【仏像】密教らしい迫力ある仏さま/明通寺(福井県小浜市)
2016年11月中旬の小浜仏像の旅。お次は明通寺です。山の斜面に大木に囲まれて、国宝の建物を含む伽藍が残っています。紅葉も綺麗でした。
【寺院名】真言宗御室派 棡山(ゆずりさん) 明通寺(みょうつうじ)
公式サイト 【住所】福井県小浜市門前5-22
【拝観】拝観料500円。毎日拝観可。
【仏像】
・木造薬師如来坐像 像高144.5cm 寄木造 平安末~鎌倉初期 重要文化財
写真:若狭小浜のデジタル文化財、明通寺公式サイト ・木造降三世明王立像(ごうざんぜみょうおう) 像高252.4cm 一木造 平安後期 重要文化財
写真:若狭小浜のデジタル文化財、明通寺公式サイト ・木造深沙大将立像(じんじゃたいしょう) 像高256.6cm 一木造 平安後期 重要文化財
写真:若狭小浜のデジタル文化財、明通寺公式サイト ・木造不動明王立像 像高161.8cm 桧 一木造 平安末期 重要文化財
写真:若狭小浜のデジタル文化財、明通寺公式サイト ・十二神将 玉眼 鎌倉時代から室町時代
・木造金剛力士像 像高 阿形189cm、吽形188.5cm 寄木造 玉眼 文永元年(1264)市指定
まずは仁王様から。等身大より一回り大きいくらいですが、均整が取れたプロポーションで、迫力があります。特に吽形像の表情は、目鼻口が一点に集まってます。
本堂は国宝に指定されております。鎌倉時代に再建されたもので、桧皮葺の屋根を持つ和風建築ですが、雅やかさよりも、鎌倉らしい凛とした風情があります。
この本堂の内部に、仏様が祀られてます。
ご本尊の薬師如来さまは、像高144.5cmと半丈六くらいの大きな仏様で、堂々としております。全体のプロポーションは定朝様のように整っておりますが、お顔は鷲鼻で小鼻も張っており、切れ長の目や三日月型の眉など、独特な迫力があります。衣紋も流麗というよりも力強いです。
ご本尊の向かって右におられる降三世明王は、大自在天とその妃の鳥摩を踏んづけた定型のお姿。迫力と雅やかさを兼ね備えた平安後期の作。
向かって左の深沙大将(じんじゃたいしょう)は、ぽん太は初めてお会いする仏さま。インドから移入された天部の仏様で、『西遊記』の沙悟浄のモデルとも言われ、日本では大般若十六善神の一人とされているそうです。
忿怒の形相で怒髪天を衝き、頭にはドクロ、腹には幼女の首、戟と蛇を持つ姿は定型だそうです。重文の深沙大将は、岐阜県の横蔵寺、京都の金剛院と、全部で3体しかないそうです。
どっしりとした迫力のある仏様ですが、右胸から右腕の付け根にかけてのデッサンが少し変。
不動明王さまは、すでにご紹介した羽賀寺のご本尊の十一面観音菩薩の、脇侍だったものを譲り受けたんだそうです。お顔は平べったいです。
他に十二神将もありました。躍動感はありませんが、どっしりとしたお姿でした。
鎌倉時代中期に再建された三重塔も国宝です。屋根が桧皮葺で、落ち着いた雰囲気の塔。
今回は第一層の内陣が特別公開されておりました。
正面には釈迦三尊像がありました。脇侍は獅子に乗った文殊と象に乗った普賢のお定まりの形。
裏側は阿弥陀三尊像。両脇侍の観音・勢至が立膝なのが珍しかったです。
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