【オペラ】オシャレな演出で日本人歌手が健闘「フィガロの結婚」新国立劇場
新国立の「フィガロ」は2003年初演のプロダクションだそうですが、ぽん太はこんかい初めて観ました。モノトーンのシンプルな舞台装置、美男美女を取り揃えたキャストと、オシャレなオペラを楽しめました。公式サイトはこちらです。
舞台上にあるのは、間口よりはるかに狭い白い立方体状の空間。なんか、昔見たコンヴィチュニーの「アイーダ」が思い出され、ちょっと嫌な予感がします。序曲の最中に奥の壁が扉状に開いて、そこから次々と白い段ボール箱が運び込まれて、舞台が始まります。後半になると、白いタンスが運び込まれますが、これがセットの全てです。立方体状の壁は、劇の進行につれ、タガが緩むような感じに、二段階で開きます。
ですから、ケルビーノが隠れるのも段ボールの中だし、第四幕の庭の場面も同じ空間です。小さなタンスの中から隠れていた人たちがゾロゾロ出てくるのは面白かったです。
でも、けっきょく登場人物たちは、狭い空間に置かれた段ボール箱とタンスのあいだをグルグル動き回っているだけなので、アンドレアス・ホモキの演出はちょっと単調で退屈したのも事実です。
フィガロ役は、アリス・アルギリスの代役でマルコ・ヴィンコでした。細身でイケメンのイタリア人で、以前の「セビリアの理髪師」でダリボール・イェニスが歌ったフィガロのように、ちょっとならず者っぽい印象。をゝとうならせるような歌唱はありませんでしたが、演技力が抜群でした。スザンナは九嶋香奈枝。最初は「えっ、日本人かいな」と思いましたが、歌も上手で、とってもキュートで可愛らしいスザンナでした。アルマヴィーヴァ伯爵のレヴェンテ・モルナールも男前で立派すぎるため、女好きでどうしょもない伯爵のコミカルさにはちと欠けました。歌声に聞き惚れたのは伯爵夫人のマンディ・フレドリヒ。特にアリア「楽しい思い出はどこへ」(Dove sono)では、恋する女の初々しさを保ちながらも、深い悲しみが感じられ、胸がキュンとなりました。ケルビーノのレナ・ベルキナもとっても美人でしたが、女っぽすぎるし声もビブラートが強めで「少年」らしさには欠けました。マルチェッリーナの竹本節子、バルトロの松位浩、バジリオの大野光彦もそれぞれ良かったです。
ウルフ・シルマー指揮の東京フィルハーモニー交響楽団は、歯切れが良くてよかった気がしますが、ぽん太にはよくわかりません。
めまぐるしく変化するストーリー展開、次々と繰り出されるアリアや重唱、「フィガロの結婚」は聞いていると嬉しくなってくるオペラで、モーツァルトの才能に今さらながら感動しました。今回のシンプルな演出によって、なおさら音楽に集中することができました。
「フィガロの結婚」
Wolfgang Amadeus Mozart : Le Nozze di Figaro
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト/全4幕
指揮:ウルフ・シルマー
演出:アンドレアス・ホモキ
美術:フランク・フィリップ・シュレスマン
衣裳:メヒトヒルト・ザイペル
照明:フランク・エヴァン
アルマヴィーヴァ伯爵:レヴェンテ・モルナール
伯爵夫人:マンディ・フレドリヒ
フィガロ:マルコ・ヴィンコ
スザンナ:九嶋香奈枝
ケルビーノ:レナ・ベルキナ
マルチェッリーナ:竹本節子
バルトロ:松位 浩
バジリオ:大野光彦
ドン・クルツィオ:糸賀修平
アントーニオ:志村文彦
バルバリーナ:吉原圭子
合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
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