白骨、乗鞍と温泉に泊まりながら、登山に適した好天を待ち続けたぽん太とにゃん子、ついに台風が過ぎ去った機をとらえ、焼岳に登ることにしました。日帰りも可能な山ですが、こじんまりした焼岳山荘に泊まって、一泊二日の行程としてみました。
またしてもクマに遭遇し、大幅にタイムロス。焼岳小屋はとてもアットホームな山小屋でした。
【山名】焼岳(2444.3m)
【山域】槍・穂高・乗鞍
【日程】2016年8月25日〜8月26日(1泊2日)
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】快(8/25)曇り時々晴れ間、(8/26)晴れ
【ルート】(8/25)新中の湯登山口9:32…13:07焼岳13:57…14:45焼岳小屋(泊)
(8/26)焼岳小屋6:40…10:04西穂山荘10:40…西穂高岳登山口12:45…河童橋13:20…上高地バスターミナル13:41
(※3D地図や当日の天気図などは「山行記録のページへ」をクリック)
【マイカー登山情報】沢渡に車を停めてタクシーで新中の湯登山口まで行くと、6千円くらいかかります。新中の湯登山口には20台くらい停められる駐車場がありますが、ハイシーズンにはすぐ満杯になりそう。
【注意】(旧)中の湯登山口からのルートは廃道となっており、通行できません。
以前に登った旧中の湯からのルートが廃道になっているので、沢渡に車を停め、タクシーで新中の湯登山口まで行きましたが、なかなかの出費となりました。
平日でしたが夏休みも終盤の台風一過の好天だったせいか、この焼岳山頂への最短ルートを利用して、若いカップルや、おばあさんから孫まで三世代10人ぐらいのグループなど、多くの登山客が焼岳を目指しておりました。なかでも越にぶら下げたミュージックプレイヤーから大音量で演歌を流しながら登ってきたおじさん、ぽん太とにゃん子の姿を見て、あわててボリュームを下げてました。
ところが、すれ違いに下山してきた登山客から、クマの出没情報が。なんでも登山道近くに子グマが出現。近くに母クマもいたとのこと。またかいな。注意しながら、おそるおそる歩みを進めます。
その後にすれ違った登山客からは、3匹いるとの情報も。
山頂までもうすぐのU字の谷のところで、停滞している人たちが。写真の、ちょっと上にある茂みのなかに、クマが潜んでいるということ。上から下山してきた人も、停滞して様子を伺っています。
しばらくすると、茂みの上のあたりに子グマが見えました。高山植物の実を食べているのか、ノロノロと斜面を歩いております。
このあたりからの人間モニタリングが面白かったです。諦めて下山する手もありますが、頂上目前なので、なんとかクマがどいてくれないかと期待して、みな様子を伺っています。そのうちクマはだんだん向かって左に移動。登山道から離れたところで岩の下にでも隠れたのか、姿が見えなくなりました。
すると男女合わせて5〜6人の中高年男女の団体が、いきなり上から下山を開始。下から、茂みにクマがいるかもしれないと大声を出して知らせようとしましたが、団体は聞く耳持たず下山を継続。これはもうクマに襲われても仕方ないと見守っていると、難なく茂みを通過。
降りてきた団体に話しを聞くと、「子グマだったよ〜」と写真を見せてくれました。「結婚してって言ってたわ〜」とおばさん。何の恐怖心も危機感も抱いていないようでした。こういう人たちが、危険を顧みずに新たな世界を広げてくれるというか、一歩間違えたらクマに襲われてたというか、パイオニアだなと思いました。
それでも皆、登るのを躊躇していると、先ほどの演歌おじさんがいきなり登山を開始。皆が見守っているなか、茂みの手前まで行くと、ミュージックプレイヤーのボリュームを最高にして演歌でクマを威嚇。北アルプスの谷間に演歌の歌声がしばし鳴り響くというシュールな光景。しばらくして茂みに突入すると、無事通過して登っていきました。
こりゃ大丈夫なんじゃないかと、停滞していた登山客が一斉にスタート。イワシの大群じゃないですが、これだけいれば鮫に自分が襲われる確立は少ないんじゃないかという心理です。
ぽん太とにゃん子も、クマ鈴を手に持って振りながら、おそるおそる茂みを通過、山頂目指して登山道を登りました。
結局、約1時間のタイムロスとなりました。
通り過ぎて下を振り返る。この写真のどこかに、子グマが隠れてます。親グマもいたのかどうか、定かではありません。3匹いたという情報もありましたが、ホントかどうかわかりませんが、危機的状況における情報の不正確さを改めて思い知りました。
焼岳北峰の横腹から、噴煙が上がってます。
一瞬、雲がはれて、上高地が見渡せました。中央あたり、梓川の向かって右にある赤い屋根が上高地帝国ホテルですね。
焼岳山頂(北峰)。台風の余波で、雲がすごいスピードで流れて行きます。
北峰から見た南峰と、火口湖。南峰は現在も登山禁止。
山頂にて、風向きによって時おり火山ガスを吸いながら昼食を食べ、焼岳小屋に向かって下山。
今は〜もう秋〜。アザミやリンドウが咲いてました。
焼岳小屋の緑の屋根が見えてきました。
焼岳小屋は、大きな岩の前に建つちっちゃな山小屋。生ビールが飲める巨大な山小屋が多い北アルプスで、こういう昔ながらの山小屋もいいですね。
水は雨水利用で、有料です。缶ビールも溜めた水に浸けてあるだけ。
食堂です。
食堂から垂直のハシゴを登ると、二階が寝室です。この夜は団体を含めて20人くらいが泊まり、ほぼ満員。定員は25人です。
夕食は、食前酒の果実酒がついて、メインは豚肉生姜焼き、スイカまでついて、なかなか美味しかったです。お姉さんありがとう。
夕食後は電気を落とし、ランプで歓談。いいムードです。
実はこの夜、山小屋からピストンで山頂を目指した人が道に迷い、日が落ちてから小屋番が迎えに行くという事件がありました。ここでも様々なドラマが繰り広げられたのですが、関係者に配慮してブログに書くのは止め、ぽん太が個人的に飲んだときの話しのネタにしておきます。
夜中には雨も降りましたが、翌朝は快晴。昨日は顔を見せなかった焼岳を、小屋の前から見ることができました。
朝食は、女性らしい可愛らしい一皿。お姉さんありがとう。ぽん太とにゃん子ももそのうち小笠原に行ってみるよ。
焼岳小屋から直接上高地に降りるルートは以前に歩いたことがあるし、時間に余裕もあるので、西穂山荘まで稜線を歩いて、上高地に下ることにしました。
西穂山荘まで来ると、西穂が目の前。登りたいけど、今回はパスです。
そして海苔で西穂をかとだった、西穂山荘名物のラーメンを頂きました。スープは美味しかったけど、今回は麺がちょっと生煮えだったかな。でも山では最高のごちそうです。
西穂山荘から上高地に下る道は、木道に階段と、とても整備されています。でも最後の方はすごい急登で、ぽん太もにゃん子も足がガクガクになりました。
久々にウェストン碑に詣でました。
河童橋付近は、川遊びする家族づれがいっぱい。
河童橋左岸の上高地ソフトクリームを頂く。あゝ、おいし。
さわんど温泉、お食事処池尻の温泉で汗を流しました。
ハイカーでごった返す沢渡のなか、安くて空いてていいです。お湯は源泉掛け流し。ただ、利用客が少ない分、湯船のお湯がとっても熱くなってたりするのでご注意を。
温泉分析表です(クリックで拡大)。
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