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2016年7月の11件の記事

2016/07/29

【蕎麦】手打ちそば かたせ(長野県北安曇郡池田町)

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 弾誓寺の可愛らしい仏像に癒された後、池田町の「手打ちそば かたせ」でお蕎麦をいただきました。食べログはこちらです。

 場所は、安曇野と大町のちょうどあいだくらいに位置する池田町。東側の山にちょっと入ったところにあります。
Img_1400 案内に従って進むと道はすれ違えないほど細くなり、不安になった頃にお店があります。よく手入れされたお庭に囲まれてます。
Img_1402 こちらが椅子席です。
Img_1403 囲炉裏のある板の間もあります。
Img_1404 お店の窓からの景色。天気が悪かったので、自慢の北アルプスの展望は望めませんでした。
Img_1407 そばぜんぶ(十割そば)を注文。美味しい漬け物を頂きながら待っていると、やってきました(冒頭の写真)。「塩だけで食べてみてください」というお勧めに従っていただくと、蕎麦の香りが口いっぱいに広がります。お蕎麦は奈川産の玄そばとのこと。おつゆは魚系のお味でした。
 お蕎麦の単品の注文でしたが、最後にデザートがついてました。そば湯の寒天だそうで、上の緑色の粉はこの辺りの名物の桑の葉だそうです。涼しげな一品でした。
 宿の前で店主のお父さん(話し好き)が、苗や陶器を売っておりました。

2016/07/28

【仏像】見てると幸せな気分になる下膨れのお顔。聖観音菩薩立像、弾誓寺@長野県大町市

Img_1373 1ヶ月遅れのご報告が続いております。
 ぽん太とにゃん子訪れたのは、長野県は大町市の弾誓寺(たんせいじ)。そこに、ぷっくらした顎のとても可愛らしい観音様がいらっしゃいます。癒し系というか、見てると幸せな気分になってきます。
 Img_1395 こちらが弾誓寺の本堂です。
Img_1392 境内には、赤い帽子をかぶったお地蔵さんが並んでます。
Img_1393 それぞれが個性的ですが、手に持っている杖かなんかも一緒に毛糸の帽子をかぶってます。膝の上に赤ちゃんを抱いてますが、赤ちゃんの仕草がリアルですね。面長のお顔で、唇には紅がさしてあります。
Img_1387 こちらが観音様のいらっしゃる観音堂です。
Img_1390 改修されてますが、元は古い建物だそうです。いい感じの彫刻が残っています。
Img_1380 堂の内部も、梁の部分などに、古いところが残ってます。
Img_1372 こちらが観音様です。右足をちょっと開いており、お腹もぽってり。お顔は冒頭の写真のように、顎がぷっくりと丸くておちょぼ口、薄目のような表情です。
Img_1378 お堂の天井に天蓋があります。昔はこの真下に仏様が安置されていたのでしょう。
Img_1382_2 観音様の案内板です(クリックで拡大します)。藤原様式以前の、平安時代前期の貞観様式だそうです。後年の補修の跡も多く、彫眼だった目が玉眼に変えられていたり、裸足だった足に靴がは履かせられており、また江戸時代金箔が貼り直されているそうです。
Img_1379 観音様の向かって右に安置されているのは、弘法大師、不動明王、多聞天です。
Img_1375 そして向かって左側は、木造伝弾誓上人坐像と、木造伝長音上人坐像です。
Img_1383 案内板です(クリックで拡大します)。
 このお寺は、鎌倉時代の豪族仁科氏が居館を大町に移して町作りをしたとき、別のところに合った天台宗の浄福寺を現在の場所に移築したのが始まりで、同時に観音菩薩様も移されたと考えられております。
 江戸時代初頭にこの寺を訪れ、常念仏の道場を開いたのが弾誓上人。常念仏とは、何人かで交替しながら、念仏を途切れず唱え続けることです。弾誓上人は尾張の出身で、木の実や草だけを食べるいわゆる木喰を行いながら各地を行脚し、最後は即身仏となったそうです。
Img_1386 こちらに並ぶ石碑は、そうした念仏の記念塔でしょうか?一番左側は、「南無阿弥陀仏四万日回向」という字が読めます。
 ちなみに中央にある阿弥陀仏は、元々のものは戦争のおりに供出させられてしまい、復元したものの一回り小さくなってしまったそうです。
 このお寺の中興の祖が長音(ちょうおん)上人。お寺の名前を弾誓寺と改めました。
 さらに時代が下って、山居上人は享保9年(1724年)、弾誓上人にならって、この観音堂の地下で即身成仏したという伝説がありました。数年前に発掘調査が行われたところ、遺骨や遺品が現れ、伝説の正しさが確かめられたそうです。

 

Img_1385 境内の一角にある「鬼洞先生墓」。1825年に起きた「赤蓑騒動」という一揆を記録したことで有名な、諏訪藩士・六角鬼洞(もろずみきどう)のお墓だそうです。

 

 

 

 

弾誓寺(たんせいじ)
  長野県大町市

 

聖観音菩薩立像 像高161.5cm ケヤキ材 一木造り 漆箔 10世紀初頭 県宝

 

木造伝弾誓上人坐像 像高75cm 檜材 寄木造 玉眼 江戸時代17世紀中頃 市指定
木造伝長音上人坐像 像高78cm 檜材 寄木造 玉眼 元禄13年(1700年) 願誉岳空寂阿作 市指定

2016/07/27

【歌舞伎】海老蔵健闘すれども脚本が。2016年7月歌舞伎座昼の部

 7月の歌舞伎座は、これまで観たことがない演目がならんだ昼の部を観劇。公式サイトはこちらです。

 で、初めて見た「柳影澤蛍火」(やなぎかげさわのほたるび)ですが、残念ながらあまり面白くなかったです。
 テンポも遅いし、単調だし、脚本と演出がダメな気がしました。これで2時間40分はキツイ!せめて古典狂言みたいに、1幕目は時代もの、2幕目は世話ものにして、道行きの踊りとかも入れて欲しいです。
 主役の柳澤吉保を演じた海老蔵は、なかなか頑張っていたような気がします。最初、「出世」という字を書いたときの素に戻ったいたずらっぽい表情や、本を売るのを止めたときの怒り、戸惑い、やるせなさの混ざった表情など、(ちょっとやりすぎだけど)悪くなかったです。昔は何をやっても同じ表情でしたが、いろいろなことを経験して、いい役者になってきた気がします。
 でも、そのあとの話しが盛り上がらない。吉保がいろいろな手を使って徐々に出世していき、それにつれて変貌して行くあたりの描写が不十分でした。吉保の出世欲は、生類憐みの令によって父親を惨殺されたことに端を発するのですが、それが復讐心なのか、出世するに連れて権力の味に目覚めたのか、巨悪なのか、よくわかりませんでした。
 綱吉のお世継ぎ争いで、お伝の方を蹴落とす下りも、「陰謀」によってありもしない理由で失脚させるのならわかりますが、本当に浮気をしていたわけですから、「それじゃ自業自得じゃん」と思ってしまいます。
 最後の滅多切りも、年老いた吉保では迫力がありません。ひどいことをして権力を得たあげくの発狂も、『マクベス』の二番煎じ。「実ハ」も伏線が不十分で、面白くありませんでした。
 中車の徳川綱吉は、こんかいは自然に見ることができました。東蔵の桂昌院、色ぼけのばあさんなのに、嫌らしさや毒々しさが感じられないのはさすがの芸。


 最後の猿之助の「流星」で、ようやく気分が晴れました。明るく楽しい踊りでした。
 ただ、奥からジグザクに道があるセットは、舞台の大部分を占めているわりには、最初に織姫と牽牛が登場する時に使っただけ。セットを整理して、猿之助がもっと広々と舞台を動き回って踊った方が良かった気がします。
 最後は宙乗りで大喝采。


歌舞伎座
七月大歌舞伎
平成28年7月13日

昼の部

  宇野信夫 作・演出
  織田紘二 補綴・演出
  通し狂言
一、柳影澤蛍火(やなぎかげさわのほたるび)
  柳澤騒動

  本所菊川町浪宅より
  駒込六義園庭園まで

    柳澤吉保 海老蔵
    護持院隆光 猿之助
    茶道千阿弥 市川右近
    犬役人久保勘兵衛 男女蔵
    成瀬金吾 亀三郎
    篠原数馬 九團次
    おさめの方 尾上右近
    侍医順庵 寿猿
    お伝の方 笑三郎
    曽根権太夫 猿弥
    奥方松江 笑也
    犬役人酒井万蔵 市蔵
    柳澤弥左衛門 家橘
    徳川綱吉 中車
    桂昌院 東蔵

二、流星(りゅうせい)
  市川猿之助宙乗り相勤め申し候

    流星 猿之助
    織姫 尾上右近
    牽牛 巳之助

2016/07/24

【温泉】ブナ原生林に囲まれたロッジ風の宿でいただく山菜尽くしが最高!小谷温泉雨飾荘(★★★★)

Img_1336 1ヶ月以上遅れのご報告が続いております。
 ぽん太とにゃん子は6月上旬、今年最後の山菜をいただこうと、長野県の北部、小谷温泉の雨飾荘に行ってきました。こちらが公式サイトです。
 小谷温泉は、雨飾山の南に位置する小さな温泉で、宿はたったの3軒だけ。そのうちの一つ、江戸時代の木造建築が残る山田旅館に泊まったときのご報告は、すでに書きました。
 雨飾荘は、小谷温泉の一番奥にある宿。小谷村の第三セクターの運営ながら、オシャレな山荘風の建物。山菜盛りだくさんプランのお食事は、山菜好きのぽん太が食べたことのないものが出てきました。お風呂はもちろん源泉掛け流し。無色透明のお湯ですが、舐めると炭酸味がします。宿のすぐ近くには、野趣溢れる露天風呂もあります。ぽん太の評価は良きかな良きかなの4点です。

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Img_1299 オシャレな山荘風の建物です。
 実はもともとここは、「とちの樹亭」という名前の宿でした。ぽん太は「とちの樹亭」だった頃にも泊まったことがありますが、カニなど食べきれないほどの料理ができてたのを記憶しております。
 一方、旧「雨飾荘」は、ここから2〜300メートル坂を下った曲がり角に建ってました。例えばこちらのサイトを御覧下さい(温泉ウォーキング/浦和発)。現在は取り壊されて更地になってますが、ぽん太はこの宿にも昔泊まったことがあります。カメムシは多かったですが、素朴な雰囲気のある宿でした。
Img_1324 ロビーもシックです。
Img_1301 お部屋は和モダン風の和室。広々しております。窓の外には雨飾の美しい森が広がります。
Img_1304 お風呂の壁と床には乱形石貼りで、やはり山荘風ですね。奥の窓の向こう側に露天風呂があるのですが、露天風呂に行くには、浴槽の中をジャブジャブ歩いて行き、右奥のドアから外に出るという仕組みで、ちょっと珍しい造りです。
Img_1316 露天風呂はあまり広くはありませんが、広々とした風景が眼前に広がります。
Img_1323 お湯は無色透明ですが、スベスベ感があり、ちょっと油臭がします。舐めると炭酸味がし、少し甘いです。温度調節のため加水をしているそうですが、源泉掛け流しです。源泉の注ぎ口や、洗い場の床には、薄茶色の結晶がみられ、結晶成分も豊富なようです。
Img_1310 温泉分析表です(クリックで拡大します)。泉質は、ナトリウムー炭酸水素塩温泉。泉温は53.8度。pH7.03の中性ですから、スベスベ感は成分の作用ですかね。炭酸水素イオン2414mg/kgはなかなかの含有量で、遊離二酸化炭素も316.9mg。豊富な源泉が新鮮なまま掛け流されているので、舐めると炭酸味がします。いくら数値が多くても、湧出量が少なかったり、循環していたりすると、炭酸成分は抜けてしまいます。
Img_1309 温度調節のため加水はしていますが、循環・加温・消毒なしの源泉掛け流しです。
Img_1326 宿を出て、2〜3分歩いたところに、「雨飾高原露天風呂」があります。ブナ原生林の中の野趣あふれる岩風呂です。ちゃんと男女別になっております。撮影禁止なので写真はありません。
Img_1332 温泉分析表です。内湯とは違う源泉のようです。泉質は同じくナトリウムー炭酸水素塩温泉。泉温51.8度、pH7.0です。こちらの方が、内湯より、スベスベ感が強い気がします。こちらも温度調節のための加水のみの、源泉掛け流しです。ってゆーか、「加水」というのは、湯船の横の蛇口からホースを使って自分で水を注ぐ分であって、湯口から注がれているのは源泉なんだと思います。とっても素晴らしい野天風呂ですが、ブヨがいるので刺されないように注意!

Img_1370 夕食は和モダンのレストランでいただきます。
Img_1367 本日のメニューです(クリックで拡大します)。こんかいは山菜盛りだくさんプランを選択。
Img_1339 美味しそうですね!今年は雪が少なく、雪解けが早かったため、山菜も早めはやめに出てきて、6月上旬のこの時期、もう最後だそうです。食前酒はヤマブドウ。イワナのお造りが見た目も涼しげです。
Img_1343 左がウドブキ、右がユキザサ。どちらもぽん太は初めてです。ユキザサって、山でよく見かけるやつですよね。でも山菜として食べるには、葉が開く前に採らないといけませんから、素人ではちと危険です。
Img_1344 イラも初めて。
Img_1349 ハーブ鳥の煮物には、アザミが添えられてます。
Img_1350 天ぷらは、ハナイカダ(!)、ウド、ウドブキ。そして茶色いのは、イワナのはらみだそうです。
 さらに、A5ランクの信州プレミアム牛に、シナノユキマスのソテーもつき、信州だから手打ち蕎麦も当たり前、デザートはアカシア(!)のシャーベット。ほんに美味しゅうございました。

Img_1368 朝食の干物はなんとノドグロ!夕食のそば湯を使った湯豆腐も美味しゅうございました。

2016/07/16

【登山】レンゲツツジはちょっと早かったけどズミ満開/車山・殿城山

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 温泉に泊まってたらふく食うための事前腹ごなしが必要。各地の天候と気温を見計らって、霧ヶ峰を適当に歩くことにしました。

【山名】殿城山(1800m)、車山(1925m)
【山域】八ヶ岳・蓼科
【日程】2016年6月8日
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】晴れ
【ルート】車山肩駐車場10:45…殿城山11:50…車山12:54…車山肩駐車場13:21

(※3D地図や当日の天気図などは「山行記録のページへ」をクリック)
【マイカー登山情報】広々した車山肩駐車場を利用。バイオトイレもあります。

 こんかいは、これまで歩いたことのない、ゼブラ山〜山彦の北の耳〜南の耳と続く稜線を、行けるところまで歩いてみることにしました。そこで駐車場から、霧ヶ峰湿原の脇を通り、車山乗越へと向かいます。冒頭の写真がその道です。右上に車山山頂のレーダーが見えてます。

Img_1270 白い花が満開の木があります。

Img_1269 ズミ……でしょうか。白い花びらが柔らかくて清楚ですね。

Img_1271 蝶々深山方面に向かう道。

 車山乗越から南の耳に向かう稜線を歩きます。途中の峰から右に折れて、殿城山に行くことにしました。多くのハイカーでにぎわう霧ヶ峰ですが、こちらは人っ子一人おりません。

Img_1278 途中に突然、気持ちのいいダケカンバ林がありました。手前のやや右に、一本だけ白樺が混ざってます。

Img_1281 こちらが殿城山の山頂です。登山というより、下ってちょっと登る感じ。

Img_1290 エコーバレースキー場の上部です。

Img_1282 殿城山の山頂です。霧ヶ峰全体では、レンゲツツジはまだ咲き始めでしたが、山頂周辺はちょうど満開でした。向こうに見える山は蓼科山ですね。蓼科山を見ながらお弁当を頂きました。

Img_1287 色も濃いですね〜。

Img_1289 つぼみも美しい造形です。

Img_1296 せっかくなので、帰りは車山山頂を経由して、カロリー消費。
 しかし、車山山頂から車山肩に下る道、あまりに遠回りすぎます。自然保護もわかりますが、もうちょっとショートカットの道を一本通していただけないでしょうか。

2016/07/15

【寺院】 各国の人たちでにぎわう高尾山薬王院

 6月の高尾山登山のご報告をしてましたが、長くなりましたので、薬王院だけ別にご報告いたします。薬王院の公式サイトはこちらです。

Img_1259 山門です。
 薬王院の正式名称は、高尾山薬王院有喜寺。天平16年(744年)に聖武天皇の勅命により開山。本尊は薬師如来でした。
 永和年間(1375年 - 1379年)に飯縄権現を守護神とした頃から、修験道の性格も加わりました。

Img_1258 さて、恒例の仁王様は……。あれ?変な人が入ってるぞ。何でしょう。神社の鍾馗様でもないし。四天王の誰かでしょうか?

Img_1257 その先の真新しい仁王門に、仁王様がいました。阿形だけご紹介。

Img_1251 そして大本堂です。建立は明治34年(1901年)と新しいですが、細かく彫刻が作り込まれ、さまざまな札やら旗やらの装飾も加わって、参拝客が多くて栄えているお寺の印象です。このなかに開山時の本尊の薬師如来と、途中で加えられた本尊の飯綱権現が祀られているはずですが、拝観することはできません。たまにご開帳をしているようなので、機会があったら行きたいと思いますが、いつかよくわかりません。
 薬師如来の写真はちょっとググったんですけど見つかりませんでした。
 飯綱権現の方は、薬王院の公式サイトに写真があります(http://www.takaosan.or.jp/about/img/gongensama_2.jpg)。なかなかの異形です。烏天狗のようにクチバシがあり、背中には羽根があります。右手に剣、左手には索を持つところは不動明王のようですが、索を上から掴むように持っているのが気になります。光背はメラメラと炎のごとく、頭上でグルグル渦巻いてます。狐に乗っており、その狐の口は金剛杵を咥えております。
 しかしこの写真が、薬王院の御本堂のものかどうかは書いてないのでわかりません。

Img_1253 軒下には、でっかい烏天狗のお面が飾られています。

Img_1239 こちらが御本社(権現堂)です。こちらははっきりと権現造の神社形式ですね。現在の本殿は(享保14年)1729年建立され、幣殿と拝殿は宝暦3年(1753年)にが建立されたそうです。

Img_1237 美しく彩色された彫刻が見事です。

Img_1236 人物の顔など、どこかマンガチックです。

Img_1234 奥の院(不動堂)です。室町以前の作の「木造不動明王及び二童子立像」が祀られているそうですが、これも拝観はできません。

2016/07/14

【登山】青空に思い立って高尾山

 うっとうしい梅雨のまっただ中の6月2日。朝起きたら何と雲ひとつない青空!思わず顔を見合わせたぽん太とにゃん子、どちらからともなく突然思い立って、高尾山に行くことにしました。

 高尾山といえば、登山を始めようと思い立った中年ぽん太が最初に登った山。あれから二十数年、ミシュラン三つ星も獲得しでどう変わっているのか。楽しみです。
 今回はビールを飲むために電車でアプローチ。高尾山山頂を経て陣馬山方面に縦走し、時間を見計らいながら適当なところでビールを飲んで戻ってくるという企画です。

【山名】高尾山(599m)、城山(670.3m)
【山域】奥多摩・高尾
【日程】2016年6月2日
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】快晴
【ルート】高尾山口駅11:41…琵琶滝11:52…高尾山12:53…城山14:32…薬王院15:49…琵琶滝16:23…高尾山口駅16:36

Img_1198 高尾山口駅はすっかり新しくなってました。設計は今をときめく隈研吾。悪くはないけどなんだかな〜。当たり障りがないところが、万人受けする理由かしら。

Img_1202 晴天で暑そうなので、谷沿いを登る6号路(琵琶滝コース)を選択。登り始めてすぐのところにお地蔵さんの集団を発見。

Img_1202_2 良く見ると手前はお地蔵さんではなく、七福神のようですが、フォルムといい表情といい、ディズニーの7人の小人といった感じです。

Img_1203 その先にあるのが高尾病院。ぽん太の領域の精神科病院ですね。近世、琵琶滝では精神病者の水治療が広く行われ、このあたりには逗留のための旅館が建ってました。そのうち一つの佐藤旅館が姿を変えて、高尾病院になったということは、以前に書いたことがあるような気がします。

Img_1205 さらにちょっと行くと、小さな祠がありました。祀られているのは地蔵菩薩でしょうか。水場を守るとともに、感謝を捧げるためでしょうか。

Img_1207 次に現れたのは「岩屋大師」。高尾山はパワースポットが目白押しです。

Img_1210 まず向かって右の岩屋。左は弘法大師か?右は何でしょう。

Img_1211 ついで向かって左の岩屋。地蔵菩薩でしょうか。「新山」と書いてありますが、いわれはわかりません。

Img_1212 琵琶滝に到着です。立派な祠がありますね。祠には「大聖不動明王」と書いてあります。

Img_1216 神仏習合の狛犬君。向かって右です。子狛犬を踏んづけております。子狛犬の顔は可愛くありません。

Img_1215 向かって左です。こちらは鞠。

Img_1218 けっこう見事な浮き彫りがありますが、残念ながら朽ち果てています。

Img_1214 こちらがその琵琶滝ですね。

Img_1220 美しい初夏の林です。

Img_1221 有名な二階建てバイオトイレ。男性の入口は、左側の階段の下にあるのですが、わからずに探していたら、外人さんが教えてくれました。さすが国際的な山です。

Img_1222 高尾山山頂から東京の街並を眺める。

Img_1223 そして富士山です。

Img_1229 高尾山から先の縦走路は、過剰整備が目立ちます。御覧のように、砂利を敷き詰めた道と、木の階段が続きます。地図を持たないハイカーが迷わないようにしたものか、それともマウンテンバイクが入れないようにしたのか、ぽん太には意図がわかりません。ただ、自然の中のハイキングの雰囲気はまったくありません。

Img_1226 城山山頂。天狗の像があります。城山でビールを飲んで引き返すことにしました。

 下りは1号路を辿り、薬王院を経て、ケーブルカー駅の手前から右折して琵琶滝への抜け、6号路で高尾山口駅に戻りました
 長くなったので、薬王院に関しては稿を改めてご報告したします。

2016/07/12

【仏像】木造阿弥陀如来坐像(重文)円福寺@新潟県魚沼市

Img_1153 5月中旬、ぽん太とにゃん子は、新潟県は魚沼市、駅で言うと上越線小出駅に近い、円福寺を訪ねました。
 公式サイトはなさそうなので、地図などはこちらの円福寺/にいがた観光ナビをご覧下さい。
 伽藍が残っていて、たいそう本格的なお寺です。奈良時代に創建された古刹で、かつては上杉謙信も帰依したそうです。

 

Img_1178 苔むした庭も手入れが行き届いており、京都の古寺のような洗練された雰囲気が漂います。

 

 国指定重要文化財の木造阿弥陀如来坐像は、宝物殿に安置されております。撮影禁止なので写真はありませんが、例えばこのような写真こちらのブログにアップされておりますので、ご参照下さい。
 建保2年(1214年)の作。素朴ないわゆる地方仏ではなく、洗練されたお姿で、このお寺の雰囲気によくあってます。一木造りだそうですが、坐った状態で像高87cmあり、けっこうな巨木が使われたと思われます。

 

 阿弥陀様の向かって右には、県指定文化財の木造毘沙門天立像。鎌倉時代の作で、パンフレットには運慶の作と書いてありますが、神奈川県の浄楽寺の毘沙門天(こちら)や静岡県の願成就院の毘沙門天(こちら)のような躍動感は、残念ながらありません。

 

 向かって右には地蔵菩薩が、右手に錫杖ではなく釣り竿のようなものを持って立ってました。
 阿弥陀如来に、毘沙門天と地蔵菩薩という取り合わせは珍しい気がしますが、指定文化財二つに地蔵菩薩を加えただけで、宗教的意味合いはないのかもしれません。

 

Img_1175 こちらが金堂(燕堂)で、明暦3年(1657年)に建てられたものだそうです。

 

Img_1173 神仏習合の狛犬付きです。まずは阿形。バランス良く筋肉に躍動感が感じられ、巻き毛の表現も見事です。

 

Img_1174 こちらは吽形。

 

Img_1164 内部の装飾も見事です。

 

Img_1163 また、欄間には見事な透かし彫りが多数はめ込まれております。

 

Img_1171 奥にはりっぱな庭園もあります。江戸時代に京都から庭師を招いて造ったもので、京都風の苔庭です。

 

Img_1155 また、境内には隠れキリシタンの地蔵菩薩や供養塔があります。

 

Img_1156 このように近くで見ると、錫杖の頭の部分に十字架が彫られています。
 隠れキリシタンの仏像が、こんなところに堂々と置かれているのは不思議に感じますが、このお寺が治外法権的な立場にあったため、住職がかくまう意味で置かせたのではないかと考えられているそうです。

 

 

円福寺(新潟県魚沼市)
 木造阿弥陀如来坐像  建保2年(1214年)、像高87cm、桂材、寄木造、漆箔、国指定重要文化財
 木造毘沙門天立像  鎌倉時代、像高98cm、桂材、寄木造、県指定重要文化財
 木造地蔵菩薩立像 檜、寄木造

 

2016/07/11

【仏像】木喰の明(妙)見菩薩@塩沢、君帰観音@南魚沼(見れず)

Img_1126 5月中旬、木喰の明見菩薩を拝観しに、塩沢の牧之通りに行ってきました。

 

Img_4437 いまではスキー場で名高い塩沢ですが、古くは旧三国街道の宿場として栄えました。その街並が地元の人たちの努力によって整備され、この地に生まれた鈴木牧之(すずきぼくし)の名にちなんで、牧之通り(ぼくしどおり)と名付けられました。

 

Img_1131 そこにある中島家は、昔は廻船問屋として栄えたそうで、現在はお土産屋さんになっております。公式サイトはこちらです。
 中島家に伝わるのは、木喰が88歳の時(文化二年・1805年)の作という明見菩薩。
 一般には「妙見菩薩」という漢字があてられますが、北極星を神格化したもので、江戸時代に信仰を集めました。妙見菩薩像のうち日本で唯一重要文化財に指定されている像が、なんとよみうりランドにあることは、以前の記事で書きました。
 冒頭の写真がその明見さま。像高40センチ弱の小さな仏様ですが、右手に宝珠を持ち、木喰特有の笑顔でニコニコと笑っておられます。
 店番をしてらした奥様のお話では、つい最近まで、病気になったりすると抱いて寝たりしていたそうで、観光客にも抱かせていたそうですが、像の裏側の墨書がだんだんかすれて読めなくなってきたため、今はレプリカを作って、そちらを抱いてもらっているそうです。ぽん太もレプリカを抱かせて頂きました。

 

 

Img_1133 次に訪れたのは君帰観音堂(きみがえりかんのんどう)です。地図などは、こちらの君帰観音堂/にいがた観光なびを御覧下さい。

 

Img_1134 仁王門です。

 

Img_1136 向かって右の阿形。服を着ているのが珍しいですね。

 

Img_1137 顔がかなり怖いです。子供なら泣きそうです。「仁王」とは違った何かが混ざっているような気がします。

 

Img_1135 向かって左の吽形です。破れた服が怖さを増強しております。

 

Img_1152 こちらが観音堂です。宝永2年(1705年)の改築。平成20年(2008年)に修復されたそうです。

 

Img_1149 狛犬があるのは神仏習合の名残か?こちらは向かって右の阿形。仁王様と違って肉付きがリアルで、ほっぺたが膨らんでます。角はありませんね。

 

Img_1150 向かって左の吽形です。鞠を持ってます。

 

Img_1138 境内にある石仏は不動明王か?そこらにいる親父さんみたいです。

 

 

Img_1148 お堂の内部です。新しくて豪華ですね。

 

Img_1139 中央に新しいきらびやかな厨子がありますが、扉は固く閉ざされております。この中に君帰観音がいらっしゃるようですが、残念ながらお姿は望めませんでした。カツラ材、一木造り、像高1.49m、承久2年(1220年)の銘が書れているそうです。秘仏で、ご開帳は12年に一度、あるいは32年に一度とのこと。次はいつでしょうか?

 

Img_1132 案内板です(クリックで拡大します)。都から落ち延びてきた源義経一行が、携えてきた観音像をここに残していったという伝説があるそうです。像容や、背面に記された墨書の書体から見ても、その時代のものと推定されるそうです。

 

Img_1140 向かって右の眷属です。四天王でしょうか。手や持物が欠けていてわかりません。

 

Img_1141 向かって左の眷属です。

 

Img_1145 さらに向かって左に安置されている如来様。欠損が著しいですが、丸っこくて可愛らしい素朴な如来様です。

 

Img_1147 こちらは向かって一番右に安置されていた仏様。聖観音菩薩でしょうか。こちらの方が「整って」いますが、その分、味わいには欠けるようです。

2016/07/09

【山菜】山菜美味しや、六日町温泉「いろりあん」再訪(★★★★)

Img_1110 以前に山菜目当てに泊まっで大満足だった「いろりあん」から、割引券付きの案内状が来たので、今年もまた5月中旬に行ってきました。こんかいも美味しい山菜を満喫することができました。
 真ん中の野菜の煮物の小鉢とニシンの小鉢を除いて、左下から時計回りに、キノメ(アケビの新芽)、コゴミ、ゼンマイ、ワラビ、ミズです。
 キノメはちょっと珍しいですね。ミズはシャキシャキして美味しいです。

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Img_1109 こちらは山菜鍋。セリやウルイは定番ですが、青ミズというのは初めていただきました。アマドコロは山でよくみかける山野草ですが、食べられるとは知りませんでした。モミジ笠も珍しいです。
 お食事は山菜以外にも、岩魚の塩焼きなど何品かが出て来ます。

Img_1112 新潟といえば酒どころ。地酒の飲み比べセットをひとつ注文し、にゃん子と二人で飲みました。これまた美味しいにゃ〜。


Img_1120 こちらは朝食です。朝食にも山菜君が登場。ご飯は一人用のお釜で炊きたてをいただきます。だた、魚沼産コシヒカリとのことですが、それにしては何か美味しくない気がするのはどうして?


Img_1097 お風呂はタイル貼りで新しく清潔です。無色透明のお湯で、循環加熱・殺菌しているので、ちょっと温泉力が弱いのが難点。そのかわりというか、手前に「薬湯」の浴槽もついてます。

Img_1094 やや小さめながら露天風呂も付いております。まわりの囲いが高めで視界は限られますが、美しい魚沼の森を見ながら入る温泉は格別です。

Img_1099 温泉分析表です(クリックで拡大します)。成分は単純温泉です。

Img_1102 加水はしていないのですが、循環加温・殺菌をしているので、温泉力がちょと弱いのが残念なところ。


Img_1092 こんかいも様々な山菜をいただくことができて、山菜好きのぽん太とにゃん子は大満足。地酒も美味しゅうございました。温泉力はちと欠けますが、山菜が目当てなので、ぽん太の採点は4点です!

2016/07/04

【登山】快晴で気持ちえ〜。早春の三国山

Img_1063 ルーマニアのご報告をしているときりがないので、5月中旬の登山のご報告をいきましょう。軟弱三国山登山です。
 ♪恋人がサンタクロース。背の高いサンタクロース。バブル華やかなりしころ、関越自動車道月夜野インターをおりてから、大渋滞の国道17号線を4時間かけて行った苗場スキー場。その途中にある三国トンネルの上に位置する三国峠は、越後と関東を結ぶ歴史ある峠です。その近くにある三国山も含め、前から行ってみたいと思っておりました。
 三国峠の名前の由来は、言うまでもなく三つの国が接する峠だからで、上野(こうづけ)(群馬)、越後(新潟)……あれ?二つしかない。もひとつは信濃(長野)だそうですが、現在は三国峠に接してません。昔はここまで信濃が延びてたのかしら?ちなみに現在、群馬・新潟・長野が接しているのは、三国峠より10kmほど西にある白砂山(しろすなやま)ですね。

【山名】三国山 1636.4m
【山域】谷川・武尊
【日程】2016年5月18日
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】快晴
【ルート】三国トンネル群馬側出口駐車場10:58…三国山12:35…駐車場13:53

(※3D地図や当日の天気図などは「山行記録のページへ」をクリック)
【マイカー登山情報】三国トンネルの群馬側に三坂線駐車場がありますが、もうちょっとトンネルよりの橋の手前にも、駐車場があります。
【関連リンク】
旧三国街道・三国峠を歩こう!:猿ケ京温泉のまんてん星の湯のサイト内のハイキングマップ。情報たっぷり。お勧めです。プリントして持ってきましょう。

Img_1062 東京はもう晩春ですが、ここはまだ早春。美しい新緑のトンネルです。

Img_1065 ひと登りすると三国峠に到着(記事の冒頭の写真です)。鳥居があって、祠が建っております。由緒書きがこの写真(クリックで拡大します)。
 この社は「三国権現」といい、祭神は、越後の一の宮・弥彦神社の大神、上州一の宮・赤城神社の大神、信州一の宮・諏訪神社の大神、だそうです。
 一宮 - Wikipediaによると、上野国の一の宮は、安中にある一之宮貫前神社のようですが、細かいことはいいでしょう。

Img_1080 ここからはすり鉢型の山頂を目指して、ひたすら階段を登って行きます。

Img_1075 ウグイスが梢で鳴いておりました。普段は茂みのなかで鳴いていることが多く、なかなか目にすること機会はありません。
 え?ウグイス色じゃないから違う鳥だろうって?みなさんがウグイスだと思っている庭先の梅の枝によく止まっているうぐいす色の鳥は、ウグイスではなくてメジロです。本当のウグイスはこのような灰色の鳥です。

Img_1078 台地のような山が、苗場山です。手前は苗場スキー場と苗場プリンス。

Img_1082 あっという間に山頂に到着。

Img_1083 南の群馬県側の景色です。やや左にあるのが赤城山。右手前の三角の山は子持山です。

Img_1086 山頂からちょっと北へ進むと、北側の展望が広がります。左から平標、仙ノ倉、万太郎。谷川岳へと続く稜線です。

Img_1085 7月にはニッコウキスゲが咲き乱れるそうですが、この時期はあまり花はありませんでした。タムシバの白い大きな花びらが印象的でした。
 延々と階段の上り下りで、けっこう足が疲れました。

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