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2016年6月の14件の記事

2016/06/29

【バレエ】自在に宙を舞うオシポワの「ジゼル」英国ロイヤルバレエ団

 わっはっは。オシポワの「ジゼル」観てきてぜ〜ぃ!

 一言でいうと、これまで観たジゼルとは、なんか異質のものでした。英国ロイヤルの「ジゼル」は初めてなので、それがピーター・ライト版の英国ロイヤルだからなのか、オシポワだからなのか、ぽん太には不明。公式サイトはこちらです。

 幕が開いて、「ロミジュリ」もそうだったけど、セットのリアルさに驚く。深い森に囲まれた一軒の裕福でない農家が見事に表現されていて、しばらく眺めていても飽きませんでした。衣装も美しかったです。

 アルブレヒトとヒラリオンの小芝居が終わって、オシポワのジゼルが登場。な〜なんか、ぴょんぴょん飛び跳ねて、どこが心臓が悪いんじゃい!とツッコミたくなる感じ。対するアルブレヒトのマシュー・ゴールディングも、かなりジャンプ力があります。このぐらいの身体能力がないと、オシポワに見劣りしちゃいますもんね。

 ジゼルのお母さんの、「そんな踊ってると、死んでウィリになっちゃうわよ」というマイムがかなり長かったです。

 パ・ド・シスには、来シーズンからプリンシパルに昇格するというニュースが先日流れた、高田茜さんが登場。おめでとうございま〜す!手足が長くてポーズが美しく、とってもキビキビした踊りでした。
 でも普通はパ・ド・シスって、狩りの一行が登場してから、余興のために踊るんじゃなかったっけ。今日は、狩りの一行が現れる前に踊ってました。

 バチルドはツンツンやなやつ系。ネックレスをもらったおれいにジゼルが手に口づけしようとすると、手を引っ込めてました。

 ジゼルの発狂シーン。なかなかの迫力でした。ジゼルは普通は心臓発作で倒れますが、今回ははアルブレヒトの剣で自害。う〜ん、わかりやすいとも言えるけど、それじゃ心臓が悪い意味がないような気も。

 ジゼルが死んだ後、アルブレヒトがヒラリオンに迫りますが、ヒラリオンガ「なにゆ〜てんねん、お前のせいやろ!」とアルブレヒトにつっこむシーンはありませんでした。

 ということで第一幕が終わり。う〜ん、まだまだオシポワは力を出し切ってません。第二幕がどうなるか……ワクワク。

 さて第二幕。ミルタのおねーさんの化粧がかなりケバいのにびっくり。
 ふつ〜ミルタっていうと、ちょっと長身のダンサーが人間じゃない感じできっちり踊り、静謐というか、神聖な印象なのですが、今日のミルタはちょっとケバくて肉感的で、踊りもバタバタしてました。
 ウィリ軍団の踊りも全体に勢いがあって、「精霊」という感じではありませんでした。これってイギリスの「妖精」に近いのかしら。
 もっとも以前の記事で書いたように、原案となったハイネが採取したオーストリアの伝説によると、ウィリ「の顔は雪のようにまっ白ではあるが、若々しくて美しい。そしてぞっとするような明るい声で笑い、冒涜的なまでに愛くるしい。そして神秘的な淫蕩さで、幸せを約束するようにうなずきかけてくる」というものですから、今回のウィリにちょと近いのかもしれません。
 例のウィリたちがアラベスクで交差して行く見せ場ですが、なぜかあんまり感動がなかったです。拍手も起こりませんでしたから、そう感じたのはぽん太だけではなかったようです。なんか、あっさりすれ違っちゃった感じで、ためがなかった気が。スカートがフワフワ系だったのがいけないのか?まさか本日、国民投票の結果イギリスのEU離脱が決定したショック?
 ウィリたちがかぶったベールがスポッと取れる演出はありませんでした。ベールをかぶったまましばらく踊り、袖に入った時にベールを取ってました。

 で、ウィリになったジゼルですが、これは凄かったです。
 例のジゼルが突然クルクル回り始めるところ。ぽん太のこれまでの理解では、あのちょっと機械的な動きに、「可愛いジゼルちゃんも、ついにウィリになっちゃんたんだな〜」と感じるところですが、オシポワは、すごい勢いでクルクル回ると、回転ジャンプもきめて、ぽん太があっけに取られる間に、さっと走り去って行きました。
 生きているあいだは病弱な身体のせいで自由に踊ることができなかったジゼルが、ウィリとなって肉体から解き放たれ、思う存分踊りを楽しんでいるかのようでした。
 それ以降も、いつものふわふわと幽霊のように漂うジゼルではなく、舞台の上を前後左右、上下に自在に飛び回りました。まさにオシポワの身体能力のなせる技ですが、マシュー・ゴールディングのリフトも良かったのかも。

 そして最後、夜明けが来てウィリたちが消えて行くところで、ジゼルが王子を抱いてなごりを惜しむ長いシーンがありました。この辺りは、物語性を求める英国ロイヤルならではの演出か?

 蛇足:気がつけば当たり前なんですけど、第二幕で男たちがウィリに踊りを強要されて踊らされて苦しむ場面は、第一幕でジゼルの心臓が痛む場面と対応してるんですね。だからどうということはありませんが……。

 東京シティ・フィル、今日は不調。ホルンが不安定すぎました。

 

英国ロイヤルバレエ団2016年日本公演

「ジゼル」全2幕

東京文化会館
2016年6月24日

音楽:アドルフ・アダン
編曲:ジョゼフ・ホロヴィッツ
振付:マリウス・プティパ(ジャン・コラーリ、ジュール・ペローによる)
台本:テオフィル・ゴーティエ(ハインリッヒ・ハイネによる)
演出・追加振付:ピーター・ライト
美術:ジョン・マクファーレン
照明:デヴィッド・フィン(ジェニファー・ティプトンのオリジナル・デザインによる)

ジゼル:ナターリヤ・オシポワ
アルブレヒト:マシュー・ゴールディング
ヒラリオン(森番):トーマス・ホワイトヘッド

第1幕

ウィルフリード(アルブレヒトの従者):ヨハネス・ステパネク
ベルタ(ジセルの母):クリステン・マクナリ―
クールラント公:クリストファー・サンダース
バチルド(その令嬢):クリスティーナ・アレスティス
狩りのリーダー:アラステア・マリオット
パ・ド・シス:
高田 茜、ジェームズ・ヘイ
イザベラ・ガスパリーニ、マシュー・ボール
メーガン・グレース・ヒンキス、ベンジャミン・エラ
村人、廷臣:英国ロイヤル・バレエ団

第2幕

ミルタ(ウィリの女王):クレア・カルヴァート
モイナ(ミルタのお付き):エンマ・マグワイア
ズルマ(ミルタのお付き):ヤスミン・ナグディ
ウィリたち:英国ロイヤル・バレエ団

指揮: クーン・ケッセルズ
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

2016/06/26

【ルーマニア】(4)スルデシュティ村の復活祭のミサと水かけ祭り

Img_0485 ルーマニアの北西部に位置するマラムレシュ地方には、珍しい木造の教会がいくつもあり、世界遺産にも指定されています。こんかいのツアーでは、そこで行われた復活祭のミサと、水かけ祭りを見学することができました。

Img_0514 マラムレシュ地方は、人々が豊かな自然の中で、昔ながらの伝統文化を守って生活していることで有名です。

Img_0577 人々は農業や林業に携わっております。夕方仕事が終わると、家の前のベンチに座ります。そして通りかかった知り合いを呼び止め、夕食までの時間をおしゃべりをして過ごします。

Img_0384

ボクダン・ヴォーダの木造教会

 この地方には、美しい木造建築の教会がいくつも残っており、そのうち8つが世界遺産に登録されております。
 木造の教会が造られた理由に関しては、林業が盛んな地域であるという以外に、以前にハプスブルク家がこの地域を支配していたとき、住民をカトリックに改宗しようとして、東方正教会の教会を石で造ることを禁止したからだと言われております。
 東方正教会と言っても、統一国家を持たなかったルーマニアには、キリスト教は徐々に伝わってきたのであり、ここマラムレシュにキリスト教が広まったのは6世紀頃でした。日本でいえば仏教みたいな外来の宗教だったわけですね。ですから、この地方のキリスト教は、それ以前の伝統的な宗教と混じり合った、ちょっと特殊なものだそうです。

Img_0461 復活祭2日目、ぽん太ら一行は、まずプロピシュ村の木造教会を訪れました。小さな教会ですが、ちょうど復活祭のミサが行われてました。

Img_0454 民俗衣装などオシャレに着飾って教会に集まる村人たちです。
 このあたりは、外国人観光客はもとより、他の地域のルーマニア人もほとんど訪れないところだそうで、外国人がおらが村に来たということで、教会の中に入ってミサを見学させてくれました。さらにぶどう酒に浸したパンを頂くという聖体拝受まで体験させていただきました。
 この、見知らぬ外国人を、キリスト教徒ですらないのに、分け隔てなく受け入れ、仲間として歓待するというのは、この地方の人々の特色だそうです。
 でも、そのうち観光客が多くなってくると、「立ち入り禁止」になるのでしょうか。


Img_0470 次に訪れたのはスルデシュティ村の木造教会です。

Img_0475 こちらには、大勢の村人が集まっており、観光客の姿もちらほら見えます。

Img_0481 民俗衣装で着飾った人々。

Img_0492 大人も負けてはおりません。

Img_0494 いい表情のおばあさん。


Img_0510 スルデシュティ村では、復活祭のミサが終わると、「水かけ祭り」が始まります。
 まず、「村一番の働き者」を決定します。「あんたが今年の働き者だ」と村人を担ぎ上げますが、「働き者」は水をかけられることになるので、「いやいや、俺はそんな働き者じゃない。○○さんの方が働き者だよ」と、皆さん辞退しようとします。

 ここからは動画を御覧下さい。
 「村一番の働き者」が決まると、その人の家まで、楽隊を従えて行進していきます。おじさんたちは、ツイカと呼ばれる強い蒸留酒をビンからラッパ飲み。
 働き者の家の庭には、コインが隠された切株が置かれています。これを、ノコギリや斧を使って探し出します。途中、「働き者」が突然走って逃げ出し、みなで捕まえるといった「小芝居」も入ります。
 コイン探しはかなり難航。見物人もちょっとだれてきた頃、「あった!」とおじさんが右手でコインを高く掲げました。でも、探していたところと違うところからコインが出てきたみたい。あまりに時間がかかるので、別のコインを出したのかもしれません。
 そのあと、しばらく踊りが続きます。
 そうして「働き者」は、牛が曳く荷車に乗せられて、川へ連れて行かれます。

Img_0562 このあと「働き者」のおじさんが、ざぶざぶ水をかけられるのかと思ったら、ちっちゃな小川から両手ですくった水で、頭をぺしょぺしょ濡らされる程度。「水かけ」というのは多分に形式的なようです。きれいなお姉さんがパンを配ってました。

Img_0563 うずまきパンです。

 Img_0566 村人にとっては、そのあと広場で行われるイベントの方が、楽しみなようです。

2016/06/24

【ルーマニア】(3)ラダウチの復活祭前夜のミサ

Img_0269 今回のツアーの目玉は、素朴さが残るルーマニア北部の復活祭を体験できることでした。

 で、復活祭(イースター)ってなに?
 ぽん太の頭に思い浮かぶのは、「卵」だけです。しかも、もっと春に行われていたような……?

 ぐぐってみると、復活祭は、十字架に張り付けになって死んだイエス・キリストが、3日目に復活したことを祝うお祭りで、キリスト教では最も大切な行事なんだそうです。
 で、いわゆるカトリックやプロテスタントの西方教会と、東方教会とでは、時期が異なるんだそうです。

 ま、まてよ、でも以前ゴールデンウィークに東方正教会の国ロシアに行ったとき、復活祭なんてやってなかったぞ?

 さらに調べてみると、復活祭は基本的に「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」と定められているため、年によって日付が変わるんだそうです。また、西方教会ではグレゴリオ暦(今使っている暦ですね)を採用したため日付が早まり、その結果、西方教会では3月22日から4月25日の間のいずれかの日曜日、東方教会では4月4日から5月8日の間のいずれかの日曜日に祝われることになったそうです(復活祭 - Wikipedia)。
 なるほど、そういうわけで東方正教会の国でも、ゴールデンウィーク中に復活祭が行われるのは、数年に一度しかないんですね。

 Img_0180 ルーマニア北部、ブコヴィナ地方の街・ラダウチの朝の風景です。

Img_0187 朝市で売られている鮮やかな花束は、お墓の飾りです。

Img_0211 このようにお墓が美しく飾られております。復活祭は、日本のお盆に似たところがあって、各地に出稼ぎに行っていた人がこの時期は故郷に戻ってきて、お墓参りをし、復活祭を祝うのだそうです。

 場所はホテルからほど近くにある教会、時間は夜の0時前。そこで地元の人が行っている普通に行っているミサを見学させて頂きました。もちろんぽん太たちはキリスト教徒ではありませんが、教会の中に入れていただくことができました。さすがに教会の内部は写真なしです。
 神父さんの言葉に合唱が間の手を入れるような、東方正教会独特のミサが行われておりました。

 0時が近づくと、教会の中の灯りが消されて真っ暗闇となります。そして0時になると一本のロウソクが灯され、信者たちは、自分たちが持って来たロウソクにその火を移し、教会から外へと出て行きます。ロウソクの火は、さらに信者から信者へと分けられてゆき、皆がそれぞれ自分の灯りを持つようになります。ぽん太たちもロウソクを持っていき、見知らぬ人から火を分けてもらいました。
 キリストの死と、復活を象徴する儀式だそうです。これまで仏教徒のぽん太は「キリストの復活」というのがイマイチぴんとこなかったのですが、東洋でいう死と再生、季節の循環、輪廻転生と近いような気がしました。
Img_0260 そのあと人々は、十字架を掲げた信者を先頭に、教会の周りを反時計回りに3周します。十字架を持っている信者さんが、普通の服装なのが面白いですね。

Img_0258 若者や、子供を肩車したお父さん。老若男女が敬虔な表情で従います。

Img_0263 周回を終えると、教会の正面に集まり、司祭さんが聖歌を歌い、合唱隊が間の手を入れます。

Img_0270 人々もロウソクを片手に、賛美歌を歌います。

Img_0265 持って帰った火は自宅に持ち帰り、お墓にも供えるそうです。


Img_0282 翌朝のホテルの朝食バイキングには、イースターエッグが並んでました。

2016/06/22

【ルーマニア】(2)なぜかドーハ。現代建築の見本市

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蜃気楼のように浮かびあがる新市街

 カタールの首都・ドーハで11時間のトランジットがあり、その間、カタール航空主催のドーハ市内観光に参加しました。
 ドーハと言えば、サッカー日本代表のドーハの悲劇で有名ですね。会場となったアルアリ・スタジアムは、残念ながら訪れませんでした。

Img_0008 建設中のカタール国立博物館。「砂漠の薔薇」をかたどったものだそうです。設計はフランス人のジャン・ヌーヴェル(Wikipedia)。日本では、オリンピックの賄賂で有名な電通の本社ビル(カレッタ汐留)(Wikipedia)で有名ですね。

Img_0011 イスラム芸術美術館です。イスラムのヴェールをかぶった女性の目をかたどっているそうです。設計は、ルーブル美術館のガラスのピラミッドで有名なI・M・ペイ。中国生まれのアメリカ人建築家ですね。日本では滋賀県に、宗教団体神慈秀明会の建物がいくつかあるようです(カリヨン塔、MIHO MUSEUM、MIHO美学院中等教育学校MIHOチャペル)。

Img_0031 カタラ文化村です。名前から民俗博物館みたいなものかと思ったら、美術館や円形劇場などがある文化施設ですね。

Img_0030 文化村にある有名な「鳩の塔」。鳩の集合住宅ですね。

Img_0056 イスラム文化センターです。設計者不明。

Img_0037Img_0039
 その他にも変なビルがいっぱいです(詳細略)。建築家にとっては天国ですね。
 カタールは決して裕福ではない国でしたが、1940年に良質の油田が見つかったことで、現在の繁栄がもたらされました。

Img_0045 スーク・ワキーフ。ドーハの人々の生活を支えてきた市場ですが、近年改修されてとてもきれい。人がおらず、まるでデ・キリコの世界です。

Img_0046 外は日差しが痛いくらいですが、建物の中は天井が高く、ひんやりとしており、買い物の人々や観光客でにぎわっております。

Img_0049 やかんの見事なディスプレイ。

Img_0057 観光客用のコスプレかと思ったら、スークを警備している警察官だそうです。

2016/06/21

【ルーマニア】(1)GW旅行、まずは日程のご案内

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ラダウチのイースター前夜のミサ

 旅行の方は、ようやくゴールデンウィークのご報告です。今年はルーマニアを選んだのですが、ちょうどイースター(復活祭)の時期とぶつかり、まだあまり観光客の入ってないルーマニア北部で、村人たちがイースターを祝う様子を見ることができました。これはとても貴重な体験で、とっても感動いたしました。

 今回お世話になったのは、ユーラシア旅行社(ホームページ)。ツアーは「フォークロアの郷、ルーマニア紀行 10日間」(こちら)です。いつもながらのきめ細かいガイドと、前日に観光したところのレポートの配布、ありがとうございました。

 まずは吉例の日程のご案内から。

【1日目】
成田空港…

【2日目】
…ドーハ
ドーハ観光(新市街展望スポット、カタラ文化村、ザ・パール・カタール、スーク・ワキーフ)
ドーハ……ブカレスト(アンリ・コアンダ空港)
…シナイア
シナイア泊(パラス PALACE)

【3日目】
…ラクロシュ
ホテル・ラクロシュで昼食
ラク・ロシュ散策
…ビカズ渓谷……ラダウチ
ラダウチ泊(ジェラルド THE GERALD'S HOTEL)、フォークロア・ショー

【4日目】
ブゴヴィナ地方の修道院巡り
アルボーレ修道院、スチェヴィッツァ修道院、
イースター精進料理
モルドヴィッツア修道院、ヴォロネッツ修道院、フモール修道院
イースター前夜ののミサ
ラダウチ泊(ジェラルド THE GERALD'S HOTEL)

【5日目】
………マラムレシュ地方
ボルシャの教会
ミハイラさん宅で昼食
ボクダン・ヴォーダの木の教会
…バイアマーレ
バイアマーレ泊(カルパティ CAPALTI)

【6日目】
マラムレシュの村巡り
プロピシュ村の木の教会
スルデシュティ村の木の教会、ミサ見学、水かけ祭り
SECRET GARDENにて昼食
ブデシュティの木の教会
ザプンツァの陽気な墓
バイアマーレ泊(カルパティ CAPALTI)

【7日目】
スルデシュティ村の木の教会
…シク村
ワララさん宅
ピエルタンの要塞教会
…シギショアラ
ドラキュラの生家で夕食
シギショアラ泊(カヴァレール CAVALER)

【8日目】
…ブラショフ
黒の教会、聖ニコラエ教会、ブラン城
…シナイア
シナイア僧院、ペレシュ城
…ブカレスト
ブカレスト泊(インターコンチネンタル INTERCONTINENTAL BUCHAREST)

【9日目】
国民の館、旧市街散策
カル・ク・ベレ
革命広場、旧共産党本部
ブカレスト(アンリ・コアンダ空港)…

【10日目】
…ドーハ
ドーハ……羽田

2016/06/20

【バレエ】演劇を観ているようなカスバートソンとボネッリの「ロミオとジュリエット」英国ロイヤルバレエ団

 やって来ました英国ロイヤル。まずは「ロミオとジュリエット」から。こちらが公式サイトです。

 日付で選んで、配役はローレン・カスバートソンとフェデリコ・ボネッリ。実は二人ともよく知りません。カスバートソンは、2008年の「眠れる森の美女」で脇役を踊ってるのを、ボネッリは2013年のガラ公演で観たようですが、どちらもよく覚えてません。今回のプログラムのメンバーリストには、真っ先に二人の名前が挙がっているところを見ると、いまや主力ダンサーなんでしょか?

 カスバートソンのジュリエットは素晴らしかったです。英語版Wikipediaを見ると1984年生まれということで、32歳ぐらいになるのでしょうか、若さピチピチではないけれど、薹が立った感じもなく、まさに脂が乗り切っている印象でした。手足が長く、アラベスクから上体を前に倒した時のポーズ(?)で腰から後ろ足のラインがすらっと真っすぐに延びて、とても美しいです。踊りは軽く、柔らかく、英国ロイヤル風。ドラマの演技力も見事でした。
 ボネッリも、「テクニックを見せてます」みたいな派手なパフォーマンスはないけれど、ロミオを見事に踊り、そして演じました。

 英国ロイヤルの「ロミジュリ」を前回観たのは、2010年の来日公演で、吉田都とスティーヴン・マックレーのペアでした。そのときの振り付けやセットはほとんど覚えてません。
 今回のセットは落ち着いた色調で、重厚。ルネサンス風の衣装のダンサーたちが、イタリア風のアーチの下に佇む様子は、イタリア絵画のような美しさでした。
 振り付けはとてもドラマチックで、まるで演劇を観ているかのようでした。特に今回の席は前から6列目だったので、ダンサーの表情が非常によく見えたため、なおさらそう感じたのかもしれません。群衆シーンでも、一人ひとりがあちこちで小芝居を演じてました。
 だけど、第2幕第3場で結婚式を上げているカップルが、その後の殺し合いの場面を舞台袖でずっと見つづけているのは、ちょっと違和感を感じました。

 音楽は、なんかところどころ聞き慣れない曲があった気がしました。東京シティフィルもなかなかよかったですが、クラリネットか何かが変な音を出してたような?

 まずは大満足。次はオシポワのジゼルだわい。

英国ロイヤル・バレエ団2016年日本公演

「ロミオとジュリエット」全3幕

東京文化会館
2016年6月16日

音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
振付:ケネス・マクミラン
美術:ニコラス・アディス
照明:ジョン・B.リード

ジュリエット:ローレン・カスバートソン
ロミオ:フェデリコ・ボネッリ
マキューシオ:アレクサンダー・キャンベル
ティボルト:ギャリー・エイヴィス
ベンヴォーリオ:トリスタン・ダイヤ―
パリス:ヴァレリー・ヒリストフ
キャピュレット公: クリストファー・サンダース
キャピュレット夫人:エリザベス・マクゴリアン
エスカラス(ヴェローナ大公):ベネット・ガートサイド
ロザライン:クリスティーナ・アレスティス
乳母:クリステン・マクナリ―
僧ロレンス:アラステア・マリオット
モンタギュー公:アラステア・マリオット
モンタギュー夫人: ベアトリス・スティックス=ブルネル

ジュリエットの友人:
エリザベス・ハロッド、メーガン・グレース・ヒンキス、エンマ・マグワイア、
ヤスミン・ナグディ、ロマニー・パイダク、ジェンマ・ピッチリ―=ゲイル

3人の娼婦:
イツィアール・メンディザバル、オリヴィア・カウリー、ヘレン・クロフォード

マンドリン・ダンス:
ジェームズ・ヘイ
アクリ瑠嘉、ケヴィン・エマートン、ポール・ケイ、
フェルナンド・モンターニョ、マルセリーノ・サンベ

舞踏会の客、街人たち: 英国ロイヤル・バレエ団

指揮者:クーン・ケッセルズ
オーケストラ: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

2016/06/19

【歌舞伎】染五郎の知盛は迫力あったよ。2016年6月歌舞伎座第一部

 6月の歌舞伎は、「義経千本桜」を3部制で上演。ど・れ・を・観・よ・う・か・な?
 ちょっと線の細い染五郎が、碇知盛の迫力をどう演じるかを観ることにしました。こちらが公式サイトです。

 と、ところが、ぽん太定番の3階席の切符が取れないでござる!さては団体客が入ってるな(-゛-メ)。
 仕方がないので、2階桟敷の2列目を取ってみました。染めちゃん、お金がかかってるんだから、いい演技しないと怒るよ!

 当日行ってみると、案の定3階席には高校生がぎっしり。2階の後ろにまで溢れてました。でも残念なことに、睡眠学習に入った人たも多かったみたい。イヤホンガイド使ってなかったみたいだし、途中で眠くなっても仕方ないか。でも、せめて最後の入水の時ぐらい目をさましてほしかったです。

 テーブルのある桟敷席なので、ビールでも飲みながら観劇したいところですが、残念なことに第一部。昼日中から飲む気はさすがのぽん太もおきません。せっかくなので、台本(『義経千本桜 (歌舞伎オン・ステージ (21))』、白水社、1991年)を持ってって、読みながら観劇してみました。

 台本読みながら観ると、さすがによくわかりますなあ。あちこち省略されていたり、変更されているのもわかりました。変更と言っても、現代語風にわかりやすくするのではなく、返って元々の丸本に戻している部分も多かったです。

 気になったのは、典侍の局が自害する前のセリフ。
 これまで「碇知盛」を何回か観て、なぜ典侍の局が自害するのかいまいちよくわからなかったのですが、「自分が生きていると、源氏に対する敵対心を安徳帝に吹き込むのではないかと、人々に疑われるかもしれない」という意味のセリフが、(ぽん太が聞き落としたのでなければ)省略されてました。これでは、局の自害の理由がわからないはずです。

 染五郎、銀平のいなせな感じもよく出ていたし、知盛となってからの迫力も素晴らしかったです。大物浦で、義経一行とのやりとりのなかで、刻々と心理が変化して行くあたりの表現がどうだったかは、二階席とはいえちょっと遠かったので、表情が見えずよくわかりませんでした。
 最後の入水も迫力がありました。ただ、ロープが全部落ちてから、入水までの間がやけに長い気がしましたが、こんなものでしょうか。
 全体としてまずまずでしたが、思わず引き込まれるようなプラスアルファの魅力は、まだまだこれからか?

 女房お柳/典侍の局の猿之助、あいかわらずうまくて達者ですが、どうもスタンドプレーというか、あざとさがぽん太には気になります。安徳天皇が歌を詠み終わらないうちに、「でかしゃった〜」とかぶせるのは、天皇様に失礼ではないかい?
 でも、典侍の局が、舞台を引っ張る重要な役柄であることをが、初めてわかりました。

 その安徳帝は右近の息子の武田タケル君。初お目見得にしては堂々たる演技で、「初舞台」レベルでした。
 義経は松也でしたが、美しさと哀愁と気品が感じられ、悪くありませんでした。

 最後に新作(?)の所作事「時鳥花有里」がついてました。こちらの義経は梅玉。う〜ん、さすがに松也とは格が違います。さらに東蔵、魁春が加わって、ベテランの味が感じられる舞台でした。

六月大歌舞伎
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
歌舞伎座
平成28年6月15日

第一部

碇知盛(いかりとももり)
  渡海屋
  大物浦

所作事 時鳥花有里

〈渡海屋・大物浦〉
  渡海屋銀平実は新中納言知盛  染五郎
  源義経  松也
  入江丹蔵  亀鶴
  亀井六郎  歌昇
  片岡八郎  巳之助
  伊勢三郎  種之助
  駿河次郎  宗之助
  銀平娘お安実は安徳帝  初お目見得 武田タケル(右近長男)
  武蔵坊弁慶  猿弥
  相模五郎  市川右近
  女房お柳実は典侍の局  猿之助

〈時鳥花有里〉
  源義経  梅玉
  傀儡師染吉  染五郎
  白拍子園原  笑三郎
  白拍子帚木  春猿
  鷲の尾三郎  東蔵
  白拍子三芳野  魁春

2016/06/13

【仏像・桜・うどん】水澤観世音・水沢うどん山源・沼田城

Img_9687
 積善館に宿泊した翌日、ぽん太とにゃん子と義妹のひつじちゃんは、沼田城と水澤観世音を観光いたしました。

 

 

Img_9654 まずは、大河ドラマ「真田丸」で近頃何かと話題になる沼田城。4月中旬ということで、桜が満開でした。Img_9651 真田信之(=信幸)(大泉洋)と小松姫(吉田羊)の石像がありました。Img_9661 こちらは推定樹齢400年余りという「御殿桜」。沼田城主だった真田信幸は、関ヶ原の戦いで戦功を立てたのち、慶長12年(1607年)に、5層に及ぶ天守閣を築城しました。その頃にこの桜が植えられていたと言われています。

 

 

Img_9673 お次ぎは水沢うどんで腹ごしらえ。今回は「山源」を選びました。なんか今回は、コシはあったのですが、ちょっと表面が柔らかい気がしました。それからけっこうな大盛りなので、若い人にはいいけど、中高年のぽん太一行にはちと多かったです。

 

 

Img_9693 続いて水澤観世音へ。水沢うどんは何度も食べに来てるけど、水澤観世音に足を運ぶのは久しぶり。今年のぽん太とにゃん子のテーマは「仏像」ですから。
 中国人の団体さんが来てました。六角堂のお地蔵さんを一生懸命廻したり、本堂で熱心に祈ったりして、楽しそうに観光してました。中国人って、信心深いんですね。Img_9696 本堂に祀られている御本尊は、十一面千手観世音菩薩ですが、秘仏とされており、ご開帳はされておりません。伊香保姫の御持仏だったそうで、姫が継母によって川に沈められそうになったとき姫を救ったという、霊験あらたかな仏様です。
 参拝できるのは前立の十一面千手観世音菩薩(写真:公式サイトより)で、こちらは江戸時代のもの。本堂の窓からうっすら見ることができます。細い目がつり上がり、ちょっとキリギリスっぽい仏様です。平成9年に保存修理をしたばかりで金ぴかです。

 

 それから、平成13年に竣工した近代的な「釈迦堂」があり、複数の仏像が納められていて、現在無料で公開しております。
 仁王尊の向こうには釈迦三尊像。江戸時代のもので、あまり特徴はないです。
 注目すべきは円空仏作阿弥陀如来坐像(写真:公式サイトより)。後期の円空の荒々しさはなく、ずんぐりとした素朴系のちっちゃな仏像です。なんかネコみたい。表情や衣紋など、木目をうまく生かしており、ギョロッとした目と微かに微笑んだ表情が可愛いです。円空って、こんな像も彫ってるんですね。

 

Img_9678 ネコと言えば、門前のお店の裏で老猫が寝てました。「只今充電中」と書いてあります。観光客が写メを撮ったり、触ったりしても寝続けておりました。

 

Img_9689 こちらは境内に祀られている「龍王辨財天」です。龍と弁財天は「水」つながりとして、どういう来歴でこれが水澤寺に祀られているのかはよくわかりません。「水沢」というくらいだから、水と関係あるんでしょうか?Img_9702 こちらは「豊家一神」(ほうかいちじん)。公式サイトによると、食糧難のおりにカエルを食べて難を逃れたことから、感謝のために供養をしているとのこと。これも詳しいいわれがわかりません。Img_9703 そして「清昌稲荷大神」。う〜ん、これもよくわかりません。ぐぐると東京都江東区の「江東寺」がでてくるけど、これは水沢寺の別院とのこと。このあたりは、今後の宿題ということで……

 

 

 

水澤観世音

 

本堂
 前立十一面千手観世音菩薩 江戸時代

 

釈迦堂
 釈迦三尊像(釈迦如来・文殊菩薩・普賢菩薩)
 仁王尊
 聖観音
 大日如来
 木造十一面観音立像 105.5cm カツラ 一木造 11世紀後半 市指定
 阿弥陀如来坐像 53.0cm 杉 一刀彫 円空作 江戸時代前期 市指定
 馬頭観音
 聖観音(中)
 千手観音
 魚籃観音
 二十八部衆

2016/06/12

【温泉】本館+会席料理プランはリーズナブルに名旅館を楽しめます。四万温泉積善館(★★★★★)

Img_9540 温泉ファンなら何度でも泊まりたい、四万温泉積善館。どうせなら登録有形文化財の「山荘」に宿泊したいところですが、お値段がちょっとお高め。江戸の雰囲気を残す「本館」ならお値段はリーズナブルですが、夕食がお弁当になってしまうのがちょっと寂しい……。
 ところがなんと、本館に泊まって、夕食は山荘と同じ「こだわりの四季替わり会席」をいただけるプランが期間限定で出てるじゃないですか!?これで決まり!ぽん太とにゃん子は、義妹のひつじちゃんを連れて、4月中旬に泊まって来ました。評価はもちろん5点満点。こちらが公式サイトです。

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Img_9542 赤い橋の向こう側にレトロな建物が並ぶ風景は、おなじみの写真スポット。アニメ「千と千尋の神隠し」のモデルとも言われております(例えばこちらのサイト)。時節柄、外人さんも多く見かけました。右手前が有名な「元禄の湯」の建物。正面奥が本館です。
 本館は元禄4年に建てられたもので、日本最古の木造湯宿建築と言われています。あちこち改修されているので、国の登録有形文化財には指定されておりませんが、江戸の雰囲気を今に伝えます。
 宿の前を流れているのは新湯川(あらゆがわ)。この川の川底から源泉が湧いています。
 そして川にかかる赤い橋は慶雲橋。昔は四万街道が、この橋を渡って新潟まで抜けていたそうです。Img_9579 館内に展示してあった明治14年の積善館の絵図。橋(関根橋となってます)を渡り、向かって右手の方に人が流れています。Img_9574 江戸時代の人が腰掛けてキセルで一服していたとしても、何の違和感もありません。Img_9566_2 障子が作り出す光の芸術。Img_9564 客室へ続く廊下。湯治の雰囲気がただよいます。絨毯を引いたり、ドアを新しくしたりと改装してあるため、登録有形文化財にはあたりません。
Img_9545 今回泊まったお部屋です。次の間もあって、けっこう広いです。Img_9614 元禄の湯は、この宿の名物というか、まさに日本の温泉遺産ですね。大正ロマンの雰囲気のレトロな建物です。Img_9583 温泉分析表です(クリックで拡大します)。泉質は、ナトリウム・カルシウム 塩化物硫酸塩温泉。無色透明のやさしいお湯です。
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 夕食が会席料理というのが今回のプランの有り難いところ。おいしいお料理においしいお酒。大満足です。
Img_9610 ただ一つ残念だったのは、夕食後、温泉街にスマートボールと射的をやりにいったら、すでに店が閉まっていたこと。う〜ん、今回の目標の一つだったのに〜。観光客が少ないから仕方ないですね。Img_9607 夜の元禄の湯です。Img_9616 朝食は、以前は本館でもお弁当風だったと思うのですが、今回は和食膳になってました。積善館19代ご亭主が300年の時を経て復活したという「飲泉粥」も美味しかったです。
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 板前さんがその場で作ってくれるだし巻き卵もうれしいサービスでした。Img_9642 名湯四万温泉も、もし積善館がなかったら、だいぶイメージが変わっていたことでしょう。チェックアウト時に、従業員が細かいところまで丁寧にぞうきん掛けをしているのを見ると、ああ、こういう精神がこの宿を支えているんだな、と思いました。

2016/06/09

【花見】春も桜が楽しめます!?冬桜で有名な桜山公園@鬼石

Img_9495 梅雨入りしたのに桜の話題もなんですが、ようやく4月上旬のご報告。ぽん太とにゃん子は群馬県は藤岡市の桜山公園に花見に行ってきました。
 藤岡市オフィシャルサイトに、アクセスや開花情報も出ております。
 桜山公園といえば冬桜(11月から12月に咲く桜)で有名で、ぽん太は冬桜なら2回見に行ったことがあるのですが、春の桜も楽しめるとは知りませんでした。
 冬桜も混ざっているので、桜が一面満開というわけにはいきませんが、新緑とのグラデーションが美しかったです。
Img_9487 「日本庭園」には見事なしだれ桜が咲いておりました。
Img_9497 桜山の山頂には板碑が祀られてます。案内板によると、南北朝時代の供養塔だそうです。Img_9515 八重の桜。きれいですね。なんという品種でしょう。

2016/06/06

【仏像】仏像の宝庫なれど非公開も多し・慈恩寺@寒河江

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 まだまだ3月下旬の話し。宮城県東鳴子温泉から、山形県は寒河江に抜けて、慈恩寺に立ち寄りました。山形のお寺というと、松尾芭蕉で知られる山寺が観光地として有名ですが、仏像などの文化財では慈恩寺も負けておりません。こちらが公式サイトです。
 上の写真は山門(仁王門)です。元文元年(1736年)の建築で、県指定文化財です。
Img_9457_2 こちらは本堂です。元和4年(1618年)に再建されたもので、桃山建築様式を残し、茅葺き屋根が美しく、重厚でありながら華やかさがあります。国指定重要文化財です。
 内部には「宮殿」と呼ばれる大きな厨子があり、これも国指定重要文化財です。宮殿の中にはご本尊の弥勒菩薩坐像をはじめ、多数の仏像が治められておりますが、悲しいことにどれも非公開です。
 ご本尊の弥勒菩薩は、釈迦如来像、地蔵菩薩坐像、不動明王立像、降三世明王立像を伴っておりますが、この5躯の組み合わせはとても珍しいそうです。5躯すべてが国指定重要文化財です。写真は例えば木造弥勒菩薩及び諸尊像 山形の文化財検索サイトをどうぞ。
 弥勒菩薩が御本尊というの、このお寺が創建されたときの法相宗の通例に従っているんだそうです。この弥勒さまは、菩薩でありながら、袈裟をつけて定印を結んでおります。袈裟をつけているのは如来の姿であり、また定印は胎蔵界大日如来の結ぶ印であり、12世紀末に真言宗で唱えられた「大日即弥勒」思想によるものだそうです。
 このお寺が、法相宗として始まり、真言宗・天台宗に移っていった流れが、ご本尊の姿に現れているわけですね。
 また、不思議に思える5躯の組み合わせも、ご本尊を大日如来と考えると、大日如来・不動明王・降三世明王の組み合わせは「尊勝曼荼羅」の構成となり、ご本尊を弥勒菩薩を考えると、釈迦如来・地蔵菩薩・弥勒菩薩の組み合わせは「三世仏」の構成となるそうです。

 

 厨子の中にはさらに、木造騎獅文殊菩薩及脇侍像(4躯)、木造騎象普賢菩薩及十羅刹女像(5躯)があり、すべて国指定重要文化財ですが、これまた残念ながら非公開。写真は、騎獅文殊菩薩像 慈恩寺公式ホームページ騎象普賢菩薩像 慈恩寺公式ホームページ木造騎獅文殊菩薩及脇侍像 木造騎象普賢菩薩及十羅刹女像 山形県の文化財検索サイトなどをどうぞ。

 

 で、ぽん太が実際に拝観できたのは、前立弥勒如来坐像と、宮殿の左右に安置された多聞天像、持国天像でした。

 

 宮殿に向かって左側のスペースに、いくつかの仏様が展示されてましたが、悲しき哉ぽん太の狸脳、すっかり忘れてしまいました。なんか、歯がある仏像があった気がしますが、阿弥陀如来立像(歯吹きの弥陀)でしょうか(写真:慈恩寺公式サイト)。

 

Img_9468 写真は三重塔。雪が舞っております。
 現在の塔は文政13年(1830年)に再建されたものです。内部には国重文の大日如来坐像(写真:山形の文化財検索サイト)が安置されてますが、非公開です。

 

 薬師堂には、薬師三尊像(木造薬師如来及両脇侍像)(写真:慈恩寺公式サイト)と、十二神将(写真1写真2写真3:慈恩寺公式サイト)がいらっしゃいました。
 薬師三尊とは、薬師如来と日光・月光菩薩ですね。薬師如来は鎌倉時代後期に京仏師「院保」によって造られたものだそうですが、日光・月光菩薩は作風が異なり、素材も山形に自生するホウノキのため、仏師を山形に招いて彫ったものではないかと言われているそうです。三体とも国指定重要文化財です。
 十二神将は、鎌倉時代の8躯が国重要文化財ですが、残りの4躯は、欠けているものを江戸時代に補作したものだそうです。

 

 他に国重要文化財として、阿弥陀堂に木造阿弥陀如来坐像(写真:慈恩寺公式サイト)がありますが、非公開でした。

 

 非公開の仏像は、特別公開を狙って拝観するのがよさそうです。
 ラグビーの五郎丸選手のルーティーンポーズに似ていると有名になった「勢至菩薩像」(これまた普段は非公開)(写真)が、平成28年6月1日から7月18日まで公開されるそうです。

 

 Img_9483 ところで、境内にあったこの祠、手前に池があって……
Img_9482 祠のなかにもまた池……。これっていったいなんでしょう。誰か教えて下さい。

 

 

 

 

慈恩寺
(見たものだけ)

 

本堂
 前立弥勒如来坐像 一木割矧造 玉眼 金泥彩 鎌倉時代後期 県指定 
 持国天像 鎌倉時代
 多聞天像 平安時代
 阿弥陀如来立像(歯吹きの弥陀) 鎌倉時代 県指定
 その他

 

薬師堂
 木造薬師如来及両脇侍像 国指定重要文化財
  薬師如来 ヒノキ 寄木造 玉眼 金泥彩・漆箔 鎌倉時代後期
  日光・月光菩薩 ホウ 鎌倉時代後期
 木造十二神将立像(8躯) ヒノキ 一木割矧造および寄木造 玉眼 彩色 鎌倉時代  国指定重要文化財
 木造十二神将立像(4躯) 江戸時代

2016/06/05

【温泉】湯治の風情が残るおもてなしの宿・東鳴子温泉旅館大沼(★★★★)

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 今は昔、3月下旬の話しですが、次にぽん太とにゃん子が訪れたのは、宮城県は東鳴子温泉・旅館大沼です。こちらが公式サイトです。
 元々は湯治客向けの宿だったそうで、コンクリートの建物など味気ない部分も残ってますが、もっともっと良い旅館にしていこうという宿の人たちの思いが伝わってきます。建物の内部やファサードは和風にリニューアルされて心地よいです。離れの庭園貸し切り露天風呂を始めに8種類の風呂を楽しめます。二種類の泉質のうちひとつは自家源泉で、湯量も豊富。お茶のような色のお湯はなかなか貴重です。地元の食材を使ったお料理も美味しいです。
 すばらしい泉質の様々なお風呂が楽しめ、宿の人たちのおもてなしの心も嬉しくて、ぽん太の評価は4点です。

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Img_9366 建物は木造モルタルでしょうか。湯治宿の雰囲気を残す普通の建物ですが、渋墨塗り風の木の壁が付け加えられて、レトロな印象になっております。
Img_9368 チェックインすると、まず抹茶のおもてなし。
Img_9369 ぽん太とにゃん子は一番安い部屋をお願いしたのですが、空き室があるということで無料でランクアップしてくれました。これまた嬉しいおもてなし。きれいにリフォームされた和室です。

Img_9375 浴室は全部で8つあります。まずは庭園貸切露天風呂「母里の湯」。冒頭の写真がそうです。宿から少し離れたところにあるので、予約時間に車で送り迎えしてもらいます。美しい庭園をみながら、広いお風呂に貸し切りで入れます。
 お湯はわずかに煎茶のような黄色みがあり、少し油臭がします。もちろん加水・加温・循環・消毒なしの、正真正銘の源泉掛け流し。
Img_9377 温泉分析表です(クリックで拡大します)。泉質は、ナトリウムー炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉、泉温は71.5度と高温です。pH7.7の弱アルカリ性は、お肌に優しいです。
Img_9432 わ〜。湯気で何にもみえません。混浴大浴場「薬師千人風呂」です。女性専用タイムもあります。
 タイル張りで大正レトロな雰囲気の、大きな浴槽です。壁には天女の絵が描かれています。お湯は母里の湯と同じです。
Img_9412 お次ぎは「陰の湯」。レトロな感じの小さな浴槽。木の壁が月の形に繰り抜かれています。
Img_9418 温泉分析表です(クリックで拡大します)。こちらはこの宿の自家源泉です。番茶のような色をしており、ちょっと臭いもあって、モール系のような感じです。この温泉力はなかなかのものです。
 泉質は、ナトリウムー炭酸水素塩泉、泉温は65.2度、pHは6.9と中性です。源泉掛け流しであることは言うまでもありません。
Img_9413 こちらが陽の湯。木の壁が太陽の形に繰り抜かれています。
 このほかに「灯りの湯」、女性専用の「天女風呂」、足湯と蒸かし湯があり、一泊ではとても全部には入りきれません。

Img_9402 さて、夕食はお食事処でいただきます。地元の食材をつかった会席料理。このほかに天ぷらが付きます。むむむ、山奥の旅館に禁断の刺身が!と思ったら、どうしてどうして新鮮でおいしいです。考えてみれば、三陸からわずかの距離ですもんね。
Img_9442 朝食はシンプルですが……
Img_9440 超大粒の納豆と、
Img_9444 わっぱ蒸しのお饅頭が美味しかったです。

Img_9445 大沼旅館の裏手に渋い宿を発見!まるみや旅館というようです。こちらが公式サイト。自炊の宿のようですが、こちらのお湯は鉄分が混ざっているようですね。そのうち泊まってみたいです。

2016/06/03

【仏像】岩手にある二つの重文の兜跋毘沙門天(2)藤里毘沙門堂

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兜跋毘沙門天像@藤里毘沙門堂

 次にぽん太とにゃん子が訪れたのは、藤里毘沙門堂です。公式サイトは……なさそうです。仏像を拝観するには事前予約が必要で、管理をしている個人宅に電話をして、鍵を開けてもらいます。連絡先は、例えばこちらのサイトに書いてあります。せめて地図だけ表示しておきますね。

Img_9329

 こちらが毘沙門堂です。

Img_9330

 内部には、多数の仏像が安置されております。

Img_9350 冒頭の写真が、国指定重要文化財の木造兜跋毘沙門天立像です。全体のお姿は整っており、軽く身体をひねってます。10〜11世紀頃に作られたと考えられており、優雅な雰囲気です。

 地方仏らしいいわゆる「鉈彫り」で、横向きの筋状のノミの跡が残されています。手や顔の肌部分にはノミ跡はありません。眉をひそめたちょっと渋い表情です。
Img_9334 毘沙門天を支える地天女は、貞淑な雰囲気。破損が痛々しいです。
Img_9341 こちらが木造毘沙門天三像。毘沙門天は、鎌倉時代の作らしく、身体を大きくひねって躍動感が感じられ、表情も厳しいです。鉈目が控えめに残ってますが、方向は一定していません。、脇侍として、毘沙門天の妃とされる吉祥天(向かって右)と、息子とされる善膩師童子(ぜんにしどうじ)(向かって左)を伴っていますが、残念ながら顔は失われております。
Img_9342 そしてもう一つの毘沙門天像。室町時代の作と考えられておりますが、破損が大きいです。Img_9343 表情は写実的で、どこか悲しみが感じられます。Img_9335 十一面観音は、ほっそりとして小顔です。Img_9336 これも破損が著しいですが、優美な表情は残されております。
Img_9345Img_9346Img_9347
 その他、破損物が多数展示されております。
Img_9361 毘沙門堂の下には、神社があります。左が蔵王権現、右が愛宕神社です。
Img_9364 愛宕神社の屋根の上の、明かり取りみたいな部分が、ちょっと珍しい気がします。
Img_9353 一段上にある社。この上にも、明かり取りみたいなものが乗ってます。左奥の肌色の建物が、もともと兜跋毘沙門天が安置されていた建物です。

 

藤里毘沙門堂

木造兜跋毘沙門天立像 トチノキ 一木造 国指定重要文化財 10〜11世紀
木造毘沙門天三像(毘沙門天192cm、吉祥天96cn、善膩師童子93cm) 寄木造 鎌倉時代 県指定
木造毘沙門天立像 一木造 99.5cm 室町時代?
木造十一面観音立像 県指定
破損仏

2016/06/01

【競馬】ぽん太もダービーで競馬デビューしてみました

Img_1188_2
 ダービーで競馬デビューしてまいりました。
 とはいっても、狸のぽん太が馬に混じって走ったわけではありません。観に行ってきただけです……(あたりまえか)。
Img_1180 東京都は多摩地区に棲息するぽん太、東京競馬場は地元にありながら、これまで一度も行ったことがありませんでした。冥土の土産に一回くらい……ということで、行ってみることにしました。
 せっかくなのでダービーを選択。昔ダービーに行ったことがあるというにゃん子の話しでは、大混雑で大変だったとのこと。そこで指定席の抽選に申し込んでみたところ、見事に当選。うれしや、うれしや。
 しかし、これですべての運を使い切ってしまったのではないかと、ちと心配。

 初めての東京競馬場は、とってもきれいでお店もいっぱいあって、以前に行ったことがある京王閣競輪場とは大違い。明るく健全な雰囲気です。

 席は、フジビュースタンドの、5階C席。なんと一番最前列でした。
 いや〜競馬場って広いんですね。天気は晴れでしたが、富士山はちょっとガスってて見えませんでした。けっこう風が強く、時おりつむじ風が起って、新聞などが巻き上げられてました。しかし、暖かい風に吹かれながらオウマさんを眺めていると、とっても気持ちが良かったです。

Img_1183 さて、馬券を買うマークシートみたいな物を手に入れ、さっそく掛けてみようかと思いましたが、複勝とか馬単とかワイドとか書いてあって、意味がわかりません。競馬経験のあるはずのにゃん子も、「私がやったときとちがうにゃ〜」とお手上げ状態。
 どこかに「競馬初心者案内所」みたいなところがあったのを思い出し、「すみませ〜ん、馬券の買い方わからないんですけど」と聞いたら、「ビギナーズセミナー」の受講をすすめられました。約20分間で、馬券の買い方の基本や、競馬新聞の読み方を教えてもらえます。ぽん太は馬券の買い方コースを受講しましたが、さすがダービー、ぽん太とにゃん子以外にも超初心者が多いようで、「馬券の倍率によっては、払い戻しをしない方がいい場合があるんでしょうか?」というシュールな質問を投げかけているご婦人もいた。払い戻しをすると、逆にお金を取られる場合があるとでも思ったのでしょうか。

Img_1186 競馬のことは全くわからないので、競馬新聞を見て、何やら印が多い馬を中心に複勝を買うと、ちょっと当たった。しかし複勝は、当たりやすいけど、投資額が回収できないことに気付き、途中から穴狙いに走ったとことろ全然あたらなくなり、トータルで約5,000円投資して、約500円の回収でした。 しかし、ぽん太が思うに、馬に対する思い入れというか、どの馬がああしてこうしてダービーの舞台に立った〜みたいな背景がわからないと、単にルーレットに賭けているのと同じで、ちょっと味気ないと思いました。

Img_1196 しかし、さすがダービーのときの群衆や、声援の盛り上がりはすごかったです。雰囲気はよくわかりました。指定席じゃなくて、群衆のなかに混ざって見たら、もっと迫力があったかもしれません。

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