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山菜料理を満喫したぽん太とにゃん子、ダイエットのためちと運動したいところですが、東京までの帰路を考えると長時間は無理。そこで御池から燧裏林道を上田代まで往復してきました。水芭蕉の時期、登山客で大混雑の尾瀬ケ原と裏腹に、人気もなく静かなコースで、美しい自然を独り占めできました……と思いきや、自然学習のルートになっているのか、高校生や小学生の団体といくつもすれ違い、ちと難渋しました。
【山名】なし
【山域】尾瀬
【日程】2015年6月11日
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】晴れ
【ルート】御池登山口9:22…上田代10:24…御池登山口11:12
(※3D地図や当日の天気図などは「山行記録のページへ」をクリック)
【見た花】ミズバショウ、コミヤマカタバミ、サンカヨウ、リュウキンカ、コバイケイソウ、エンレイソウ、ムラサキヤシオ、タテヤマリンドウ、モウセンゴケ、ヒメシャクナゲ(つぼみ)、ワタスゲ、マメザクラ
【マイカー登山情報】御池~沼山峠のシャトルバスの道路の一部が陥没して20分ほど歩かないといけないため、通常は1000円の御池の駐車場が、現在無料開放中!!
【関連サイト】こんかいのコースとは関係ありませんが、御池〜沼山峠間のシャトルバスの状況については、例えば尾瀬檜枝岐温泉観光案内所のインフォメーションなどを御覧下さい。
コミヤマカタバミです。
サンカヨウですね。
御池田代のリュウキンカです。
ミズバショウが満開。尾瀬ヶ原だったらハイカーだらけですね。
ショウジョウバカマです。ぽん太が山に行く時期には既に枯れていることが多く、意外とキレイな花に出会うことは少ないです。アップで見ると、花火みたいで綺麗ですね。
ミズバショウ君の肖像画。花びらに編み目模様が入ってるんですね。
エンレイソウです。
ムラサキヤシオですね。
あっと言う間に上田代に到着。燧ヶ岳が見えます。
ふりさけ見れば平ヶ岳。
タテヤマリンドウ。小さな花ですが、よく見ると、花びら中央の点々や、雌しべの色など、とっても綺麗です。
モウセンゴケだねば〜っ。
ヒメシャクナゲはまだつぼみ。
お山の新緑がとってもきれいでした。
檜枝岐温泉のかぎや旅館、ぽん太はなんと3回目の宿泊です。こんかいは山菜料理をお目当てにやってきました。公式サイトはこちらです。
秘境の山里・檜枝岐村にある昭和の建物、山人(やもーど)料理と呼ばれる郷土料理の数々、そしてお目当ての美味しい山菜……。宿の若旦那や従業員の応対も暖かく、古代檜のお風呂もくつろげます。ぽん太の評価は4点です。
御池から沼山峠に至るシャトルバスの道路の一部が陥没し、途中20分ほど歩かないといけないため、水芭蕉の最盛期というのに尾瀬のハイカーから敬遠され、今年の檜枝岐村は空いているそうです。ぜひ泊まってあげて下さい。
外観は普通のひなびた和風旅館です。
看板がほのぼのしてます。
内部は、磨き込まれた木材が飴色に光って、なかなかいい感じです。昭和33年の築だそうです。
客室は昔ながらの和室。こんかい泊まった杉の間は、近くの山から切り出した杉が床柱に使われているそうです。
浴室は木のぬくもりを感じさせます。お湯は無色透明でヌルヌル系です。露天風呂はありません。
浴槽は、樹齢2千年の檜で作られているそうです。「株式会社 古代檜」は、現在は「紅檜」という会社になっているようです(こちら)。
お湯の注ぎ口も迫力があります。
温泉分析表です。泉質は単純温泉。pH8.2のアルカリ性です。源泉温度は63.7℃。
加水なしの源泉掛け流しです。ただ循環濾過はいいとして、加温がちょっと気になるところ。源泉温度63.7℃なのに加温ということは、源泉の供給量があまり多くないのでしょうか。
さあ、待ちに待った夕食で〜す。わ〜い、山菜だらけ。広間でいただきます。
当然のことながらイワナ骨酒を注文。これこれ、この容器がいいんだよな〜。
こちらがメニューです。マヨネーズがかかっているミヤマイラクサ(東北ではアイコというそうです)がぽん太には珍しい。シャキシャキして美味しいです。天ぷらはメニューから変更があり、ヤマウド、忘れた、クワの葉です。
わっぱに入ってできてたのは、「つめっこ」という郷土料理で、ソバのすいとんです。練ったソバ粉を「ちぎる」のを、方言で「つめる」ということから付いた名前だそうです。
定番のイワナの塩焼き。されどイワナの塩焼き。正しく、炭火で水分を飛ばして焼いてあります。ガス火で焼くと水分を含んで、箸で崩すと湯気が上がる感じになりますが、イワナの焼き方としては邪道です。
檜枝岐特産の「裁ちそば」。手打ちの十割蕎麦は、そば粉の香りが口いっぱいに広がってうめ〜。名前の由来ですが、普通の蕎麦は薄く伸ばした蕎麦を折り畳み、大きい包丁で上から押し切るようにして細くしますが、檜枝岐では薄く伸ばした蕎麦を何枚か重ね、奥から手前に包丁を引いて切ります。それが布を裁つのに似ていることから、「裁ちそば」と呼ばれるんだそうです。
ヤマウドとネマガリタケの山菜ご飯、自家製味噌のお味噌汁。デザートは「はっとう」。そば粉と餅米粉を練ったものを茹でて、エゴマをまぶしたもの。あまりの美味しさに食べるのが「御法度」になったことから、「はっとう」という名がついたそうです。ひし形になっているのは、おめでたい時などに特別に食べられた名残だそうです。
朝食も地元の食材満載でおいしいですが、量はやや少なめ。登山をする人は、ご飯をいっぱい食べておきましょう。
山菜目当てに檜枝岐村を訪れたぽん太とにゃん子。山菜料理を気持ちよくいただくため、まずは事前の運動から。檜枝岐村側の馬坂駐車場からオサバグサのシーズンの帝釈山に登ることにしました。東京から檜枝岐まで行くのにけっこう時間がかかり、登山開始が午後2時半になってしまったので、超軟弱な帝釈山ピストンとなってしまいました。
【山名】帝釈山(2059.6m)
【山域】東北
【日程】2015年6月10日
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】晴れ
【ルート】馬坂峠駐車場14:36…帝釈山15:23…馬坂峠駐車場15:57
(※3D地図や当日の天気図などは「山行記録のページへ」をクリック)
【見た花】オサバグサ(大群落)、コミヤマカタバミ、イワナシ、オオカメノキ
【マイカー登山情報】桧枝岐村から馬坂峠駐車場までの道は、最初は舗装されてますが、途中からダート。凹凸は少ないので乗用車でも入れますが、すれ違い困難な道が続きます。所要時間は30分。馬坂峠には30台くらい停められそうな駐車場があり、立派なトイレもありますが、水場はありません。
【関連サイト】尾瀬檜枝岐村観光案内所・電子パンフレット:Flashです。10ページ目に登山地図があります。
実はぽん太とにゃん子、10年ほど前にこのルートを通って、田代山まで往復したことがあります。そのときもオサバグサ満開でしたが、こんかいも登山道の両側はオサバグサだらけ。地味な花だけど、可愛いですね。
コミヤマカタバミ。これも地味ですね。
イワナシでございます。
さあ、何の花でしょう。わかりますか?正解はオオカメノキ(ムシカリ)です。なんか大ざっぱな樹で、花も集団で咲くので見過ごされがちですが、アップで見るとこんなにキレイな花だったんですね。ぽん太も初めて知りました。花びらにちぢみが入っていて繊細で柔らかです。
あっという間に山頂に到着。
会津駒ヶ岳です。
燧ヶ岳ですね。このほか、平ケ岳や日光白根なども見えました。
6月の歌舞伎座は「新薄雪物語」の通し。日程の都合で、先に後半を観ることになってしまいました。公式サイトはこちらです。
ところで、「新薄雪物語」ということは「旧薄雪物語」もあるのか?という疑問を持たれた方は、ぽん太の以前の記事(こちら)を御覧下さい。
だけどやっぱり昼の部を先に観た方がよかったかな。夜の部からだといきなり「合腹」なので、ちょっと入り込みづらいです。そういえば歌舞伎座の入り口で、「新薄雪物語」の前半のあらすじを配ってましたが、ぽん太はこういった光景を初めて見ました。やっぱり松竹さんも、これはちょっとヤバイと思ったのでしょうか……。そういえばそういえば、日曜日だというのに空席がかなり目立ちました。これだけの役者が顔見世のようにそろっているのに、やっぱり人気の演目を並べないと、歌舞伎座とはいえ客が入らないのか。でも「勧進帳」ばっかりじゃね〜。
三人笑いは、仁左衛門と幸四郎と魁春。ぽん太は魁春に一番感動しました。男二人の笑いは「痛みを我慢して笑う」ですが、魁春の場合は「悲しみをこらえて笑う」で、様式的な芸ではなく、リアルな感情表現が心を打ちました。
「正宗内」は初めて観たので、面白かったです。冒頭で左衛門が奉納した刀にヤスリ目を入れた団九郎の後日談。悪者の団九郎の「もどり」が眼目で、滑稽な場面あり、カッチンカッチンと刀を鍛えるリズミカルな場面もあります。ただ、「新薄雪物語」の通しのラストとしては、左衛門も出て来ないし、なんか大団円のすっきり感がなかったです。
吉右衛門の団九郎、いつもながらの朗らかさがよかったです。大谷桂三の渋川藤馬も、滑稽すぎない品のある演技でした。
「夕顔棚」は初めて観ました。風呂上がりの菊五郎が、いきなりライザップCMの合コンの慎吾ちゃんスタイル(こちら)で登場して大笑い。滑稽ながらもほのぼの、しみじみしていて、長年舞台をともにしてきた左團次と菊五郎の仲の良さが伺われました。巳之助と梅枝の若者の踊りとの対比も、時の流れを感じました。
ぽん太がちと気を止めたのは、左團次の「悪い時代があって、久しぶりの盆踊り」みたいなセリフ。なんでしょう?筋書きは買わなかったので、ぐぐってみたら、こちらのサイトにありました。川尻清潭作、昭和26年3月東京歌舞伎座で初演とのこと。ということは、悪い時代とは、第二次世界大戦のことですね。
歌舞伎座
六月大歌舞伎
平成27年6月7日
夜の部
一、通し狂言 新薄雪物語(しんうすゆきものがたり)
広間
合腹
正宗内
〈広間・合腹〉
園部兵衛 仁左衛門
梅の方 魁 春
刎川兵蔵 又五郎
奴袖平 権十郎
腰元呉羽 高麗蔵
薄雪姫 米 吉
園部左衛門 錦之助
松ヶ枝 芝 雀
幸崎伊賀守 幸四郎
〈正宗内〉
団九郎 吉右衛門
おれん 芝 雀
腰元呉羽 高麗蔵
五人組伊太郎 歌 昇
同 仁助 種之助
同 与吉 隼 人
薄雪姫 米 吉
渋川藤馬 桂 三
下男吉介実は来国俊 橋之助
五郎兵衛正宗 歌 六
二、夕顔棚(ゆうがおだな)
婆 菊五郎
里の女 梅 枝
里の男 巳之助
爺 左團次
今日の午前中の観光は、イングランド西部にある城郭都市、チェスターです。この辺りは、御覧のようなれんが造りの家が目立ちます。イギリスも、場所によって、建築様式がいろいろですね。
にゃ、にゃんだ!この集団は?妖しいおっちゃんが先導する、鎧と盾で武装した子供たち。どうやら、チェスターの歴史を学ぶプログラムに参加している子供たちみたいです。
これがチェスターの古い街並です。装飾的な黒い梁がある、白い壁の建物ですね。黒い梁のカーブの部分はどういう仕組みになってるんでしょう。 それから、それぞれの建物の2階部分がテラスのように見えますが……
御覧のように建物を横切ってつながったアーケードになってます。
表から見ると、それぞれの建物の間口は広くありませんが、奥行きはこんなに深くなってます。京都の町家みたいですね。
建物のなかには復元されたものもありますが、これは17世紀の正真正銘のオリジナルだそうです。ちと歪んでます。
この建物は1664年に造られたもの。かなり歪んでますね。
そもそもチェスターの始まりは、紀元1世紀にブリテン島を支配していたローマ人が、ウェールズとの戦いに備えて築いた基地だそうです。南ヨーロッパならなんとなく納得できますが、ローマ人がイギリスにまで来ていたというのはちと驚きです。ウィキってみると、クラディウス帝の時代の紀元43年にローマ人はグレートブリテン島南部を占領し、属州ブリタンニアを創設。支配は410年まで続いたそうです。
写真は、ファストフード店の床に穴が空いていて、ガラスがはまってますが、下を覗くとローマ時代の柱の遺跡を見ることができます。テーブルでコーヒーを飲んでいたチェスター人のおじさんも、「え〜知らなかったよ」とびっくりしてました。
市庁舎です。古いゴシック様式を模して、19世紀に建てられたものだそうですが、ネオ・ルネサンス様式も混ざっているとか。
チェスターの大聖堂です。細かいことは忘れましたが、時代時代で様々に作り替えられながら存続し、今は大聖堂となっているそうです。
天井を支える梁が織りなす模様。
ビクトリア時代のステンドグラス。ガラスもさることながら、それを支える石の枠の曲線も見事です。
聖職者が座る席の細かく作り込まれた装飾。
座席の下にも細かい彫刻が。
こ、これは……。ビール飲んでますね。
町を囲む城壁の上を歩きます。
ローマ時代の円形劇場の跡ですね。
こちらにはローマ時代の柱の一部が残ってます。
さて、午後一はL&H鉄道(The Lakeside & Haverthwaite Railway)の蒸気機関車乗車体験です。ハーヴァースウェイトからウィンダミア湖畔のレイクサイドまで、約20分の旅です。
これは美しい蒸気機関車ですね。日本ではレアなサドルタンク(ボイラーの上に水タンクがかぶさっているスタイル)です。
これが我々が乗る車両を引っ張ってくれる機関車君。
これが客車ですね〜。
内装はニスが塗られた木が使われており、なつかしい感じです。
あっという間に終点に到着。お疲れさまでした。
レイクサイドから、こんどは船でボウネスまでクルーズを楽しみます。
新緑のなか、ウィンダミア湖を北上して行きます。
ボウネスの湖畔で白鳥にエサをあげる派手なジャケットのおじさん。
二階の窓から金庫(?)を搬入しようとしてました。窓枠の大きさギリギリなのでかなり難航してましたが、しばらくして再び通りかかったら、無事に入ったようです。
とっても寒かったのでThe Old England Hotelの喫茶店に入り……
イングリッシュ・クリームティーを頂きました。持っただけでぼろぼろ崩れて行くようなスコーンですが、とっても美味しかったです。ただ、気になるのは紅茶。こういうホテルの喫茶店でも、ティーバックなんですね。ポットのなかのお茶はどんどん濃くなってゆくので、後半はお湯で薄めて飲むというスタイルです。日本茶に比べて、あまり入れ方に気を使ってない気がしました。
宿に戻って、向かいの牧場を探検。この時期、羊の子供が産まれる時期で、あちこちで仔羊を見かけました。大人になるとのんびり草を食んでいる羊ですが、やっぱり子供は元気に跳ね回ってるんですね。とっても可愛かったです。
ママのおっぱいを飲んでます。
ところで、別の所の羊の写真ですが、羊も香箱座りをするのでしょうか?中身はどうなってるのかな?
この日の夕食は各自が自由に取ることになってましたが、お腹がいっぱいになったぽん太とにゃん子は、スーパーでつまみとワインを買い込んで、ホテルの部屋で楽しみました。
朝だ〜っ!今日はチェスター、ストラットフォード・アポン・エイボンを観光し、コッツウォルズのマナーハウスに泊まります。
本日は一日かけて湖水地方の観光です。「ピーターラビット」の作者ビアトリクス・ポターが後半生を過ごしたヒル・トップ農場の家です。道が細いので、ホークスヘッドという町で専用の小型バスに乗り換える必要があります。
雄タヌキのぽん太は「ピーターラビット」とはまったく縁がないまま中高年まで到りましたが、バレエを観るようになって、アシュトンの『ピーターラビットと仲間たち』の舞台に接して、初めて原作の絵本を読んだのです。
かわいらしい絵が魅力なポターですが、若い頃は菌類の研究家として、細密画のような正確なスケッチを描いていたことを初めて知りました。それだけの画力を持った人が描いているのですから、ピーターラビットの絵が素敵なわけですね。
家へのアプローの両側は、いわゆるイングリッシュガーデンになっていて、いろいろな花が咲いていて、とてもナチュラルで美しかったです。
近くにあるタワー・バンク・アームスというパブ。『あひるのジマイマのお話』に描かれています。たとえばProject Gutenbergのこちらの、真ん中よりちょっと下のあたりですね。
ピーターラビット君が走り出してきそうなのどかな景色です。
小型バスで麓まで降りてきて、ホークスヘッドの散策。まずはワーズワースが学んだというグラマースクールです。
ホークスヘッドはこじんまりとした町で、オシャレなお土産屋さんや喫茶店・レストランが並んでします。白い壁がとてもきれいです。写真はあるお店のオシャレな玄関まわり。
壁に埋め込まれた鋳物製の郵便受け。上の天然石のワンポイントも素敵ですね。
迷路みたいな路地を歩くと、さまざまな風景に出会います。
郵便の集配人。
青い空のもと、白い壁が映えます。
昼食は、こちらのレッド・ライオンで頂きました。
プジョーっぽい赤いライオンが目印です。その右に、壁からなんか不気味なものが出てきてます。
内部はちっちゃなパブ。地元のおじさんが、立ち飲みでビールを飲んでったりしてます。
メニューはフィッシュ・アンド・チップス。当然ビールも頂きました。これも不味いと聞いてましたが、揚げたてでふっくらして、油くささもなく、とっても美味しかったです。果たして不味いイギリス料理は何処に?
デザートのレモンケーキです。
湖水地方で2泊したラングデール・チェイス・ホテル(Langdale Chase Hotel)が素晴らしかったです。ウィンダミア湖に面した建物は、私邸として1895年に造られました。国内でも古い建物の旅館が好きなぽん太とにゃん子は、とっても気に入りました。
内部は木が多用され、暖かくて懐かしい雰囲気です。
ホールの暖炉からバルコニー周辺の細かい装飾。
湖を望めるサロンです。
レトロな装飾窓。
ぽん太とにゃん子が泊まった部屋は、先ほどのレトロな建物ではなく、言わば「新館」みたいなところだったのが残念でしたが……
かなり広い専用のテラスが付いていたのは嬉しかったです。
バスルームも明るく清潔です。
この日の夕食はホテルのレストランで頂きました。
デザートです。
朝のウィンダミア湖。対岸の雪をかぶった丘が朝日に輝きます。
道を挟んで向い側は牧場になってます。羊のはく息が白いです。
湖畔の八重桜が満開です。
湖畔からホテル全体を見上げる。
外壁の装飾もとっても細かく造り込まれてます。
湖の対岸にあるこの建物は、レイ・キャッスル(Wray Castle)という名前で、ピーターラビットの作者ビアトリクス・ポターが、両親に連れられて初めて湖水地方に避暑に訪れた時に泊まったところです。
イングリッシュ・ブレックファストを頂いて、本日の観光に出発です。
ホリールード宮殿は、ルネサンス様式の美しい建物です。現在はエリザベス女王の夏の滞在地となっておりますが、いにしえにはスコットランド女王メアリー・ステュアート(1542年 - 1587年)が住んでいて、目の前で愛人をメッタ刺しにされて殺害されたんだそうです。ガイドさんがまるで講談のようにメアリーの生涯を語ってくれたのですが、タヌキのぽん太には覚えられませんでした。このハゲ頭のガイドのおっちゃん、とっても面白かったです。劇的な人生を送った人のようで、そのうち機会があったらみちくさしたいと思います。
この辺りは公的扶助を受けている人たちが住む地域だそうで、ガイドさんは「エディンバラの貧困層が住む所で、味も素っ気もない建物です」と言ってましたが、ぽん太から見ると立派な住宅にしか見えません。
宗教改革者ジョン・ノックスの家。ジョン・ノックスとは……ぽん太にはわかりません。
ご存知電話ボックス。可愛らしいですね。
ショーウィンドーに並んでいるのは、女子学生の制服のように見えますが、もちろん男性の民族衣装ですね。
エディンバラ大学です。進化論のチャールズ・ダーウィン、物理学者のマクスウェル、哲学者ヒューム、『シャーローック・ホームズ』を書いたコナン・ドイルなど、多くの有名人がここで学んだそうです。
忠犬ボビー公の像。スコットランドのハチ公と呼ばれているそうです。どんな話しかって?こちらを御覧下さい。
バスを降りて、エディンバラ城周辺の観光です。まずはセント・ジャイルズ大聖堂ですね。ガイドさんがスコットランドの宗教の歴史についていろいろ説明してくれたのでしたが、ぽん太の頭には入りませんでした。
哲学者ヒュームの像。18世紀の人ですから、こんな片乳出したギリシャ風の衣装は着ていなかったと思いますが……。左に写り込んでるハゲのおじさんが、こんかいお世話になったガイドさん。
Deacon Brodie's Tavernという居酒屋さんですが、ここは元は、エジンバラ市議会議員で、石工ギルドの組合長だったウィリアム・ブロディー(William Brodie)の家でした。彼は昼は鍵屋、夜は泥棒をしていたそうです。彼をモデルにして書かれたのが、スティーブンソンの『ジキル博士とハイド氏』です。
このゴシック様式の教会は、現在は喫茶店になってます。檀家(?)の減少などによって、売りに出ている協会がいっぱいあるんだそうです。
お土産屋さんの壁に何気なくありますが、かつては魔女狩りの井戸があったところだそうです。魔女かどうかを判断するために、疑いをかけられた女性は井戸に投げ込まれました。魔女は水に浮くとされていたそうで、沈むと魔女ではないと判断され(でも溺れ死んでしまいますよね)、浮かぶと魔女として処刑されたそうです(どっちにしても殺されたわけです)。
エディンバラ城が見えてきました。
新市街の向こうにフォース湾が望めます。
反対側にはエディンバラ芸術大学。若かりしショーン・コネリーがヌード・モデルをしていたそうです。ガイドさん、ゴシップに詳しいですね〜。
エディンバラ城が天然の岩山の上に築かれていることがわかります。
セント・マーガレット教会堂は12世紀初期に造られたもので、現在のエディンバラ城内で最も古い建物です。ロマネスク様式で、こじんまりとして好ましいです。
ロイヤルパレスです。内部は博物館のようになっております。ガイドさんのおすすめは、スコットランド王が戴冠する時にひざまずいた『スクーンの石』。イングランドに奪われ、長くウェストミンスター寺院で保存され、イギリスの王の戴冠で使われたそうですが、1996年に取り返したそうです。
しかし、あとでウェストミンスター寺院を訪れたときの解説はだいぶニュアンスが違い、ウェストミンスター寺院からスコットランド民族主義者が盗み出したりした事件もありましたが、ブレア首相がスコットランドを懐柔するために、スコットランドに返還したと言ってました。
今回の旅行で、イングランドとスコットランドがいかに仲が悪いかがよくわかり、おかげでスコットランド独立問題の心が理解できるようになりました。
それからもう一つ、この建物のなかに四畳半ほどの板張りの部屋があり、メアリー1世が嫡子のジェームズ6世を産んだ部屋なんだそうです。ところが1830年にこの板を剥がしたところ、「J」と書かれた布にくるまれた赤ん坊の遺体が見つかって大騒ぎになったのですが、この遺体はいつの間にやら行方不明になってしまったそうです。
タヌキのぽん太はもちろん初耳ですが、エディンバラで有名な作家だというウォルター・スコットの記念碑。この近くのレストランで昼食をいただきました。近くには国立スコットランド美術館があり、フェルメールの初期の作品「マリアとマルタの家のキリスト」があるはずですが、今回は立ち寄ることはできませんでした。
さて、前菜はスコティッシュエッグです。
メインはスコティッシュサーモン。ふっくらと柔らかくて美味しかったです。
デザートはクラナハン。生クリームにオートミールやベリー類が入ったものですが、作り方は様々だそうです。見た目と違って甘すぎず、美味しゅうございました。う〜ん、楽しみにしていた不味いイギリス料理に、まだ出会うことができません。
昼食後はバスで湖水地方へ移動です。途中でグレンキンチー(Glenkinchie)というウィスキーの醸造所に立ち寄りました。
車窓からの風景その1。本当にイギリスは「空」の表情が豊かですね。
車窓からの風景その2。菜の花畑もあちこちで見かけました。ガイドさんの話しでは、菜の花畑は近年に移入されたもので(いつ頃か忘れました)、最初は鮮やかな黄色いスコットランドの景観にふさわしくないなどとも言われたそうですが、いまではすっかり春の風物詩となっているそうです。
予定が空いたので数日前にチケットを取って、山海塾を観にいてきました。新作の『めぐり』は日にちが合わず、2012年初演の『うむすな』の再演を観ましたが、ぽん太とにゃん子は初見でした。ちなみににゃん子は、山海塾は「かわいい」から好きなんだそうな。特に今回は若い舞踏手が多かったので、お喜びのようでした。
世田谷パブリックシアターの公演案内はこちら。山海塾のサイトの作品紹介はこちら。また2013年のものですが、天児牛大が「うむすな」について語った会見の記録がこちら、やはり2013年、歌舞伎評論家の渡辺保と天児の対談の記録がこちらにあります。
こんかいの舞台美術はどちらかというとシンプル。長方形の踊るスペースが、数十センチの間隔を空けて、左右二つに分かれています。この間の隙間が、通路になったり、水の流れになったりします。舞台中央奥には、一筋の砂が天井から降り注ぎ続けており、「時間」を感じさせます。二つの踊りのスペースにも砂が敷き詰められており、踊りによって砂紋が作られて行きます。これは「歴史」ですかね。
舞台はいつもながらの山海塾ワールド。本当は完璧にコントロールされていながら、まるで生まれたての動物のように「不自由」に感じられる身体。動物、幼虫、海の生物といったものへのメタモルフォーズ。機械状のシンクロと脱シンクロ。開口部としての口……。
地面に敷かれた砂にちょっと触れたり、水の流れ(実際には水はありませんが)に手を差し入れたり、天井から降り注ぐ砂を手の甲で受けたりと、今回は「触覚」を感じさせるものが多かった気がしました。
とっても面白い公演だったのに、空席が目立って残念。ぽん太とにゃん子ははまってるけど、あんまり一般受けしないのかしら……。それに山海塾って、あんまり宣伝しませんよね。
山海塾
『歴史いぜんの記憶―うむすな』
世田谷パブリックシアター
2015年05月31日
I. 跡形(アトカタ) あとに残ったしるし
II. たち現れるものたち
III. 水からの記憶
IV. かなたへ吹き去る風の中で
V. 樹の鏡
VI. 限りない堆積と浸食
VII. うぶす
[演出・振付・デザイン] 天児牛大(あまがつうしお)
[音楽] 加古隆/YAS-KAZ/吉川洋一郎
[舞踏手] 天児牛大/蟬丸/竹内晶/市原昭仁/長谷川一郎/松岡大/石井則仁/百木俊介
新国立劇場の「ばらの騎士」は、2007年初演のプロダクション。震災後の2011年4月にも再演されたようですが、ぽん太は今回が初見。ウィーンらしく、流麗でありながらドタバタもあり、最後はホロリとする素晴らしいオペラでした。公式サイトはこちらです。
今回は歌手陣がなかなか良かった気がします。元帥夫人のアンネ・シュヴァーネヴィルムスは、美声を張り上げるというのではなくて、ドラマの展開のなかで表情豊かな歌声を聞かせてくれました。前評判通り、いや前評判以上で、この人の元帥夫人を聴けて良かったです。オクタヴィアンのステファニー・アタナソフは華やかで美しい顔立ちでスタイルもよく、若い美男子の貴族そのもの。冒頭での歌い出しも、まさに窓から差し込む朝日のような輝きがありました。オックス男爵のユルゲン・リンは役者やの〜。こんかいの「ばらの騎士」がすごいドタバタに感じられたのは、この人のおかげか?ゾフィーのアンケ・ブリーゲルは、ちと地味で暗い感じでしたが、役柄としてはこれでいいのかも。
シュテファン・ショルテス指揮の東京フィルハーモニー交響楽団、序曲の出だしはなんかバラバラしてましたが、その後はなかなか良かった気がします。いつもながら新国立劇場合唱団は素晴らしかったです。
「ばらの騎士」 Der Rosenkavalier
リヒャルト・シュトラウス Richard Strauss
2015年5月24日
新国立劇場オペラパレス
指揮:シュテファン・ショルテス
演出:ジョナサン・ミラー
美術・衣裳:イザベラ・バイウォーター
照明:磯野 睦
元帥夫人:アンネ・シュヴァーネヴィルムス
オックス男爵:ユルゲン・リン
オクタヴィアン:ステファニー・アタナソフ
ファーニナル:クレメンス・ウンターライナー
ゾフィー:アンケ・ブリーゲル
マリアンネ:田中三佐代
ヴァルツァッキ:高橋 淳
アンニーナ:加納悦子
警部:妻屋秀和
元帥夫人の執事:大野光彦
ファーニナル家の執事:村上公太
公証人:晴 雅彦
料理屋の主人:加茂下 稔
テノール歌手:水口 聡
帽子屋:佐藤路子
動物商:土崎 譲
合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
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