3年に1度の夏のバレエの祭典。こんどはBプロに行ってきました。公式サイトはこちらです。
まずは、Aプロでトリをとったバルデス、グネーオの「ディアナとアクテオン」。グネーオには、ちょっと色男の床屋さんバジルよりも、こっちの方があってる気がします。高いジャンプや安定したピルエットなど驚異的な身体能力を発揮。バルデスはやはり表現力はまだまだですが、バランス能力はすごい。腰を支えてもらいながら回っている途中で、グネーオが手を離してどっか行ってしまったのにはびっくりしました。
ゼレンスキーの「シナトラ組曲」は、アメリカのミュージカル映画っぽい踊り。なかなか雰囲気がありました。ぐぐってみると、2016年のシーズンからミュンヘン・バレエ(バイエルン州立バレエ)の芸術監督になるみたいですね。
「ペール・ギュント」は初めて観ましたが、暗いロミジュリ・バルコニーシーンみたいな感じ。ハンブルク・ペア、頑張ってましたが、ぽん太はシュニトケの音楽に聞き惚れてしまいました。シュニトケ大好きです。
次いでロパートキナの「ライモンダ」だァ!美しゅうございました、完璧でございました、ありがとうございました。
ラドメーカーが怪我で降板したため、アイシュヴァルトはリアブコを相手に「椿姫」第1幕のパ・ド・ドゥを踊りました。リアブコはキレキレの踊りが素晴らしいですが、この演目はちょっとキレ過ぎ!アイシュバルトの手をぱっと掴んだりするのが、速すぎて見えないくらいなんだもん。カクカク動かないで、もっとネットリと踊って欲しかったです。
第2部に入りまして、コノヴァロワとエイマンの「眠れる森の美女」。コノヴァロワは、一つひとつの動きやポーズがとても美しく、ぽん太はただただ見とれるばかり。お相手のエイマンもとってもノーブルで、パリ・オペラ座らしい味わいが出てきました。
コジョカルトとコボーは、BプロではAプロとは打って変わってコンテンポラリーの演目。難しそうなリフト連発で、とっても雰囲気がありました。
「海賊」は、Aプロでいかにも精霊っぽいジゼルを踊ったサラ・ラムがメドウーラ。とっても気品があってまるで王女様のようでした。ムンタギロフもジャンプが高かった。
ヴィシニョワとゴメスの「ヴァーティゴ」。哀しみ、愛、さみしさ、倦怠といった都会の詩情を描き出した素晴らしい作品でした。複雑な動きを難なくこなしてました。ビゴンゼッティの振付もショスタコーヴィチの音楽も良かったです。
モーリス・ベジャール・バレエ団のシャコンの「ギリシャの踊り」はもはや古典。
第3部です。サレンコとマックレーの「ロミジュリ」のバルコニー・シーンは、若々しさはありましたが、初恋の萌々感にはちょっと欠けたか。
アマトリアンとフォーゲルの「伝説」は、ちょっと忘れました。
ロホとレンドルフの「椿姫」は、服を脱ぐ前のためらいの部分が素晴らしく、タヌキのぽん太の目に涙が流れそうになりました。しかし、服を脱いでからの愛の爆発の表現はちょっと物足りなかったです。
「レ・ブルジョワ」。眼鏡をかけてハリー・ポッターみたいなシムキン君が宙を舞い、観客は拍手喝采。
デュポンとモローの「マノン」。いいですな〜。雰囲気がありました。モローって、なんか仕草が普通のお兄さんっぽいところが好きです。
第4部に入り、ちと疲れて来たのではしょって紹介。
サレンコとマラーホフの「シンデレラ」。マラーホフは、もう古典の演目はいいかな。ヴァリアシオンとか踊れないし。コンテンポラリーでやって欲しいです。
ノイマイヤーの「シルヴィア」は、どこがシルヴィアだかよくわからないコミカルな振付。リアプク、こういう振付だといいんですけど。
ロパートキナの「瀕死の白鳥」は至芸。
ルグリの「こうもり」はオシャレなチャプリンみたいで身体のキレもお見事。
最後はアレクサンドロワとラントラートフの「ドン・キホーテ」。踊りは普通にうまかったですが、盛り上げ方というか、観客へのアピールが凄かったです。
また3年後が楽しみです。
第14回世界バレエフェスティバル <プログラムB>
8月12日(水) 会場:東京文化会館
「ディアナとアクテオン」
振付:アグリッピーナ・ワガノワ/音楽:チェーザレ・プーニ
ヴィエングセイ・ヴァルデス オシール・グネーオ
「シナトラ組曲」より"ワン・フォー・マイ・ベイビー"
振付:トワイラ・サープ/音楽:フランク・シナトラ
イーゴリ・ゼレンスキー
「ペール・ギュント」
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:アルフレット・シュニトケ
アンナ・ラウデール エドウィン・レヴァツォフ
「ライモンダ」より 幻想のアダージオ
振付:マリウス・プティパ/音楽:アレクサンドル・グラズノフ
ウリヤーナ・ロパートキナ ダニーラ・コルスンツェフ
「椿姫」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
マリア・アイシュヴァルト アレクサンドル・リアブコ
「眠れる森の美女」
振付:ルドルフ・ヌレエフ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
リュドミラ・コノヴァロワ マチアス・エイマン
「ノー・マンズ・ランド」
振付:リアム・スカーレット/音楽:フランツ・リスト
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー
「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
サラ・ラム ワディム・ムンタギロフ
「ヴァーティゴ」
振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
ディアナ・ヴィシニョーワ マルセロ・ゴメス
「ギリシャの踊り」
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ミキス・テオドラキス
オスカー・シャコン
「ロミオとジュリエット」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ヤーナ・サレンコ スティーヴン・マックレー
「伝説」
振付:ジョン・クランコ/音楽:ヘンリク・ヴィエニャフスキ
アリシア・アマトリアン フリーデマン・フォーゲル
「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
タマラ・ロホ アルバン・レンドルフ
「レ・ブルジョワ」
振付:ベン・ファン・コーウェンベルク /音楽:ジャック・ブレル
ダニール・シムキン
「マノン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネ
オレリー・デュポン エルヴェ・モロー
「シンデレラ」
振付:ウラジーミル・マラーホフ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ヤーナ・サレンコ ウラジーミル・マラーホフ
「シルヴィア」
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:レオ・ドリーブ
シルヴィア・アッツォーニ アレクサンドル・リアブコ
「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カミーユ・サン=サーンス
ウリヤーナ・ロパートキナ
「こうもり」よりパ・ド・ドゥ
振付:ローラン・プティ/音楽:ヨハン・シュトラウス2世
イザベル・ゲラン マニュエル・ルグリ
「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
マリーヤ・アレクサンドロワ ウラディスラフ・ラントラートフ
指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル (「ノー・マンズ・ランド」、「椿姫」)
チェロ:遠藤真理、ハープ:田中資子(「瀕死の白鳥」)
出演:矢島まい[東京バレエ団](「こうもり」)
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