(初)、アポイアズマギク、ヒロハヘビノボラズ(初)、ヤマツツジ、エゾシモツケ(初)、ヨツバシオガマ、アポイクワガタ(初)、ミヤマオダマキ、チシマキンレイカ、チングルマ、サマニユキワリ(初)、ミヤマハンショウヅル、チシマフウロ、アポイタチツボスミレ(初)、キンロバイ、ユキワリコザクラ?(初)、エゾキスミレ(初)、キジムシロ
【マイカー登山情報】登山口に広い駐車場があります。

Img_2027 登山口近くに咲いていた白い花。イワツメクサに似てますが、花びらの切れ込みが小さく、少し幅が広いです。調べてみるとオオイワツメクサという花で、イワツメクサの北方型変種だそうです。ぽん太は初めて見ました。
Img_2029 登山口近くの登山道。両側の林がすがすがしくて気持ちいいです。
Img_2051 にゃん子が綺麗なランを発見。イチヨウラン(初)です。拡大してみるととっても美しく、また5枚の萼片が星形に広がっているのもいいですね。
Img_2057 エゾオオサクラソウ(初)です。あちこちに咲いていました。
Img_2056 全体像はこちら。円形で掌状に切れ込んだ葉っぱから、茎がすっくと立ち上がり、先端にボンボンのように花を付けます。ちょっと大きめで、とっても華やかです。
Img_2060 5合目山小屋の所で稜線に出て、まず初めはエゾタカネニガナ(初)。
Photo ヒロハヘビノボラズ(初)です。きれいな花ですが、名前は変ですね。
Img_2074 エゾシモツケ(初)です。
Img_2078 花にまじえて岩の写真を。この緑色っぽい岩がかんらん岩で、この岩でできていることが、アポイ岳の特有の植生の原因となっております。アポイのかんらん岩については、例えばこちらをどうぞ。かんらん岩は火成岩の一種で、上部マントルという非常に深い所で造られるんだそうです。アポイ岳では、プレートの衝突によって、本来はとても深い所にあるかんらん岩が地表に現れているんだそうです。かんらん岩は変成作用を受けやすく、変成によって蛇紋岩に変化するそうですが、ここアポイ岳では、蛇紋岩に変化していない「新鮮な」かんらん岩が見られるそうです。かんらん岩や蛇紋岩は、超塩基性岩と呼ばれSiO2含有量が少ないのが特徴で、この岩があるところには独特の花が咲きます。例えば至仏山や早池峰山も、蛇紋岩(や、かんらん岩)でできています。
Img_2088 アポイクワガタ(初)です。クワガタ君のなかでも特にちっちゃい感じがします。
Img_2101 サマニユキワリ(初)です。花弁と花弁の間に隙間があります。葉っぱはおしゃもじを細くしたような形で、ふちが裏側に折れ曲がります。綺麗ですね〜。
Img_2107 ちょっと花がしょぼいですが、お初なのでアップしておきます。アポイタチツボスミレだと思います。
Img_2113 ユキワリコザクラ(?)かな〜?先ほどのサマニユキワリと似てますが、それが花弁と花弁の間に隙間があったのに比べ、この花は花弁と花弁の間の隙間はなく、明らかに違います。サマニユキワリの方が葉っぱが細いという記述もありますが、よくわからん。ある本には、サマニユキワリは亜高山の草地に多く、ユキワリコザクラは産地の岩場に多いと書いているので、ユキワリコザクラとしておきます。ということは、今回はユキワリコザクラは見れなかったということか……。
Img_2115 アポイ岳の黄色いスミレといえば、エゾキスミレ。う〜んこれは?葉っぱが厚めで光沢があるから、エゾキスミレでいいのかしら?
Img_2120Img_2121 山頂でのお弁当は、「親子岩潮風弁当 様似産つぶめし」。地元のつぶ貝がたっぷり入ったお弁当で、とってもおいしかったです。
 帰りは幌満お花畑に寄って帰りましたが、見事にまったく何も咲いてませんでした。
Img_2126 シマリス君がお見送り。さようなら。

2012/06/09

【登山・温泉】ツツジ満開!前袈裟南西尾根から袈裟丸山/大胡温泉三山の湯(★★★★)

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 ツツジやシャクナゲが咲き乱れる袈裟丸山は、以前から登りたいと思っていた山ですが、今回機会があって行ってきました。
 信仰の山である袈裟丸山は、塔ノ沢登山口から登るのが正式のようです。最近は折場登山口からの弓の手コースもよく歩かれるようですが、いずれにせよ後袈裟丸山まで行くと、歩行時間がちょっと長いようですし、行って来いになるのが不満です。群界尾根往復も味気ないし……とググっていたところ、群界尾根登山口から、登山道でない尾根(南西尾根:小中川の本沢と下ノ滝沢を分ける尾根)を登って前袈裟丸山に登る道があるということで、その道を登って群界尾根を下るというコースに決定しました。

【山名】前袈裟丸山(1878m)、後袈裟丸山(1910m)
【山域】北関東
【日程】2012年5月30日
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】晴れのち曇り
【ルート】群界尾根登山口10:13…(前袈裟南西尾根)…前袈裟丸山12:40…後袈裟丸山13:13…(群界尾根)…群界尾根登山口15:26
★注意:今回登りに利用したルートは、登山道ではありません。必要な経験がある方が、自己責任で、自然破壊しないように注意して登って下さい。

(※大きい地図や3Dグラフはこちら
【見た花】ミツバツツジ、シロヤシオ、アカヤシオ、ヤマツツジ、タカネザクラ、スミレの一種
【マイカー登山情報】群界尾根登山口手前に広い駐車スペースあり(今回の登山口になります)。
【関連リンク】・http://21.pro.tok2.com/~acuphaicarz/ushirokesa-1.html
 南西尾根からの登山ルートの詳しい解説があります。プリントして持って行きましょう。
http://akanekopn.web.fc2.com/kesamaru/kesamal.html
 『袈裟丸山』という著書のある増田宏氏による、自然や史跡の詳しい解説。

Img_1987_2 駐車スペース奥から適当な場所を見つけて小中川本沢を渡渉。反対側の斜面に取り付いて、尾根を目指して登ります。途中、ちょっとした岩の壁が立ちはだかりますが、適当なところを見つけて乗り越えます。ちょうど新緑の時期で、芽吹いたばかりの雑木林が、えも言われぬ美しさでした。
Img_1988 尾根に出て一息入れたら、今度は尾根を登っていきます。テープによるマークと、踏み跡があります。登っていくと、ミツバツツジやシロヤシオの大木が咲き乱れています。素晴らしい景色です。先に言っておくと、下りに使った群界尾根にはこれほど花がありませんでした。やはり人があまり入っていないから、これだけ見事なツツジがあるんでしょうね。
Img_2000_2 こちらはアズマシャクナゲですね。
Img_2003_2 そしてやや標高が高い所にはアカヤシオ。ヤシオツツジは、葉っぱが出る前に花が咲くので、とても綺麗です。
Img_2007_3 まるで夢の中のような美しさに酔いしれているあいだに前袈裟丸山に到着。北側がガスって来て、皇海山などは見えませんでした。前袈裟丸山から後袈裟丸山へ向かう道は八反張と呼ばれ、むかし鳥を捕まえるための網を張っていたためにそう呼ばれるそうです。ネットでは通行禁止と書かれているものもありましたが、登山道も封鎖されていなかったので行ってみることにしました。確かに花目当てのハイカーには危険かもしれませんが、しっかり整備されているので、登山の経験を積んでいる人には問題ないかと思います。
Img_2019_3 後袈裟丸山山頂でお弁当を食べ、あとは群界尾根を下るのみ!けっこう急な尾根で、この尾根の往復はちょっとしんどい気がしました。
Img_2019_6 (南西尾根ほどではありませんが)咲き乱れる花々のなかを下って行きます。ヤマツツジの大木がありました。色が濃くて綺麗ですね。
Img_2023_2 帰りは大胡温泉三山センターで汗を流しました。公式サイトはこちら。サイトの手作り感からもわかるように、かなりひなびた温泉です。なんでももともと旅館の普通の風呂でしたが、宿泊した人から神経痛がよくなったという話しを聞き、調べてみたところ温泉に該当していたんだそうです。泉質は中性低張性冷鉱泉(メタケイ酸含有泉)です。ディープな温泉が好きな人にはお勧めです。場所が見つかりにくいです(まわりをぐるぐる回ってしまいました)。

2012/06/05

【温泉】静かで落ち着いた赤城山麓の宿/滝沢館(★★★★)(付:赤城神社の神代文字の碑)

Img_1972_2
 5月末、ぽん太とにゃん子は群馬県は赤城山麓、赤城温泉郷の滝沢館に泊まりました。宿の公式サイトはこちらです。ぽん太は20年くらい前に一度泊まったことがあります。また、登山の後の日帰り入浴で数回利用したことがあります。
Img_1969_2 以前に泊まったときには真新しい感じもあった建物ですが、年月を経て落ち着いた印象になり、周囲の緑に溶け込んでいます。
Img_1978_2 帳場風にデザインされたフロントです。使われている木が適度に古びた風合いとなり、静かで落ち着いた雰囲気です。
Img_1977_2 ホールには、いろりスペースもあり、宿場のテイストが取り入れてあります。部屋は広々としていて、ベッドも設置してありました。

 冒頭の写真が露天風呂です。渓流沿いにあり清々しいです。以前はもっと丸見えの感じだった気がしますが、作り替えたのかしら……。お湯は緑灰色に濁っていて、茶褐色の湯の花が舞ってます。透明だったり白濁したり、様々に色が変化するそうです。泉質はカルシウム・ナトリウム・マグネシウム・炭酸水素塩冷鉱泉。泉温が24~5度と低いので、循環加熱はしておりますが、加水はしていない源泉掛け流しです。
Img_1971_3 加熱してない源泉そのものにどうしても入りたい方は、こちらをどうぞ。露天風呂の一角にある壷湯です。ぽん太は3秒ほど入りました。このように自噴したばかりは無色透明なんですね。なめると鉄味と、炭酸味がします。
Img_1975_2 こちらが内風呂です。小さいし、ちょっと素っ気ないですね。でも、窓の外の緑がきれいです。
Img_1980_2 夕食は、山中らしい地元の素材を使ったお料理です。品数も多いし、見た目もきれいでした。
Img_1981_2 この時期、山菜の天ぷらはうれしいですね。コシアブラに、アカシヤ、イタドリなど、ちと珍しい食材もありました。追加料理でお願いしたヤマメの塩焼きは、外側はパリッとして中はほっこり、すばらしい焼き上がりでした。
Img_1984_2 こちらは朝食です。普通の旅館の朝食に見えますが……。
a href="https://ponta.moe-nifty.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2013/04/27/img_1985_2.jpg" class="mb">Img_1985_2 ウコギご飯というのは初めていただきました。というか、ウコギを食べたのも初めてかも。
 山の中にある静かで落ち着いた雰囲気の宿。料理も美味しく、沸かし湯ながら温泉力も強く、ぽん太の評価は4点です。

Img_1963_2 滝沢温泉に行く途中に、赤城神社を通ります。赤城神社は、本来は赤城山そのものをご神体としていた、歴史ある神社のようです。この神社については、以前に書いたことがあります。そのときは興味がなかったので書かなかったのですが、境内に「神代文字の碑」というものがあります。
Img_1964 「神代文字」というのはぽん太は初耳ですが、漢字が伝わる以前に日本にあった文字だそうです。復古神道と関連しているようで、昨今のネトウヨではありませんが、「中国に漢字を教えてもらう以前にも、日本には文字があったんだもん」という悔し紛れにも聞こえます。事実Wikipediaを見ると、神代文字の存在は、肯定する人と否定する人がいるようです。そしてその神代文字の碑が、なぜ赤城神社にあるのかも、ぽん太には謎です。

2012/06/04

【歌舞伎】さようなら、そしてありがとう。2012年5月平成中村座夜の部

 昨年11月に始まった平成中村座も、いよいよ5月で終了。お疲れさまでした。芝居小屋風の雰囲気のなかで、間近に舞台をみることが出来て、とっても楽しかったです。ぽん太はスケジュールの関係で、夜の部だけの観劇でした。公式サイトはこちらです。観てからだいぶたったので印象が薄れて来ていますが、覚え書きとして書いておきます。
 最初は橋之助の粂寺弾正で「毛抜」です。橋之助はちょっと遊び人風の雰囲気があるので、若衆や腰元に言いよるところなど、いやらしくこってりとやってくれるのではないかと期待していたのですが、意外とあっさりでした。全体に、橋之助が演じたい粂寺弾正の人物像が、あまり伝わってきませんでした。「毛抜」に関しては、海老蔵のばかっぽい粂寺弾正の方が、ぽん太は好きです。
 次は、小山三さんを伴っての勘三郎の口上についで、「志賀山三番叟」。いわゆる「舌出し三番叟」だそうです。猿若勘三郎が踊った三番叟をもとに、文化9年(1812年)に3世中村歌右衛門が江戸中村座で初演した、中村座ゆかりの演目だそうです。志賀山流は、現在のあらゆる日本舞踊の流派の元になっているのだそうです。舞台前面にロウソクを並べ、照明を落として、古風な雰囲気を出してました。今回の振り付けが、現代のものと異なる古風な振り付けなのかどうか、所作事に弱いぽん太にはまったくわかりません。ぽん太が寝てて聞き落としただけかもしれませんが、「とうとうたらり〜」の詞章がなかったような?それに、三番叟にしては床を踏み鳴らすのが少ない気もしました。
 最後は勘三郎で「髪結新三」。梅玉、彌十郎、萬次郎などの役者がそろうと、やはり歌舞伎としての面白さが全然ちがいます。勘三郎の新三も悪くなかったですが、ぽん太は菊五郎の方が、粋でありながら悪の凄みもあり、とぼけた演技もうまくて好きです。家主長兵衛は橋之助。若くて無理じゃないかと思っていたのですが、小判を何度も数えるあたりからヒートアップしてきて抱腹絶倒、粂寺弾正よりよかったです。勘三郎が「神谷町みてえな顔しやがって」と、ちゃちゃを入れてました。菊十郎のカツオ売り。
 さようなら、そしてありがとう、平成中村座。次回は、椅子をもう少し坐りやすくして下さい。


平成中村座 五月大歌舞伎
平成24年5月20日 夜の部

一、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
                粂寺弾正  中村 橋之助
                腰元巻絹  中村 扇 雀
                 秦民部  中村 錦之助
         小原万兵衛実は石原瀬平  市川 男女蔵
                小野春風  中村 国 生
                 錦の前  坂東 新 悟
                八剣玄蕃  片岡 亀 蔵
                秦秀太郎  市村 萬次郎
                小野春道  坂東 彦三郎

二、志賀山三番叟 上演口上(じょうえんこうじょう)
                      中村 勘三郎

  江戸随一 志賀山三番叟(しがやまさんばそう)
                 三番叟  中村 勘九郎
                  千歳  中村 鶴 松

三、梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)
  髪結新三(かみゆいしんざ)
                髪結新三  中村 勘三郎
               家主長兵衛  中村 橋之助
                下剃勝奴  中村 勘九郎
                車力善八  片岡 亀 蔵
                 娘お熊  坂東 新 悟
              加賀屋藤兵衛  市川 男女蔵
                後家お常  市村 萬次郎
              弥太五郎源七  坂東 彌十郎
                手代忠七  中村 梅 玉

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