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2016年5月の9件の記事

2016/05/30

【オペラ】美男にして美声・フォークトの「ローエングリン」新国立劇場オペラ

 新国立の「ローエングリーン」は、2012年のプロダクションの4年ぶりの再演。
 4年前の公演、ぽん太はもちろんチケットを取っていたのですが、風邪で熱発して泣くなく欠席。にゃん子がひとりで観に行きました。帰って来たにゃん子が、「よかったにゃ〜ん♡、素晴らしかったにゃ〜ん♡」と連発するので、ぽん太は口惜しく思ってました。
 というところで今回の再演。しかもタイトルロールが前回と同じクラウス・フロリアン・フォークト。ぽん太は前回の雪辱を果たすべく、体調管理に最大の注意を払い、ついに念願の舞台を目にすることができました。
 こちらが公式サイトです。

 フォークト、見た目も麗しいですが、何といっても繊細で柔らかな声が素晴らしかったです。最初に白鳥のゴンドラに乗って降りて来るところ、高く透明で柔らかい声で、女性が歌っているかのようでした。その後も、高貴で無垢で、一点の曇りもなく、正に「王子様」そのもの。にゃん子の目が♡♡になったのも無理はありません。力強さにはやや欠けるのは、いたしかたないところ。
 エルザのマヌエラ・ウールは、鈴の音のような天真爛漫さをもちながら、芯の強さを感じさせる声で、役にぴったりでした。
 ハインリヒ国王のアンドレアス・バウアーは、若き国王らしい風格があり、身体もしまっていて格好良く、毛皮の帽子(?)が似合ってました。
 オルトルートのペトラ・ラングは、赤いドレスに背の高い帽子を被り、真っ赤なボーリングのピンのような出で立ち。風貌も歌声も人間と思えぬ感があり、王子を白鳥に変える魔力を持った女の雰囲気がありました。
 そのなかでひとり人間的だったのがテルラムントのユルゲン・リン。神話的な登場人物たちのなかで、下賤な欲やずるさを持つ人物をうまく表現していました。

 舞台美術も、舞台奥と下手がブロック状の壁になっていて、それが光を放って美しかったです。4回から舞台を見下ろすと、黒くて光る床にそれが反射して、深い池のように見えました。その他の美術もモダンで見事でした。
 衣装もそこそこに目新しくて悪くなかったですが、女性たちの帽子が琉球っぽかったり、兵士たちの服装もなんか変でした。
 演出も現代的ながら、奇をてらわず、悪くありませんでした。ただ最後の、あととりの王子が実は幼い子供で、みんな逃げてってしまう、みたいな演出は、せっかくのすばらしい歌手陣が作り上げた神話的な世界から、突然現実に引き戻されるようで、蛇足な感じがしました。

 飯守さん指揮の東京フィル、弦がちょっと薄いのはやむを得ませんが、重厚で迫力があり、ダイナミックな音楽を聴かせてくれました。飯守さんの、ワグナーにかける思いが伝わって来ました。「ワルキューレ」もよろしくお願いします。

 ところで、音楽を聴いていたら、どこかで聴いたようなメロディーが。なんだったかな、あゝ、「白鳥の湖」か、白鳥つながりでね……って、あっちはチャイコフスキーじゃん。
 そういえば、チャイコフスキーが「白鳥の湖」を初演したときに、「バレエ音楽なのにワグナーっぽい」という批判があったことは記憶していますが、チャイコフスキーがワグナーのマネしたの?それとも逆か?
 ぐぐってみると、白鳥の湖 - Wikipedaiに、ちゃんと出てました。「ローエングリン」が1850年初演、「白鳥の湖」が1877年初演ですから、影響関係があるとすれば、ワグナー→チャイコフスキー。そしてこの影響関係についてはいろいろ言われているようですね。


オペラ「ローエングリン」/リヒャルト・ワーグナー
Lohengrin/Richard Wagner
2016年5月23日
新国立劇場オペラパレス

指揮:飯守泰次郎
演出:マティアス・フォン・シュテークマン
美術・光メディア造形・衣裳:ロザリエ
照明:グイド・ペツォルト
舞台監督:大澤 裕

ハインリヒ国王:アンドレアス・バウアー
ローエングリン:クラウス・フロリアン・フォークト
エルザ・フォン・ブラバント:マヌエラ・ウール
フリードリヒ・フォン・テルラムント:ユルゲン・リン
オルトルート:ペトラ・ラング
王の伝令:萩原 潤
ブラバントの貴族Ⅰ:望月哲也
ブラバントの貴族Ⅱ:秋谷直之
ブラバントの貴族Ⅲ:小森輝彦
ブラバントの貴族Ⅳ:妻屋秀和
合唱指揮:三澤洋史
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
協力:日本ワーグナー協会
芸術監督:飯守泰次郎

2016/05/29

【バレエ】熊川哲也未だ衰えず・荒井祐子はさらに進化「白鳥の湖」Kバレエカンパニー

 しばらくご無沙汰していたKバレエですが、熊川哲也が踊るというので観に行って来ました。「カルメン」以来1年半ぶりかな?こちらが公式サイトです。

 Kバレエの「白鳥」はと言うと、前回観たのは2011年10月。約5年ぶりです。ちなみに前回も、熊川・荒井のペアでした。
 ぽん太の狸脳では、5年前の公演の詳細など覚えていないのですが、自分のブログを読み返してみると、白鳥よりも黒鳥が良かったと書いてあります。
 しかし今回は白鳥も、柔らかさがあって表情もよく、うるうる感もかなかのものでした。黒鳥はお手のものという感じで、今回も、これはそ〜と〜なもんだとぽん太は思う長いバランスや、ドゥブルを入れた安定したグラン・フェッテを見せてくれました。
 熊川哲也、まだまだ衰えておりません。高いジャンプも見せてくれて、第3幕のソロはスピードで踊り抜きました。そして今回も、黒鳥の32回転のあとに超高速ピルエットを披露し、荒井さんを食ってました。
 ベンノの井澤諒も、あいかわらずジャンプや回転で素晴らしいパフォーマンス。手足も長いし、王子様役もやって欲しいです。
 お妃候補にぽん太好みの美女発見!佐々部佳代さんというらしい。うっとり見とれる。これまで気がつかなかったな〜。

 コールドもあいかわらずよくそろってますね。四羽の白鳥も完璧でした。
 全体として、小さいダンサーが元気一杯踊っていて、可愛らしかったです。でも、これが日本のバレエの良さなのかも。「カワイイ」という日本語も外国で通用するそうですから。

 ラストシーンは、オデットと王子が湖に身を投げ、死後の世界で魔法が解けて結ばれるというもの。なんか感動して涙が出て来ます。日本人はこのパターンに弱いのかな〜。考えてみれば、死後の世界で幸せになるというのは、浄土思想だもんね。
 そういえば、各バレエ団ごとに、結末はどうなってるんでしょう。ぽん太が観たのをまとめてみると……

 Kバレエカンパニー(熊川哲也版):白鳥と王子は湖に身を投げ、死後に結ばれる。
 東京バレエ団(ブルメイステル版):白鳥は湖に身を投げるが、王子がお姫様に戻った白鳥を抱いて戻ってくる。
 マリインスキー・バレエ団(セルゲーエフ版):王子がロットバルトを倒し、王子と姫は結ばれる。
 モンテカルロ・バレエ団(マイヨー版):黒鳥も白鳥も王子もみんな死ぬ。
 グルジア国立バレエ団(ファジェーチェフ版):眠っていた男性ダンサーが見ていた夢。
 ボリショイ・バレエ団(グリゴローヴィチ版):白鳥は死に、王子は独り取り残される。
 オーストラリア・バレエ団(マーフィー版):オデットと王子は愛を誓うが、オデットは自殺。
 アメリカン・バレエ・シアター(マッケンジー版):オデットと王子は白鳥たちの力を借りてロッドバルトを倒す。

 こんなもんかしら?違ってたらゴメン。
 でも、こうして見ると、「死後の世界で結ばれる」という結末はけっこう有りそうだけど、熊哲版だけみたいですね。やっぱり日本風浄土思想なんでしょうか。

 えっと、話しを舞台の感想に戻して……。ツッコミを二つ。
 ロットバルトが第1幕で一瞬出てくる意味が、やはりわかりませんでした。まだ王子は白鳥と出会ってもいないのに。
 第3幕の王子の成人式、民族舞踊団ばっかりで、お客が少ない。しかもお客が、みな中世の騎士みたいな不思議な格好をしていました。ぽん太は服装の歴史の知識は全くないので、どういう時代考証なんでしょうか。

 舞台美術はゴージャスで美しかったです。
 シアターオーケストラトーキョー、頑張ってますが、やっぱり実力不足は否めない。熊川はこんだけの舞台を作り上げているのですから、もうちょっといいオケを使って欲しいと思うのはぽん太だけ?

Tetsuya Kumakawa
K-BALLET COMPANY
Spring 2016
白鳥の湖 Swan Lake
2016年5月25日
Bunkamura オーチャードホール

オデットOdette / オディールOdile  荒井祐子Yuko Arai
ジークフリードPrince Siegfried  熊川哲也Tetsuya Kumakawa
ロットバルトVon Rothbart  スチュアート・キャシディStuart Cassidy
王妃The Queen  西成雅衣Masai Nishinari
ベンノ-王子の友人Benno  井澤諒Ryo Izawa
家庭教師Tutor  ルーク・ヘイドンLuke Heydon

【第1幕 Act I】
パ・ド・トロワPas de Trois
  第1ヴァリエーション1st Variation  中村春奈Haruna Nakamura
  第2ヴァリエーション2nd Variation  伊坂文月Fuzuki Isaka
  第3ヴァリエーション3rd Variation  佐々部佳代Kayo Sasabe

【第2幕Act II】
4羽の白鳥Four Cygnets 湊まり恵Marie Minato/荒蒔礼子Reiko Aramaki/ 河合有里子Yuriko Kawai/涌田美紀Miki Wakuta

2羽の白鳥Two Swans  浅野真由香Mayuka Asano/井上とも美Tomomi Inoue

【第3幕Act III】
6人の姫Six Princesses  佐々部佳代Kayo Sasabe/浅野真由香Mayuka Asano/井上とも美Tomomi Inoue/辻久美子Kumiko Tsuji/新居田ゆりYuri Niida/ 吉岡眞友子Mayuko Yoshioka

ナポリNeapolitan  湊まり恵Marie Minato/荒蒔礼子Reiko Aramaki酒匂麗Rei Sakoh/ 篠宮佑一Yuichi Shinomiya

チャルダッシュCzardas  中村春奈Haruna Nakamura/ 伊坂文月Fuzuki Isaka/飯田朝世Tomoyo Iida / 加瀬愛実Manami Kase/河合有里子Yuriko Kawai /涌田美紀Miki Wakuta/兼城将Sho Kaneshiro/ 益子倭Yamato Mashiko/ 本田祥平Shohei Honda/三浦響基Hibiki Miura

マズルカMazurka  岩渕ももMomo Iwabuchi/ 井平麻美Asami Ihira/ 香西由美子Yumiko Kohsai/ 盧文伊Muni Ro/池本祥真Shoma Ikemoto/ 杉野慧Kei Sugino/堀内將平Shohei Horiuchi/ 坂元駿Shun Sakamoto

スペインSpanish  山田蘭Ran Yamada/ 大井田百Momo Oida/ 戸田梨紗子Risako Toda /金雪華Solhwa Kim/石橋奨也Shoya Ishibashi/ 栗山廉Ren Kuriyama /山本雅也Masaya Yamamoto / 吉田太郎Taro Yoshida

その他の出演者  Artists of K-BALLET COMPANY/ K-BALLET SCHOOL

●芸術監督Artistic Director  熊川哲也Tetsuya Kumakawa
●演出/再振付Production/Additional Choreography  熊川哲也Tetsuya Kumakawa
●原振付Original Choreography  マリウス・プティパMarius Petipa/ レフ・イワーノフLev Ivanov
●音楽Music  ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーPeter Ilyich Tchaikovsky
●舞台美術・衣裳Set and Costume Design  ヨランダ・ソナベンドYolanda Sonnabend / レズリー・トラヴァースLeslie Travers
●照明Lighting Design  足立恒Hisashi Adachi
●指揮Conductor  井田勝大Katsuhiro Ida
●管弦楽Orchestra  シアターオーケストラトーキョーTheater Orchestra Tokyo

2016/05/28

【歌舞伎】寺嶋和史くん初お目見得・2016年5月歌舞伎座夜の部

 歌舞伎座の團菊祭は、菊之助の長男の寺嶋和史くんの初お目見得がある夜の部を観劇。公式サイトはこちらでござる。
 初っぱなからいきなり初お目見得の演目で、「勢獅子音羽花籠」。あんまり出番が遅くなるとオネムになっちゃうからでしょうか。豪華な役者陣に囲まれ、菊之助に抱かれて花道から登場。かわいいです。お顔は、菊五郎よりも、吉右衛門遺伝子を多く引いてる気がしました。
 平成25年11月28日生まれとのことですから、まだ2歳5ヶ月。顔を両手で覆ったり、扇子を放り投げたりとやりたい放題。それでも三本締めではパチパチと両手を打ち、最後は客席に向かってバイバイしてました。う〜ん、どんな役者になるのやら。楽しみです。

 続いて「三人吉三」。お嬢吉三が菊之助、お坊吉三が海老蔵、和尚吉三が松緑。黙阿弥一流の七五調のセリフも、不安なく楽しんできけるようになってきました。ただ、菊之助と海老蔵の掛け合いが、ちょっとテンポが遅い気がしました。あと、菊之助の化粧がなんだか変。小粋な感じがなく、目がショボショボして見えました。

 お次ぎは松緑の武智光秀で、「時今也桔梗旗揚」。ぽん太は松緑はちょっと苦手なので、正直あまり期待してなかったのですが、けっこう感動しました。
 化粧も、いつもの目がでかい猫みたいなやつじゃありませんでした。
 小田春永のいじめを耐え忍ぶ光秀のつらさが伝わってきました。ただ、光秀の陰湿さや要領の悪さも見えてしまい、光秀に完全に感情移入することはできません。團蔵の春永も、単に意地悪なだけでなく、光秀と次元の違う豪放さを持っていて、二人がうまくかみ合ってないという印象を受けました。

 最後は、海老蔵と菊之助の「男女道成寺」で明るくしめました。
 聞いたか坊主のあと、踊りの衣装をつけた二人の白拍子がせり上がってくるという短縮版ですが、二人がせり上がって来た姿は人形のような美しさで、客席が大いに沸きました。単なる時間の節約ではなくて、こうした舞台効果も狙っているのかもしれません。
 菊之助の踊りを堪能。海老蔵は狂言師左近となってからもなかなかの美形で、菊之助とのクドキはいい雰囲気でした。

 全体として、なかなか満足できる舞台でした。

團菊祭五月大歌舞伎
歌舞伎座
平成28年5月22日

夜の部

一、勢獅子音羽花籠(きおいじしおとわのはなかご)
   寺嶋和史 初お目見得

  鳶頭 菊五郎
  鳶頭 吉右衛門
      菊之助
      寺嶋和史(菊之助長男)初お目見得 
  鳶頭 松緑
  鳶頭 海老蔵
  鳶頭 團蔵
  茶屋女房 萬次郎
  茶屋女房 秀調
  鳶頭 権十郎
  鳶の者 亀三郎
  鳶の者 亀寿
  鳶の者 松也
  芸者 梅枝
  鳶の者 萬太郎
  鳶の者 巳之助
  芸者 尾上右近
  芸者 種之助
  鳶頭 錦之助
  鳶頭 又五郎
  芸者 雀右衛門
  芸者 時蔵
  芸者 魁春
  世話人 彦三郎
  世話人 左團次
  鳶頭 梅玉


   河竹黙阿弥 作
二、三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)
   大川端庚申塚の場

  お嬢吉三 菊之助
  お坊吉三 海老蔵
  夜鷹おとせ 尾上右近
  和尚吉三 松緑

   鶴屋南北 作
三、時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)
   本能寺馬盥の場
   愛宕山連歌の場

  武智光秀 松緑
  小田春永 團蔵
  四王天但馬守 亀寿
  桔梗 梅枝
  森蘭丸 萬太郎
  森力丸 巳之助
  連歌師丈巴 橘太郎
  園生の局 笑也
  矢代條介 男女蔵
  安田作兵衛 松江
  皐月 時蔵


四、男女道成寺(めおとどうじょうじ)

  白拍子桜子実は狂言師左近 海老蔵
  所化 男女蔵
  所化 九團次
  所化 萬太郎
  所化 巳之助
  所化 竹松
  所化 尾上右近
  所化 種之助
  所化 廣松
  所化 橘太郎
  白拍子花子 菊之助

2016/05/27

【クラシック】これまで聴いてきた「第九」は何だったんだろう?サイモン・ラトル&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団来日公演2016

 次は「第九」を聴く予定ですが、また超音速の第九を聴かされるのか、高いお金を払ったのに……と、少し気が重くなってきたぽん太でした。

 前回のブログの最後にこう書いたぽん太ですが、いい意味で予想が裏切られ、最高の第九で大感動。う〜ん、聴きに来てよかった。

 こんかいのチケットはP席。当然のことながら、目の前には合唱団とソロ歌手の背中が並んでおり、向こうにむかって歌います。う〜ん、なんでこんな時にP席を取ったんだろう。少し考えればわかるのに……などと自分の知力の衰えをしばし嘆くも、ラトルの表情が正面から見えるので良しとする。

 さて、第1楽章が始まります。「速いんだろうな〜、速いんだろうな〜、やだな、やだな」と思って耳をすませてましたが、ちょっと早めながら普通のテンポ。
 強弱や速度の変化が多く、ダイナミックでパワフルで、情熱的な演奏でした。また細かいニュアンスも大切にし、楽器が交替したりかけあったりするところなども、きっちり強調してました。
 ちなみに楽譜はベーレンライター版でした(第2主題のフルートの音による。ぽん太はそこしか区別がつきません)。

 第2楽章は、繰り返しを省略せずに行ってました。

 第3楽章の美しさは格別でした。特に短い前奏のあとに第一主題が弦楽器で始まり、短い木管とホルンの間奏のあと、再び弦が第一主題の続きを奏でるところ(13小節から)。静けさのなかから弦の音がだんだんと浮かび上がってくるさまは、まさに天上の音楽のごとしで、そこだけで涙が出そうになりました。
 
 第4楽章はパワー爆発。1〜3楽章が少しずつ再現されるところで、2楽章のフレーズの終わり、ラトルが「お前なんかあっち行け」みたいな振りをしたのがおかしかったです。
 ラストの方では、891小節と893小節の頭のffを、するどく叫び声の様に強調してたのが印象に残りました。
 また、916小節から速度を落としてタメを作ったあと、918小節からすでに速度をあげてprestissimoとなってラストに突入して行きましたが、これはベーレンライター版がこうなってるのか、ラトルのアイディアなのか、ぽん太にはわかりません。う〜ん、こんどベーレンライター版のスコア買ってみようっと。
 また、ラストのA音の繰り返しを、一つごとに強弱強弱と演奏したのも、ぽん太は初めて聞いた気がします。
 (2016年5月30日追記:ベーレンライター版届きました。
 第4楽章の916小節目からの速度の指示は、ベーレンライター版だからといって、特に変化はありませんでした。楽譜の「Maestoso(♩=60)」という指示のところを、ラトルは倍くらいのテンポで演奏しているようですが、これはラトルの解釈ですね。
 ラストのA音を強弱強弱としたたのも、楽譜の指示ではないようです。
 ついでに、バリトンの再初のソロの最後の部分がちょっと違う演奏があるのも、ちょっと気になっていたのでチェックしてみましたが、ベーレンライター版は従来版と変わりありませんでした。)

 で、改めて疑問に思ったのは、交響曲全曲演奏会といったものでは、演奏の様式や解釈を統一するものではないんかい?「運命」があんなに速くて、「第九」は普通のスピードというのが、ぽん太には納得がいきません。
 統一的な視点から交響曲全体を解釈するというのではなくて、ラトルは、九つの交響曲という素材を使って、いろいろな手法や味付けでコース料理を作ってみた、という感じなのでしょうか。
 クラシックに詳しくないぽん太にはよくわかりません。

 ま〜細かいことは置いといて、ぽん太がこれまで聴いて来た「第九」はなんだったんだろうと思うくらい、素晴らしい演奏でした。今年の年末の「第九」に満足できるかしら……と、新たな不安が湧いてきました。


ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 来日公演
指揮:サイモン・ラトル
Berliner Philharmoniker
Conducted by Sir Simon Rattle


◆2016年5月15日 サントリーホール

ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125 「合唱付き」

ソプラノ:イヴォナ・ソボトカ、メゾ・ソプラノ:エヴァ・フォーゲル、
テノール:クリスティアン・エルスナー、バス:ドミートリ・イワシェンコ、
合唱:新国立劇場合唱団 <合唱指揮:三澤洋史>
Beethoven : Symphony No.9 in D minor Op.125 “with Final Chorus Ode to Joy“
Iwona Sobotka(Soprano)、Eva Vogel(Mezzo-Soprano)、
Christian Elsner(Tenor)、Dimitry Ivashchenko(Bass)、
New National Theatre Chorus(Chorus)<Chorus Master:Hirofumi Misawa>

2016/05/26

【クラシック】「運命」とはかくもはやく過ぎ去るものか?サイモン・ラトル&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団来日公演2016

 今年のベルリンフィル来日公演は、はサイモン・ラトルの指揮でベートーヴェンの交響曲の全曲を演奏。ぽん太は日程の関係から、「第2・第5」と「第9」を聴きに行きました。こちらが公式サイトです。

 あの〜、主催者の人へお願いです。プログラム(2,000円)を買わない人にも、 せめて曲目がわかるようなメモを、コピー1枚でもいいですから配っていただけないでしょうか。ま、あとでインターネットで見ればいいんですけどね……。

 本日は第2・第5。
 開始前、舞台の奥の方で、小澤征爾がお孫さん(?)を連れ、腰掛けたり写真を撮ったりしてました。

 まずはアンティパストとして、序曲「レオノーレ」 第1番。ぽん太はあんまり聴いたことがない曲なので、なんとなく聴いてただけでした。

 続いて交響曲第2番。これまたぽん太は聴き込んでない演目でしたが、早めのテンポで、躍動的な演奏でした。ともすればハイドンの延長のようにさらりと聞き流してしまう曲ですが、まるで第7番のような勢いを感じました。

 ということで、ようやく耳になじんだ「運命」。
 ラトルがまだ客席にお辞儀をしているというのに、弦楽器陣はすかさず弾き初めのポーズ。「何じゃこりゃ」と思う間もなく、ラトルがオケの方を振り向くと、客席が静まるのも待たず一気に指揮棒を振り下ろしました。
 そのテンポの速いこと、速いこと。
 さすがのベルリンフィルも、冒頭ではアンサンブルの乱れが。二回目の「ジャジャジャジャ〜ン」を過ぎたところでようやく音がそろってきました。
 なんか最近、やたらと速いベートーヴェンが多いですが、ラトルよ、お前もか。ぽん太はこういう演奏はあまり好きではありません。というか、どこが良いのかわかりません。
 「ジャジャジャジャーン」という運命の動機も、あまりに速いので、ジャジャジャが単なるアウフタクトみたいに聞こえ、「ラララターン」という感じ。
 それでいて、再現部のオーボエのソロは、すごいゆっくりでした。
 第2、第3楽章もどんどん経過。
 第4楽章も最後の方はビートだけが鳴り響き、まるで和太鼓を聴いてるみたいでした。

 ぽん太は大いに不満でしたが、会場は拍手喝采で、大喜びで、「『運命』を聴いて初めて感動したよ」などと言っているひともいました。う〜ん、フルトヴェングラーやベームを聴いて育ったぽん太の耳は時代遅れなのね。
 次は「第九」を聴く予定ですが、また超音速の第九を聴かされるのか、高いお金を払ったのに……と、少し気が重くなってきたぽん太でした。


ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 来日公演
指揮:サイモン・ラトル
Berliner Philharmoniker
Conducted by Sir Simon Rattle

◆2016年5月12日(木)  サントリーホール

ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」 第1番 ハ長調 Op.138
Beethoven : “Leonora” Overture No.1 in C major Op.138

ベートーヴェン:交響曲第2番 ニ長調 Op.36
Beethoven : Symphony No.2 in D major Op.36

ベートーヴェン: 交響曲第5番 ハ短調 Op.67 「運命」
Beethoven : Symphony No.5 in C minor Op.67

2016/05/14

【仏像】岩手にある二つの重文の兜跋毘沙門天(1)成島毘沙門堂

 岩手県にある、二つの重要文化財の兜跋毘沙門天を訪ねました。まずは成島毘沙門天。場所などの情報は例えばこちらをどうぞ(いわて観光/旅行ポータルサイト)。

 兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)というのは、仏像初心者のぽん太には耳慣れない言葉です。毘沙門天というからには、四天王の向かって右後ろにいる多聞天=毘沙門天のことでしょうけど、普通は邪鬼を豪快に踏みつぶしているのに、兜跋毘沙門天はすまし顔の女性に支えられています。

 なんだこりゃ、ということでぐぐってみると、「兜跋」とは西域兜跋国(現在のウィグル自治区のトゥルファン)とする説が一般的で、戦いの時にこの姿で毘沙門天が現れ、敵を撃退したという伝説に基づいているんだそうです。

Kyowogokokuji_monastery_tobatsu_bis

 この写真は、教王護国寺(東寺)にある国宝の兜跋毘沙門天像の、パブリックドメインの写真です(Wikipediaより)。さすが仏像で有名な東寺、しっかり揃えてますね〜。ぽん太が以前に東寺に行ったときは、宝物館が閉館していたため拝観できませんでした。

 東寺の兜跋毘沙門天は、唐で作られたものを日本に請来したもので、平安京を守るために、南の正門である羅城門の上に安置されていたと言われております。

 この像が兜跋毘沙門天の原型に近いそうで、いかにも西域風な出で立ちです。頭には宝冠をかぶっており、宝冠の正面には鳳凰、左右には宝棒を持って立つ人物が薄肉彫されています。身体には金鎖甲(きんさこう)という外套のような鎧をまとい、両手には海老籠手(えびごて)という海老の背中のような籠手をつけ、脛にも海老のような脛当を付けています。そしてなによりも地天女(じてんにょ)の両手の上に立つことが特徴で、両脇には二鬼(尼藍婆(にらんば)・毘藍婆(びらんば)を伴っています。

 平安後期にはこの東寺の像の模像が作られるようになり、各地に広まったそうです。

参考サイト
兜跋毘沙門天 - Wikipedia 重要文化財|兜跋毘沙門天立像|奈良国立博物館 兜跋毘沙門天立像 文化財オンライン 毘沙門天の発見|西域文明の発見 「毘沙門天像の成立と展開ー唐・宋から平安へ」

Img_9293 ということで旅のお話に戻りますが、こちらが入口。

 左右に「熊野神社」「毘沙門堂」と書かれております。神仏習合の美しい姿ですね。
Img_9300 このようなものも祀られており、素朴な民間信仰も排除されずに保たれているようです。
Img_9295 熊野神社の社殿です。
Img_9298 なき相撲の土俵です。案内板によると、以前は大人による相撲でしたが流血の争いとなり、子供の泣き相撲に改められたんだそうです。
Img_9307 毘沙門堂(国指定重要文化財)です。かつてはこのなかに兜跋毘沙門天が祀られておりました。室町時代後期の建立と考えられております。
Img_9310Img_9309
 毘沙門堂の前には狛犬がいます。かなり風化しており、ぽん太の得点は高いです。
Img_9315 毘沙門堂の内部。長く人々の信仰を集めて来たことが感じられます。
Img_9323 「御味噌奉納堂」です。案内板によると、毘沙門天立像の脛に味噌を塗って祈願をするという民衆信仰があったそうです。このお堂には、実物の毘沙門天像と同じ大きさの足があり(カーテンの下に足が見えますね)、そこに味噌を塗るようです(重文に塗っちゃまずいですもんね)。
Img_9325 傍らには宮沢賢治の詩碑。文語詩「祭日〔二〕」に、毘沙門天の脛に味噌を塗って病気平癒を願う母親たちの姿が描かれているそうです。
Img_9326 こちらが現在兜跋毘沙門天が祀られている収蔵庫です。内部は撮影禁止なので写真はありませんが、たとえばこちらのじゃらんnetに比較的大きめな収蔵庫内の写真があり、また昔に出会う旅には兜跋毘沙門天の大きな写真があります。
 なかに入ると、中央にで〜んと兜跋毘沙門天が。とにかくでかいです。像高4.73メートルは、一木彫の毘沙門天像としては日本最大。両腕や装飾などは付け加えたものとのこと。造形的にもどっしりしており、なんか服装といい、ぽん太は「大魔神」を
思い浮かべました。
 顔は身体に比べて小さめで、利かん坊風。頭上には宝冠ではなく兜か?腕には籠手はつけておらず、普通の毘沙門天のように、布の袖を縛ってます。鎧や脛当ても、普通のタイプのようです。腰から下がる紐(?)が輪を描いてます。
 邪鬼は左右に脇侍のように置かれ、外側に少し首をかしげ、両腕でバッテンを作ってます。降参の印でしょうか。
 さらに左には、吉祥天と伝えられている立像があります。木目がとてもきれいです。古風な像なのに、顔がとても写実的なのにぽん太は驚きました。しかし頭の上の髷みたいなところが、牙のある二つの象みたいになっていて、ちょっと怖いです。毘沙門天の脇侍ということで吉祥天とされているようですが、なんか腑に落ちないものを感じます。
 向かって右には阿弥陀如来がありますが、首は後から加えられたもので、ちょっと小さすぎます。元は十一面観音だったのではないかと言われておりますが、よくわからないそうです。

 

 

成島毘沙門堂

 

毘沙門天立像 ケヤキ一木造 4.73m 平安時代中期 国指定重要文化財
木造二鬼坐像 一木造 国指定重要文化財
木造伝吉祥天立像 ケヤキ一木造 平安時代前期 国指定重要文化財
木造伝阿弥陀如来立像(頭後補) ケヤキ割矧造 県指定

2016/05/13

【温泉】豊富な湯量でいろいろな風呂が楽しめます。松川温泉松楓荘(★★★★)

Img_9278_3 岩手山の北西に位置する松川温泉には、三軒の温泉旅館がありますが、峡雲荘には泊まったことがあるので、こんかいは松楓荘(しょうふうそう)にお世話になりました。こちらが公式サイトです。
 さすが松川温泉だけあって湯量が豊富。渓流に望む露天風呂、広い内風呂、さらにもうひとつ岩風呂があり、さまざまな雰囲気を楽しめます。お湯はいかにも温泉らしい白濁の硫黄泉。どっしりとした感じの古い木造建築も風格があります。食事も美味しいですが、ちょっと細かいところに気が行き届いてないところもあり、ぽん太の評価は5点に届かず4点。

Img_9233
 小雪の舞うなか、宿に到着。歴史を感じさせる木造建築です。
Img_9234 玄関の看板です。
Img_9236 そしてこちらが看板猫。残念ながら、あんまり遊んでくれません。
Img_9268 玄関とロビーの雰囲気です。
Img_9270 ロビー脇にある喫茶コーナー。なんだかちょっと昔の理科実験室みたいな懐かしさがあります。
Img_9261 重厚感のある階段です。
Img_9265 レトロな雰囲気の白いタイルの流し。
Img_9238 客室はこちら。入ったところにテーブルセットがあり……
Img_9237 その奥に広めの和室があります。豊富なお湯を生かして温泉暖房が引かれていて暖かですが、ゴボゴボとちょっとうるさいです。

Img_9239 温泉は、混浴の露天風呂、女性専用露天風呂、男女別の内湯、男女別の岩風呂があります。
 上の写真は混浴露天風呂です。渓流に面しており、この時期は雪見風呂を楽しめます。
 お湯は、白濁して硫化硫黄の香りがする、いかにも温泉らしいお湯。けっこう熱いです。源泉掛け流しであることは言うまでもありません。
Img_9245 温泉分析書です(クリックで拡大します)。泉質は単純硫黄温泉。泉温は64.4度です。でもpHは5.7で、草津や酸ヶ湯のような酸っぱさはなく、お肌には優しいです。
Img_9255 こちらが男女別の内湯です。これはでっかくて広々としています。温度が熱めと温めの二種類になっております。
Img_9252 そしてこちらが男女別の岩風呂。湯気が多くで霞んでますがご容赦を。
Img_9266 それからもう一つ、この宿には名物の洞窟露天風呂があるのですが、残念ながら雪崩によって崩落。入ることができませんでした。

Img_9274 こちらが夕食です。岩手県といえば前沢牛をメインに、山菜や岩魚の塩焼き、ニジマスのお造りなどの地元の食材が並びます。
Img_9286 朝食はシンプルです。

Img_9289 翌日は、天気晴朗なれど北風強し。岩手山に北風が雲を作ってました。

2016/05/12

【温泉】孫六温泉・乳頭温泉郷のさらに一番奥にある秘湯中の秘湯(★★★★★)

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 仙台市で飲んで食ったぽん太とにゃん子。暖冬で雪のない雫石スキー場でちょこっとスキーをして、若干のカロリーと罪悪感を減らしたのち、秋田県は乳頭温泉郷に宿を借りました。以前に大釜温泉旅館に泊まったことがあるので、今回は孫六温泉にお世話になりました。
 秘湯で知られる乳頭温泉郷の、さらに一番奥にある宿で、素朴さと暖かさがしっかり残ってます。古い木造の建物も、山小屋かと思うほどで、テレビもなく、アメニティは期待できませんが、その何もないのが一番の贅沢。世間から隔絶された一軒宿で、雪を眺めながら上質のお湯につかり、山菜などの地元の素材を使った素朴なお料理を肴に熱燗をいただくと、あゝ、最高!ぽん太の評価は文句なしの5点満点です。

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Img_9154 夏は黒湯の先の駐車場に車を停める、橋を渡ると孫六温泉への近道なのですが、黒湯への道は冬季は閉鎖。そこで蟹場温泉の先に車を停め、宿の車で迎えに来てもらいます。雪の中の細い道を数分走って宿に到着。
 実はこの宿、以前にも宿泊を予約したことがあるのですが、ちょうど大寒波が日本列島を遅い、宿の方から宿泊を見合わせるように電話がありました。そのときは「なんで?」と思ったのですが、実際に来てみると、暖冬で雪が少なかった今年でこれですから、前回は宿泊しないで正解だったことがわかりました。
Img_9211 建物は古い木造で、壁の黒ずみが時代を感じさせます。まるで山小屋のような雰囲気です。
Img_9229 お部屋も極めてシンプルですが、不潔感はありません。もちろんテレビはなし。
Img_9200 お風呂は、川沿いに別棟になっています。石の湯(内湯、混浴)、露天風呂(混浴)、露天風呂(女湯)、唐子(からこ)の湯(男女別の内湯)があり、もちろんすべて源泉掛け流しです。
Img_9180 まずは石の湯(混浴)。脱衣場から階段を下ったところに、小さめの浴槽があります。
Img_9208 源泉の注ぎ口。自然湧出です。かなり熱いです。お湯は無色透明で、かき玉状の白い湯の花が少なめに浮遊します。わずかに硫化水素臭があります。強すぎず、弱すぎず、ゆったりくつろげるいいお湯です。
Img_9181 温泉分析書です(クリックで拡大します)。泉質は単純温泉、泉温は46度です。
Img_9205 混浴露天風呂。こちらは少し白濁した感じ。温度によって違うんでしょうか?宿から丸見えです。
Img_9204 露天風呂にはもう一つ浴槽があります。浴槽は少し小さいですが、川に近くで眺めがいいです。向こうの建物は打たせ湯ですが、この時期は閉鎖してました。
 雪見の温泉というのは、温泉の醍醐味のひとつですね〜。寒々しい雪景色を見ながら、暖かなお湯に身を浸していると、とっても幸せな気分になってきます。
Img_9172 男女別の内湯の唐子(からこ)の湯です。
Img_9174 温泉分析表です(クリックで拡大します)。源泉が違うようですね。

Img_9188 さ〜て、温泉の次は飯だ、飯だ♪素っ気ない食堂で頂きます。
Img_9192 これが夕食で〜す。皆さんはどう思われますか。ぽん太とにゃん子には最高のごちそうです。海老の天ぷらもマグロの刺身も要りません。山菜やいぶりがっこや地元の食材があれば!
Img_9194 秋田といえばきりたんぽ。あゝ、からだが芯から暖まります。
Img_9195 秋田といえば〆は稲庭うどんですね〜。
Img_9212 「まごろくおんせん」を頭文字にした宣伝の貼紙。
Img_9213 朝食も、地元の食材を使った素朴なお料理。ヤクルト(の一種)が、なんか懐かしいですね。

2016/05/11

【仙台市国分町】名前のない居酒屋、牛タン「味太助」

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 3月下旬、ぽん太とにゃん子の東北旅行。初日は、宮城県は仙台市の一番の繁華街、国分町近くのビジネスホテルに宿をとり、夜の街に腹鼓を打ちながら繰り出しました。
 初めに国分町をさまようも、若者やサラリーマンでにぎわう大型店ばかり。そこで定禅寺通り北側に探索地域を拡大。日曜日だったので休みの店も多かったですが、こじんまりしたオシャレな店がありました。
 店名は何だと、店の前でキョロキョロしていたら、店員さんに呼び入れられて店の中へ。

 店名はないそうです (´д`)

 電話帳に載せるときどうするんだろ〜?もうすぐ付けると言ってましたが、食べログを見たところ、まだ名前がないようです(→食べログ)。赤猿(→ぐるなび)の系列店のようです。

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 雰囲気は、オシャレな和風居酒屋風。つまみも新鮮な魚介類を初めとして各種そろってます。お酒も地元宮城を中心に十分な品揃え。なかなかいい店です。
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 「秘密のケンミンSHOW」で見た「せり鍋」があったので、迷わず注文。普通のせりとは違う種類なんですね。白い根っこもシャキシャキして美味しかったです。
 地方都市に泊まったときは、雰囲気を堪能するため、いつもは何軒かハシゴするぽん太とにゃん子ですが、今回はこの居酒屋だけで満足できました。

 近くにあるい「居酒屋ちょーちょ」(→ぐるなび)も、昔ながらの大衆酒場風のいい感じのお店。今度はここに入ってみたいです。

 とはいえ、せっかく仙台に来たのだからと、牛タンへ流れました。

 牛タン発祥の店「味太助 本店」(→食べログ)を目指すも、残念ながら閉店間際で入れず。

 他も閉店が多く、凍えるほどの寒さの中をさまよって、「喜助 定禅寺店」(→食べログ)に入りました。
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 牛タン・麦めし・テールスープという伝統の炭火焼定食を食したいところでしたが、残念ながらもうお腹がいっぱい。牛タンを単品で頼み、ビールを頂きました。東京もんのぽん太には、これが牛タン?と思えるほどの柔らかさでした。なんとお通しが名物「たんとうふ」。たんのミンチが入ったアツアツの秘伝のたれをかけたお豆腐。冷えた身体が温まりました。

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