【バレエ】ラトマンスキー振付けを初見!「くるみ割り人形」アメリカン・バレエ・シアター(ABT)
2014年のアメリカン・バレエ・シアター来日公演、ぽん太とにゃん子は、まずはシムキン君の「くるみ割り人形」から鑑賞です。う〜ん、華やかで素敵な舞台だったけど、これぞABT!という感動にはちと欠けたかな。シムキン君の踊りももっと見たかったです。公式サイトはこちらです。
音楽はいいけど振付けに苦労する「くるみ割り人形」、こんかいは2010年にラトマンスキーが振付けたヴァージョンです。
ぽん太はラトマンスキーといえば、マリインスキーの『イワンと仔馬』と、他にガラでいくつか観たことがあります。が、実のところどんな人か良く知らないのでググってみたところ、英語のWikipediaに出てました(Wiipediaとそのgoogle翻訳)。
Alexei Osipovich Ratmansky (Алексей Осипович Ратманский)は1968年レニングラード生まれ。ボリショイバレエ学校を卒業後、キエフ・バレエ、ウクライナ国立バレエ団、デンマーク王立バレエ団などで踊りました。振付家としては、1998年にグルジア国立バレエ団のために振り付けた「日本の夢」で頭角を現し、2004年にボリショイ・バレエ芸術監督に就任。2009年からは、アメリカン・バレエ・シアターの常任振付家になったそうです。
で、ラトマンスキーの「くるみ割り人形」ですが、幕が開くといきなりキッチン。クリスマスパティーのごちそうを準備しているようですが、ネズミが現れて大パニック。やがてパーティーが始まって人気がなくなると、ネズミがうじゃうじゃ出て来て大暴れします。
パーティーの場面では、ガキども、いえ、子供たちの行儀が悪いのが気になりました。プレゼントに殺到したり、けんかしたり、これがアメリカ流なんでしょうか。
ストーリーとしては、ネズミ軍団と、くるみ割り人形率いる人形軍が戦い、クララちゃんが靴を投げつけて、七つの頭を持つネズミの親玉をやっつけるというもので、ホフマンの原作の前半部分にかなり忠実です。バレエの原作であるホフマンの『くるみ割り人形とネズミの王様』のあらすじは、ぽん太の以前の記事をご覧下さい(→こちら)。例えばKバレエの『くるみ割り』は、「童話中童話」の「クラカツーク・クルミを割ると魔法が解ける」という物語を取り入れてます。
雪の精たちが、クララとくるみわり人形をいじめたりしてました。また、クララとくるみ割り人形が、金平糖の精の国においては王子と王女にダブっていくという設定。二組が一緒に踊ったりします。ラストは「すべては夢でした」というオチでした。
踊りに関しては、動きはクラシカル。群舞はあまり幾何学的ではなく、いくつかのグループが舞台上を入れ替わりながら踊る感じで、ちょっと雑然としつつもダイナミックな印象。花のワルツは赤白のグラデーションの衣装が美しかったです。男性ダンサーの蜜蜂が加わるのが面白い。アラビアの踊りは、ハゲの男性を三人の女性がからかう感じで、ちょっと大人っぽい。通常は「葦笛の踊り」の「くるみ割り人形の姉たち」も見応えがありました。
シムキンとサラ・レインのパ・ド・ドゥは、ダイナミックさはないものの華麗で優雅、まさに夢の中のような美しさでした。サラ・レインも女王の品格がありながらも可愛らしかったです。映画『ブラック・スワン』のダンスの代役で有名になった人ですね。二人とも素晴らしかったけど、もっとたくさん踊るのを見たかったです。
大勢出演する子供たちはK-BALLET SCHOOLとのこと。会場も子供たちが大勢観に来てました。
オケは東京シティ・フィル。ちょっと迫力に欠けた気がしましたが、そこは悪名高いオーチャードホール、音響のせいかもしれません。金管とシンバルもちと不満。
アメリカン・バレエ・シアター2014年来日公演
≪くるみ割り人形≫
2014年2月21日(金) オーチャードホール
振付:アレクセイ・ラトマンスキー
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
装置・衣裳:リチャード・ハドソン
副デザイナー:ジャスティン・アリエンティ、マウリシオ・エロリアーガ
照明:ジェニファー・ティプトン
指揮:デイビッド・ラマーシュ
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
<出演>
クララ(少女/王女) :アデレード・クラウス/サラ・レイン
くるみ割り人形(少年/王子): ダンカン・マクイルウェイン/ダニール・シムキン
ドロッセルマイヤー: ロマン・ズービン
乳母/金平糖の精:ツォンジン・ファン
子ねずみ:ジャスティン・スリオレヴィーン
フリッツ(クララの弟):グレゴール・ギレン
キッチン
執事:アレクセイ・アグーディン
コック:ケネス・イースター
メイド:ケリー・ボイド、ルシアーナ・パリス
シュタールバウム夫妻 :グラント・デロング,ニコラ・カリー
パーティー
コロンビーヌ(人形) :ミスティ・コープランド
ハーレクイン(人形) :クレイグ・サルステイン
新兵(人形):カルヴァン・ロイヤル
従軍商人(人形):ニコール・グラニエロ
おばあさん :マリアン・バトラー
おじいさん :ショーン・スチュワート
二人のおばさん:ジェシカ・サーンド,ポリーナ・ワスキー
親たち:エリーナ・ミエッティネン,ローレン・ポスト,クリスティーン・シェフチェンコ,ルシアーナ・ヴォルトリーニ,ジェニファー・ウェイレン,キャサリン・ウィリアムズ,トーマス・フォースター,パトリック・フルネット,スンウー・ハン,パトリック・オーグル,ホセ・セバスチャン,ツィアオ・チャン
闘い
ねずみの王様:トーマス・フォースター
ねずみ:グレイ・デイヴィス,パトリック・フルネット,ジョセフ・ゴラック,ブレイン・ホーヴェン,ジョナサン・クライン,ダンカン・ライル,キャメロン・マキューン,ルイス・リバゴルダ,アロン・スコット,ゲイブ・ストーン・シェイヤー,エリック・タム,ツィアオ・チャン
雪
雪の精:相原舞,アレクサンドラ・バスメイジー,スカイラー・ブラント,プアナニ・ブラウン,ニコラ・カリー,ブリタニー・デグロフト,ツォンジン・ファンエイプリル・ジャンジェルーソ,メラニー・ハムリック,ガブリエル・ジョンソン,ハンナ・マーシャル,エリーナ・ミエッティネン,ローレン・ポスト,ケリー・ポッター
ジェシカ・サーンド,エイドリアン・シュルツ,クリスティーン・シェフチェンコ,デヴォン・トゥシャー,カッサンドラ・トレナリーー,リーヤン・アンダーウッド,ルシアーナ・ヴォルトリーニ,ジェニファー・ウェイレン,キャサリン・ウィリアムズ,リリー・ウィズダム
金平糖の精の国
家令:アレクセイ・アグーディン
くるみ割り人形の姉たち:ステラ・アブレラ,ミスティ・コープランド,エイプリル・ジャンジェルーソ,メラニー・ハムリック,リーヤン・アンダーウッド
アラビアの踊り:ジェームズ・ホワイトサイド,ニコラ・カリー,エリーナ・ミエッティネン,ケリー・ポッター,デヴォン・トゥシャー
スペインの踊り:ルシアーナ・パリス,パトリック・オーグル,クリスティーン・シェフチェンコ,グレイ・デイヴィス,イサドラ・ロヨラ,ホセ・セバスチャン
中国の踊り :ジェマ・ボンド,ジョセフ・ゴラック
ロシアの踊り:ブレイン・ホーヴェン,クレイグ・サルステイン,アロン・スコット
ジンジャーおばさん:ケネス・イースター
花の精:相原舞,ケリー・ボイド,プアナニ・ブラウン,マリアン・バトラー,クレア・デヴィソン,ブリタニー・デグロフト,ニコール・グラニエロ,ガブリエル・ジョンソン,コートニー・ラヴァイン,小川華歩,ローレン・ポスト,ジェシカ・サーンド,カッサンドラ・トレナリー,ルシアーナ・ヴォルトリーニ,ポリーナ・ワスキー,ステファニー・ウィリアムズ
蜜蜂:トーマス・フォースター,ダニエル・マンタイ,ルイス・リバゴルダ,エリック・タム
パーティの子供たち/おもちゃの兵隊/妖精/小姓/道化:K-BALLET SCHOOL
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